勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

486 / 536
二次作でも初と自負します!


いしの積まれる世界:老大魔王VS若き大魔王

ダイの大冒険のラスボスになる、大魔王バーンが勇者にドラゴンクエストを示唆していいかとか、ちょっとこのこと色々話してくると言って少年ダイ君抱えてトベルーラしていった兄を、正気に戻ったピロロとキルバーンが襲いかけたのをキルが邪魔だよと蹴っ飛ばしてまたバトル再会とか・・・・ちょっと色々あったけれども全部吹っ飛ぶようなことが目の前で起きてる・・・

 

いや・・・・ダイの大冒険はラストに主人公が不在になった終わり方でドラクエらしくないや、敵が竜の類だから敵の竜を探せのドラゴンクエストにおいて、主人公自身がドラゴン事竜の騎士と人間のハーフで、竜がクエストをこなすドラゴンクエストって言う画期的なアイデアの・・・・メタい考えここまでにしておこう・・・まさかとんでもない娘・破天荒娘・非常識が服着て歩いているとまで言われたティファとても、まさか大魔王が現役勇者にドラゴンクエストしてきなさいと言うとは誰も思わないのだから。

 

その啞然としたティファと、異界の大魔王の言葉に少年ダイを颯爽と連れて行ってしまった異界の竜の騎士の勇者に唖然とした誰もが、そんな事は頭から抜ける程の事が目の前で繰り広げられている。

 

 

戦っているのだ、両世界の大魔王達が死力を尽くして

 

 

少し遡った少し前、若き竜達を送り出した老バーンを、若きバーンは理解できなかった。

何故この世界の勇者の手助けをするのか?

リスクがありどこにも自分達に益などない無く、己の宝達を取り返したのだから帰ればいいと勧めたのを、ほんの少しの恩如き・・・・恩にもならぬ益体も無い事で自分と戦うという選択肢をした老バーンを胡乱な目で見つめるのを、老バーンはふっと余裕の笑みを浮かぶのが若きバーンには癪に障る!

 

「・・・あの褐色肌の魔族もお前の配下か?キルバーンの呪法トラップをあっさりと躱してあの死神を防戦一方に追い込むとはな。」

 

勇者二人が飛び立つのを阻止しようとしたキルバーンの攻撃全てを防いだ褐色肌の魔族、場所を変えると言ってキルバーンをキメラの翼で連れて行ってしまった手練れであった。

まさかあのキルバーンがいともあっさり抑え込まれて連れ出されるとは計算外だった。

 

「・・・・あれも余の自慢の配下の一人。さて、あの若き勇者のした約定通り、時間を稼ぐとするか。」

「・・・ふん!そのような-玩具の杖-で余と戦うと?」

 

老バーンが取り出した光魔の杖を、若きバーンは馬鹿にしたように鼻で笑う。

その杖は、若き肉体と違い魔力ばかりが強かった老体の弱点を補う為の補助杖に過ぎず、若い肉体に戻った自分も前では玩具であると・・・・如何に戯れで作った手抜きの物であっても!作ったこの世界のロン・ベルクとして辱めを受けるような思いであった!

 

確かに理力の杖の上限を取っ払った等どうなるかという実験と言う戯れで生み出したと自分で言ったとしても!他人にどうこう言われるのは鍛冶屋として我慢できないと、二人のチウに火傷に聞くという薬で手当てを受け大火傷が和らいだとはいえども満身創痍な状態で飛ぶ出しそうになるロン・ベルクの代わりに、異界の大魔王がこれを玩具と言うとは程度が低いと若きバーンを鼻で笑った!!

 

「其方にとってはどうかは知らぬが、余にとってはこれを得て数百年愛用している長年を共にした愛用の杖でな・・・・先の大戦でダイにへし折られたが、ロン・ベルクに再三再四拝み倒して復元してもらった余の相棒よ。」

 

・・・・物凄い裏事情をドヤ顔で言いながらだ・・・・魔界の神が!!魔界の名工とは言えども鍛冶屋に再三再四拝み倒したのか・・・・・そうなる前に、二度目辺りの頼み込みで治してやれよと言う、初めて裏事情を知ったティファ・ポップ・チウ達良い子のジト目に!異界のロン・ベルクにも言い分はあった!!

