勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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意志の積まれる世界:・・・・きた・・・きた?

少年勇者ダイが立ち直った。

戦場において心を砕かれたと思った異界の青年ポップもまた力強く立ち直った。

 

そして料理人ティファもまた兄達の手助けを十全にするべくこの世界の命運と己の生命を紐づけにしたおかげでこれまで以上の活動範囲や選択肢が増えた。

 

今まで以上にこの世界での自由度が高くなったことは、内訳を鑑みてこの世界の者達はおろか兄とチウにも内密である・・・・内容知られた日には即刻破棄しなければ自分の身を壊すぞと言いかねない兄ポップには絶対に秘密である。

 

自分の寿命賭けた分、リスクもあるがリターンもある。

敵からの柱攻撃が無いので定まりで決まっていた失われるべきエネルギーをティファが受け取っている事で、これまで以上に式を作り出して周囲の警戒はおろか主要都市などが襲われようともすぐに式を陣としてラック=バイ=ラックで隠し砦から直接戦士達を送り出すことが出来る。

いつでも来い魔王軍。

 

・・・そうティファが息巻いていたが、その梯子はあっさりと外された。

青年ポップが戦場で心が傷つきそれでも立ち直った次の日に、その魔王軍から宣戦布告がなされた。

それも各国の王城及び目ぼしい都市部の鏡に通信をしてきたのだ。

しかも内容がとてつもなくすさまじくご丁寧に地上の文字で書かれていた。

 

その内容があまりにも非道で外道で低俗であったのでチウの目は塞いだ。

通信発信者は間違いなく-あいつ-だと一目で伺い知れた。

 

-グットモーニングどこかに隠れ潜んでいる勇者様達。

此方は君達のかくれんぼうに付き合うのに少々飽きてきたので燻り出させてもらうよ。

内容はもしも以下の者達が今から指定する日時の場所に来なければ-例の柱-を世界のどこかに落としていくって言うとっても簡単な内容だ。

君達が自分可愛さに隠れていれば隠れている程無辜の民や-地上のモンスター達-も諸共に消し飛んでいく。

それは-奇麗な子供達-には嫌でしょう?だからきちんと戦場に出ておいでね?

そして君達のうちの誰かが死んだ時もやはり柱は落としていくから頑張って勝たないといけないよ?

そんな訳で地上に住まう羽虫のような存在の人間さん達、精々勇者様達が勝てる事をお祈りしているといいよ。

勇者様達のうちの誰か一人でも負けたら巨大な柱が君たちの頭上に落ちてきて、周囲数キロは更地になるんだから~♪

でも勇者様達は一度僕達の主様である大魔王バーン様に負けてそれ以来隠れているから、君たち見捨てられてる可能性もある。

その時はお悔やみを申し上げておこう。

                    大魔王バーンの死神より-

 

そんなふざけたような罠と謀略満載で屑っぷりが発揮された通信内容の下に書き記されていたのは、勇者ダイ・魔法使いポップ・武闘家マァム・戦士ヒュンケル・戦士クロコダイン・そして・・・異界の三人のうちの二人であった。

ちなみにアバンの方は前回戦場に出た時モシャスをして一般兵に化けて戦っていたのでまだ存在は認知されておらず、ノヴァもそこまでの実力は無いとみなされているのか使命はされず、本人のプライドが痛く傷ついたがどのみち戦場に行くつもりなので戦場でこいつ叩き切ろう決意した。

 

「・・・・異界の内の三人のうち二人って言うところがいやらしいですね・・・」

 

様々な事を脳内で処理し終えたティファがぽつりと呟く。

その文言の後に三人揃ってきた場合も柱を落とすと脅してきている。

おそらく自分達の精神的弱点を見抜かれ、残ったうちの一人が罪悪感を抱くのを高みの見物をし、あるいは戦場に出てきた二人を仕留めるなり捕えて異界組の心を砕くのが狙いだろう。

 

此方のキルバーンは本当にどぐされ外道だと確信させられる内容であったが、罠だと分かっていても戦場に出なければならない内容でもあった。

行かなければ柱が落とされる・・・もしかしたら行っても柱は落とされる可能性が高いがティファはそちらの対処は出来そうですとアバン達に申し出て、問題は敵の罠をどう食い破り戦場を勝つかの方が大事であるとすぐさま大広間で軍議がなされた。

