勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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攫われた太陽

私には攫われる特技でもあるのだろうか?

 

ティファは胸の内で埒も無い事を考えているが、割と不味い状況で天族の長老達、ティファの言うところの老害駄天使共に魔法攻撃で追い回されている。

 

・・・・訂正する・・かなり不味い状況だこれは!!!

 

 

 

 

 

 

 

世界の真実が早々に世界全て(この場合は文字通り、赤子から老人、全ての種族含む)に伝わって、全ての非難が老害駄天使共に集まった。

 

当然だ。彼等が正しい天族として偽りなくヴァルガブル神様に・・・元をただせばヴァルガブル神様の結界を悪用して天界と魔界鎖国させなければ、人間同士の様に小競り合いや領土戦争はあったかもしれないけど、少なくとも魔界が滅ぶかどうかの瀬戸際での生存かけた殲滅戦前提の大戦争なんて起こらなかったんだから無理もない。

 

同種同士でも争うのが生き物の常だから、戦争が零だなんてお花畑にな思考は無いけど、此処まで悲惨な事に放っていないと思う。

それがなくとも瘴気で魔界の三分の一が滅んで、出生率よりも死亡率の方が高い状況なんて洒落にもなってない。

 

魔界側は無論だけど、彼等を赦せないと言っていた人達までもがその非道さに怒りの声を上げ、遂には天界の身内からも非難の声が高く上がった。

 

事ここに至っては、三神様達も庇いきれないのか、それともミナデインを使ってまで私と大魔王を殺そうとした事が・・・・まさか三神様達を・・

 

「ティファよ・・・・余は・・・あの者どもを・・」

「流石に彼等を・・・あいつ等を赦せとは言いませんよ大魔王。-アレ等-はこの世界には居てはいけない・・」

「それは貴様の事だバケモノが!!我等の領域に招待してやる!孤独のうちにて死ぬがいい!!」

 

此処迄されても敵を赦せというかとティファに確認を取ろうとしたバーンの腕から、突如としてティファの姿が掻き消えた。

一瞬の出来事で、瞬く間もなくティファの姿が唐突に消えたことでバーンもダイ達も顔を青褪めさせ狼狽える。

 

しかしバーンは狼狽えながらも思考を止めず、何が起きてどうすればティファを救えるかと考え続ける。

自分と同じ空間系の術が使われたのは間違いないとバーンは確信を抱く。

突然とは言え、空間の波を感じたからだ。

バーンも伊達に空間系の能力は持っておらず、察知能力においては同系統の能力を有するティファよりも上回り、以て空間の揺らぎを感知した瞬間、ティファと違い防ぐ能力はなく無力にも連れて行かれてしまった。

 

もしもティファの様にジ=アザーズでなくとも結界系統が一つでもあれば・・

 

ない物ねだりをしていても意味は無いと分かっていても、唇を噛みしめ悔しさを滲ませるバーンに、キルが声を掛けて来た。

 

「バーン様、どのような手段であの子が攫われたのかお分かりに?」

 

その言葉にダイ達はすぐさま縋りつき、ティファは何処だと問うたが、方法が分かってもどこにいるかまでは分からないと言われたダイ達は崩れ落ちかける。

 

「天族達はティファをどこにやったのさ!!」

 

ダイの叫びで、ティファの窮地が知れ渡る。

三神達もティファの異変を察知し、あらゆる空間を探したが見つからず、其れこそ精霊王達は即座に精霊界の底まで探させたが見つけらず、ティファを知る全ての者達から心に灯った灯りもまた、ティファ同様搔き消された。太陽が再び攫われ、暗雲の夜の帳が落とされた。

 

 

 

 

 

ティファが連れて行かれたのは小さな閉鎖された空間であり、性質を理解していなければ見つからない所に飛ばされ、そこからずっと長老格の天族達に大魔法の連発で追い回されている。

其れもありとあらゆる罵声を浴びせられながら。

 

「貴様が!!貴様がヴァルガブル神様と三神の若造を誑かしたが為に!!」

「大魔王の穢れた魂と共に滅せよ!!!」

「我等の高潔なる志を阻んだ報いは高いと知れバケモノが!!!」

 

ティファは文字通り死に物狂いで逃げ回りながら、生き延びる方法を必死に考える。

 

この空間自体には大体の辺りが付いている。伊達に長年空間修行してない

其れは原作の方のキルバーンが、その形を気に入ってコレクションしていたジャッジの決闘空間か、さっきのヴェルザーの独自空間と同じで、条件を満たすか、若しくは引きずり込んだ者の力でないと、出られない空間ではないかと。

そうすると、空間の性質を理解しないと干渉するどころか発見する事も出来ず、ガルーダは来れず、援軍は当てにできない。履いていた空飛ぶ靴で逃げ回りながら、体力の回復を図るしかない。

万能薬を少しずつ口にしながら逃げる作戦であったが、初手から見破られて手を攻撃されてビンゴと破壊されてしまい、本当に逃げ回って体力回復に努めながら一人ずつ撃破するしか方法がない。

相手はざっと三十人と少し程。全員が大魔法を使える達人であっても、諦める訳にも行かない。

本当は、さっきダイ兄がしたみたいに凄まじい力で内部から破壊するという手もあるけど、これ以上の力を出せば・・・・

 

それじゃあ駄目なんだ・・・必ず・・・生きて帰るんだ皆の下に




今宵ここまで

段々とヒロイン枠になって来た主人公ですが、形振り構わずではなく、生きたいという意志を持って行動する様になりました。
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