勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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或いは暴風吹いたら各所が儲かる


後日談編
後日談① 女子会


は~れた空~、そ~よぐ風~っと、この歌分かるあなたは転生者だ。若しくは昭○のお人だ。

それはいいとしても、この歌いたくなるくらいに良い天気だ。

 

あ~ああ、あこがれ~のパプニカ~航路っと。

 

レオナにお茶のお呼ばれをしたティファが浮かれて前世の歌を心の中で歌う程の良い天気に、ルンルン気分であつた。

 

将来のおねぇちゃん、すなわちダイ兄のお嫁さんになるレオナ姫にお茶会に招待されたティファの気分も晴天で、ガルーダでパプニカ城の入り口前に乗りつけ慣れた様子で門番さん達にこんにちわして、次にこの城の主たるレオール王に来ましたよの挨拶を済ませ、エイミの案内の下レオナが待つ王宮の中庭に向かい、そしてティファはガチガチの緊張をする羽目になった。

 

お茶会しようという一言文の招待状には複数のお客さん、其れも同い年か少し上の貴族のお嬢様方とお茶会をするとは私聞いていない!

 

見るからにこれぞ貴族のお嬢様方は、綺麗なドレスに身を包んで優雅にお茶飲んでる・・・私場違いだ・・・・

 

意外に思うだろうがティファは-人見知り-が激しい。

魔界の神に平然と口を利き、会う敵全てに説教してきたやつが何をぬかすと言われかねないだろうがティファは人見知りだった。

 

今までは-原作-に出てくる人としてそれなりに親近感があるか、全く知らない人に自分から近づく時は実はじっくりと観察し、相手の為人をある程度把握しているか、親しき人に仲介して貰いようやく口が利ける。

 

その際には大体誰それにあってと前情報を貰っているので気構えが出来て緊張をほぐす準備運動できているが、こういうサプライズ的にされるのが一番苦手であり、相手の子女達は自分とレオナ姫という生ける伝説と会った事で興奮してきゃいきゃいとしてくれて場が和やかに見えてほっとする。

 

困った事に何話せばいいんだろう?

 

これが英才教育の弊害とでもいおうか、ティファは専門知識職や技能集団とはいくらでも-大人な会話-をしていられる。

礼儀正しい挨拶から始まり、お互いの能力を当たり障りのない話で把握し合い、そこから-本当の会話-に入る、所謂面倒な大人の会話が得意な反面、知らない女子と何を話せばいいのかさっぱりと分からない。

 

ようは社会性は有れども同年代に対して社交性に欠けているのだティファは。

その事を周り、特に王族として両方を体得しているレオナやフローラが心配している。

ティファがこのまま大きくなってもそのままでは何時まで経っても-同い年の友達-が出来ない。

 

ティファは確かに沢山お友達がいる。その内明けの大半がモンスターと精霊と、何なら魔族であったりして、つい先日魔界で元気に暮らしているパレスの主任になったゴレムさんと文通友達になりましたとか嬉しそうに話してくれた時、自分とエイミは眩暈が仕掛けた。

 

ゴレムとは、バーンの居城バーンパレスの主任警備長をしているずぅずぅ弁で話すアークデーモンであり、その人と文通していると嬉しそうに言う十三の女の子はどうなのだと。

 

それはそれでいいが、これではいけない!世はもう平和に向かっている!!ティファにも女子のお友達と、女子トークをきゃいきゃいとして欲しい!!話す内容なぞなんでもいいのだ。

お洒落でも流行の歌劇でも何なら目の前のお菓子の話でも!!

 

緊張をほぐそうとしているティファが食べているお菓子は実は!!

