勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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数万年越しの罠

何を言ってるんだこの老害駄天使達は・・・

 

化生の者と言われた当の本人ティファは、相手の言い分にさしたる感慨も興味も無く、ただ呆れを通り越して辟易とする。

 

よくもまぁあんな妄想話出来るもんだとうんざりとして。

 

誰が人を誑かしたっていうのよ・・・魅了ってこんなちんくしゃに誘惑されるような人がいる訳ないし、私のせいで世界に争いがだなんていうのは、か弱くて守ってあげたい純粋無垢な絶世のお姫様だって相場決まってんのこいつら知らないのかな?

 

あれかな、鎖国しすぎて外界との価値観とずれすぎている間抜けなのだろうかこいつ等は?

・・・・決定、この人達駄天使じゃなくて・・・

 

「能力凄いのに、言っている事が脳内お花畑な言葉ばかりで意味不明すぎます。貴方達老害駄天使達からら非常に頭残念天使と言い方変えましょうか?」

 

・・・・頭無残でもいいかなこの場合

 

ティファの淡々とした言葉を聞いたダイとバーンは、今までティファが口を噤んでいたのは、浴びせられた誹謗中傷に傷ついていたのではないかと非情に心配していただけに、いきなりのお言葉に目をぱちくりとする。

 

駄天使改め頭残念天使達も、勇者と大魔王の精神を乱し、バケモノの心も傷も作ってやろうとしていただけに、一向に堪えていないティファの様子と、自分達が先に悪口雑言を言っておいて、ティファの頭残念天使の発言にものすごい勢いで腹を立てた。

 

「誰が頭残念天使か⁉」

「その自覚の無さの所が頭残念な所以ですが何か?」

「高貴なる我等に向かって何たる言い草か⁉」

「いや~、私を巡って世界が争うだなんて、三文メルヘン小説の読み過ぎで脳内お花畑になりましたか?」

「き・・・貴様!!貴様こそ自覚がないのか⁉」

「・・・・何のですか?」

 

自分達の言葉を次々と酷い言葉で淡々と反論し、最後の質問(?)に小首傾げている姿に、駄天使改め頭残念天使一同は悟ってしまった!!

 

こいつは無自覚天然やらかし系の人誑しであった事を!!そんな奴に!世界の上位者達は誑かされ手玉に取られ!こんな輩に我等の存在意義を脅かされたというか⁉理不尽な事この上ないではないか!!

 

「まぁそれは良いとして。」

 

いいのか其れは!!

 

「この空間・・・並みじゃないですよね・・・」

「・・・ほう?」

 

ティファも伊達に空間上位者を張ってはおらず、何となくではあるが倒された者達が元の状態に戻ったのは、頭残念天使達だけ時間を巻き戻したとか言う類のものでは無い気がしている。

 

そう思う理由は簡単で、時間を巻き戻せるような大きな力をこいつ等が持っているのであれば、閉じこもる事無く外の世界で好き勝手してそうなのと、光が発生した時僅かにではあるが、空間が長老達に干渉した気配がしたからだ。

 

「ふぇふぇふぇ、少しは分かっておるの~。」

 

仕掛けの一端を言い当てられても、翁の余裕は崩れる事は無かった。

これも簡単な事であった。

 

「その通り、我等はこの空間を作ったは昨日今日ではなく、数万年の歳月をかけて作り上げた物よ。」

「この空間では我等を回復させ、ストックしていた武具を補充させる事が可能なのだ。」

「数万年分の回復呪文の力とストックされた武具が尽きる前に、お前達の方がもつまいよ。」

 

今日の様に、自分達の意に沿わぬ、通常の方法では仕留めきれない者を討伐仕切る為の空間を、長老達は数万年をかけて粛々と準備をしていたのだ。

 

自分達の頸木から逃れようとする愚か者を殲滅する為に数万年を費やして。その仕掛け、カラクリが分かった所でどうする事も出来まいて。

 

そのあまりの膨大な時間をかけて作られた一種の罠に、ダイとバーン、そしてさしものティファも青褪める。

 

罠の特性でほぼ無制限に回復できる相手に、うてる手が思い浮かばず、活路を見いだせずに




頭の中身は兎も角、能力は本物でした
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