勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

501 / 536
暖かいいしの下に:石化したバーンを如何にすべきか・・

倒せた・・・そうとしか浮かばない、現実味の乏しい勝利に、大魔王を討ち天と地の消滅を食い止めた者達はどこか戸惑いすら浮かぶほどに、若き大魔王バーンの最期は凄絶でありそして鮮やかすぎた・・・・まるで自分から負けてやったような、大人に勝ちを譲られたような子共と思わせられる程の、見事すぎる潔さに、石となって地に伏したバーンをどうしようという思考が大人達に生じさせるまでに暫し時を要したほどであった。

 

老大魔王と、そして地上で知略・謀略をも欲しい侭にしていると言われる両マトリフとアバン達をも圧倒したバーンのあの遺体と言っていいのか分からない状態の物をどうすべきかた少年ダイに尋ねられた大人達は一様に首を傾げる・・・そもそも何故肉体は滅びずに石化したのか?

 

そんな疑問をっ子の人なら解けるのではないかという人物の服を、少年ダイがクイクイと片手で引っ張った。

 

「お姉ちゃんは、バーンがどうして石化したか分かる?」

 

・・・・・・この子は・・・

 

 

物凄い難問を・・・普通の人ならともかく私にとってはそこまでではないけれども、兎に角私以外の人に聞いてもどうしようもない事を、平気でド直球で聞いてきたと、日ごろの自分の行いを顧みずに頭を痛めるティファであったが、応えられる範囲内なので周りの疑問解消と今後の指針の助けになればと、私の考えですがと前置きをして口を開く。

 

「ダイ君は天界に左手の紋章を放ち、その先には私があのバーンから分捕って来た巨大な黒の核晶六個のうちの幾つかを私の大魔王とダイ兄をこの世界に呼ぶことに使って、残りの内の幾つかをバーン討伐に使ったわけですが、恐らく魔界の冥竜王ヴェルザーを封印した時の術式も混ぜたのではないかと思います。」

 

ティファはそこから少年ダイ達の為に、自分の知る冥竜王ヴェルザーが当時竜の騎士と天界の精霊にどう倒され封印されたかを端的に説明をし、竜の騎士たる父バランがヴェルザーを弱らせ弱体化をしたところを天界の精霊達に魂を封ぜられ肉体の石化をさせた事を。

 

「・・・・・お姉ちゃん詳しいね・・・」

 

当時何て生まれていないどころか、地上には話しすら聞いた事の無いヴェルザーの死闘と顛末だけではなく、細部まで知っているのは矢張り老大魔王に聞いたのかと少年ダイ達は尋ねたら・・・・さらりと爆弾発言かまされた・・・

 

「あぁ、当時どうだったのかをヴェール・・・ヴェルザーに聞いたら教えてくれました。」

 

当時の悔しさや怨嗟を滲ませたどす黒い声と気配を伴った話はなかなかに迫力ありました発言に・・・・お姉ちゃんティファはヴェルザーとも仲直りしたのかと・・少年ダイをして頭痛くなってきたがそれは兎も角・・

 

「要はあの状態は封印されているかそれに近い状態だという事でしょうか?」

 

この世界のアバン先生は頑張った!もう本当にこの少女何なのという不毛な事を頭からたたき出して頑張ったのだ!!・・・・・それでいいのだろうかは其れは放り出し、天界の封印ともなれば地上側がどうこうしてよいものかという悩みが発生する。

 

この場所に何人も立ち入れないような結界を施そうにも奥まった岩山でハドラーの居城跡という曰く付きの場所ではあるが、火山が噴火した後は其れなりに開けた場所となり、そもそもこの地にあのバーンの遺骸を安置したとしたら・・・・パプニカ王国は泣いても良い

 

どちらの世界のパプニカ王国も、パプニカ王国と書いて不運の国とも読めてしまう国なのだろうか?