 

「どうですかティファさん、-ヒュンケル-が作ったビスケットは?」

「え!!!これってヒュンケルが・・・」

「はい、今日のお茶会の事を知って、ぜひ自分でティファさんが食べるビスケットを作りたいと一昨日からアバン様に習いに行って今朝がた帰ってきた時に持ってきたのがそのビスケットなのです。

姫様も皆さんも、ビスケットのお味はいかかですか?」

「ええ!!あの銀の騎士様が御作りになられたのですか⁉」

「そういえば・・・いつもはレオナ姫様に陰日向なく付いて護衛されている銀の騎士様の姿が見えないのは・・」

「もしかしてヒュンケル、ビスケットを作って力を?」

「はい!使い果たして今は寝室でバタンキューですよ。」

 

作り手がヒュンケルである事をエイミが口にすれば、案の定ティファとそして出席している子女達全員が食いついた。

 

ティファは食べる専門がイメージのヒュンケルが作ったのかと驚き、子女達はレオナ姫に寄り添うように護衛している-銀の騎士様-がお菓子作りしている萌えギャップにやられ、ヒュンケルこういう事をするようになったのですねとしみじみというティファの言葉に更に食いつき、ヒュンケルとはどういう者かを話して聞いて、感想を言い合いながら、いつしかティファの緊張は霧散し気が付けば子女達ときゃいきゃいとしていた。

 

「ヒュンケルは何を着ても似合うので、甲冑姿も確かにかっこいいですよね。」

「はい!御髪の色も、着ている甲冑も、佩かれている剣の鞘も全て銀なので、私共の間では銀の騎士様という二つ名で呼ばれているのです!!」

「ちなみにティファ様のお兄様は、好んで青色を着られているのとその広いお心を指してで蒼天の君と!!!」

「ああ!ポップ様も忘れてはいけませんよ!新緑の色の中で、燃え上がる炎の石を感じるあの方の二つ名がまだ決まっておりませんのよ⁉」

「ちなみにマァムさんやメルルさん、チウ君、クロコダインとベほちゃんに二つ名ってありますか?」

 

ティファの質問に気を良くした子女三人、特にレオナより一つ年上で亜麻色の髪を太い三つ編みで纏めたベルが、待ってましたと目を欄と輝かせる。

 

「勿論ございます!!クロコダイン様は数々の戦闘時、その巨体を以てお仲間の皆様を身を挺して守られた事から盾の君と!チウ様は其の愛くるしさの中に秘められた広いお心から慈愛の君と、其れはマァム様の慈愛の方と対の様になっていますの!」

「ちなみにベほ様は銀の騎士様の比翼、若しくは銀の騎士様の癒やし手と、ヒュンケル様と対になってます。」

「メルル様はその占いと、託宣を受けた方として先見の巫女と呼ばれて我が国の神官達も下にも置かない程ですの。」

 

ベルに続き、若草色の髪をハーフアップにしたティファと同い年のシャシャ嬢と、十五歳でティファと同じ黒髪を、ボブカットにしているシンシアが、ティファ以外の勇者一行全員の二つ名を滔々と話し、漸くこれぞ女子会になれた。

 

気分がほぐれたティファは、すっかりと覚めてしまっても美味しい紅茶の味を漸く堪能する。

きゃいきゃいとしすぎて乾いた喉を優しく潤してくれる紅茶が実に美味しい。

エイミが話のネタとして放り込んでくれたビスケットをサクサクと頂きながら、改めてベル達の装いに目が行く。

 

ベル嬢はふんわりとした黄色い布地のロングワンピで、サッシュベルトでウエストがキュッとくびれたのがとっても似合う。

 

シャシャ嬢は鎖骨が綺麗に見えるふんわりとしたバフスリープの袖で色はクリーム色の可愛いロングドレスが愛らしい。

 

パプニカでは・・・というよりこの世界では貴族のお嬢様にしては珍しいと思う頃神のボブカットをしているシンシア上は、白いシャツを首元迄きちんとボタンを留めて、青いスカートに茶色のハーフブーツをかっちりと履いているカッコいいお姉さんだ。

 

ちなみに今日のティファの装いは、プリーツパフの水色のワンピースに飾りエプロンをして、髪も水色のリボンでポニーテールに結っている。靴下ではなく白のタイツに柔らかい革で出来た黄色い靴を履いており、ティファの可愛らしさを遺憾なく発揮している。

 

レオナもお茶会らしく七分袖の白のプリーツドレスに、髪の留め金に華をあしらったものをつけている。

エイミはこの後もすぐに仕事なので、いつもの三賢者服なのが残念である。

 

