勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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・・・・・タイトル通りです


暖かいいしの下に:・・・・終われなかった・・・

ティファ諸々の-爆弾行為-に周りは唖然とは・・・・しなかった。

したとすればこの世界の者達だけであり、異界のティファの仲間達は少女の逆鱗のありかをよっく知っており、故に少女のやり返し方はまだまだ可愛いものだと、ヒュンケルを除いた大人組は物凄く場違いな事を考えている反面、今の雷落とした馬鹿者どもにド直球で落としてやればいいのにとも思う中、どれ自分も仕事しますかと異界のアバンはティファに近寄り、一言言ってやりたいのでいいですかとティファに交信権を譲ってもらえないかとお願いをする。

 

「・・・先生も言いたい事あるんですか?」

 

-温和で優しい先生-が何を言う事あるのだろうかと、-綺麗で高潔なアバン-しか知らない、ティファを含めたお子様組は首をひねりながらも、温厚篤実な先生だって怒る時はきっと怒るのだろうと-色々-と納得したティファは、どうぞとアバンに場を譲り、譲られたアバンはにっこりとティファに微笑みを向け、そして辛辣な顔を天に向け、そしてティファ達が攫われた状況と、その時にどのような慶事の最中であったのか、その幸せがこの世界の-一部の暴走した神-のせいで壊され、それをして向こうの世界の者達の絶望がいかばかりであったかを-切々-と語り尽くされた・・・・・つまり異界のアバンはティファが物理的に攻撃をした後に少しばかり彼等の良心に訴える方法に則り、ティファ以上の精神攻撃を展開に向けたのだ。

 

絶望に満ちた花嫁と花婿達、参列した六大精霊王達の嘆き、異界があるという事を地上の自分達が知らなければならない程の切羽詰まった状況・・・・如何に己達の宝物が攫われどれ程の者達が嘆き苦しむ中救援に来たのかの異界のアバンの言葉には、実際話を盛っている訳ではないので聞く者達の心に響き渡る。

 

確かに目論見は天界への精神攻撃ではあるが、アバンの話す中にはこの世界の天界を従属させる方法だの、ティファ達に手を出した勢力はどこであろうとも根切しようだのの・・・物凄く物騒な話ばかり出たのは内緒にいしているので、これくらいは話半分も良い所であると異界のアバンとしては不満であった。

 

彼としては、ティファの言う通り神の資格を自ら放り捨てた事にも気が付かない愚か者達を、先程の攻撃で消してやればいいのにとさえ考えているのを、悲しみ一色の話だけで済ましてやるのだから、これを聞いて罪悪感に打ちひしがれた天界の民達に突き上げを食ってさっさとその座から転げ落ちろと内心で呪詛している状態であった。

 

あったのだが・・・・自分達が消えた後の世界がそこまで絶望に満ち溢れてしまった事に、ティファとポップとチウは申し訳ない気持ちで一杯になり、向こうに戻ったら必ず皆を笑顔にするように頑張ろうと、図らずも三人は相談する事無く心の中で同じような事を誓った。

 

自分達の事だけで手一杯だったとは言わない・・・・この世界で頑張っている彼等の助けに-待っている間-背一杯頑張ったと言えるだけの事をしてきたが・・・・置き去りにされてきた者達を思う余裕がなかったの考えるのは余りにも傲慢であろうかと青年ポップは思う。

向こうがどのくらいの時間経ったかを聞く事すらせずに、向こうの様子よりも-こちらの事-を優先させた事は悪くは無いだろうが・・・メルルに心の底から謝ろうと決意した時、その声が聞こえてきた

 

フクックっクックック・・・・

 

自分達の先生の切々とした話が終わり少ししてから、この世界の少年達も一様に自分達が不甲斐なかったせいで起こってしまった悲しみを嘆く声よりも、先に笑い声が流れた。

 

誰だと見れば・・・キルバーン達が笑っている・・・

 

何がおかしいという前に、キルバーンの手がスッと上がり

 

「いや失敬、一連の出来事見聞きしていてつい笑ってしまってね。」

 

申し訳ないと・・・・あの外道が謝罪してきたことに!一同それこそティファの言動と同じくらいに啞然としてポカンとしてしまったが、キルバーンとピロロの謝罪は本気であった。

 

ここにいる少女の、先程の言葉に偽りがない事を確信したが故におかしく感じてしまったのだ。

あの忌々しい神々にも阿る事をせず、反対に叱りつけ痛罵する様は見ていて心がスッとしそして悟った。

 

この娘は良くも悪くも偽りが無いのだと。

 

であるのならば何らかの思惑はあれども自分達が魔界に行く事を止める事は絶対にしないと確信すれば、心に余裕が出来周りを見まわしてみれば、異界の者達は最早自分達に対して警戒する事はあれどもそれ以上の敵意は無く、其れよりも-天界-に対して対応の仕方に笑いがこみ上げているのだ。

 

不思議な者達だ

 

大魔王達と和睦を結び、中身が甘い者達かと思えば天界に対して辛辣な言葉を放つ事に躊躇いは無く、やる事成す事が滅茶苦茶で・・・・悪い気がしない・・・・そう・・自分達の-最後-に見た者達がミスト以外にこの者達であれば悪くないと思わせられる程の・・通路は出来た。

