よろしくお願いします。
ティファちゃん三分クッキング!!
まずは時間のかかるスープから。
ジャガイモ・ニンジン・春先のカブに玉ねぎをひたひたのお水でコトコト煮込んで火が通るまで、ゴメちゃんに薪をくべてもらって弱火を維持して放っておきます。
次にサラダ。
パプリカ・ハーブにルッコラに似たローソの葉に白身の魚を湯引きにして一口サイズにして合わせて、
ドレッシングはトマト焼いて皮むきして潰して、塩コショウとオリーブオイル混ぜたものを皿に盛ったサラダにかけます。
スープが煮えたところに適量の塩を入れてひと煮たちさせてから火から降ろして蓋をして、余熱で味を浸みこませます。
「ゴメちゃーん、薪追加で~。」「ピ~!」
ゴメちゃんに火力アップ頼んで空いた竈にフライパンを置いてメインのベーコンステーキ!!
これは三日前にウォーリアさんが差し入れてくれたとっておき・・式で見た限りではウォーリアさん達は無事なのは確認できている。海の男はたくましい。
さて、ステーキは時折焦げの心配をするだけで後は焼けるだけ。
そっちの面倒を見つつ、朝焼いたパンを温め直して籠に入れて、テーブルの支度をしながらスープを盛って、フォーク・ナイフスプーンと取り皿を出して、待っている皆の前に並べてメインのベーコンステーキが焼けたところで全員分出して、
「「「「「いただきます!!!!」」」」」
出された料理は豪華だった!彩のいいスープにサラダ、ベーコンステーキが分厚い!!
しかもそれをたったの三十分で出したティファが凄い!
本人はみんなに配った半分よりも少なめをゆっくりと食べているが兎も角!!
「この、スープはとても美味しいですよ。ベリーグッドですよ、ティファさん。」
「そんな照れますよ・・。」
「よろしければ今度こちらを隠し味に使ってみてください。」
「・・この瓶の中身は?」
「これは私の故郷カール王国に自生しているパテギア草の粉末です。
本来ならば生の物をその場で擂り潰して使った方が風味は断然いいのですが、味のアクセントのお役に立てます。
それに粉末になっても滋養強壮の本来の効能は損なわれていないのがパテギアのグッドなところです。」
「貴重なものをありがとうございます。」「いえいえ。」
料理の凄腕のアバンとティファは優雅に話しながら食事をし、その様子をブラスは笑って見ながらゆっくりと食事を進めていく。
先程アバンがうっかりティファの唯一の地雷を知らずに踏んでティファを泣かせてしまい二人がぎこちなくなってしまうと心配したが杞憂だったようだとホッとしている。
ゴメちゃんはベーコンステーキを細かくして出してもらったのを味わいながら食べ、
ダイ・ポップと飢えた男子二人は美味しい料理に舌鼓をうちつつ無言でバクバクと食べ、
「ティファ、スープお代わり!」「俺も!!」
鍋にあるスープを全て飲む気満々だ。
「ふえ~食った食った・・」
「もう食べらんない・・」
腹っぺらし小僧二人は満足をして、片付いていないテーブルに行儀悪くうつぶせてる。
「美味しかった二人共?」
「もう最高!!」
「ホントマジで毎日食いたい!!」
二人に感想聞いたら嬉しい事を言ってくれる。・・毎日か・・。
「そしたら、ティファも勇者一行の仲間に入れてくれる?」
「「「「はいー⁉」」」」
料理の感想を言っただけなのに・・ティファが急にへんてこな事を言いだし、男一同は本気で驚いた!!
「説明するね。」
そんな男どもをティファは尻目に、説明を始める。
「勇者は先生が居て、ダイ兄もなるんでしょ?」
「・・ええ」
「なるけど・・」
「魔法使いはポップ兄でしょ。」
「・・おう。」
「私回復の魔法も使えないから、僧侶さんにならないでしょ。」
「そうじゃの~。」
「剣も体術も得意ってことはないし・・。」
「・・そうですか。」
「そしたら・・ティファが一行にくっついていっても何の役にも立たないでしょ?」
「・・ついて来るつもりだったのティファは・・。」
「そうだよダイ兄。置いてかないでよ。
さっきダイ兄はティファの料理は魔法だって言ってくれたでしょ」
「まあ・・そうだけど・・。」
「嬉しかったし、職業決まったの。」
「・・職業?」
「ティファね!勇者一行の料理人になるの!!」
「「「「はいー⁉」」」」
満面の笑みを浮かべて堂々と奇天烈な事を言いだすティファに男一同は今度こそ呆気にとられた。
勇者一行がこの世に誕生してい早数千年・・その間様々な一行が居たと語り継がれているが、
料理人なんて職業は存在したためしがない!!
「何それ⁉
大体なんでティファがついて来るの前提なの?」
「ダイ兄一人で島の外出したら何するか心配だもん。」
「ポップとアバン先生がいるだろ!」
「それにさみしがり屋で・・夜大丈夫?」
「・・それは・・」
「おいティファ。」
なし崩し的に負けそうなダイと、ポップが交代をしてこんな説得をし始める。
「あんな、俺たち遊びに行くんじゃねえぞ?超危険なんだぞ?
先生筆頭にして、各地を助けに行くの分かってんのか?」
はっきり言えば、何の力もない女の子には危険で、無謀以外何物でもない。
「分かってる!だから日々美味しい料理食べてもらって元気出してもらうの!」
・・意外に頑固な妹分にポップは頭をバリバリとかく。顔は超真剣だ。
魔法は元の素質ゼロ、よう転ぶこいつに体術・剣術は期待できず‥いいとこ料理だけって。
「・・そもそも・・たかが料理できるから一行に入れるって・・。」
その考え自体がおかしいとポップは本気でぼやく。
先生と旅をして、大半は先生が作ってくれるが時折自分も作る。
ティファの料理は確かに先生に匹敵するが、贅沢言わなければ飯が食えればいいだけの話だ。
・・むっか!!・・ポップ兄め~!!たかが料理ですって!!
「あのねポップ兄!!」
「んだよ・・。」
「人が最低限生きていくのに絶対に必要の物って何だと思う⁉」
「え・・と、お金とか物とかか?」
「ティファはね、衣・食・住・だと思うの!」
「は?」
「衣って言うのは服の事。裸でいたらいけないでしょ?
それが無くてもモンスターよりも人は弱いから服で身を守るでしょう。」
「・・まあ。」
「住の方は家。
風雨とか悪天候から身を守るのはもちろん、帰る家があった方が、人は頑張れるでしょ?」
「・・そんなもんか?」
ああ・・家出少年には帰る家云々はあんましピンとこないか。
でも本題はこっち!
「最後になったけど食は当然食べる事。
食べないと死んじゃう。でも食べたい物を好き勝手食べてればいいってもんでもない。」
「何でだよ、腹が膨れりゃいいじゃねえかよ。」
「塩分の摂り過ぎは体の毒になる。
肉・魚だけでも体にはよくない。
適度に野菜も摂らないと体調不良の元になる。
普段の食べるものと、体が弱った時に出す料理もおのずと違ってくる。
胃の消化によいもの、弱った体の免疫を下げない為の栄養価の高い食材を提供して
普段の一行全員の体調管理をきちんと出来て、初めて勇者一行の料理人だってティファは考えてんの!!本気だよ!
勇者一行は確かに戦いの人がメインでも裏で支えるのがきちんとしていた方が、長い戦いを乗り切りやすくなると思うよ?
支えたいの皆を!だからティファも行くからね!!」
日本の生活三大基礎話でした。
あと少しでハドラー出します。
もう少々お待ちください。