女性の話題は自然お互いの服の話から装飾品、そして次第に-男性-の服へと突入する。

 

「クロコダイン様はあの鎧が一番お似合いなのかしら?」

「う~ん・・・・反対にあの鎧以外の姿の想像が・・・」

「チウ様は磨けば光ります!あの服もいいのですが・・・ローブ風が似合うのでしたらもう少し色にバリエーションを選んであげたく・・」

「ヒュンケル様は何を着ても・・・ああ素敵です!!そんな方と結婚されるエイミ様が羨ましいですわ!!」

「そうよね~。エイミは近々結婚するし、更にヒュンケルと甘々になって私胸焼けするかも~。」

「そんな姫様!!」

「あらエイミ様ご馳走様ですわ。」

「私どもも胸がいっぱいに・・」

「お幸せになってください。」

「エイミさん、ヒュンケルをよろしくお願いしますね。」

 

ヒュンケルに話題が及べば、当然レオナは礼の姫らしくないウシシ顔でエイミをからかい半分、幸せになってエール半分で絡みだし、ベル達もティファも乗っかりエイミを真っ赤にさせて笑いの渦が巻き起こる。

 

 

ああいいな~。こうしてとりとめのない幸せな話を一日中出来る世の中って・・・

 

殺伐とした話なぞ影もなく、戦どころか剣の持ち方も知らない普通の女の子と話す自分を不思議に思いながらも、いいものだと微笑むティファに、ベルが凄い事をティファにズバッと聞いた。

 

「ティファ様の中では、殿方の中でどなたが一番服のセンスがよろしいと思いますか?」

 

ティファはその瞬間雷に打たれた気がした。

雰囲気から察するに、ベルは順位付けしてどうこう話す気ではなく、自然男性の知り合いが多い自分の中で誰が一番だと思ったのか何気なく効いている気がするのだが・・・さてこれは・・・・・

 

ティファの中で、服のセンスが良くかつ-大人-のイメージの人と言えば・・・

 

 

 

その瞬間、パプニカと書いて不運な国の名が発動された瞬間であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった・・・・

 

ティファに呼ばれて新たに来てしまった客人二に、レオナとエイミは心の底から凍り付いて眠ってしまいたいと本気で思った。

 

 

どうして魔界の神様とその死神がここに来た!!!

 

きっかけというは矢張り発端はティファである。

 

センスの良い服を上げたのが-二人-いた。すなわち

 

白いローブを着こなしている大魔王と、少々奇抜ですが赤と黒の仮面と道化の衣装が良く似合うキルですとか、にっぱりといい笑顔で言い放つティファの答えに、レオナとエイミは崩れ落ちたくなった。

 

そこは白の柔らかいシャツが似合うノヴァとか!クリーム色の旅人の服に赤いマントが良く似合ったアバン先生とか!!もっとあげられる人がいるでしょうに!!!

 

しかしそこは矢張りティファであり、センスで言えばあの二人が一番だと思っているので正直に言ったのを、意外にもベル達が食いついた。

 

ティファが眠っている間に、世の中に勇者達を題材にした戯曲がわんさか溢れ、特に一番人気が料理人がその身を挺して一行と魔王達を逃がし、自身は捕まり、囚われ先でも健気に過ごす姿に心打たれた大魔王達と心を通じていく-儚い料理人-の姿が聴衆の涙をさそうとか・・・・・・実際は影の参謀の胃袋を痛める程の破天荒さで過ごしただけなのを知らぬが何とやらであるが兎に角、大魔王達の評判も地上界では受けがいいのだ。

 

それも当然で、死に瀕した魔界の為に身命を投げ打ち生きてきた魔界の大英雄なのだから無理はなく、その道に付き従った側近達もまた然りで、バーンとミストは兎も角、変態疫病神の評判が良い事にダイ達は複雑になっているのはまた別の話で、実際の大魔王はどんな方だと聞かれたティファは困ってしまった。

 

言葉では言い表せない程カッコよい二人を・・・・そうだ!!私大魔王にいいもの貰ったんだった!!!

