勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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中編=前夜とありますがお昼ごろからのお話です


勇者達の大結婚式:結婚式前夜・中編

レオナとメルルの結婚前夜は実にしみじみとほのぼのとした中で過ぎていく中・・・ダイ達の方はえっらい事になっていたりする。

別にダイ達が今更花嫁恋しく騒いでいる訳ではなく、明日のお式の為に前日からデルムリン島に来ている者達が問題であった。

 

ダイとラーハルトとマァムが島にいるのは当然であり、ポップもまた前日からいたほうが落ち着くというので島にいる。

そしてそのマァムの両親であるロカとレイラも、式に遅刻するよりは娘の所に泊まりたいというのも扱く当然であり、ポップの両親ジャンクとスティーヌの方はティファの方から声をかけ、二人もお言葉に甘えてティファのキメラの翼で一緒にやって来た。

マァムの父であるロカは、長い間ハドラー大戦でボロボロになった体を抱えて闘病生活を送っていたが、近頃はキメラの翼の移動に耐えられるくらいまでには回復で来たので迎えに行ったラーハルトとマァムと共に島にやって来たのを、ブラス達は大歓迎をした。

ラーハルト共に島のモンスター達は言うに及ばず、ティファの事を大切にしてくれる素直で優しいマァムの両親に常々会いたいと思っていたからだ。

それはバランも同様であった。先の大戦でロカは、あの魔界の神大魔王バーンを本気で叱り飛ばした、戦士として尊敬の念に値する漢に会いたいと思っていたのでいそいそと歓迎の準備をして待っていた。

島のラーハルトとマァムが住んでいる家の前で待っていたブラスとバランは、着いた時ロカの体調が崩れていないかを心配した。常ならばティファがいるのだが生憎二人と同じ時にポップと共にジャンクとスティーヌの迎えに行ってしまったので、ブラスもそれなりに薬学知識はあるが、ティファの様に万能薬を作れるほどの知識はないので大丈夫だろうかとやきもきしていたが、存外ロカはケロッとしており会って早々二カリと笑みを向けられた。

 

「初めましてだな。俺はロカ、こっちはかみさんのレイラだ。今日は厄介になるが一つよろしく頼む。」

 

それは堂々とした挨拶であった。やはりロカは常任よりも痩せて頬もこけており声も小さいが、瞳は力強く声音にも力が満ち溢れていた。

往年の戦士、まさしくそれに相応しい風格を持ち、これをしてマァムの戦士としての心を育んだ親であるのを、バランは好ましく思い、マァムへの常日頃の感謝も込めた挨拶をしてロカとレイラを歓待しようとしたところにポップ達も帰って来た。

 

「ただいま~・・・あ!!ロカさんレイラさんお久しぶりです!!この度はおめでとうございます。ロカさん体調はいかがですか?」

「おうティファ久しぶりだな。二週間前にマトリフ様と一緒にあったばかりだろがよ・・そうそう崩れるほど俺はやわじゃねぇぞ。」

「久しぶりねティファさん。ティファさんとマトリフ様の新薬のお陰でロカの食欲がまた上がったのよ。」

「それって私も一緒に行ったときに渡されたやつ?」

「そうだぜマァム。」

 

賑やかしい再会の後、キメラの翼の移動なぞ人生初であったジャンクとスティーヌはその間に落ち着き、二人もまたブラスとバランに挨拶をしあってダイ達の家へと向かった。

近頃は某魔界の神様御一行が来ることが多くなったので、いっそのこと広くしてしまおうとティファが全額を出して家をリフォームは・・・・できなかった。

別にリフォームができなかったのではない、どこでか分からないがその話を聞きつけた某大魔王様にリフォーム代金を知らぬ間に肩代わりしてもらっててその話を知ったティファはぶっ飛んで急いで某大魔王様に陳情した。

