世紀の一大結婚式、そう言っても過言ではない・・・むしろ天地開闢以来の一大イベントと言ってもまだ足りない!!
半年後に結婚をするのは只の人に非ず!王族も含まれているがそれだけに非ず!!世界を救った救国の者に加え、今は亡き王国の皇太子であり三界の調停者と生ける伝説・勇者ダイがパプニカ王国の跡取り王女レオナ姫と結婚をする・・・・それだけでも凄いというのに勇者一行の者達が、武闘家チウ(最早見習いは返上されている)と、勇者ダイの妹にして亡国の姫君にして天・地・魔界において知らないものはいないいであろう料理人のティファ以外の者達が晴れて結ばれるビックイベント・・・・それをどこで開催するのか物凄く揉めた。
別に人界の各国が自分達の所でしようと水面下で争ったわけではない。
レオナ姫と勇者ダイのパプニカ王国、フォルケン王の跡継ぎとなったメルルとポップのテラン王国は、そちらでやってはいかがかと譲り合いをしたからであったりする。
フォルケン王としては穏やかで平和を愛する国と自負しているが、大国であるパプニカ王国の後継者達の婚儀の場にしては些か狭すぎるだろうとの配慮からであった。
この式に招待されるのはカール・ベンガーナ・リンガイア・ロモス王国だけではない。
魔界よりは魔界の神・大魔王バーンは無論の事、魔王ハドラーと今後地上界・天界と共に共存をしていく為に魔界より大国五か国の王達も招待することになっている。
ちなみに魔界は今バーンの名の下に十か国あり、一つは当然バーンが魔界の中央の広大な領地を有して政務をとっており、その左隣に二番目に大きな領地をハドラーが治めている。
今後大魔王の跡継ぎとなるべく、ハドラーは領地経営・魔界の調整・仲裁等をバーンの下で学んでいる真っ最中であるがそれはともかく、次に大きな領地ヴェルザーの旧領地であり今はバーンの預かりとなっており、残り七か国は五つには魔王と名乗って魔界の神・大魔王バーンに名乗る事を許されている者達が治めており、残り二つは小国で国というよりは自治組織に近い所であり、誰が出るかを決めるだけでも大変そうなので出席には及ばず、折を見て天・地・魔界の三界会議が実現できた時に顔合わせをしようとなっているがそれもまたともかく、パプニカ王国としても自国の姫と王子の結婚のみならずなのでここは永世中立国家と平和維持を掲げるテラン王国での婚儀こそが、次代の為にも良いのではないかと譲っている。
魔界のみならず三界の調停者・当代の竜の騎士にして勇者たるダイの寿ぎに天界・精霊界からの使者もくるので、竜の騎士の母にして守護者・聖母竜マザードラゴンを祀っているのでその資格は十二分にあるというのが言い分であり・・・・どちらで行うかで揉めた理由がそこにある。
揉めたというか平和的な譲り合いというおうか・・・・ダイ達の合同結婚式が世に発布されたたのは魔界が浮上しアバン達とヒュンケル達の結婚して一月後であり、場所決め難渋した。
そして決まったのが
「・・・・・・デルムリン島を一時拡大しての結婚式ってそれってない・・・・」
兄達の結婚式はどこでするのか、大戦一年後に目覚めた時物凄く気にかかっていた懸案を兄達から聞いたティファの一言がそれであった。
ヒュンケルとエイミが結婚した時に起きれなかった事に臍をかみ、兄達はどうなのだと聞けばポップが微妙な顔をして教えてくれた時、兄が何故幸せ一杯ではなく微妙な顔だったのかにティファは納得をした。
何故デルムリン島なのかからである。パプニカ王国であってもテラン王国の後継者達であっても祭祀の国として神殿を多く有しているパプニカ王国であれば問題はなく、テラン王国でも資格はあり場所もその時だけマザードラゴンが安置されているあの湖の側に、時間も二年あるのだから神殿を建てても良いのではないだろうかと思うのだが・・・・魔界の神様からの御助言があったとか・・・曰くこの世界が血塗れになる事なく平和になれたのは-デルムリン島で育った双子のお陰-であり、なればその後の平和を願う事も含めた婚姻の儀もデルムリン島が相応しいのではなかろうか・・・・パプニカに続いて不運の国という称号が、デルムリン島にも付けられた瞬間・・・とまではいかないがそれは兎も角、デルムリン島では小さすぎるだろうとアバン王が冷静に待ったをかけたがそこは魔界が何とかするとバーンは良い笑顔で提案をしたのが-転移装置で島をデルムリン島にくっつける-・・・・・・規模が大きすぎて訳分らんと、聡明で鳴るアバンも聞いた時は目が点になった。
聞けばバーンは大規模な転移魔術で大戦時パプニカ王国のかつて地底魔城のあった場所に大規模な塔を出現させており、其の陣をそのまま拡大すれば島と島を砂浜からつけるのは時間があれば可能であるとか・・・・・どうしてこんな凄いお人に勝てたのだろうかと、聞いたアバンを始めとした地上界の王達と、敵対した魔王ハドラーの背中には寒気が奔った!
