勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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いしの積まれる世界:頑張る事もほどほどに・・・

青年ポップとチウティファがこの世界に来て二度目の夜を迎える。

一日目は物凄い事がありすぎて何が何だか分からない内に寝落ちしていた青年ポップは、今日は頭の中で反省会をしながら寝るかと、自分を真ん中にしてチウを左側に、右側にティファを寝かしつけて一人反省会を開始する・・・・主な内容はそう・・・やりすぎただろうか?

 

 

遡った昼頃の隠し砦の中庭

 

ここからここまで城内とちょっと先くらいは結界でこの城隠しているからそこそこの特訓していいけれども・・・本気のメドローア撃たれたれたら流石の結界も割れるからね。

こと特訓となると少々見境が無くなるポップの評価は、ティファのみならずクロファもその通りだと賛同しているので、朝食後の大発表の後に意識を取り換えたクロファはガッツリと兄ポップにくぎを刺していった。

 

お願いだから結界壊さないでねと。

そしてもし万が一結界が割られた時ティファ自身がどうなるのかを超具体的に伝えておいた。

結界が強固であればあるほど、術者とダイレクトにつながっている結界が破壊された時、最悪術者は死ぬことまでは言わなかったが

 

「私の全身ズタボロになるね。」

 

まだまだ未発達で子供で通せそうなティファがズタボロになるなんて絶対ダメに決まっているを標語に掲げてそうな兄は、それまで考えていた特訓プランを速攻放棄した。

 

考えていたのは初日は少年ポップの底上げで、なんなら本気のメドローアを撃たせて自分も併せて打ち合い消滅をさせ、それを幾度かすれば少年ポップの魔力の底上げの手伝いになるかもしれないと考えいたのだが、万が一がないとも限らない!!

自分達の体を想い薬草を飼っている最中の妹が、知らず傷だらけにしてしまったと思ったらぞっとする。

 

絶対に無理もそして無茶もしないからと妹に誓う様を、あれ何しているんだと少年ポップ達に問われたチウは頭を痛める・・・ポップの特訓馬鹿を、どういえばいいのだろうか?

 

体を壊すような無理はしない、しかし自身を限界に追い込む無茶はする

 

チウの答えを聞いた時、特訓を受ける気満々だった面々は超微妙な顔をした。

それははたで聞いていたアバンも唖然として程であった・・・・異界のアバンはこの子供に何を教えてこんな風に育てたのだろうかと。

 

「でもそのおかげでポップはとても強くなったんです。」

 

確かに沢山の無茶をしては仲間全員から心配をしていたが、その仲間を多くの罠から、策略から、沢山の敵達から仲間を守り抜いた自分達の勇者一行の魔法使いを、チウは我が事のように誇らしげに語る。

そこにあるのははどこまでも仲間を信頼する姿であり、微笑むチウに力強さを感じた少年ポップ達は、絶対に特訓に食らいついて自分達を鍛え上げるのだと再度誓う程に、チウの風格は歴戦の勇士のそれであり、強い意志をそこに見出した隠し砦の戦士たち全員を奮い立たせるに足るほどの・・・

 

「んじゃ・・・」

「ポップさん!!!」

「うぉ!・・・・おうどうしたポップ・・」

 

ティファに無茶しないからお前も気をつけろと言って送り出し、アバンから借り受けた魔法用グローブをつけながら戻ってきたポップの手を、少年ポップが両手で握りしめるのを、青年ポップは面食らう。

何か特訓受けるって言った時よりも燃えてるような?

 

「俺・・・俺達絶対にポップさんの特訓に食らいつくから!!手加減しねぇで頼みます!!」

「い!!??・・・たは・・・まいったなこりゃ・・・」

 

先程妹に無茶しねぇって約束したばかりだというのに、受ける本人がここまで燃えているのだからちょっとくらい・・・・無茶した。

 

「ほら、ヒャドの方がちいせぇ!それじゃぁメラに負けちまうぞ!」

「うっく・・・だぁ!!・・・消えちまった・・」

 

どうやらこの世界のポップは氷系が苦手らしい。

自分もかつては苦手であったがさてどうするかと悩んでいると、ここは俺が見るからお前は魔法を使った棒術の組み手をしろと、マトリフに言われた。

「お前さんの小型メドローア見て理論は分かったからな。後は・・」

「駄目だ!」

「あん?」

 