 

「・・・・俺はな・・・・気まぐれで作った武器を!!手前ぇの力で世界最高峰の武器に昇格させるような奴の武器なんて二度と作りたくなかったんだよ!!!!」

 

あいつは其れこそ鈍ら渡しても最高峰にしちまう!鍛冶屋の敵だというその言葉に・・頷いたのはこの世界のロン・ベルク一人と言う惨状だったが兎も角!

 

「・・・其方魔界の神と言われながらも情けなくは無いのか?」

 

若きバーンは何度目かの突っ込みをうんざりとしながら老バーンした・・・・お前は本当に魔界の神・大魔王バーンなのかと。

だがそんな言葉は老バーンに何のダメージもある筈も無く、光魔の杖を準備する。

前回と違い、本当の槍と同じくらいの取り回しができる様に触手を纏わせ魔力を吸収するというのではなく、掌から直接取り込ませるというヴァージョンアップされた杖に魔力を送り杖の先に槍よりも少し太い刃を形成させる。

 

「さて、人に頼みごとをする時には礼儀を果たせという道理も知らぬ-若造-の言葉なぞ軽きものよな。」

 

そよ風の程の痛痒も受けぬという、物凄く分かりやすい挑発に若きバーンは目を見開き、バーンを知るティファ達も驚いた!

 

あのいつでも、敵であった頃であっても挑発どころか罵りを受けてこなかった子供達が驚くのを他所に、大人達は得心する。

 

「クックック!!ハッハッハ!!!そんなに早死にがしたいか貴様は!!!!」

 

自分達のバーンは、さっさと色々と腹ただしい若きバーンをぶちのめしたいのだと・・・老バーンの目論見通り、若きバーンは全身に闘気を込めて先端が開かれ・・・・誰もが目を奪われる光景が繰り広げられた。

 

 

若きバーンはあまり呪文を使わない、魔界において念入りに相手を調べ上げマホカンタ系を使うか類するアイテムがあるかを調べるよりも、圧倒的な自分の力で潰せばよいのだから。

そして今度の相手は間違いなくマホカンタを使える-自分-であり、若きバーンは瞬時に決着をつけ若き勇者達を追う算段までつけ老バーンに一瞬で迫った。

本来は打ち掛かってくる相手を必殺のカウンターで殺してきたが、-自分-であればその戦い方を熟知しているだけにまず来ないだろうと読み込み、ならば圧倒的な力で潰しにかかる。

魔法を多用してくる可能性は、あちらもマホカンタとフェニックスウィングを知っているのだから、あの杖の攻撃さえよければいいと瞬時に戦い方と勝利法を弾き出した若きバーンの速攻は、神速と呼ばれたラーハルトは、自分よりも早く動いた若きバーンよりも直ぐに訪れた結果に驚愕をした!!

 

「・・・遅いな・・・」

 

目前まで迫られても眉一つ動かさず・・・それどころかその場から一歩も動かずに若きバーンが気が付けば元居た位置よりも弾き飛ばされていた!!

 

何をされたのか、攻撃を受けたであろう当の若きバーンは元より、異界のチウの指示に従って仲間達の手当てをしているこの世界のチウや、手当てを受けている者も、そうでない者も大半は何があったのか分からなかった。

一体、若きバーンは何故吹き飛んだのか。 

確かに老バーンは杖を軽く振ったが、攻撃の類は見られなかった!!

 

成程、光魔の杖の-あの機能-か・・・

 

それを見抜いたのはあの杖を再び作り直した異界のロン・ベルクと、目の早いラーハルトとティファのみであったが、声には決して出さなかった。

言って老バーンのアドバンテージを喪わせるほど馬鹿な事は無いからだ。

 

そして、話す間に

 

「きっさっま!!!」

 

一瞬の出来事で己が吹き飛ばされたのが余程屈辱的であったのか、若きバーンの頭に血が上り乱打戦になるのを、態々潰す事も無いという戦士達の判断でもあった。

 

ティファ達の考えた通り、若きバーンにとって最強を誇る肉体を!同じパワー系の肉体の持ち主ではなく!選りにもよって力が無いと嘆いていた老体の自分に瞬時に吹き飛ばれのは屈辱以外の何物でもなく、許せる事ではなかった!