その様子にとんと気が付かず良い提案をしていると笑う大魔王の顔は本当に好々爺としており・・・・この御人を二度と敵にしないように頑張ろうと決意を新たにしたものだ。
ちなみにその時のバーンは本当に周りの事は気が付かず、ダイ達の幸せの手助けができると喜んでおり、ひいてはティファもきっと目を覚ますのだからその時同じくらいに喜んでくれるだろうとしか考えていなかったりする。
物凄い規模の結婚式に相応しく、場所決めもまたぶっ飛んでいたがそれで結婚式の場所は決められた。
そして島は魔界の島では緑が残念ながらなく、カール王国の群島で程の良い所が見つかりそこに式場となる神殿を建て、式の一月前にデルムリン島に転移するようにとのときメモ行われ・・・・・一部魔界の魔法使い一団が大泣きしたとかなんとか・・・理由は推して知るべし・・
「式場が決まって日取りも決まって・・・・ダイ兄も落ち着いてよかったです。」
「ふふ、女性陣もじりじりとしていたとは驚きであったが、ダイ達ももう大丈夫であろうよ。」
「大魔王には何から何までお世話になっている気も・・・」
「ティファよ。」
この度兄の暴走を未然に防でくれた事をポップから聞いたティファはすぐさまバーンにお礼をしに行き、場所と式場の事も含めてお礼をしようとしたティファの言葉をバーンは止めた。
バーンとしては、ティファの言葉に溜息をつきたくなるのを堪えながらであった。
-何から何までお世話に-
その言葉はティファに言われてこそ相応しい言葉ではないか。
この世界の為に、己の魂までも使い切ってまでも魔界の名もなき民までをも救おうとしたティファに、その言葉を言われてしまっては自分達の立つ瀬がなくなるのを気っとティファは気が付いてはいないだろう。
「ティファ、余はこの世界は其方達の優しさに救われたのだ。力強い後押しのお陰で救われる道を行けたのだ。其方達の歩いてきた道を共に歩けるからこそ今日の我等がある。
この程度ではまだまだ返せる気も無いが、そこは千年の平和を築ける世界を作る事で返そうと思う。
それに、余もダイ達の結婚が楽しみなのだ・・・・・パレスで挙げて欲しかったのを我慢したのだ・・」
・・・・・物凄く良い事言ったのに、最後の一言は恐縮した自分を慰める為ではなく絶対に本音だろうと悟ったティファはがっくりとし、そしてクスクスと笑ってしまった。
バーンはとっても凄い、尊敬してやまない御人なのだが・・・兄のダイ曰くうっかりとしたところのある可愛い人という評価に相応しくお祭り大好きで慶事があれば自分が主催したいおちゃめなお人でもある。
きっと最後のは本当にそうしたかったのだろうと、それができないと少々がっかりとしたバーンに天啓が降って来たのだが。
「披露宴の後に、魔界の人達も呼べるような二次会をパレスでしてみませんか?」
というアバンの音頭の下発案されたことにがっつりと飛びついたのが一年前の話である。
魔界の人達もこの慶事を共にし何よりも天界と精霊界の使者達と魔界の民達との交流のきっかけになればと、地上界の王達にをアバンが根回しをして合意を各国からとりつけたのを、魔界の神様は大喜びをしてそこからパレスは-二次会-の為に大改造の真っ最中。
広い廊下をさらに広げて窓も増やして陽光を取り入れやすくする。
そして警備もしやすいように(大魔王が見守る勇者たちの二次会を襲撃する馬鹿はいないだろうとは言ってはいけない・・)会場は周りの壁を取り外して柱で支えさせた吹き抜け風にさせている。
ちなみにティファもその一件でミスト共にはっちゃけていたりする。
お式本番の披露宴でのお料理は断念した、何となればパプニカ王国とテラン王国の厨房が張り切っており・・・・・彼等の邪魔をしてはいかんだろうと料理人同士の心で二人は諦めた。
ならばバーンのお膝元でやる二次会では、存分に腕を振るってよかろうと勇者一行の料理人ティファと魔王軍の料理人ミストは披露宴当日のメニューをしっかりと両国から聞き出し、それと被らない料理を振舞おうと目玉通信やこうしてティファ本人が来た時に決められていくのをバーンとキルは微笑まし気に見守る。
