-遡った一時間前のサババ砦-
最悪な性格ともいえる敵達から兄とチウとそしてこの世界の勇者一行を丸ごと無事に逃がさたティファは、兄ポップの腕の中で心が疲れ果て闘う理由が分からなくなってしまったと泣く勇者ダイと、その勇者を支えられずに済まないと泣いている若き魔法使いポップ、そしてその二人の事を思って泣いているマァムとヒュンケルとクロコダインを一頻り泣かせて少ししてから次の場所に行くことを告げた。
「着いた場所でも泣いていても大丈夫です。」
泣く事は恥ではないとティファはダイ達ににっこりと笑って告げる。
心の痛みや倦み疲れた心の淀みを吐き出す事は、生きている上では大事な事なのをティファは経験から知っているからこそ伝えられる言葉であった。
確かに泣いている場合ではない時もある。泣いてもどうにもならない事もある。
だからと言って泣くことすべてを弱い者として悪し様に言う者があるが、少なくともティファとその周辺の者達にはその考えはなく、今は急ぐ状況なので、移動しながらでもその先でも泣いてもいいので動いて欲しいのだと、ティファは幼いダイの頭を撫でながら優しく語りかける様にお願いをし、ダイは不安そうな顔をした。
「移動って・・・親父はどうするの?」
「あ・・・バランのあの体じゃ移動に耐えられるかの?」
自分達だけならば難なく移動をすることは可能であるだろう、しかし生命活動にもう支障がないとはいえ昏睡状態にある父を置いて行かなければならないのかと青褪めるダイとポップに、ティファは心配いらないと解決策を提示する。
「ダイ君、-私達-は人間ではありません・・・・少し嫌かもしれませんが-筒-に入れます。」
「それって・・・できるの?」
「はい・・・この筒は魔神や魔王でも入れられる伝説等級の筒でして・・・その・・」
「いいよ・・・・親父を憎んでる人間は沢山いる・・・・・お願いできるお姉ちゃん?」
「ダイ君・・・」
ティファは幼い頃、三神達と自由に会話ができたデルムリン島の洞窟で、モンスター筒に魔王や竜の騎士達は入れられるのかという長年の疑問を聞いて、可能であると教えられそれ専用の筒を、洞窟の深い場所の宝物として手に入れている。
しかしティファは自分の提案した事とは言えど、それは竜の騎士が引いてはダイも人間ではなく-魔族--魔物-に類する者であると言ったも同然の事を、それをあっさりとに飲み込みそして父の犯した罪の重さを十全に知っている事にティファは心を痛める。
周りの事はどうでもよく・・・それこそ自身がどうなってももういいと放り捨てかけたあの時の自分の心情が、今目の前にいる幼いダイが味わっている事に悲しくなる。
あの時、自分の心は奈落の底に落ちかけていた。何もかもがどうでもよく、一体自分は何の為に闘いに身を投じたのかと、己で決めた事すら見失いかける程に疲れ果て心もなくなりかけた暗く冷たい感覚を、今でも夢に見て跳ね起きる事がある。
あんな思いは自分も、そして誰にもしてほしくないと願っていたのだが儘ならないものだと内心で深いため息をつきながら、ダイの願いに応える。
「ダイ君のお父さんの事任された。大丈夫、きっとお父さんは目を覚ますから。」
兎に角ダイを安心させるところから始める事にしたティファは、現在ダイの心の拠り所となっている父バランを助けるところから始める事にしてダイに指切りげんまんの約束をする。
自分が約束をした事は必ず守られてきたのだという実績を伴った言葉に、ダイはティファの言葉と心の温かさに、凍てついてしまった心の中でじんわりとした何かが生じるのを感じながら、絡められたティファの指をおずおずと絡み返すのを、隣にいるポップと、チウに誘われ四人の側に来たマァムとヒュンケルとクロコダインは泣き笑いをしながら見守り、そしてバランを筒に入れて一行は動いた。
行き先はカールにある破邪の洞窟、目指す相手は死んだふりをしたであろうこの世界のアバン先生。
当然ティファはその裏どりをきちんとした。
ダイ達に、この世界のアバン先生が、こんな感じの首飾りをしていなかったかを絵にかいて聞いてみれば、確かに付けていたというのでネタ晴らしをした。
