散々馬鹿みたいや事を言おうとも、相手を煽る為に余裕を見せようともとうとうティファに-その時-が来た。
ラーハルトの言う通り、自前の闘気もハイ=エント用の魔力も当の昔に費やし尽くしている。
闘える力なぞ、ティファの中には最早欠片も残っていない、なのに若きバーンと戦い続けている。
この世界の命運と紐づけをしているが故に、-約定-を守ったが故に己の寿命を損なう事無く力を受け取り続けられている・・・・それでも
クロファ・・・
いい!まだ行ける!!!
・・・痛い?
・・・・痛みなぞ私達には長年連れ添ったモノだ・・・・あの子が戻るまで・・
うん・・・・ごめんね・・・
いい-じきに-そっちにもダメージ行く
うん、解ってる
前回は自分一人で膨大なこの世界の力を借り受け体が追い付かなかった。
それでは戦えないだろうと、クロファが肉体への損傷を-魂-に引き込み時を稼ぐ。
クロファもティファ同様にあの少年ならと信じているから。
クロファの体感としては、魂の損傷具合は寿命二・三年分が削られているという・・・せめて五十年分か、長くとも百年分当たりで戻ってきてほしい所だ・・・百年も生きれば・・みんな許してくれるだろうか?
愚かな事だ・・・・本当に愚かな事だとティファは己の有様に嗤いたくなる・・・一体自分が何故このような事をしているのだと、周りは決して自分がしている事を許してはくれまいそれでも・・・・・自分が決めたから・・・自分は知っている、識っている・・・・-原作-の彼等を・・・・彼等が辿らざるを得なかった悲しい終わりを・・・・そして自分は知らない、この世界の事を・・・だから自分で識ろうとした、彼等と過ごして彼等の身の内にある思いを少しでも知ろうと実に沢山の事を話したのだ。
ご飯の支度やご飯配りの時、寝る前の一時と短い時間であっても直接であったり聞き耳を立てたりして、そして決めた
無為に死なせたくない人達だと
大義も大勢も何もない・・・・この世界の命運に自分から首を突っ込んだ・・・今更だ!
この世界の決したはずの命運をひっくり返そうとしているのだからこれくらい支払わずして変えられると思うが傲慢だ、散々対価だ代償だと抜かした身が、己一人が何もないなぞある筈も無いのだから・・・
大魔王だという少女はは静かな笑みを浮かべて闘っている。
少年ポップ達もとうに暗黒闘気のダメージから回復をはたいせているが、ティファの独特な戦い方に、共闘することは出来ないと手が出せないまま時が過ぎていくのを、指を咥えて見ているしかできないのかと戦士達は飛び出しそうになる身を抑えつけて堪える。
もしも下手に手を出せばティファの身が危うくなる!
若きバーンも、少しずつ力尽きるティファの考えが全く解らない。
ここまでの事をしてこの娘に何の益があると言うのだ?
最早帰る手立てがあるというのに・・・・笑みを浮かべて戦う・・・
なぜ?
それは思考の隙であった。
そしてその隙間が生じるを見計らったように、-ティファ達-が待っていた-者-が戻る気配がした!!
ポップ兄!!!
ティファ!??・・・どうした・・・
待っていた者が向かって来た事で、待ち人が辿り着く前に-やってあげたい事-がある・・-自分-だけが識っている事を、せめて五分にしてあげたくて。
ティファは兄ポップとダイとノヴァと思考を繋げられる、互いの中にある竜の血により結ばれし縁で。
それを通じて頼みごとをする。
ポップ君に今すぐメドローア撃たせて!!!
・・・分かった
何故もどうしてもを飲み込み、兄は妹の叫びに応え、戦いに参戦できないかと機を伺っている少年ポップの肩を掴み耳打ちをし、マホカンタ系の防ぎも頭から消していますぐやれという言葉に、少年ポップも腹を括り意を決したように顔を上げて飛び出した。
ティファの体が崩れたのを見た男達が走りかけ、真っ先に少年ポップがメドローアを形成しながら、ティファと若きバーンの間に割って入り、そして躊躇いなく若きバーンにメドローアを放つのを、若きバーンはあの娘は本当に自分の技を知らんのかと思いながら、-天地魔闘-の構えはとらずともフェニックスウィングでメドローアを少年ポップと其の射線上の後ろにいるティファに向かって返すのを、ティファ自身が少年ポップを脇にどかして突っ込んできた。
あれじゃぁあの人が!!
