序盤戦は、確かに少年ダイとポップはタッグを組んでバーンに戦いを挑んでいた。
若きバーンの右腕を斬り落としたのは竜闘気の技であり、竜闘気には暗黒闘気同様に回復を遅らせるデバフがある。
その効果をダイ達が狙った事でないにしろ、ティファの見立てでは恐らくドルオーラを二回立て続けに撃った後、十数分は回復しなかった原作ダイと同じであれば、先程の少年ポップ達と同じくらいの時間を有さなければ、バーンの右腕が回復する事は無いと見積もっている・・・・・バーンにその法則が当て嵌まればという危惧が付くが、少年ダイとポップのタッグ戦が開始されて数分経つが、バーンに回復の兆しは無く二人の相手を片手でしている現状であった。
それでも強い
ダイの剣をカラミティエンドで弾き、ポップの魔法も薄いマホカンタで弾かれ、次第に若きバーンの攻撃目標はポップとなり、勘付いたダイも直ぐに親友の援護に向かうが二羽の炎の鳥の飛来により足止めされている間に、ポップの鳩尾に若きバーンの膝蹴りが諸に入り、誰もがポップの敗北に悲鳴を上げそうになる中
「へっへ・・・・魔法使いに不用意に近づいて触んじゃねえよ間抜け・・・」
ギラ!!!
少年ポップは、岩をも砕く若きバーンの一撃に飛ばされそうになる意識と、激痛にのたうち回りそうになる体を叱咤し、バーンの膝に食らいつき両手にギラを収束させ、右足の膝を貫通せしめたのだ!
「こ・・・・小僧が!!!!」
「ポップ!!!」
思わぬポップの反撃に、激痛を覚えながらも行動にさしたる支障は出そうにない一撃で・・・だが!人間の!!それもなんの変哲も見られない小僧に後れを取ったことが若きバーンの誇りに傷をつけ、それが故にバーンの激高を買ってしまい、負傷させれられた右膝を振り抜いてポップを地面に転がし、先回りしてその身を蹴り上げバラバラにしようとしたのを回復を果たしたこの世界のアバンがアバンストラッシュアローに残った全ての闘気を込めて若きバーンを足止めしながら両者の間に割って入り、転がる弟子を受け止め戦線から離脱させようとしたのを、バーンが見逃がす筈も無く二人を追い縋り、あと一歩のところでアバンとポップを捉えようとした左手に、ダイの右足蹴りが打ち据え止め、そのままダイとバーンは乱打戦に入った。
「先生!!ポップ外そのまま-外-にいて!!!!」
「図に乗るなよ散々迷っていた弱気勇者もどきが!!!」
どうやらバーンはティファとポップ達に散々大魔王もどきと言われていたのが予想よりも気にしていたようであり、意趣返しを少年ダイにするという・・・大人気が全くない。
だが、ダイももう周りの言葉に惑う事無くバーンの勇者もどき発言にも傷つくそぶりは全くなく、寧ろ
「だったらおまえを倒して本物の勇者ってやつになってやる!!!」
お前を踏み台にしてやるという・・・・・決してバーンを怒らせ思考を乱す為の高度な煽り発言ではなく、天然発言にバーンの方がブチギレ、技も何もない乱打戦に一層火力が上がる。
一見単調な攻撃に見えるが、それは直ぐに訪れた。
バキン!!!!
青年ダイから借り受けたミスリル銀の剣が-破壊-されたのだ。
根元からおられたのではなく、刀身すべてが、まるで吹雪の様に舞い散るほどに粉々に砕かれた。
これでダイの心に隙が出来るとバーンは目論んでいた。
何を吹き込まれたかは知らないが、青年ダイが今のダイの心の支えになっているのは明らかであり、であればその相手から借り受けた剣という戦士にとって大切なものが破壊されたのであれば、一瞬でも青年ダイの方に意識が向きそこを叩くとバーンは計算をしていたが・・・・それは間違いであった。
「バーン!!!!」
ダイは、青年ダイを一度もみるどころか心の乱れも一瞬も目せずに折れた剣を直ぐに手から放して両手の紋章を煌々と輝かせ、反対に目論見に思考を割いたバーンの腹に右の一撃を入れ、そのまま両手を腹に向けて猛打した!