幸い戦場に出るのは一時間後である・・・・時間を与えてくる意味が分からないとノヴァを始めとしてバウスンもアキームすらも首をひねり、マトリフも敵を弄ぶにしても時間を与えすぎであると判断しかねるのを、地上消滅の手順を知っているティファがその問いに対する答えを持っていた。

 

「おそらく柱が落とされるのは魔の力が増幅される時間帯である逢魔が時でしょう。

此方が勝とうが負けようが敵は柱をどこかしらに落とすつもりで、敵はフェアを装って罠満載です。」

 

此方の敗北を知らせて人々の心に不安を植え付け、隠れている自分達に不信感を芽生えさせ、正常な判断を喪わせる。

判断が失われれば仮に自分が柱の落ち付場所を各王家に伝えてその場所とそこから範囲数キロの人々を逃がそうとしても、不安に駆られ王家と勇者達に不信感を持った民衆がすんなりと受け入れる可能性がぐんと低くなる。

 

「あちらは人々がどうなろうと構わないでしょうが・・・こちらは・・ダイ君、ポップ兄達耐えられますか?」

 

柱一つが都市部に落ちれば一気に数千人ともっと多くの地上のモンスター達が死滅する事に。

きっとその時の映像を何かに記録をさせて鏡通信と同じように自分達と世界中に見せつけてくるというのがティファの考えてであった。

その時は指定された二つの戦場で勝ったとしても、士気なぞは吹き飛び精神的ダメージが計り知れない。

 

-原作-では話だけで伝えられただけだからこそ勇者達の精神が保たれたのだろうが、具体的な映像を見て耐えられかというと、否であろう。

 

昨日の戦いで青年ポップが晒してしまった弱点を嬲って楽しんでいるのが伺い知れる。

他者の絶望顔が何よりも好きだと言っていたからには異界のチウ同様キルバーンの獲物認定にされたのはまず間違いない。

そして晒された弱点をガッツリと利用してくる本物の外道っぷりには、ティファの中で見ているクロファもなんだこのどぐされ外道はと辟易としたほどであった。

 

柱の落ちる場所はそれぞれの場所の王家に通達はしていない。

人々は混乱をすると必ず流言飛語が生まれる。

不安から暴動に発展することをアバン達は怖れ通達を見送ったのだが・・・今更通達したとしてどうして最初の親書で知らせなかったのだという不信が芽生える。

 

身動きが封ぜられた中で何が出来るのかを全員が必死に考えそしてその三十分後にフローラの出陣を宣言した。

今回はダイの鞘のヴァージョンアップは間に合わなかったがマァムの分が間に合わせたロン・ベルクからも、帰って来いよという言葉を受け取り戦士達は隠し砦かティファの陣で戦場に飛ばされた。

 

「・・・・ティファさん・・貴女は残るのですね。」

 

異界からの出陣を果たしたのはポップとチウ、それはティファからの発案であり、フローラの問いに、ティファは静かな笑みを浮かべて答えた。

 

「先ほども言った通り、柱の地点と其の広範囲の人々を逃がせるようにします。」

 

策があるので残るというティファに、青年ポップとチウは案じながら戦場に向かった。

敵が指定してきたのは昨日と同じ、パプニカの平原とそしてもう一方はカールの平原。

 

これらを考えるに、落とされるのはおそらくロモスかリンガイア。

今回は此方の精神攻撃も兼ねているのであれば人のいるところを狙うはず。

無人のロロイの谷・バルジ島・オーザム・ベルナの森は省かれるのでどちらかであり、両方を逃がす算段を先程の大広間での軍議の間につけ終えている。

 

「女王陛下、メルルさん、レオナ姫、残っている皆さんにお伝えしたい事があります・・」

 

その算段を成功させる確立を上げるべく、ティファは己の秘密を隠し砦に残ったマトリフとポップの両親とレイラの母にも告げた。

彼等は一様に驚きを見せたが、それでもティファを受け入れた。

この数日ずっと見続けてきた少女を信じて。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・いい天気っすね・・・・」

「ポップさん・・」

「・・・・・いやぁ、これティファの策何でしょうけど-俺達-が沢山いるって可笑しな気分すね・・・」

 

戦場について少々遠い目をしている青年ポップに、アバンは声をかけづらい。

それは青年ポップの心情が分かるのと、策の為と両方があるからだ・・・・なんだこのバカげた作戦は・・さしものティファさん大好きチウも唖然としている。

 

 