だからと言って、若きバーンは老人の時よりも若き肉体の精神に引きずられ逸る心のままの言動をするが愚かとは縁遠く、次はどのような攻撃が肉体を襲おうとも二度も同じ手を食わない為に全身に薄い闘気の膜を張り対応して打ち掛かるのを、老バーンは瞬時に鬼瞳で見抜いて先程とは違い、若きバーンの振り下ろした拳をひらりと舞う様に後方に飛びながら避けながら光魔の杖の石突き部分にも魔力で攻撃を増幅させる魔石を埋め込んだという新機能を若きバーンの顎に叩きつける事で試そうとしたが

 

「小賢しい!!!」

 

若きバーンは左腕を振り抜きながらも石突部分を右腕で払うのを、少しはやりおると挑発しながら互いに乱打戦に入った!

若きバーンが振り抜く腕を、飛んでくる膝を、老バーンは杖の刃の部分と柄の部分で受け流し或いは弾き!老バーンは反撃をせずに猛攻を凌ぐ一方となる・・・誰もがそう思った若きバーンも、いつかは老バーンの魔力切れでけりが付くと思っていた・・・・柄が四度振り抜いた右腕に巻き付き自身が宙を舞うまでは・・・

 

「力一辺倒に負ける程耄碌した覚えはない。」

 

近くから聞こえる忌々しい声に反論する間もなく、-巻き取られ-宙を舞わされた若きバーンに容赦のない攻撃が肉体を苛んだ。

光魔の杖の刃に幾度も宙で打ち据えられ、それにより息継ぐ暇もないと見て取った老バーンは光魔の杖の攻撃に加え、なんと杖の刃の部分からイオラを連続で出し、打撃と呪文攻撃を同時に若きバーンの肉体に叩きつけたのだ!

 

「・・・こ・・・・の・・・・舐めるな!!!」

 

カラミティウォール!!

 

肉体に受けたダメージの激痛を無視し、トベルーラの応用で空中で体勢を立て直した若きバーンは、ほんの少しだけ上空に向かい真下にいる老バーンに向けて手刀でカラミティウォールを浴びせるが、若きバーンと違い自分の技で迎え撃つなどと-若者特有の自信-溢れる行動をする筈も無く、トベルーラでカラミティウォールの範囲よりもさらに離れ、若きバーンの次の行動を伺う。

 

老バーンの考えが正しければ、今目の前で自分を忌々しげに見ている若きバーンは、久方振りの肉体と精神の高揚に引っ張られ、老体で培った-老獪-さが鳴りを潜めている。

言葉で、表情で、ほんの少しの仕草で相手を翻弄するよりも、己の肉体に絶対の自信がある故に、どうしてもそちらに引っ張られるかと内心でひっそりと笑う。

もしもほんの少しでも今考えたことを表に出し、自分の考えが読まれ慎重になられれば厄介な事この上ない。

あれを相手にするのは-若い思考-であることが望ましいのだから。

 

だから

 

「今度は此方からいくとするか・・・」

 

杖を大きく振りかぶり、刃を振り下ろし大量の-光球-を生み出し若きバーンに叩きてるのを、あの技に見覚えのあるポップ達が驚愕の声を上げた!

 

「あれ!!ポップさんのイオラの嵐!!!」

 

よく見れば、特訓で見た杖の振りかぶりで打ち掛かる姿もそっくり同じだと気が付いた全員が青年ポップを見つめれば

 

「・・・・そうだよ、俺の戦闘スタイルは俺達のバーンが参考元だ・・・・と言うよりも模倣だ。」

 

青年ポップはあっさりと答える。

自分が動ける魔法使いを目指し、そして究極は自在に魔法と杖を操る大魔王バーンであったのだと言いながらも、青年ポップの心は絶叫していた!