「これはカールのお守りという首飾りでして、身代わりアイテムなのです。」
そのおかげで向こうの世界のアバン先生はきちんと助かり、カールの破邪の洞窟で弱った自分を鍛錬していたのだと教えれば・・・・ダイとマァムとポップはおろか、冷静沈着そうなヒュンケルすらもが顎が外れるのではないかと心配したくなるほど愕然としたのを、ポップは苦笑しそうになるのと堪える。
自分だとて先生が死んでしまったと思ったからこそ子供の一行でも我武者羅に突き進み、力をつけてきたのが、実は生きていましたと言われては驚くのも無理はないのだから。
そんな感傷の時間も惜しいとばかりに、ティファはポップ二人にトベルーラでカール王国の洞窟に行く指示出しをテキパキとした行く。
向こうの世界の破邪の洞窟は、兄も何度か挑戦して場所は知ってはいるのだが、果たしてこの世界ではルーラがその通りに発動をするのか疑念があるのでトベルーラで行くのだときちんと説明をしながらである。
時間があれば兄ポップに手近なところに行って帰ってくるという実験をしたいところだが、急を要する事なので確実な方を選び、兄ポップの方にクロコダインとチウと・・・兄から離れないダイを、少年ポップの方はマァムとヒュンケルと自分を運んでもらう。
兄の方が魔法量は多く、クロコダインを運んでも問題なかろうと計算をしたのだがここで一つ疑問があると少年ポップと兄ポップから同時に質問をされた。
「あいつ等俺達の事血眼になって探していると思うけどその辺どうすんだ?」
あいつ等とは魔王軍の事であり、勇者達を取り逃がしたかろと言ってはいそうですかと放置するはずはなく、シャドーだのゴーストだのありとあらゆる索敵が得意な者達を総動員して探すだろうという二人のポップの言葉に、ティファは良い笑顔でにっこりと言い切った。
「私の結界は完璧です。」
・・・・・その言葉の通り、サババ砦を探りに来た目玉の前で二人のポップが全員を連れてのトベルーラというど派手な事をしても、目玉には何も映らずここには誰もいないと報告をして他に行った。
・・・・こいつ一体何者だと、大人ポップとチウと、他の事に関心が薄くなってしまったダイ以外は呆然とした。
この世界にはティファが使ったような呪文も呪法もみた事も聞いた事も無いのだから無理はない。
しかし驚きの目を向けられることに慣れているティファは気にせず結界をステルスモードにして兄ポップと少年ポップの速度を同じようにするように指示を出してはみ出さないように細心の注意を払いながら、一路洞窟を目指す。
保護者その一をさっさとゲットするべく。
カール王国にある破邪の洞窟、そこは屈強な戦士と言えども走破された事のない大迷宮であり、あれ程度の深度は古文書に記されているが、自分のいる百二十五階は人類史上で初であろう・・・・そろそろ地上に戻った方がいいかと迷い、進もうしていたアバンの目の前に-光の柱-とも言えそう何かが天井をぶち抜いてそして・・・・威力は殺される事なく、洞窟の底へと真っ直ぐ向かっていったのを、アバンは呆然として見送った。
見てみれば自分の靴のつま先が・・・一歩間違えれば自分もこの床と天井の如く!!
全身に寒気が奔ったたアバンの耳に、怒声が届いた。
「何てことすんだよあんた達!!ここ神様が作ったていう洞窟・・・」
「いいんだよ!!俺の妹をアイテム扱いするような神さんの事なんて気にしてやる謂れは俺には無ぇ!!時間も無ぇんだから手っ取り早く行くぞ!!」
それでも神達や他の者達がとやかく言って来たとは相手してやらぁと、仄暗い声を最後に静寂が落ちた。
様々な意味で驚愕をしているアバンの耳に、ここで聞こえるはずのない愛弟子の声が・・二つも聞こえる事に幻聴でも聞こえたかと先ず己の耳を疑った!
この洞窟を、おそらくは魔法であるだろうが其れで撃ち抜いて走破しようなどという発想をする者は未だかつていないと、お前はいったい何を考えていると幼馴染からも味方からもそれこそあのハドラーからも言われたアバンとても・・・こんな乱暴どころか暴挙に打って出たのが愛弟子だとは思いたくはない!