 

「ちょっと待っててください!-実際の大魔王とキルー見た方が早いです!!」

 

いい事を思いついたティファは、リングから-悪魔の目玉-をもう少し可愛くした物を取り出し、何する気だというレオナ達の制止が入る前に映像を結んでしまったのが・・・・パプニカと言おうかレオナの運の尽きであった。

 

その日もバーンは魔界の為に仕事に勤しんでいた。浮上する前にある程度の瘴気がヴェルザーと其の下で強制労働で減り、浮上と共に精霊達が一気に浄化した事で魔界の最大の問題は消えた。

しかしやる事は山積みで書類と格闘されている所に、-愛しの幼な子-からのダイレクトコールを受けたバーンは書類をうっちゃりすぐさま映像を結んだ。

 

「久しいなティファ。」

「えっと大魔王・・・二日前に食事した気が・・・まぁお久しぶりです。」

「ふむ、時間があれば毎日共に食事を摂りたいのだが、今日はまた一段と華やいだ姿をしておるな。」

「ありがとうございます。・・・・似合いますか?」

「似合うとも、そもそも其方に似合わぬ服なぞない。あるとすれあそれは服の方にこそ問題があるのだ。」

 

物凄い事をさらりと言うバーンの言葉に、周りで聞いていたベル嬢たちが思わず歓声を上げてしまい、バーンは何事かをティファに問いただし、お茶会とそれに出た話を聞いたバーンは、即座にキルを呼び出し空間を開けさせ、そそくさとパプニカ王城の中庭に出現した。

 

「招きに預かっても良いかな?」

 

・・・・・来てしまってから聞かれて駄目と言えますかってのよと内心で叫んだレオナは悪くない。

そして来て早々バーンはやらかした。

椅子を取ってこようとしたエイミを制し、ティファを抱き上げ膝に乗せ、これで足りようとか自然にやらかしてくれた光景に、戯曲でファンになっていたベルは顔を真っ赤にして悲鳴を上げ、シャシャは常識的にこれっていいのかなと思いつつも、どこかいきなり非現実的な空間に迷い込んだ気になり、これはこれで楽しもうと良い根性を見せる中、ボブカットのシンシアが、じっとバーンを見つめている。

 

その瞳は真剣で、子女にしては強い力を感じたバーンは、キルがその娘を咎める前に挨拶をした。

 

「楽しんでいる所に乱入した非は謝ろう。大魔王バーンである。」

 

鷹揚で懐の広い挨拶に、ベル達は益々バーンに惚れ込む。

確かに招かれていもいない王宮の一角に来たバーンに非は有ろうが、それでも一介の貴族の子女が、大魔王を強い目で見据えていい筈がないのを咎める事なく挨拶をするバーンは素敵な大人の男性だと。

 

挨拶をされたシンシアは椅子から立ち上がり、見れば顔が真っ赤になっていた。

口を開こうにもはくはくとして、緊張しているのが伝わるがバーンもキルも急かす事なく待っていれば、途轍もない挨拶を返された。

 

「私はパプニカのシンシアと申します!!突然ではありますが魔界の神様たる貴方様のお衣装を!!私に作らせてはいただけないでしょうか⁉」

 

 

・・・・・・はい⁉

 

傍で聞いていたベルとシャシャは友人のいきなりの発言に驚き顔を青褪めさせ、普段ぶっ飛んだティファに慣れている筈のバーン達も驚き、そしてバーンの機嫌が些か下降した。

 

「・・・・・余に取り入りたいか娘よ?」

 

返答次第では、少しばかり大人の説教を受けて貰う積りで。折角幼な子に出来た子女の友人の中に、野心家がいるのは好ましくなく、まだ幼いうちに権力者に擦り寄る者の愚を取り払うべく。

 

だが、シンシアは真面目であった。

 

「大魔王バーン様のその素敵なお姿に!私のイマジネーションが止まらないのです!!」

 

シンシアは真面目に物凄くぶっ飛んで、所謂開明的な思考の持ち主であった。

 

