勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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最終決戦終焉の一歩手前

「ミスト!!」

 

親友が玉になった瞬間、アバンとラーハルトの間をすり抜けミストを自分で保護しようと玉に手を伸ばし触れる瞬間に、ミストとヒュンケルとマァムの玉も消え失せた。

もしやとティファに目を向ければ、申し訳なさそうなティファと目が合った!

 

「お嬢ちゃん・・・」

「キル・・・」

「流石に!其れは返してもらうよ!!!」

 

空間を使えずとも、ティファの側に寄る為にポップ・ラーハルト・アバンを足止めするくらいのことは出来るキルは、見えざるトラップを発動しながらティファに一気に迫る。

 

当然ティファの前で陣取り守っているポップは無論の事、アバンとラーハルトもすぐさま駆け付けようとするのをティファが自ら迎撃に出ながら三人に動くなと大音声で呼ばわった。

 

ティファは今何が起きているのかを、雪白を取り出しキルの大鎌と打ち合いながら、罠が張り巡らされたと事を説明する。

 

「今キルの頭巾から十三本の剣が出るのを見ました!!!見えなくとも実際にはあるものです!ポップ兄と先生で自分達を起点とした一帯にヒャダルコ級の氷系呪文を!きっと凍った剣が見える筈です!!」

「お嬢ちゃん・・・君って奴は!!!」

 

どうしてこの愛している少女は自分達の全ての手を読みつくして邪魔をするのだ!!

 

自分と打ち合いながらも的確な指示を出す少女に憎しみすら感じる!

自分は決して手を抜いておらず、本気で討ちあっているのにも関わらずだ!

案の定ポップとアバンが放ったヒャダルコで罠の位置は全て見破られ、ポップ達の首元に配置した剣が露呈している。

少しでもどこかに動けば首が飛ぶ罠の全てが。

 

後はキルをティファが相手している間に壊すだけだと、それぞれが互いの罠を壊しあおうとしたその時、炎の鳥がアバンを飲み込み、その瞬間にアバンは玉に変換された。

 

見ればダイとハドラーを寄せつげずに戦っているバーンが左腕に炎の残滓が残っており、2人を相手取る中でうでを一閃しただけでカイザーフェニックスを無造作に放ったのだ。

 

ダイとハドラーのタッグに負けないまでも手強さを感じているバーンは、ここでアバンの知恵迄加われば戦局は更に悪化するのを厭い、瞬時にキルの罠に合わせて即興コンビでアバンを仕留めてみせた。

 

出来ればラーハルトの方も始末を付けたかったが、アバンが玉になってもポップは心を乱さないように耐え抜き、ブラックロッドに魔力を込めて、自分の頸に傷が出来るのにも構いつけずに自分の首周りの剣の一つつと、ついでラーハルトの首周りの剣目掛けてロッドを勢いよく投擲して、キルのファントムブレードを破壊し、二撃目のカイザーフェニックスの魔の手から辛くも脱出した。

ラールトは一息つくこともせずティファとキルとの間に強引に割り込み、キルとの打ち合いにと入った。

 

「邪魔だよ槍使い君!!」

「貴様は・・・ティファ様が貴様を赦そうとも!ティファ様にした数々の仕打ちを俺が、俺達が貴様を赦すと思うなよ!!このまま俺が叩き壊してやる!」

 

キルとラーハルトが一騎打ちとなり戦いが佳境に入った頃、ダイとハドラーの方は二人の方が息が上がってきている。まだ大技のカラミティ―ウォールを撃たれていないのにもかかわらず、近づく事すらできずにいる。

 

しかし息こそ上がっていないが、バーンの方にもやや疲労の色が浮かんでいるようにダイには見えた。

今まで敵の様子をそこまで深く見たことは無いが、不思議とそう感じるのだ。

バーンも疲れが来ていると-何か-が教えてくれている気がする。

そしてここが攻め時だと!

 

「ポップ!こっちに!!」

 

自分の中の何かに導かれるように、ダイはポップを側に呼ぶ。

 

「これから俺が大技仕掛ける。時間・・・稼げる?」

 

バーンから視線を外さないまま、ダイはポップとハドラーに時間を稼いでほしいと頼む。

まだ本気で出した事の無い新必殺技を、ぶっつけ本番で出す。自分の体力の落ち方も考慮して、此処で討たねばあの大技は成功しないと踏んで。

 

「分かった!そう言う訳だハドラー!!俺と地獄の底まで付き合ってくれっか?」

「ふん!抜かせ!!そのまま俺達で大魔王を倒すくらいの気概を持ったらどうだポップよ!!」

 

ダイの新必殺技の概要までは二人も知っている。その為にも最低でも十秒の時間を稼がなくてはならない事を。そして一度も本番で試した事も相のを承知の上で、ダイの頼み事を躊躇いも無く承知し時間稼ぎを力強くかって出る。

今のダイなれば、新必殺技を成功させ大魔王に勝てると心の底から信じて。

 

二人の頼もしい返事に、ダイも同じように力強く頷きながらダイの剣を天高く掲げた。

 

「ライデイン!!!」

 

凄まじい轟音が鳴り響き、玉座の間の天井を穿ちながら降ってきた雷はダイの剣に過たず降り注ぎ、雷を帯びた自分の剣を、ダイは背に掛けている鞘の中に収めその時が来るのをひたすら待つ。

 

目の前の親友と超一流魔王の戦士を信じて。




今宵ここまで

昨日更新できない上に短めで終わってしまい申し訳ないです。

そろそろ戦いでの決着は近づいています。
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