流石は当代随一の大魔導士とまで呼ばれているマトリフであり、メドローアを小型化するのにどれくらいの魔法力を調整するのかを一目見て理解をした。

元々この呪文を開発したのは目の前のマトリフであり、理論を理解すれば後はお任せできると普通は思う。

しかしポップは断った。

偏にマトリフの体を慮ってだ。

それを甘い事だとマトリフが詰ろうとも、ポップは己の意志を曲げなかった。

 

「こんな戦いは一時の事だ。その後の世界には必ずあなたたち大人の力がいるんだ・・・力だけがあってもここにいるこいつらは世界を知らないひな鳥そのものだ。

こいつ等を全部理解している貴重な大人をこんな事で失う可能性を高める事は俺は嫌だ。

ポップ!まだ行けるな?それともマトリフさんに手取り足取り教わるか?」

 

大戦が終わってから、自分達を守ってくれた大人達。世間は世界を救った勇者達をちやほやしつつも政争争いの道具にしようとする輩がいた事を、ポップはフォルケン王から王配教育を受けて半年後に理解した。

 

平和になれば出てくる問題達から、この純粋な一行を守る事こそがマトリフさん達の役目だと言い切る青年ポップに、少年ポップはその想いに応えた。

 

「へ!メドローア自体はもう物にしてんだ。後は応用編だから師匠は休んでてくれよ!!ポップさん、俺一人でヒャド系の出力調整やってみる。」

「おう、そしたらコツって言うかアドバイスを置いてくから頑張れよ。」

「おうさ!師匠も驚くような速さでものにしてやらぁ!!」

 

意志の強さは伝わる、自分の弟子と異界の自分の弟子の互いの強くなろうとする意志の伝達をみたマトリフは、もう自分が出張る必要も無いのだと安堵しながらも憎まれ口をたたく。

 

「はん、精々がんばれよひよっこども。俺はお言葉に甘えてぐうたらと寝てくらぁ。」

 

ニヤリと笑って右手を振り上げながら去る偉大なる師の背中をポップ達は笑って見送る。

絶対に勝ってあの支障を長生きさせてやるのだと・・・・張り切ってしまった青年ポップは危うくマァム達を潰しかけた・・・

 

「ほら!イオラの嵐だけに目がいってんと・・・」

「きゃぁ!!」

「懐に潜り込まれてお陀仏だ!!」

「ま・・・まだまだ!!!」

 

とりあえず組手は一対一にする事にした。

この世界のマァム、ヒュンケル、クロコダインの実力が分からないのでとりあえず軽~くしようと言っていた青年ポップは、先ずはマァムから始めた。

棒を構えたポップには隙が無く、攻めあぐねているマァムにポップから動いた。

即ちイオラを通常よりも一回りサイズを小さくしコスパを稼ぎ、大量のイオラの嵐をマァムに浴びせ、そしてイオラの嵐に翻弄されている隙をついて背後に回り込み、マァムの首筋にビタリと棒を寸止めで止める。

 

「魔法が来たら前に出て敵を倒す方法を考えるか、考え付かなければ相手から視線きらないで周囲警戒しつつ後退するか避けるかしながら相手の動きが鈍るのを待つのも手だ。

無限に呪文を討てる奴なんていないし、俺の知る限りはそんな出鱈目な魔道具も聞いた事はないけど・・・・もしかしたらあるのも考慮してやっぱり前に・・・」

「・・・あのポップさん・・・」

「あ?悪ぃ・・・兎に角出鱈目な魔道具も考慮しながら、どうやって魔法を交わしつつ相手の懐に入って仕留めるかが肝心だと俺は思う。マァムは武闘家だから、闘気を手足に練り込みながら懐には入れれば瞬時に腹や胸とか兎に角広範囲に充てられるところをぶん殴っちまうといいかもな。」

「ぶん殴・・・分かりました。」

「おう、次はヒュンケルでいいか?」

「あぁ頼む。」

 

マァムとポップの組み手を見ながらヒュンケルなりに対策をすぐさま練ってみた。

それはあのイオラやもしかしたらメラ系やヒャド系も同様に大量に撃てる可能性があるのでその前に魔槍の軽装の強みを生かして素早く動き、ポップの構えている棒を打ち落とし早々に決着をつけようとしたのだが