自分だってそれなりに働いてお金はある!恵んでもらう言われないという陳情は至極真っ当な言い分で滅せられた

 

曰くリフォームの理由が自分達にあるのであれば、出すのは当然

 

ぐうの音も出ない正論に負けたティファは以降はその事を口に出さなかったがそれは兎も角、広々とした家で皆にくつろいでもらうべくダイとポップとティファは張り切って先頭を歩いていく。

途中景色の良い所をロカ達に見せ、島にいるモンスター達の紹介をしながら進むのは、ロカ達にとっては新鮮であった。

大戦前からモンスターとは見た目が可愛いものであっても油断してよいものではないというのが世間一般の常識であり、ゆえにティファ達に挨拶をして自分達の事も興味深げに見てくるモンスター達に不思議な感じがする。

それこそ戦士として戦っていたロカとレイラには、こんな風に穏やかにモンスター達をまじかで見たことはなく猶更不思議になるのを、後ろからついていくマァムとラーハルトは微笑ましげに見ている。

もう戦いの時は終わり、穏やかな世が来たのだと

 

互いの両親が来たのは昼頃であり、昼食はティファとマァムとブラスが張り切って用意した。

ロカには栄養と何よりも消化に良いものをマァムが張り切ってこさへ、自分達も手伝うと言ってくれたレイラとスティーヌを、ラーハルトとポップが止めた。

 

「母君は今日は持て成されるべき客人です。父君と同様こちらでお待ちを。」

「お袋もそうだぜ。俺が代わりに手伝ってくるから、ここで親父達と一緒に待っててくれよ。ラーハルト、後頼まぁ~。」

 

ラーハルトはロカとレイラ父君、母君と呼んでいる。これには二人も、自分達はそんな大層なものではない、親父殿・お袋殿とかその辺でどうだと言ってもラーハルトが聞かなかった。

ラーハルトは幼少期に父はもとより母も早くに亡くし、心の底では家族と言うものに対して憧れそして愛情に飢えていた。

その心を押し殺すように人間への憎悪で心を満たさんとした時に・・・出会ったティファとリュート村の子等に救われそして本当の家族を得られたその思いから、ロカとレイラを下にも置かず、孝行息子をしている。

ロカが咳き込めば程の良いぬるま湯を差し出し、薪割りをレイラがしなくて済むように大量に作ってティファからもらったマジックリングに収納して渡し、三日に一度はマァムと共に昼食を摂りに行き、半月に一度は泊まりに行って・・・・もういっそのことネイル村に住んだ方がいいんじゃねぇとはポップの言葉だが、ラーハルトとマァムはティファの下にもいたいのでその言葉に頷く事はなかった。

今もまた居間でロカがくつろげるようにと柔らかいソファーをラーハルトとマァムが用意をし、そして優しい眼差しでロカとレイラに話しかけているラーハルトを、周り特にバランとガルダンディとボラホーンは微笑んで見ている。

ラーハルトの柔らかい笑みを見られて何よりであると。

 

ジャンクとスティーヌも持ち前の人当たりの良さから周りとすぐに打ち解け楽しい昼食会が始まった。

 

「このジャムはティファと一緒に作ったの。」

「お袋、俺も少しは料理できるようになったんだぜ。」

「・・・・俺も習ってその内父君達に・・」

「ラーハルト!貴方何でもできるんだから私の仕事まで取らないで・・」

 

ポップやラーハルトとマァムの初々しい掛け合いに、ダイとティファもブラスとマァムの作った料理に舌鼓をうってさぁこの後は何をして遊ぼうかとティファが考えている時に扉がノックをされたのでティファが出てみれば・・・・・超あり得ない御一行様達がやってきていた・・・

 

「久しいなティファよ、招かれてはいないが-余等-も今日泊まってよいだろうか?」

 

・・・・・・魔界の神様が-勇者一行の関係者御一同-を引き連れてやって来るって普通ない・・・・




今宵ここまで
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