 

大魔王バーンにはマホカンタがあるのにどうして!!

 

それは若きバーンも、いきなりのこの攻撃に老バーンはとち狂ったかと驚くも、自らの愚かな攻撃を返され燃やし尽くそうとマホカンタを張り-イオラ-を返そうとしたが!

 

ズガガガガ!!!!

 

「・・・・ッかッハ!!なんだ・・・と・・・」

 

-イオラ-と思われた光球は全てマホカンタを通り抜け若きバーンの肉体を食らいつくし、老バーンはそれを見る前に若きバーンに迫りながら再び光球を生み出し叩きつけながるのを、痛みを堪えながら二度も同じ手を食うかと若きバーンは両腕にフェニックスウィングを纏わせ光球を老バーンに叩き返そうとしたが、-マホカンタ系-のそれに反応する事無く、光球は若きバーンの両腕にダメージを与えたのだ!

 

「馬鹿な!何故イオラが・・・まさか!!」

「ふむ・・・・気が付くのが少し遅くは無いか若造殿?」

「貴様!!その武器は・・・」

「ふふその通りよ。余は肉体的には弱い・・・故にロン・ベルクがこの杖に-色々-としてくれたのよ。」

 

若きバーンはマホカンタ系の技が尽く効かぬ理由を察したのを、老バーンは察するのが遅くないかと挑発をしながら今度こそ闘気と-魔力を闘気に変換した刃-での乱打戦となった!

 

若きバーンが見抜いた通り、この新光魔の杖は、従来の杖とは違い、魔力をただ刃にするだけではなく、魔石で闘気に変換するという出鱈目な機能が追加されたのだ。

 

「魔力のままだったら、光球がもしかしたらマホカンタ系で跳ね返されたらつまらないだろう?」

 

だから闘気なら相手もイオラか他の魔法だと見誤って対処しようとして下手打たせることが出来たら儲けものだろうと・・・・ちょい悪な魔界の名工様の言葉であったが・・・本当に引っかかってくれたとは老バーンもありがたい。

最初に若きバーンを吹き飛ばしたみせてのも、杖を振り上げた瞬間に変換した闘気の粒子を固めずに幕として使い若きバーンを弾いたのだ。

 

そして乱打戦になりながらも、老バーンの表情は変わらず薄っすらと余裕の笑みを浮かべてひらりひらりと白いローブをはためかせ・・・・まるで・・・・

 

「大魔王槍舞いしてるみたい・・・・・・」

 

戦いを厭うティファをも魅了する・・・・あれは怖いというより美しいものだと・・・互いに白い服を着て打ちあう二人の大魔王の姿に、ティファと周りは戦いだという事を知りながらも魅了された。

 

 

だが・・・・老バーンに余裕があるという訳では決してない。

若きバーンの一撃一撃はひじょうに重く!受け止めるも流すにしても、魔力がガリガリと削れていくのを感じ、時折体の近くで炸裂する技とも呼べないが圧倒的な闘気の一撃に体がもっていかれそうになり、其れだけでも己の体力が削られていくのが分かる。

 

しかし目の前の若きバーンにもプライドがあるように、老バーンもまた引けぬ矜恃がある

子等が見ている、少年勇者が答えを持ち帰るまで時間を稼ぐと約定もしたのだ・・・

 

引けぬ、そして

 

決して苦しい顔を表に出すものかと、笑えと己を鼓舞する

 

そしてそれは若きバーンも同様であり、次第に冷静さを取り戻し全ての攻撃の一撃一撃に重みをもたせ老バーンの魔力を削っていく。

 

この者に!決して負けるものか!!余こそが!己こそが唯一の大魔王バーンなり!!

 

 

互いの矜恃と誇りを賭けた激突は、まさに大魔王同士の戦いであった。




今宵ここまで

決して互いを圧倒できない五分の戦いになれていれば幸いです。
一見老バーンの老獪さが勝るように見え、若きバーンも次第に久方振りの若い肉体とそれによって生じる力と若き頃の精神に慣れてきている次第です。

二人の大魔王の決着は果たして・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。