あの子は才はあれどもさぼり癖があり臆病なところがある子であり、あの様な暴論とそして暗い声を出す子ではなかった・・しかし・・・二人分の声か聞こえて、片方は若干声が低く感じたのは何故だろうという疑問は直ぐに解消された。
二人のポップが自分の弟子全員と見た事も無い大型リザードマンと大ネズミと・・・こんな洞窟には不釣り合いなドレス姿の女の子を伴ってやってきた・・
「ああ!!!本当に先生いた!!!」
「先生!アバン先生!!」
少年ポップとマァムはアバン先生に会えたことを単純に喜び抱き着くのを、師に対しては様々な意味で罪悪感しかないヒュンケルは内心の喜びを表に出せずに途方に暮れる中、ダイはその様子を大人ポップの服を握りながら遠巻きにして見る。
先生は・・・強いはずなのに自分達の困難を見捨てたのだろうと・・・生きているならどうして助けてくれなかったのかという疑念の視線を感じたアバンは、泣いて自分に抱き着くポップとマァムの頭を撫でてやりながら視線の先を辿れば、冷めた目で見ているダイがいた。
たった数日ではあるが島では感情豊かで優しいダイの、冷たい表情は何事かと聞こうとしたその時、ドレス姿の女の子が申し訳なさそうな顔をして挨拶をしてきた。
「その・・・申し訳ありません・・・兄ポップの極大消滅呪文がほんの少しつま先に当たってしまったようですが・・・・大丈夫ですか?」
その言葉に、ポップとマァムは青褪めすぐさま体を離して師のつま先を見てみれば・・靴下も焦げて指がのぞいていた・・・
「すみません、-この世界-にもその人達にとっても時間がないので極大消滅呪文使ってショートカットをさせていただいたのですが・・・まさかアバンさんに当たりそうになるとは発案した時には露にも思いませんで。」
なにせこの洞窟は広いので、そんな天文的な確率のあり得ない事が発生するとは思いませんでしたと頭を掻きながら申し訳なさそうにしている少女に、アバンは唖然とした。
言っている内容からつまるところ、神が人間の為に用意をしてくれた神聖な洞窟を、一つ一つの試練をきちんと突破するではなく、マトリフが凍れる時の秘宝で封印されたハドラーを葬り去る為の極大消滅呪文をこの洞窟に使用する事を、着ている者は兎も角見た目は真っ当そうな少女がしたと言われればふつう驚くのをティファは構わずサクサクと自己紹介をする。
「初めてお目にかかります。私はこの世界ではなく他界からこの世界の聖母竜と天界の神から誘拐をされてやってきた他界の勇者一行で料理人をしていたティファと申します。
此方にいる大ネズミ武闘家のチウで、ダキシードを着ているのは他界の魔法使いポップです。時間がないのでお話聞いてください。」
・・・・にっこりとしながらこれまでの経緯を怒涛の勢いでアバンの頭にインストールをしたティファは、話し終えた後黙り込むアバンを放っておく。
必要な情報と現状報告したのだから、きっとアバンの頭は高速化で情報処理をしているだろうか少しだけ時間が・・・
「それでは-私達-は直ぐに動かなければならないですね、ティファさん。」
「・・・・へ?」
「その前にですね、-貴女-の持っている情報と、今使える手札を全部教えてください。」
「・・・・はい?」
「貴女の使える能力は結界と移動手段と後は何ですか?そして貴女方の世界で勇者一行の味方をした人たちの情報とポップ。」
「は?・・・はい!!」
「この世界で貴方達を助けてくれた人たちの名前と居所を今すぐに・・・どうしましたかティファさん、時間が無いのですからサクっと行きましょう!」
・・・前言撤回・・・アバンはティファの情報をすぐさま精査し終えて現状把握をすぐさましてティファと自分の弟子であるポップにこれから必要になる事の為の追加情報をティファとポップに提出をさせる様に・・・・さしものティファも、自分の情報疑わないのかと思いつつ、式神の事とハイ=エントのシュガー=アンド=スパイスの事を話す。
無論アバンはティファの言った事を全て無条件に信じたわけではない。
しかし信じるに足る事が-二つ-あった。
