勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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本番前の大切な行事?
大事な行事です(`・ω・´)


勇者達の大結婚式:結婚式前夜・前編

長かった・・・十代半ばの三年はあっという間だというなかれ!

彼等彼女等は互いを愛し合う思いが強いが為に!結婚なんてしたいと思った即日してもいいじゃないと暴走一歩手前であったのをお察ししてほしい。

 

少女達はティファにやんわりと慰められて三年を乗り切り、野郎どもは二代目大魔導士の説得と魔界の神様の助言で無事に三年を乗り切れた。

 

明日、とうとう結婚の日が明日行われる夜はきっと誰にとっても特別な日。

結婚する当人、その両親・家族、友人や仲間達もこの日が来るのをずっと待ち侘びていた。

可愛い子供達が結婚するその日を

 

 

sideパプニカ王国レオナ姫

 

「お前もとうとう嫁に行くのだな・・・」

「ふふ、おかしなお父様。私は確かにダイ君のお嫁さんになるけれども、ダイ君が婿入りしてくれるのよ?」

 

父にして国王たるレオールの病は大戦の頃に比べれば格段に良くはなっている。

魔界との和平を結べ、心労もなくなり何よりもティファが発案してくれたクスリのお陰で夜もよく眠れているのがいいのだとロムス宮廷医師長が言っていた。

それでも体力が元に戻る事はなく、夜は早いうちから寝る事はなくともベットで休息をとっている。

その父の膝の上に頭を靠れ、父の大きな手で頭を撫でてもらうのがレオナは何よりも大好きだ。

明日ダイの妻となる事になってもそれは変わらず、今もいつもの様に父の膝に頭を乗せながらゆったりと過ごしていると、父が自分がお嫁に行くのが寂しそうにしている。

そしてその通りに、レオールは娘に対して見栄を張る事をせずに素直に心情を吐露した。

 

「・・・それでも娘が他の・・・・いやダイ君に不満なぞ無いのだぞ?彼よりも優れている男はいないと私も思っている・・・しかしなレオナ、男親というのは娘が嫁に行くというのはどうにも寂しいのだ。」

「・・・・・新婚旅行から帰ってくればまたこの城でずっと一緒に暮らすのに?」

「・・・・情けないがその通りだ。」

 

明日はデルムリン島で自分達は人類で類を見ない-合同結婚式-を執り行う。

市井であれば、ごくまれに仲の良い者達で挙げる事があるらしいが、ロイヤルウェディングを合同でされたことは前例がない。

しかし今回はどこの国からも、それこそ王室の事になると何かと噂をする一般庶民すら全員と言っていいほど納得するだろう。

なにせ救国の英雄が姫君達を娶るのだから文句なぞある筈も無い。

その日はどこの国、ロイヤルウェディングを挙げるパプニカ王国・テラン王国のみならず、他の国もお祭り日になるらしい。

其の為の準備は三年をかけて行ってきて、とうとう明日となりその為にダイとポップは一日早くデルムリン島で過ごす事になった。

理由は国の後を継ぐレオナとメルルを、ダイとポップが結婚式場それもヴァージンロードの先にある祭壇の間で待つという事になったからだ。

普通であれば聖堂の式場の間の入口からがヴァージンロードとなるが、大国の姫君達の合同結婚式であればもっと大々的にしてみようという案が出され、それぞれの国のお城を出たところからがヴァージンロードとしようとなったのだ。

規模の大きさに訳分らん・・・とはならなかった。

なにせ結婚式場のデルムリン島を、-とある魔界の神様-が規模拡大するという前例があるので何が起こっても今更である。

それならばヴァージンロードの拡大位ではもう誰も驚かないのだ。

計画ではこうなっている。

レオナとメルルはウエディングドレスに身を包み、それぞれの王宮のバルコニーから国民に挨拶をし、これから自分達は結婚することを宣言する。

これは自国の民達への配慮の一つである。

自分達の国の跡取りとなる御方達が他国で大切な結婚式をするというのを頭では納得はできても心情的に不満があっても不思議ではない。

デルムリン島に行ける者達は限られており、当然一般庶民の彼らが入れる余地はない。

しかし自国で式をしたとしても大聖堂のお式は貴族以外は見れないだろうという意見もあるが、自国であれば当然パレードが催されるので、遠目からでも見られる可能性はきちんと誰にでもあるのだが、デルムリン島での式はそれが無い。

その心情を鑑み、先ずは自国の民達に寿いでもらべく、花婿となるダイとポップよりも先に花嫁姿をお披露目し、そしてその様を悪魔の目玉が中継をする。

それはパプニカ王国ではパプニカの国民達だけが、テラン王国ではテランの国民だけが見られるようにしており、いかに自国の民達を優先しているかを全面的に押し出した演出であるが、レオナもメルルも共に祖国を愛し、彼等に祝って欲しいのでこの提案が出された時に真っ先に実現してほしいと声を上げたのだ。

自分達を育んできてくれた国を、メルルは自然豊かで静謐で長閑なテラン王国を愛し、レオナはお転婆姫として有名でよく城下町や白の裏手の森に遊びに行っていた。

時には港の方までこっそりと行っていたと・・・本人はこっそりと行ったつもりであってもばっちりと護衛が付いていたのだがそれは兎も角、子供心にも風光明媚な自分の国は世界で一番美しい国だと思い、世界を巡った今でもそうだと自負している。

その国を、ハドラー大戦とバーン大戦のどちらの大戦でも被害があった国を治め切って見せた凄い父が、明日自分がお嫁に行くというのは寂しいと大真面目に言っているのがレオナにはおかしくなる。

 