ダイさん言ってた!武器は壊れるのは当たり前!それのせいで心が乱れたら駄目だって!
ここに来るまでにダイは、妹に教わった事ですぐに使えそうな事を少年ダイに伝授済みであり、そのおかげで武器破壊によって心が乱される事は無く反対にバーンの隙をつけた形となれたのだ。
こんな隙はもうこの後には無いと、ダイは様々な意味で怯んだバーンの腹を殴りつけるがバーンがその状況に甘んじる筈も無く、片手であろうとも闘気を込めダイの頭を打ち付け、ぐらついたダイを足蹴にしようとするがダイも頭を上げて下半身に力を籠めて何とバーンに頭突きをくらわし!バーンがぐらつきそして・・・・双方闘気を込めたすでに夜殴り合いが始まり・・・・徐々に周りの世界と隔絶し始めたのだ・・・
「バーン・・・あれ・・なに?」
青年ダイは妹に火傷に其れ専用の万能薬を塗り込みマトリフにベホイミを賭けさせ手当てを終えても胸にしっかりと抱えたまま、少年ダイとバーンの周囲を渦巻いている闘気の正体は何かと、老大魔王に問うた。
即ち!!
分らない事はバーンに聞けば、絶対に知っている・・・・それでいいのか未来の王配と、誰かがいつか突っ込みそうな名言を・・・持っているのは別にダイだけではない・・子供達と、老大魔王が呼んで可愛がっているダイ・ポップ・マァム・レオナ・メルル・チウ達全員がそうなのだから仕方がない。
メルルとレオナは流石に控えてはいるが、他は割とバーンにグイグイといってその事をバーンが相好を崩して優しく手取り足取り教えて上げているのだから、もう色々と鹿型無いのでいいだろう。
ちなみに大半の答えを知っているティファはバーンに聞く事をしないのを、バーンが寂しがっているのだがそれは兎も角、バーンもまさか目の前あの戦いが見られるとは思ってもみなかったのでかなり驚きを隠せないながらもダイの疑問にきちんと答える。
「あれは余が知る魔界にて数百年前に、竜族の中でも最強の力を持った雷竜王ボリクスと冥竜王ヴェルザーが、竜族の頂点を争った時に起こった戦い方ぞ。」
その時両者の力は拮抗しており、壮絶なる大激突であった。
その力が互いに届く事は無く、激突するたびに周りに散った闘気がいつしか渦を巻くほどになり、戦いの舞台は超高熱の地獄と化し、二頭の最強の竜の激突から-真竜の戦い-と称され、魔界においても滅多に見られるものではない伝説級の戦いである。
「どちらかの均衡が破れ、弱った方に蓄積された闘気の渦が襲い掛かり決着がつく。」
どちらかが必ず死が決まる壮絶なる戦いなのだと語る老大魔王の言葉に、外にいる全員が息を吞む中、老大魔王としてもこの結果は予想外であった。
あれは通常といえばいいのか、最強の力を有した者達の、それも力が互角同士でなければ先ず発生しない事だが
よもや我等があの若い大魔王の力を削った事が原因になろうとは・・・
老大魔王はその考えに至り苦い思いをする。
あれが弱体化した事は喜ばしいが、真竜の戦いは必ずどちらかが死ぬ・・・もしも若き勇者が弱体化したれば・・・
此方にはもう飛び込むだけの余力は無く、この身を盾にするしかないかとも老大魔王は算段をつける。
わずかに残した魔力を光魔の杖に注いで盾にしてでも・・・・
算段をつけた事で老大魔王は落ち着きを取り戻し戦いに注視する。
決して-その時-を見誤らないように
今宵ここまで