勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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元魔剣戦士の結婚:番外編・中編③

世界各地の航路と船を、マーマンやシードラゴン、海馬の群れが守っている

地上においては森に迷った子供をパンサーやおばけキノコ達が探しに行き、けがをすれば診療場にはホイミスライムとベホイミスライムが必ず一体ずつは常駐している。

空に海に地上に地下に、あらゆるところに彼らは入る

 

世はまさに-モンスターとの共存共栄-時代である!!!

 

 

 

などというイントロが付きそうな世界へと変貌を遂げつつある。

 

海には危険がいっぱいであるが、その脅威は何もモンスターだけのせいでは決してない。天候と大波と人にも魔族の見栄にも見えない海流という危険があり、ごく稀に海底火山の爆発さえある。

海底火山がごくまれにでも起こってしまうのは残念ながら魔界浮上の余波で海底の地形が変わり、今までは死火山だったのが活火山に戻ってしまったのが多数あるせいだがそれはともかく、目に見えない海流も予知できない海底火山も、海に住まうモンスター達にはよく分かる。

どこを通れば安全であり、バルジ島の大渦でさえ彼等にとっては流れるプールに等しく、安全な航路を教えるのと、火山の予兆やそれに伴い海流が変わって航路を変えることを魔族・人間に教える代わりに自分達の縄張りには入らせない不可侵条約を提携した。

海の中にもボス級モンスターがおり、それらが一致団結して海のモンスター達を緩くではあるが束ねている。

モンスター達とて自分達に手を出してこないものを興味本位で襲う馬鹿はそうはいない。

たまに船を襲う馬鹿たちは滅してよいとも条文に提携時にしっかりと明記されている。

 

地上の方も、診療場にホイミ・ベホイミスライムが患者たちの手当てをしている。

 

そんな摩訶不思議な世界へと変貌を遂げた要因は果たして・・・・私ティファが色々と頑張りました!!!!!!

 

 

どうも!お久しぶりです!!引きこもり生活は起きて目覚めた後してみましたが、二年で飽きて卒業して働いて大分経つティファです!!

 

突然ですが、私思うにドラゴンクエストダイの大冒険の原作、これのエンドが勇者ダイの喪失で終わるのはまぁ物語上仕方がないと思っております。

何故って?原作バーンが言っていたでしょう、強大な力を持ったものはいずれ人間に迫害されるって。

その回避方法原作の作者さんが考え付かなかったせいではなかろうかとメタい事考察させてもらいましょう。

実はあの後は魔界編やらなんやらあるとは言ってたけれどもちょい疑問あるのよね~。

疑問というのはアバン王の結婚でも、大魔導士ポップとマァムとメルルの三角旅(笑)でもなくって、チウとクロコダインとヒムがデルムリン島にいるのはなんでだろう?

だってクロコダインの本来の拠点はロモスもしくはライリンバー大陸であって、-広い所-の方が獣王遊撃隊もいるんだからそっちの方がよくない?

もしかして、広い世界には出られないという暗示ではなかろうか?

原作は、勇者ダイには優しくなかったし後年になればなるほどモンスター達の地位がどんどんと低められる気しかしなかった印象マックスなんだよね・・・・私の超個人的見解だけれども・・・・話逸れたな。

ともかく、放っておいたらせっかくいい感じにモンスター達が受け入れられる方向でまとまっている世界を維持するにはどうすればいいか?これはもうあれだ!目指せポケ○ン世界だ!

 

モンスター達の事を良く知らないくて分からない事への恐怖に怯えるなら、図鑑を作ればいい。

彼らの習性を、縄張りを、何をされたら怒り狂って攻撃されるか、繁殖時期にいつでその時期に立ち入れば脅威になり、反対にそれ以外の時は通っても良いかどうかなどを事細かく。

それと共存の中でも特に人々の中で暮らせてかつ働けそうな子達をどんどんと世に送り出せばいい!!女医さんとラッ○ーの如く!

 

ポケ○ンとモンスター一緒にするなって?彼等は完全人間と共栄しているが、モンスターは違うと?馬鹿おっしゃい。

 

ポケさんにだって、原始カイオー○だのレック○ザだのディア○ガだのアルセ○スだの、知能高くて自分達が悪と断じれば人間消し飛ばしても良しなヤバイモン達が山ほどいるでしょ。それこそ災害級の大技持っているポケさんもいるんだし。イオナズンだのギガデインだのとためはる技あるんよ?