「・・・・・・ねぇミスト?僕バーン様に黒の核晶を抜かれたせいで視覚に異常きたしたみたい・・・」

「・・・・」

「なんであんなに奇麗な坊やと大ネズミ君が-沢山-いる訳?」

「・・・・・私が知るか・・」

「それもさ・・・どちらの戦場にも大勢いるってどうい事?ピロロ、僕の視覚情報は正しいかい?」

「・・・・キルバーンの視覚は間違ってないよ・・」

 

指定時間と同時に空から大勢の地上・魔界のモンスター達を降らせようと待機しているミストバーン・キルバーンとピロロも馬鹿げた戦場に唖然としている。

 

何故なら二つの戦場には-沢山の青年ポップと異界のチウ-がいるのだからしょうがない。

どちらにいる青年ポップとチウも生き生きとしていて周りを励まし周囲を警戒し、どれも寸分たがわぬ彼等に頭を痛めるなという方が無理であろう。

 

それは青年ポップとチウも一緒である。無茶苦茶なこの作戦は無論とんでもない娘ティファである・・・・ティファしかいない・・・

 

「式で大量のポップ兄とチウ君を作ります。そうすればあのどぐされ外道は混乱をして、平原に設置している罠をすぐには使えないでしょう。その間にポップ兄とポップさんで周りの地面を小型メドローアで掘り起こしてください。きっと罠がありますでしょうから。」

 

ダイヤシリーズという地面設置型の炎型の罠は、閉じ込められるのが多いので速攻潰させる。

しかしそれは単発なのをティファは知っている。だからこそ大勢のポップとチウを生み出した。

本物を見抜く前に罠を片付ける。戦士を片付ける為に罠を発動しても、青年ポップと少年ポップが無事であれば対処できると組み込んで。

 

そして時間になり、戦場の火蓋が切って落とされた。

 

パプニカの平原にミストバーンが魔界のモンスター達を引き連れて現れた。

ミストバーンの本命は-新たな肉体候補-のヒュンケルであり、生きたまま捕獲すべく出てきたのだ。

ヒュンケルはミストバーンの出現に驚いたがすぐに精神を立て直し槍を構える。

パプニカの平原の戦力はヒュンケル・マァム・ポップ・ダイとノヴァとこの世界のチウが来た。

チウはノヴァと共に戦場の負傷兵を昨日のように助けるべく、遊撃隊の隊員達にもその事をきちんと伝えている。

しかし初めて見るミストバーンから溢れる威圧に、隊員達もそしてチウ自身もモンスターの本能が逃げろと告げている。

あれを相手にしては駄目だと震える尻尾を、チウは手に取りそして思いっきり噛みながら前を見据える。

自分は逃げないという不退転の決意を示した隊長に、パピィ達もまた覚悟を決める。

今日もまた負傷兵を助けて守り抜くのだと、ダイの肩からチウの肩に移ったゴメも決意した。

 

 

そして残りの地上側の戦力達は魔界のモンスターのみならずバーンの直轄地の戦士達が地上のモンスター達を迎え撃ちすぐさま乱戦となり、カール騎士・兵士達は三人一組を崩さず迎え撃つ。

 

式でどちらの戦場も始まった事を知った-銀の髪のティファ-は、自分の青い血で描いた法陣の中に入り膝立ちで手を軽く組祈りをささげる様に天を仰いで目を瞑り-世界のエネルギー-と繋がった。

その様子を、砦に残ったロン・ベルク以外の者達が固唾をのんで見守る。

ティファの策がうまくいくのを祈るように。

 

 

 

地上の人々は絶望と不安の渦中にいた。

自分達はずっと勇者達が優勢に大戦を進めてじきに終わるのではないだろうかと楽観視をしていた。

確かに各国とも攻め込まれ滅んだ国があるともうわさが流れたが若き勇者達がその魔王軍を次々と打ち取りそして人類側からの攻勢を行うとつい半月前に触れが出されたからだ。

それは人々に希望を持たせようと世界会議で可決された事だがこれが今裏目に出てしまった。

攻勢は失敗し自分達を見捨てて逃げ回っているというのが大半の人々の印象であり、途方に暮れ絶望に沈みかけた時その声は響いた。

 

「諦めないでください地上の皆さん!!!」

 

凛とした声が、絶望の心に響いた。

 

「勇者達は今戦っています!愛すべき人々を守る為に!自分達の故郷を守る為に!!!この大戦を勝利した後変えるべき家を守る為に必死に闘っています!!!」

 

それは少女の声であった。

どこから声が響いているのだ、そして何故そんな事が断言できるのかと人々は訝しげに周りを見回せば、赤い血文字が浮かんでいた鏡が突然光だしそして血文字が消えて代わりに風景が映し出された!