時にはメニューの味見を二人は相伴にあずかれるので嬉しいことずくめである。
そしてもう一つ
「大魔王はダイ兄達に結婚の贈り物は決まっていますか?」
「ふむ・・・・武具の類は良くは無かろうし・・・・・地上界で絶えた魔法の書物は・・無粋であるかな?」
「・・・・・きっとお爺ちゃん学者さん達とポップ兄は喜ぶと思いますけど・・・・ラーハルト達とダイ兄達と、何より女性陣は・・」
「・・・・困ったの、アバン王とヒュンケルの時は復興金の寄付と、二人の新居費用で贈らせてもらったが・・」
「・・・・ダイ兄達にはいらないですね・・」
バーンはこの手の事にはとんと疎かった。
魔界の神様から祝いの言葉があれば涙を流して喜ぶ魔界とは違って、結婚祝いなんて贈ったことがないので仕方がないと言われればそこまでであるが、アバンの時は大戦で城内を壊された箇所の復興費用として、ヒュンケルの時には二人が新居を持つと聞きつけたのでその半金を贈ったのだが・・まだ時間があるので頑張って考えよう。
「ちなみにティファよ、その方は何を贈るのか決まっているのか?」
「ふっふっふ、はい!もうばっちりですよ。」
バーンの質問に、ティファは満面の笑みで答えたのをキルが興味を持った。
ティファも主同様にこう言った事は不慣れだとばかり思っていたが違うらしい。主の参考にならないかと聞いてみれば、これはティファにしか贈れないものであったのがざんねんであった。
ティファが贈るもの、それは
「この世界の最後と言っても差し支えないもの-万能なる万能薬-です!!」
この世界にあった世界樹の最後の一枚から作られた、-死者さえへも蘇らせる-最後の奇跡の薬、これは他の万能薬と違い腐敗もしない本当に奇跡の薬。
「これがあれば兄達の病気は無理でも、世の中何があるか分かりませんし薄めて使うだけで傷はすぐさま治ります。それこそ産後の肥立ちが悪くとも症状に合わせて使えば治るという代物です。」
「・・・・そのような物が・・」
「はい、あの最終戦まで取っておいたのですが出番がなくてよかったです。」
実はこの万能なる万能薬はダイ達にはもう無いとティファは大戦時に言ったのだが、それはこの薬があればいかなる無茶をしても大丈夫だろうという心の隙が生まれてしまうのを危惧したティファが付いた嘘であった。
事実これがあるのをダイとポップとヒュンケルとクロコダインが知れば、己の体を省みない戦いをした可能性がそこかしこにあったので、ティファの配慮は無駄ではなく・・それほどに厳しい戦いであったことの証でもあったが、これを平和の世で兄達の幸せの助けと仕える事をティファもバーンも共に喜び
「大魔王、この薬は二次会のこの場所でダイ兄達に渡したいのです。」
「ふむ、なれば保管庫で余が責任をもって預かろうぞ。」
「はい!大魔王達が守ってくれれば安心です!!」
「・・・キル、ミストよ・・」
「はい、近づくものは切っても?」
「・・・・細切れに・・」
「もう二人共、其の冗談は笑えませんよ?」
「はっは、そうだねごめんねお嬢ちゃん。そのくらいの気持ちで守らせてもらうよ。」
「・・・・・厳重にな・・」
ティファの安心の言葉に気を良くしたバーンは死神と影に絶対死守を命じ二人は張り切って今言った事をするつもりなのを、ティファは張り切りすぎだと笑っていながら四人でパレスの宝物庫の奥に行き、ティファが宝箱に万能なる万能薬を入れて結界をバーンが張り、念のためにバーンは宝物庫にも結界を施し四人のうちバーンとティファとキルは笑ってミストに夕餉は何かを聞きながら宝物庫を後にする。
-誰-であろうとも何人たりとも手が出せないように十重二十重に念入りに結界を施し、万能なる万能薬をもっと厳重に守るべきであったと誰もが後悔するのを未だ知らずに
今宵ここまで