「大魔王バーン様の祖のローブ姿はよくお似合いですが!!冠を外されその御髪を後ろで軽く結われ、シックな色合いのシャツを着られるだけでもお似合いかと!」

「ズボンは其れよりも濃い色合いで、三つボタンのスーツがいいかと!!」

「ああでも帽子も・・・しかしそうされるとその角が・・・・活かせる帽子の開発も・・・・」

 

情熱的にバーンに似合うであろう洋服を次々と羅列し、最後の方は自分の中でイメージを固める為にぶつぶつと呟き始め、聞いているとうのバーンをうっちゃって思考の旅に出かけてしまったようで、不意にバーンの呵々大笑とした笑い声に、凍り付いていた空気が破られた。

 

どうやらこの娘も幼な子と同じで相当な変わり者のようであり、自分独自の世界観をきちんと持ち、我が道を行くところもまた似ているようで、それがまたおかしくなり、隣でクスリと笑う声の主を見れば、キルも同じ考えの様で険しかった視線が和らいでいる。

 

笑い声で現実世界に戻ってきたシンシアに、バーンは一着作ってもらおうかと依頼をした。

貴族の子女である様だが、自分から服を作らせてほしいと言うからには相当な自信と、その道に進む気があるのだろうと推察して依頼してみれば、シンシアは無論の事、成り行きを見守っていたシンシアの幼馴染のベルとシャシャが我が事のように喜んでいた。

 

聞いてみればシンシアは貴族の三女に生まれたが、周りの子女達の大半とそりが合わず、しっかり者とふんわりしているが優しいベルとシャシャだけと付き合い、二人の日常の服を作るのが趣味で、いつしか街でテーラーを出すのが夢だとか。

 

 

アイディアは誰にも負けない、しかし所詮は貴族の子女のお遊びだと大人が誰も相手にしてくれなかったのを、魔界の神様さ真剣に受けてくれのが三人には嬉しかったのだ。

 

「絶対にいいものを納めさせていただきます!!」

「うむ・・・では予算は・・・・・いくらあればよいかなキル?」

「さて・・・・貴族のドレスが一着千ゴ―ルドとして、バーン様がお召しになるならばすくなとも生地代だけでも五千・・・・耐魔法を付与させるのに千、そのほかのアイテムや小物で締めて一万はいるかと。」

 

え・・・・・なにそれ?

 

物凄い大金の話がサラサラと言われて、国家予算勉強中のレオナも目を剥いたのを、バーンとキルとシンシアは気付きもしなかった。

 

「ふむ、なれば後程ミストに予算をきちんとつけさせ・・・シンシア、其方に直接行くようにしておこう。期日は一年、其方が納得する者を期日以内に作るがいい。」

「あ!!仮縫い等はどうすれば・・・」

「・・・・ティファよ、其方の式で余と同じ似姿のものは?」

「後で正確に採寸させていただければ出来ます。」

「其れでしたら出来ます!!いいえ!やらせていただきます!!」

「うむ、その心意気やよし。余も楽しみにして待とう。」

「はい!はい!!!」

「ふむ・・・・其の方が考えている服は其れで仕舞か?」

「いいえ!!まだまだあります!!!例えば三賢者アポロ様のあの服は些か・・」

「ほう、あの水色の耐魔法の布で作られたあれか?」

「あれが戦士の鎧と同じだと言われればそれまでですが・・・もっと体を覆いながらも機能的かつセンスのいいものが出来る筈なんです!!例えば・・・・」

 

かくして大魔王と変わり者の子女の出会いで、パプニカに服装革命が起きた。

 

手始めに三賢者の筆頭アポロが憐れな生贄となり、ティファの中で曰く、長袖のワンピース型のエジプト神官風の服を着たアポロの方が断然カッコいいと思った。

水色の袖なし貫頭衣は正直ダサいと思っていたのは、墓場の中まで持っていこうと誓って。

 

新たな服は三賢者を示す金の冠とよく似合い、以降男性賢者の定番の服となった。

 

シンシアはお茶会の後速攻で大魔王バーンの依頼を果たすべく、寝食も忘れる勢いで服作りに取り込み、幼馴染二人に程よくとブレーキを掛けられながら作成した服に、後日受け取ったバーンから満面の笑みで見事と言われたのをきっかけに、シンシアはバーンからの報酬で店を出し、大魔王バーンのお墨付きという評判の下大成功を収め、、斬新ながらもパプニカの特色を生かした新作を次々と世に出し、パプニカを服装をより一層華やいだものへと生まれ変わらせたとか。