 

そこには狂暴化した地上のモンスター達と、見た事もない化け物を相手に人間の兵士達が必死になって戦っている映像であった。

 

ティファは大量の式を作り出し、戦場全体を取り囲ませそしてその映像をロモスのポルトスの町と、リンガイアにまだ残っている人々を優先に流れるような仕組みを作り出した。

ティファの式はティファ自身が視覚共有をできるが目玉のような機能は無かった。

しかしこの世界のエネルギーを使う事で一時的に式の能力を拡大したのだ。

ティファの己の血で描いた法陣は、世界のエネルギーとダイレクトに繋がる為のものであり、ティファは懸命に呼びかける。

不安に駆られた人々の心に、勇者達が今必死に闘いこの地上を守ろうとしているのだと。

 

「怖れないでください!確かに勇者達は一度負けはしました。しかし彼等は決して逃げません!!諦めません!!!この地上を蹂躙しようとしている魔王軍に打ち勝つまで彼等が戦いを辞める事は決してないのです!!

この映像はカール平原とパプニカ平原での今起こっている現実の出来事です!

敵からの宣戦布告に、彼の地には罠が仕掛けられていると分かってもそれでも行かないと行った戦士達はいませんでした!」

 

少女の言葉の通り、不意に剣戟が空中から現れようとも地面から火が吹こうとも少年と青年の魔法使い達が呪文をもって打ち破っている映像が流れる。

そして助けられた味方達は前だけを見据えて敵に打ち掛かっているではないか・・・勇者と思しき剣を持つ少年が、若き少女達が、青年達が戦っている・・・自分達を守る為に!

 

「この映像が流れているところは・・・敵が宣言してきた-もしも勇者達が負けた時柱を落とす-と言われたその場所なのです。」

 

少女の言葉と映像で心が落ち着いてきた人々の心に衝撃が走った!

それは無理もない事で、いきなり敵の大攻勢に晒されると言われ落ち着ける筈も無いのを、少女の声は続いた。

 

「実は魔王軍は始めからその地域に柱を落とす作戦があったのを、勇者側は掴み祖それに敵が焦りこのような作戦を立てたのです。

負けた勇者達の言葉なぞ聞くに値しないと誘導すべく!そして人々の心を不安で満たすための卑劣なる罠なのです!!

今映像を見てお分かりかと思います。沢山の狂暴化した地上のモンスター達が二つの戦場にいるのが見えるはずです。

モンスターといえども無限にいるはずもありませ!!昨日もベンガーナ・パプニカ・ロモス首都近郊で大規模な戦闘があり、勇者達がこれを人知れず撃退しました。

その時も大勢の地上のモンスター達を倒したのです!

敵は魔界のモンスターをすぐには用意できずその分を地上のモンスター達で補っているのです。

その為今ロモス近郊には数多いた狂暴化したモンスター達はおりません!そしてリンガイアの皆さん!!この-キメラの翼-を使って今すぐに逃げてください!!」

 

少女の言葉の後に、比較的破壊されていないリンガイアの大きな教会で身を寄せあって過ごし、そして鏡を見ている人々の前にキメラの翼が降って来た・・・すべてが神の導きであるかのように舞い散る翼を、一人の子供が恐る恐ると手を伸ばして受け取ってもそれは消えずに手に残り、道具屋をしていた男が見てみればそれは確かにキメラの翼であった。

 

「ベンガーナの首都近郊、テランは比較的安全です!足りなければもっと用意が出来ます!彼の地でなくとも他国に言った事のある方が人々を逃がしてあげてください!!

どこにいてもいずれは滅びるという絶望に囚われないで下さい!!負けないでほしいのです!人々が・・・・かぁ・・・ふ・・・・築いて来た道を途絶えさせないでください・・・生きて・・・・笑って・・・・紡いで・・・・」

 

その祈るような言葉は最後まで言われる事なく声はそこで途切れたのを人々は不安そうにする中、声が上がった。

 

「・・・ママ・・・パパ、あそこで戦てるのは勇者様?」

 

子供の声に導かれるように鏡を見てみれば、映像は途切れてはいなかった。

そしてリンガイアでは沢山のキメラの翼がまた降って来た。

少女が言った通りに。

 

その映像に、キメラの翼に人々は半信半疑・・・否!それよりも低いが人々は少女の言葉に賭けてみる事にした。

座していても死が待つだけなのらば、動いて大切な人と自分を守る為に動く決意を。

 

がっは、、うぁぁぁ!!!