どかされたポップも、動いて走り寄ってくる男達もティファが消滅してしまうと焦る中、一筋の光が少年ポップのメドローアを横からぶつかりそして消え果たのを、周りは驚きティファは痛みを堪える顔をした。
兄が、痛む両腕をおして極大消滅呪文を放ってくれたのだ・・・自分が無茶をしなくてもいいように・・・
ティファの考えた通り、青年ポップは折れた腕で必殺の技を出して崩れ落ちる・・・これで自分にできる事の全てはやった・・・・ダイ達後は・・・・激痛と魔力切れで薄れいく意識の中、戻ってくる弟達に後を託しす中、ティファは若きバーンの第二の技を引き出させるために、使わないと言った夕月を再び己の手の中に引き寄せ鞘も使い
「回転剣舞!!!」
両の手に持った鞘と剣に闘気を込めたオーラブレードを作り出して回転の勢いを乗せて放つ技の威力を見て取った若きバーンはカラミティエンドを出しそして、回転を止めればティファと目が合った。
自分を食らい殺しそうな瞳に、若きバーンは敬意を表し最後の技を油断なく放つ
カイザーフェニックスが、小さなティファの身を食らいながら燃え盛った・・・・誰もがティファの身が燃やされる・・・・そう確信しかけた時、一筋の凛とした声が場に響いた
「アバンストラッシュアロー!!!!」
それはトベルーラをしながら、煌々と両の手の甲に竜の紋章を輝かせた少年ダイが、アバンストラッシュを放った姿であった。
よく見れば-ダイの剣-はダイの背中の鞘に収まっており、今少年ダイの右手にあるのは青年ダイの剣であったのを、辛うじて結界を張り表面を焼かれるにとどまりながら、カイザーフェニックスの威力で吹き飛ばされながらもティファはニヤリと笑った・・・笑ったのだ
「いっけえダイ君!!!!!!」
今ならば!-天地魔闘-の全てを出し切り数秒のラグが生じた若きバーンの身なら!!
カイザーフェニックスが撃たれる前に、ティファは兄ポップにしたように兄達につけていた式で見て知っている-伝授した技-を、少年ダイにうつようにと頼んだのだ。
式をつけていたが故に彼等の遣り取りを知り何をしていたのかを知り、そして戻ってくるタイミングも計れていたのだ。
戦いながら式見をするのはクロファにとっても辛かったが!その価値はあった!!
ティファの声に、まだ死んでいないのかと若きバーンの思考に余計なのノイズが混じり、そしてティファの考えた通り、大技の連撃を使った時の反動で動かない体と相まって対処法に思考が瞬間思い至らず、少年ダイの接近を許してしまった!!
「喰らえ!!!!」
ダイさんに教えられた、教えてもらったアバンストラッシュアローとクロスの連撃!!
それはこの世界では初見の技であり、若きバーンにはどのような者かは知らずとも、少年ダイの両の手の甲の竜の紋章が輝き闘気を込められた技に怖気が奔り!咄嗟に右手で飛んで来た一の矢を掻き消そうとした・・・その体制が悪手であった・・・・ティファが、最後の力でアローの正面に立つ形となりまさにアローを消そうと振り下ろそうとした体制の若きバーンをジ=アザーズの結界で固めて二の矢の為の体制を整えた。
・・・・ありがとう・・・・お姉ちゃん・・・・
そう聞こえたのはきっと自分の気のせいだとティファは笑いたくなる。
だって実際にダイ君が叫んだ言葉違うのだから
「アバンストラッシュクロス!!!!」
若きバーンの右腕を過たず肘から上に一の矢と二の矢を交差させて切り取ったのだから。
絶対の奥義を打ち破られ、異界の大魔王によって斬られながらも、それでも無敗を誇っていた若きバーンの、どのような伝説級の武具にも勝るとも劣らない右腕が宙を舞い、そして・・・・消滅をした。
見れば少年ポップが二発目のメドローアを放ち、若きバーンの右腕を消し去った
「へへ・・・・これで俺達と同じくらいになってくれたかよ若い大魔王さんよ・・・」
先程右腕を老大魔王によって斬られながらも、自らつけていたのを老大魔王の懐の中にありながらしっかりと周りを見る事を怠らなかった少年ポップが目撃してきちんと覚えていたのを、若きバーンの呆然とした心に忌々しさが蘇る・・・何故・・・・・誰も彼もが諦めずにいるのだと・・・
確かに心が再び折れた少年の方のダイとても!青年の方のダイに保護をされた傷だらけの小娘も!!自分を取り囲むように立つ男達にも苛立ちが若きバーンの心を占めるのを、ティファはもう無理とばかりに兄にその身を委ねる・・・・自分にできるのはもうこのくらいで・・・・後は本当に少年ダイとポップ達に託す。
式見をして兄達とのやり取りを知っているとはいえども、彼の少年がどのような答えを携えてきたのかの本当の所は分からないが、きっとそれは、竜魔人になるに至るにはほんの少し足りないだろうと・・・己の全てを投げうつことがいい事とは限らないし、しないでほしいとティファは身勝手に思う・・・散々自分がしてきたというのに。
それでもそれをしなくてもいいよう若きバーンの右腕を斬り落とさせて漸く五分か最悪四分か・・・それでも信じる
彼等が勝つのを
今宵ここまで