その服が評判となり、パプニカの服装雑貨店はシンシアの服から学び取り入れ、其れが各国に受けてパプニカの服が買われる事でパプニカ国の経済が潤った。

 

余談になるがシンシアは店を出す際、ティファのアイディアで-カタログ-なるものを作って店頭に置いたのが成功の助けの一条となった。

 

カタログは全て絵で描かれ、説明文がなく服や小物の細部まで拡大で書かれたカタログは評判が良く、絵の色彩は魔界でとれる鉱物で作られる絵の具が良いと、これまたあちこちに首を突っ込んで知識を得たティファの助言の下、魔界の特産物の中に絵の顔料が入り、特に青色と単色で紫を出す鉱物が高値を生んで魔界の貿易の手助けともなった。

 

ティファの普通の女の子のお友達を作ろう作戦がパプニカの新たな服装の歴史を生み出し一人の天才服装氏を誕生させ、物のついでの様にパプニカの経済と魔界の貿易を潤わせてみせた。

 

おまけの様に、人界の少女であっても能力を見出せば惜しみなく援助したバーンの評判はうなぎのぼりになり、服装アイディアに行き詰った時、優しい元死神が相談相手になったてそちらも男ぶりを上げたとかなんとか・・・ともかくこの一件で、魔界の魔族達に益々人界は親近感を沸かしたのは言わずもがなであろう。

 

 

ティファを呼べば何かしらの騒動が巻き起こり、なべて結果を見れば全ていい方向になると評判が立ったティファは、この後各国の大臣クラスからお茶会の呼ばれかけたが各国の王達がその動きを察して全て立ち消えさせた。

 

ティファは自由に、誰の思惑にも乗らないからこそ良い事が自然と起こるのだと下心を持った大臣達を叱りつけたとかなんとか・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、ティファの突然の行動と、バーンのうっかりに割を食う者も居るのもまた事実。

 

 

「楽しそうでいい御身分ですね大魔王様ってのは!!」

「これ!其方達との会食を兼ねた会議を忘れた件は後日、煮詰まっていた案を肩代わりする事で決着が付いたであろうポップよ。」

「はん!あの件だったらハドラーと一緒に溜息つきながらさっき解決させたよ!!それで他に謝罪の意を示す方法あんのかよ大魔王様よ⁈」

 

その日は将来テランを背負って立つ為に、フォルケン王の名代で魔界に必要そうな人界にある薬草を如何にして根ざさせるかの検討を兼ねた、テラン国の薬草部門の長とポップとバーンの三人の会食があったのをすっぽかされたポップはお冠であり、非があるバーンは大人しくポップの説教を受ける羽目になった。

その日にパレスにハドラーがいて急遽自分の代理として会食と会議をこなしてくれたハドラーに後で手厚く礼をせねばと思いつつ。

キルもまた、主の予定を知りながら連れ出し、予定を再度主にお知らせしなかった事をミストとハドラーに絞られた。流石に国の重要事業がかかった事なので珍しく反省をした。

 

そしてティファの方はと言えば・・・・お咎めなしであった。

ティファは悪魔の目玉を通してベル達にバーンとキルの良さを見て貰おうと思っただけで、押しかけた大人二人が悪いのだから、-子供のティファ-が叱られる理由名の無いのだから




このお話しはここまで

後日談はゆっくりと出しますと書きましたが、昨日食事の支度をしている時に急にこの話が降ってきて構想が纏まってしまったので書きました。

主人公は念願の一つの自分も女子トークしたいという夢をかなえつつ、パプニカの服装文化がランクアップし、次いで魔界の特産品を増やし貿易にまで貢献しました。

筆者としても、アポロさんのあの格好はちょっとと思うところあり、この作品の中で御着替えしてもらいました。

カタログはもしかしたらドラクエの世界にあるかもしれませんが、この作品ではない設定として出しました。
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