一つは自分は弟子達の卒業記念に贈った輝聖石-を、ポップとマァムとダイと・・・そしてヒュンケルが見える様に鎧の上にしているのを見て、ここにいる子達は確かに本物の自分の弟子であり、そしてタキシード姿のポップの輝聖石からも自分が施した加護が感じられる。
これは自分オリジナルであり、他界の話も神隠しを知っているアバンとしてはすぐさま受け入れられものであった。
そしてもう一つは、この世界の神が破邪の洞窟に施しているはずの結界を一時切っていることがティファという少女の言葉の後押しとなっている。
少女ティファは、極大消滅呪文で床を撃ち抜く前にまずは一階層にて壁に向かって撃っても跳ね返されないかの実験をして大丈夫だと確信を得たので実行したと言っていたが、古文書によれば、闘気で床を砕いて下に降りた者の記述と、イオナズンやベギラゴンの呪文を同じように使ったものがいて成功しているのでその事ではなく、モンスターであるリザードマンのクロコダインと大ネズミモンスターのチウがいる事はあり得ない。
ここは人間が魔族・モンスター達に対抗できる術を手に入れる為の場所であり、神の加護を持つ竜の騎士の子のダイと異界のティファは兎も角、モンスターが入れる筈が本来であればない。
しかしそれが無いという事は、この世界の神か神々が、少女ティファの為に結界を切ったからだと推測が出来れば、ティファの言葉に信ぴょう性がぐんと上がり、後は自分も共に行動する中でティファ達の言ったことすべてが真実かどうかを見極めればよいと切り替えての事であった。
そして得られた情報からアバンはすぐさま計画を立案する。
先ずはティファにこの後どうするつもりであったのかを聞いたところ、ティファも勇者一行の関係者一同を保護してから、兄ポップが大戦時に保護されたカールにある隠し砦に向かうつもりであったのを聞いた。
その際魔王軍に人質を取ろうとしても無駄であることと、式神の事は言わないまでも空飛ぶパレスの位置はいつでも分かるのだという警告文を残していくとく計画を、アバンは若干修正する案を出した。
それはすなわち
「・・・生きて・・・・いたのですねアバン様・・・」
「驚かして申し訳ないレイラ、しかしこの世界に危機が訪れています。
村長殿、先ほど言った通り勇者一行は一度敗れ、魔王軍は地上を消滅させようとしています。
その際邪魔な我々を一堂に集めて消すために貴方達を人質に取る可能性が大きいのです。」
「それは・・・我々にネイル村を去れと・・・」
「申し訳ありません、手紙を書きましたので、今からここにいるポップと-魔法使い-のルーラでロモス城に保護してもらってください。手紙には私の印章があるので信じてもらえるはずです。王城か城下町に言った事のある方はキメラの翼を私の合図で同時に・・最低限の身の回りの物を持っていけば、ロモス王ならば・・」
「・・・・確かに、あの王様ならば儂等を無下にはせんでしょう・・・分かりました、レイラ、マァム・・・気を付けて・・」
「マァムお姉ちゃん!レイラさん!!また会おうね!!!」
先の大戦で世界を救い名を馳せ、そしてネイル村でも顔が知られているアバンが、自分の生存に驚く村長とレイラに村人たちを村の中央に集めさせてこの世界の危機の大まかな事を話し、レイラは手元で保護をして村人達は手紙を持たせてロモス王の下保護してもらう事になった。
移動手段はポップと頭からロープを着込んだ魔法使いのルーラと、王城に行ったものは用意したキメラの翼で同時に行ってもらう。
魔王軍に見つからない対策として、ロープの魔法使いの懐にいるティファに結界を張ってもらいながらの往復をしてもらっている間に、アバンは村の中央に机を持ってくるようにヒュンケルに頼み、おかれた机の上にティファに書かせた手紙を風で飛ばされないように石を乗せて置手紙をする。
「・・・・お姉ちゃんこの手紙書く時とっても嫌がってった・・・」
ダイがその時の事を思い出したのを、アバンは苦笑する。
「仕方がないのですよダイ、敵の行動を少しでも遅滞させるには真っ当な手段だけでは難しいのです。相手の心を乱しながら、怖れさせる事も必要なのです。」