 

「やめねぇか!お前は死にてぇのかよ!?違うだろ帰るんだろうがよ!」

「ティファさん!!もうやめなさい!!!!」

「それ以上したらあなたが死んじゃう!!」

「向こうの世界に帰るのでしょう!!もう・・・それ以上したら!!!」

 

法陣に張られた結界を、フローラ達が必死に叩き、痛みにのたうち血を吐いても術の使用を辞めないティファに必死に呼びかける!

 

ティファは確かに世界のエネルギーと繋がっており、術の使用にエネルギーの枯渇の心配一切ない。

しかしそれを使用しているティファの肉体はまた別であった。

大量のエネルギーをその身に受け、そして数多の式の使用と映像を結ぶ事でティファの肉体自身が限界を迎え始め、肉体が引きちぎられる様な痛みの果てに内臓にまでダメージがいき吐血した時すぐさまマトリフは危険であると止めようとしたが、ティファのジ=アザーズに阻まれた。

 

大魔王の魂までは言わなかったが、竜の騎士は竜と魔族の力と肉体、人間の心で構成されており自分は魔族の肉体寄りで真の力を振う時髪は銀色に、肌は雪花石膏のような白となり瞳は金になる事を明かした。

 

己の力を見せつけても、この後自分は兎も角兄達とこの後来る者達が不審がられないようにという思いは、砦に残った者達に確かに伝わりそしてティファ自身も術がうまくいくように激励を受け、ティファは泣き笑いの顔で頷きそして・・・自分の全てを振り絞っている。

 

戦場は混迷を極めている・・・・しかし・・・懐かしい気配がする。

それにもう少しで人々は逃げる準備が整う・・・・せめてそれ迄は映像だけでも繋げて希望を絶やさないであげたいと、血を吐き激痛に襲われ法陣の中でのたうちまわりながらも止まらないティファに、メルル達は泣きながら結界を叩き声をかけ続ける!

 

「ティファさん!!お願いですからやめて下さ!!!」

 

悲痛な声に、ティファは申し訳なく思う・・・しかし戦場の兄達はもっと過酷であった。

とうとう兄達に模した式達が食い破られ、チウと兄ポップがカール平原の方にいる事が知られてしまい、キルバーンが姿を現したのだ。

 

パプニカの平原の方はダイとヒュンケルがタッグを組んで如何にかミストバーンを止めているが・・・もしも原作通りであったればそろそろ不味い・・・・

 

 

そしてティファの危惧したことが現実味を帯びたその時・・・

 

 

「・・・・・・・・きた・・・・・・」

 

 

その言葉を最後に、ティファの意識がふつりと切れた。

法陣は消え、同時に結界も消えレオナ達はすぐさま倒れたティファに駆け寄れば、ティファの顔に笑みが確かに浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・来た人達に何と説明すれがいいのだろうと、覚醒し始めた意識の中でティファは本気で苦悩した。

兄達助ける為に無理・無茶をしすぎた自覚があるだけにティファとしても朦朧としながらも覚醒する意識の中で、どうしよう・・・・目を覚ましたくないかもしれないと思ってしまう。

 

しかし、周りから声がする。

どうやら自分はベットに運ばれ、声と大勢の気配から察するに戦闘が終わり兄達と皆とそして・・・知った気配が感じられるの。

 

最後に自分が見た通り向こうの人達が来てくれたのだと、喜び半分、無茶したのでそれを知られたらどうしようと怯えが半分で開けた薄めの先にいたのは・・・・

 

「ティファ・・・・」

「ティファ・・・」

「嬢ちゃん・・・・」

「お嬢さん・・・」

 

 

・・・・・・アバン先生いるのは分かる、頭脳明晰で万能御タイプなのだからメンバーにいるのは分かるヒュンケルは其のサポートだろうけれども・・・ロン・ベルクさんとおじさんが何でいるのだろうと、ティファの頭の中ははてなだらけとなった。

 

そして身を起こせば無茶しやがって!心配したぞと泣きながら抱き着いて来た兄ポップの肩越しに見た・・・・黒髪・褐色肌の・・・顔は見えないがとがった耳の形状から魔族と分かるこの人誰だ?




今宵ここまで

次回は戦場の方と、誰が来たのか詳しく書きます。
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