-私お父様のお嫁さんになるの-

 

遠い昔、父にそういった時、父はとてもうれしそうにしてくれたのが不意に思い出した。

あの時は父よりも素晴らしい男はいないと思っていたのが、賢者となるべくデルムリン島に行き・・・・賢者になるどころか人生が一変したあの島で自分は本当の恋を見つけた。

初恋は実らないと誰かが言っていた・・・・そうかもしれない。

本当の恋ではないけれども、確かに自分はお父様のお嫁さんになりたかった。

その父のエスコートでヴァージンロードを歩き、本当の恋の相手を見つけたあの島で結婚をする・・・・・何と数奇な運命なのだろうと自分でも思う。

 

「お父様・・・・私はダイ君が好き・・・・・それと同じくらいお父様も大好きなの。」

「レオナ・・・」

「私がしわくちゃの御婆ちゃんになっても私はお父様の愛娘だもの・・」

「そうだな、私の愛娘はお前一人だ。私の可愛い娘はお転婆で人の恋愛ごとが大好きで・・」

「・・・・・お父様・・」

「そして優しく賢い娘だ。」

「・・・・・」

「幸せにおなりレオナ。ダイ君とお前ならきっと良い国を作っていける。そして周りの人達がきっと助けてくれる。私も・・・・あの子の言う通りお前とダイ君の子供が大きくなるまで長生きするつもりだ。」

「うん・・・・うん・・・絶対に長生きしてね・・・ひ孫見るくらいにきっとよ・・」

「おやおや、私の愛娘は泣き虫でもあったか・・・泣くのは明日まで待てないのかな?」

「・・・・お父様の意地悪・・」

 

煌々とした月が、仲睦まじい親子の睦あいを照らしている。

廊下で王と王女を護衛している騎士達がその様に涙を浮かべている。

 

 

sideテラン王国メルル

 

「明日か・・・・ワシ等にとっては三年はあっという間であったな。」

「その通りですが、孫娘には遅く感じたようですねフォルケン王。」

「・・・フォルケン様・・・おばぁ様・・」

 

パプニカでレオールとレオナが仲睦まじくしているように、テラン王国でもメルルを囲んでフォルケンとナバラが明日を楽しみにしながら楽しく話している。

特にナバラは、小さい頃は人見知りが激しく引っ込み思案であった孫娘を案じていたが何のことはない、それはメルルのうちに眠っていた途方もない才能が、メルルに人の中にある邪な信念を無意識に読み取ってしまっていたのが原因だったのだ。

それは長ずるにつれ才能が開花され、遂には人々を救う神託を受けるほどにまでなった。

しかし当のメルルはその事を驕ることなく、優しく少し恥ずかしがり屋なところがある可愛い孫娘のままであった。

その孫娘が明日結婚をし、そしてゆくゆくはこの国の女王となる。

少数であるとはいえ国民を導き、国を率いる重い責任はきっとメルル一人では潰れてしまうだろうが、夫となるのは-あの-魔法使いポップである。

大戦時より麒麟児の名を欲しいままにしていた才能の塊のような少年。

魔法はもとよりも相手が一国の王であっても物怖じせずに、若き勇者一行の道を照らしだしてきたあの少年であればきっとメルルを支えてくれると信じてフォルケンはメルルをテランの跡取りにと話を上げた。

これより世界は戦よりも平和を維持する方面で進んでいくはず。

それはかつて戦をなくすために自国民から武具を取り上げ、そして道具の開発をも禁じ自然と共生することを強いたという・・・・・今考えれば愚策以外の何物でもない政策の為にこの国を衰退させてしまった。

モンスター達が跋扈するこの世界でそれは無謀であろうと今であれば思えるが、当時は若く自分の理想のみしか見ていなかった愚策で、自分の寿命と共にこの国は自然消滅するものだとばかり思っていたが・・・光明が見えた。

大戦が和平で終わり、魔界との共存の道を事で。

 

世界はこれより平和維持の為の方策が是とされる。その時、大戦で様々な出来事を間近で見て、平和の尊さを大切さを知ったメルルであるならば平和を国是とした国を魔法使いポップと共に導けると信じて託した。

それは料理人ティファの存在があったからだ。彼女はずっと、この世界の争いを止めたいと願っていたという。

それは自分の様に発布を出してそれで良しとしただけではない。そうしたいと願っただけではない。

文字通り自分自身の何もかもを使い切ってまでも、この世界の平和を願い、他者の幸せを願い、笑顔を守ろうとして来たのをメルルはずっと見ていた、それこそが最大の理由。

料理人ティファの願いを、メルルも勇者達もそして各国の王達も賛意を示しそしてその道を行こうとしている。

 

「メルル、この国の事もあるだろうが、何よりもお前自身が幸せになるのだ。」

「フォルケン様・・」

「ポップと共に幸せになり、そして誰もが笑って幸せになれる国を共に作りなさい。

今この国に住まう民達は少ない・・それでもこの国を愛してくれている。

彼らの事を頼んだぞ。」

「そんなフォルケン様!!」

 

遺言のようなフォルケンの言葉に気色ばむメルルを宥める様に、ナバラが陽気な笑い声を発した。

「ほっほ、まだまだワシ等は長生きせねばなりなませんぞフォルケン王。孫娘の子を抱くまではの~。」

「そうです!もっと長生きしてくださいフォルケン様!!」

「む・・・・そうか・・・そうじゃな。頑張るか。」

 

しんみりとするよりも楽しい方がいいと、ナバラが盛り上げその夜は楽しい笑い声がテラン王宮内に響き渡る。

明日の結婚式を楽しみにして。




今宵ここまで
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