ティファという少女は真っ当に書き、空飛ぶ要塞の監視は可能であると怖れさせて止めようとしたのだろうが、それでは心理戦としては不足なのである。
自分の力を魅せつけてこそ、怖れと言うものは増幅される。其のアピールの為の力と知識と策略も使えるという見せつけを煽りと共にするのがこの手紙なのだが・・・
「やです!!そんなはしたない手紙・・・書いたらじいちゃんに怒られる・・」
向こうの世界の大戦を潜り抜けてきたにしてはどこか奇麗すぎる発想をするティファに、アバンは心を鬼にして書かせたのだ。
自分の字では、この一行に誰か知恵者が付いたことを教えてしまうも同然であり、この世界と向こうの字は一緒だと確認を取ったアバンは、煽り文句を入れた手紙をきちんとティファに書かせた。
それを嫌がっていたのを、ダイも見ていて嫌であった。
先生もまた、世界を守るために嫌がる事を人に強要するのだろうかと疑念を生じさせて。
それが自分達を守る為の事だとダイには分からない。
守るという事は優しい事だけでは駄目なのだと今のダイに言っても、きっと心には届かない。
それでもアバンにはダイを放っておくという選択肢はなく、印を与えた時のように膝をつき、ダイの目線に合わせて説明をする。
ティファならば、他界の勇者一行を守って来た彼女であればきっと分かってくれる。
守ることの難しさを、それでも守る者の気持ちを分かってくれているからこそ頼んだのだと。
納得はしないが、自分から顔を背けないダイの頭をそっと撫でているところに、見送りに行ったレイラもつれて三人は戻り、そして同じような要領でアバン達は保護に向かった。
マトリフには少し驚かれたが呆れられ、理由をきちんと後で説明すると言えばあっさりと了承された。
次のランカークスではポップが父と母を説得し、二人もまた成長したポップの言葉を疑う事無く村長と村人達を説得してベンガーナ王に保護してもらうべく、ネイル村と同じ方法で城下町に全員を送り届けている間に、ダイとヒュンケルの二人はロン・ベルクを訪ね、状況説明と最後の戦いの為に武器を作ってほしいと頭を下げるのを、ロン・ベルクは一度断った。
ロン・ベルクとしてはこの世界の命運はどうでもよく、滅びるならばそこまでだと言う斜に構えた言葉を言われたダイは食い下がらなかった。
そうかもしれない、誰かに無理強いをしなければ存続する世界に意味を見出せないダイをの態度に、ロン・ベルクは不審に思う中、追いついてきたポップと、特にジャンクに頭を下げられて折れた。
俺の息子とその仲間を死なせたくないと、あの不器用な男が一心に下げる頭は決して安くないとロン・ベルクは友誼を結んだジャンクの息子の為だと、武器作りに必要な道具を全て旅人の袋に入れて支度をした。
向こうで高炉はあるのかと問えば用意できる仲間がいると言うポップの言葉を信じ、一緒に来てくれるのかと視線で問うってきたダイの頭をポンポンと叩きながら待っている者達の下へと急ぎ、その五分後に魔王丸が各自の場所に辿り着いた、まさに危機一髪だったのである。
そしてブロキーナ老師の方は、ティファの式見で発見をして説明せずに連れていき、アバンを先頭にカール騎士達の隠れている砦の前で結界を解除させて・・・大混乱になったのを宥めそして・・・・フローラ女王陛下が割を食ったのだ・・・
「・・・・ポップ兄、チウ君、あんなお手紙をティファが書いた事皆には内緒にしてね?」
「安心しろティファ、あれはお前が書いたんじゃねえんだから。」
「そうです、僕も誰にも言いませんよ。」
はしたないお手紙を書いてしまったのを、終生内緒にしてくれると言う二人の言葉を得てティファはようやく立ち直った。
考えてみれば煽り文句は書かずとも、似たようなことを敵達にさんざん言って自分にヘイトを集めて一行の安全を図っていたのだからと立ち直りを図った。
これで一行の人達の関係者一同の安全は確保された!
この世界の未来の為にもみんなで知恵を出し合ってもらう!
無論私も口を出す!!
今宵ここまで