盗みを働いたり、縄張り荒らされたら怒りに震えて徒党を組んで攻めてくるのはどっちも同じはず!!

同じならノウハウも当てはまる筈だを・・・・まぁ胸中に収めながらズンドコ政策の素案を出して今に至っているのだ。

ちなみに私は素案は出して、現実的に具現化してくれるのはまた別の、それこそ世界中の人達が頑張ってくれてここまで漕ぎつけられた。

 

とはいえモンスター達にも受け入れる側にも無理強いはいかんと思うのよ。そういうことが大丈夫な子を見つけて、スカウトして、人間社会に馴染めるように教育も施して太鼓判押された子達を、予め見つけておいた受け入れ先に送り出す。

例えば少子高齢化の農村やら、山間や都市からうんと離れた村やらに彼らの需要はある。

そして最大の目玉がこれ、都市部にモンスター達の往来自由だ。

森から突然はぐれモンスターが来ても、脅して追いやったらいけません。珍しいレアモンスターであっても勝手に狩ることは禁じます。

その代わり盗みを働こうとしたり、暴れたりすれば即座に最寄りの駐屯場に目玉で一報を入れて捕まえてもらう。

王都ではなくとも中規模な都市部では結緊急出動が構機能されているけれども、対処方法を知っていれば人というのはそこまでパニックにはならず、暴れられたからイコールモンスター憎しにまではなってない。

なっていないからこの路線は-今のところ-は概ね何とかなっているはずだ、今のところは。

問題が起きれば都度報告を上げてもらって修正修正、落とし込めたら経過観察。

悪魔の目玉通信網があるからこそできる報連相のお陰で成り立っているけれど、できるのだから良しだ。

 

ちなみにホイミ・ベホイミスライムたちの職業訓練指導員は、私の旅の相棒、ベホイミスライムのべほちゃんだ。

王都や街や村々配布するにモンスターの図鑑作りの担い手は爺ちゃん達だ!おかげでデルムリン島のモンスター達が作ってくれたモンスター図鑑は生態系も危険度も遭遇しないようにする方法や対処法やらが分かって凄い!べほちゃんの教え子ならば安心と、デルムリン島印というブランドが確立されて、高名な学者さん達も教えを請いに来るほどすごい島にステータスアップ!

・・・・爺ちゃん達は忙しすぎるってぼやいてたけどティファ知ってるもんね。

モンスター達の事を知っていたから、ばったり会ってしまっもパニックにならなかったから無事に家に帰れたっていう手紙や、べほちゃんの教え子のお陰で足無くさずに済んだっていう手紙を読んでは皆で泣き笑いして喜んでいるの・・・・本当に共存共栄を、世界全体が模索して共に歩んでいこうとしてくれているのが私は嬉しい。

 

 

そんなこんなで自分の夢の為に邁進しているティファは今現在はパレスで働いている。

だからと言って別に大魔王を上司にはしていない、いわばティファは助言者として働いている。

世界各国、それこそ魔界後においても融和政策を推し進めたいがノウハウが全くない。

無いのであれば模索するほかないが、良い案も早々出ないのをティファに白羽の矢が立った。

彼女はその成した事から人柄から、魔界地上界双方に人気があって、いざとなれば天界もいれた三界の調停役もできる程の位置にいた。

本人も乗り気でやる気に満ち溢れ、無理のない範囲で融和政策の案を出してほしいと言えば、出てくる出てくる素案の数々。

 

双方にとって珍しい者の貿易する拠点に、魔界になら人間を、地上界には魔族の従業者を住まわせ合って交流図っては、よくある留学も魔界・地上界でもしあって、その際王侯貴族も庶民も、一定の水準に達している者達が行ってはどうか、何をするにもとにもかくにも交流からでしょうと、実に多くの交流案を出して、果ては魔界浮上祝いの日とか作って三界の共通祝日にしてその日は休める人たちは全員お休みにしてお祭りにして、共通の祝日作ってしまえまで出してきた。

共通でできる話題があるだけでも、無いのとは全く違う筈だとほんわか笑って。

 

今ティファがパレスにいるのは、丁度その魔界浮上祝日デーが迫っているので魔界側の催し物の相談を受けて考える為に、用意されている執務室で過去の催し物を調べて一区切りがついたところに、キルとポラリスとスピカの訪問を受けたのだ。