 

ハドラー大戦では目の前に魔王ハドラーの居城作られるは、その魔王居城跡地に、こうして平和になろうとしているこの時に、最も恐ろしい敵の遺骸の安置場所にされそうになったりと踏んだり蹴ったりである。

 

それを勇者の、ひいては地上側の勝利の地としての政治的にも国際アピール的にもふんだんに使える要素はあるにはあるが、警備を如何にすべきかが課題になること請負であり、そして手柄を貴国だけのものとするのかという政治攻撃の手札を渡してしまいかねない諸刃の剣と化しかねない上に、そもそもが封印が永続的な事だと誰にも分からず・・・・一つの国がどうにかするには様々に厄介な遺骸であるのだこれは。

 

警備問題は、まだ地上にバーンを辛抱する魔王軍がいないという保証がない事と、後々魔界から彼の者の遺骸を奪い返さんとする魔界勢が、この地の特殊地場を使って侵攻しかねない事である・・・・まさか勇者一行丸ごとをこの地に駐屯させる訳にもいかない。

 

レオナ姫とフローラ女王とアバン以外は全員が勇者一行ではあるが市井のものであり、ヒュンケル・クロコダイン・チウ・ラーハルトも国に所属していないがその括りであり、自由を束縛する権利は誰にも無いし、させるつもりもこの世界のアバンとマトリフには無い。

その様な動きがどこかの国にあれば即座に潰すと考えている。

彼等の自由と平穏な生活の為に。

 

そうなるとパプニカ王国の首都の結界奥深くに安置するしか後は考え付かない。

あそこであれば兵士・騎士達・魔法使いや賢者や神官たちもおり、警備をするには万全な状態にできる。

 

だがそれをすると、第二の案件ともいえる他国の非難をわざわざ買う恐れも出てくる。

今から数年間は各国も大戦の爪痕を消そうとそちらに注力し、国の復興を第一としてくれるだろうが、-平和-になった後の-人間-の欲望がどう動くかをある程度予想しているアバン達やマトリフ達はその事に頭を痛める・・・・・何故地上の勝利の直後に-人間の欲望-の事にまで考えを及ぼさなければならないのだと・・・単純に勝てた事だけを喜べないのかと-人の業-に頭を痛めるのを、少年ダイ達どころか青年ダイ達も難しい顔になったアバン達を不思議そうに見る。

 

あのバーンをどこに埋めてあげるのかをどうしてそこまで悩むのか・・・遺骸を取り返されるという発想言えば納得をするだろが、人の欲に彩られた政治的な事には、彼等には考え付かない事であった。

人々の力を携えたからこそ勝てた事であり、そんな事を穢す輩がいるという事を言われてもダイ達には分からない事であった。

 

一応青年ダイと青年ポップは王配となるべく政治教育を受けてはいるが・・・・周りの大人達は物凄く甘かったのだ・・・良き政治は民を国を周辺諸国を幸せにするという良き面は教え込み、-負の政治-は宰相以下大臣達が請け負う事と、パプニカ王国とテラン王国は互いに打診し合い大人達はこれを決定し、パプニカ王国の跡取り王女レオナもその手の政治手腕から切り離す事は説明を成されレオナ本人からは複雑な思いをされながらも両証取り、アバンやフローラ女王達は無論の事、現国王達も親書で知らされてうけいれられている・・・・外から見ればそれでは王族・政治ごっこではないかと滑稽な事のように思われ軽侮される事であるだろうが、現国王達は本気であった。

 

辛い道のりの果てに、三界全てを救った彼等に報いようと、国益等の事は宰相達が手腕を発揮し、彼等には平和な世界を牽引する大切な仕事をしてもらうのだと、ロモス・ベンガーナ・リンガイアでは次代にもその旨を教えている最中であり・・・・現実を知らせない甘い世界にいる彼等に対し、さて何と言えばいいのかアバン達とマトリフ達が目配せして視線で相談をしようとしたその時

 

 

パンパンパン

 

 

気のない拍手が様々な意味で静寂をしていた場に響き渡る




今宵ここまで・・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。