 

「それは駄目だぜヒュンケルさんよ。」

 

ポップはヒュンケルが突っ込んでくると同時に棒を握っていた右手を緩めて態とヒュンケルを自分の懐に入れそして、右手でメラを作って待ち構えてヒュンケルの繰り出す槍を反対に搔い潜り、ビタリとヒュンケルの顔面前までメラを維持しそして、寸前で消してヒュンケルの顔をポップの右手が覆った。

メラが消えたとはいえどもその熱はまだ残っており、そのまま食らえば顔面どころか眼球すらも焼かれていた事に、ヒュンケルの背筋に寒気が走る。

そしてこれが爆裂呪文であったれば、自分は即死している!

油断したつもりはなかった、しかしこのポップの機動力を甘く見ていたのだ!

 

「魔剣と違ってそれは顔が弱点ぽいから、むやみに魔法使いに突っ込んだらあぶねぇよ?」

 

ニヤリとするポップに、ヒュンケルの肌は更に粟立つ。寸前まで槍で仕留められる範囲であった。

しかしその寸前でポップの足はステップを踏んで槍を交わしつつ自分の弱点を突いてきた。

 

「槍に慣れてないからなヒュンケルは・・・・-あいつ-をティファと一緒に探し出すか?」

 

ん?

 

「あいつの方が槍のスペシャリストだし・・・どしたヒュンケル?」

「いや・・・何でもない・・」

 

いきなり何かをぶつぶつという青年ポップに、こいつは凄いが変わった奴だと、マァムと同様にヒュンケルも青年ポップをそう評価する中、クロコダインはポップの放つ魔法を身に受ける覚悟をして前に出て、仕留める寸前にステップを踏んだポップを尻尾で張り飛ばそうとしたがポップはクロコダインの尻尾がピクリと動いたのを見て何か仕掛けてくると読み、瞬間トベルーラを発動して素早く尻尾の範囲から逃れ上空に飛びそして・・・・

 

べダン!!!

 

・・・・・・・凄いクロコダインに嬉しくなってしまって思わずやらかしたのだ・・・

 

「ポップ!!!!!」

 

その後滅茶苦茶チウに叱られた。

君さっきティファさんとどんな約束したの!!??

仲間との特訓も、真剣にしなければ意味が無いのが分かっているが!アレは無いと、小さなチウに叱られて正座して縮こまるポップを庇ったのは早々に復活を果たしたクロコダインであった。

 

「あまり叱ってやってくれるなチウよ。俺も柔ではない、戦場で今のような事をされない為にも、俺も工夫しよう。」

 

・・・・いくら頑丈でヒュンケルに次いで不死身の男であるクロコダインであっても復活早くないと思うポップと、無茶しすぎないでくださいねと優しいチウに、クロコダインは豪快に笑い飛ばす。

 

その笑い声は、それぞれの特訓課題に取り組み始めた砦の戦士達の心の中にさわやかな風が抜けるのを感じ、ポップは改めて思った。

 

流石は天下の獣王だと、竜の騎士バランに認められた偉大なる戦士なのだと・・・・嬉しくなって張り切って・・・・騎士・兵士達を相手にじゃかすか魔法の雨を受けさせこういう事もありうるのだと・・・・教えすぎた・・・あまりやりすぎて怪我人出したら洒落にならんと思って手加減はした・・・ポップなりにだ。

しかし砦の戦士達の大半は、見張り達以外は爆睡をした・・・・さしものヒュンケルもぐったりとしていたのを、弟子達の事を甘やかさない為に他所で修練を積んでいたアバンは弟子達を案じ、俺も明日から頑張るからねとけなげに言うダイとチウを見て、青年ポップは大いに焦った!!今敵襲にあったら洒落になんねえぇぞ!!!馬鹿!俺の馬鹿!!!

 

妹-クロファ-が寝ながら謀略戦をしているとも知らないポップは、くぅくぅと眠っているチウの声を聴きながら内心で叫びをあげる・・・・今日だけは何事もなく平和な日になりますように・・・・




今宵ここまで・・・・

やらかしたポップ君ですが、この日のパレスは妹のせいで非常事態宣言出てるので大丈夫でしょう(苦笑

さてこの世界の一行も、どんな魔改造しませうかね( ̄▽ ̄)
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