ちなみに世界各地の王宮に、ティファの執務室はあったりするのがそれはともかく

 

「キルもポラリスとスピカと同じはちみつレモンティーでいいですか?お茶菓子も好きに食べていいですからね。」

 

テキパキとお客をもてなすために用意された茶器を使って、自分を入れた四人分のお茶を淹れている、

すっと長い細い指が、楽しそうに踊ってお茶を淹れていく。

長くふんわりとした黒髪はハーフアップにまとめられて、幼いころからの習慣で顔の両端に一房ずつ垂らされている。

 

少女の頃とは違い、母ソアラのように立派な女性には・・・・なれなかったが。

 

「お前さんは圧倒的にタンパク質が足りておらん!それも幼少時の頃より無茶な特訓したせいでチンクシャのままじゃな。ま、生きておるだけめっけもんじゃろから気にするな。」

 

とは、某魔族爺ちゃんと、

 

「ティファさん・・・・その父が申し訳ない・・・しかし見立てには間違いはなく・・その、それ以上の成長は見込めませんが大丈夫です!お子さんは産めます!絶対です!!」

 

その息子さんからの悲報であった。

 

十六歳の時から体成長しないな~とようやく遅まきながらに気が付いて、テランで親友ノヴァと共に暮らし、自分の主治医をしてくれているザボエラとザムザの見立てだから間違いはない。

しょうがない、腹の立つ物言いではあるがザボエラの言う通り、幼少の頃から修行のし過ぎなのにタンパク質とるのさぼったつけだ。

生きているのも奇跡だという言葉にも同意だし・・・少しは成長して背は十センチは伸びてツルツルペッタンな体系よりは少しは胸も出たし、何よりも子供が産める・・・ここ重要!!

私にも子供を産める機会があると分かったから怖いものなどないのだ!!

結婚と出産はおいおい考えるとして良い世界作りに邁進だ!!

 

その為にも、目の前の迷える子羊スピカの悩み優先だ。

子供が悩み続けるのは悪いとは言わない。悩んで出した答えを持って人生を歩いていくのが普通だけれども、抱えきれずに自分を壊してしまう悩みを持ち続けさせるのはそれはいけない事だ!!これは是非話してもらって悩みを抱えさせないようにしないといけない!!

・・・・大戦時終盤辺りのティファの兄達や仲間達や関係者一同が聞けば、自分の事もそうしていろと言う突っ込みが来そうな決意をしちゃっているのはどうなのだろうか?

 

そんなことはつゆ知らず、お茶を飲んでお菓子を食べてリラックスしてきたスピカは、ぽつぽつと己の思いの丈をティファにゆっくりと明かしていく。

 

いつまでも子供に見えながらも、キルおじちゃんの様に沢山の事を分かりやすく教えてくれて、時折兄と勉強を抜け出しているのを見つけても、偶にはお外で郊外授業しましょうかとピクニックで釣りや火の熾しかたや焚火の仕方、食べられる野草とそうでない毒草や、モンスター達との接し方など様々な事を笑って教えてくれたティファママ。

 

そして

 

「ミストと結婚したいという思いを貫きたいと。スピカは本当にミスト一筋ですね。」

 

自分の思いを子供の思い込みだと笑わずに否定せずに、柔らかく受け入れてくれる優しくて頼もしいママ。

 

「今回の件、何か良いお考えはありませんかティファママ。」

 

兄ポラリスも未だにママの事をママって言う。

私たち兄妹にはエイミお母さんの他にティファママがいてくれる。

エイミお母さん大好きだ、お父さんも代々大好きだ!・・・・だから悩んじゃう・・自分の気持ちをそのまま出して、大好きなお父さんお母さんを困らせるんじゃないかって。

お兄ちゃんはティファママなら何か-計略-を考え付くかもしれないって。

嘘はいけないけれども、お見合いをしなくても-何か凄い理由-を考えてくれて、次の話が来るまでに私がミストおじちゃん口説き落とそう!

 

 

スピカがそう決心した時、ティファからのほほんとした回答が返って来た。

 

「スピカ、ヒュンケルとエイミさんにはお見合いをしたくないと言ってしまいましょう。」

 

-私みたいに正直に-話すのが一番だという満面の笑みと共に言われた言葉に、ポラリスとスピカはぽかんとし、キルが呆れたように鼻を鳴らすのだった。




今宵ここまで

主人公、、成長してるのかしてないのかどっちでしょ、、、

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