 

せめて-辞去の挨拶-くらいはと人形キルバーンが一礼をして口上を述べる。

 

「君達のお陰で魔界への通路が開くに至り、僕達はお暇させてもらうよ。」

 

この世界の戦いや事象にはもう飽きた・・・

 

「後は君達がこの世界を好きにすればいい。」

 

常ならば、その後醜い世界が待っているだの、相手の気分を害させ歪んだ表情を見るのが常であったが・・・・それにも飽きたが・・・・

 

「その前にさ、異界の小娘さん。君どうして大魔王が石化したか知っているかい?」

「はぁ?・・・・・天界の封印でしょう?」

 

辞去の挨拶が来るとは思わず、更に最後に自分に話しかけられるとは想定外であったティファは、未だに喧々諤々の天界の交信をうちゃり、キルバーンの問いに真っ当に答える。

嫌いな相手であっても問いかけられればきちんと答えるのを、キルバーンはこんな甘い子供欲今まで他者の食い物にされなかったものだと苦笑しかけたが・・・納得した・・・ティファの後ろに見える-山ほどの保護者達-の形相を見て・・・・余計な事を言え自分なぞ瞬で消し炭にされそうな形相に、守られているのだな~と・・・・この子まともに結婚させてもらえるのだろうかという心配がちらりと浮かんだがそれは兎も角、

 

「不正解だよ異界の小娘さん♪」

 

自分達は兎も角として、ミストを助けてもらえたお礼にきちんとした情報をティファに渡してあげる事にしたのだ。

 

「不正解・・・ですか?」

「そうだよ、大魔王とそして-ヴェルザー-がそれぞれの敵達に敗れた後に石化したのは天界に御業だと喧伝されそうだけど違うんだよ。」

「は!!???」

 

ここでキルバーンが、バーンだけではなく呼び捨ては兎も角、真の主の名まで出した事でティファはキルバーンが偽りを言おうとしているのではなく、きちんとした情報を伝えようとしている事を悟った・・・・そもそもが偽情報を自分達に渡す意味も無ければ、天界との亀裂を目論もうにも勝手にこちらからふざける名を叩きつけているのでやる意味も皆無である。

 

そんな風に驚いているティファを・・・あろう事か人形キルバーンはふわりと抱き上げ!あまつティファの貝のような耳朶に口を寄せて何事かを囁いたのだ・・・・周りがどのような反応をしたか、しようとしたかを止めたのは誰でもなく、抱き上げたティファの表情であった。

 

囁かれている内容は魔族の耳をもってしても届かないが、聞くほどにティファの目が見開き血色を喪い、それでも食い入るように聞き始めた・・・・尋常ではないその様に、周りは今すぐにキルバーンをぶっ壊したいと逸る心と体を意志の力で抑え込む中、話し終えたのかキルバーンは何事も無かったかのようにティファをそっと地面に降ろし、今度こそ石化したバーンとそれに縋りついて目をつむっている親友ミストを胸に抱えて通路を通ろうとしたが・・・・ティファに止められた。

 

今更・・・・情報をもっとよこせと言いたいのかとキルバーンとピロロは情報を渡した事は間違いだったか・・・なれない事はするもんじゃないと煩わし気に少女を見遣れば

 

「・・・・きっとこの情報は貴方方を行かせるためのお礼でしょうが・・・・私が貰いすぎです・・」

 

それは違った。

 

ティファは、期せずして手に入れた情報が、-多岐にわたって-途方もない事に直ぐに気が付き、彼等は元々何の見返りを貰う気も無くいかせるつもりであったので、これでは釣り合わないと、ミストバーン達を抱えるキルバーンではなく、ピロロに手を伸ばしそして-暗黒闘気-を掌に集中させ、ピロロの体内に納めた。

 

「・・・・きっと・・・百年はもつかと・・・」

「へぇ・・・・僕等の事分っていたんだ・・・」

「・・・・あの暗黒闘気は、きっと君の寿・・・・」

「ストップだよ。」

「・・・・・・・・・」

「それ以上は野暮って言う者だよ-お嬢ちゃん-。でもまぁ・・・受け取っておくよ。」

 

ティファの言葉をピロロは遮りながらも、ティファから受け取った暗黒闘気のエネルギーは返す事は無く、ジャァねと・・・・彼等は今度こそ軽やかな足取りでいってしまった。

 

ミストバーンを・・・・ミストを顕現させ復活させるためにピロロは己の残りの寿命を使い切ったのは、ティファとキルには直ぐに分かった。

他の大人達も、ピロロが生命エネルギーを使ったのは分かっていたが散々命を刈り取り末期を見てきたキルと、散々己の命を使い寿命を見切れるようになってしまったティファだけが正確なところを知れた。

 

だが・・・彼と人形キルバーンなればミストを救えた以上の喜びは無いのだから良いかと彼等の心情の為に黙っていたが、聞かされたお礼の情報が凄すぎ、ティファは対価が釣り合わないと、ほんの少しだけ残しておいた黒の核晶の最期のエネルギーを渡した。

あれだけあれば、百年は彼等はもつはずで、その間に親友を安全な場所で安らがせられる算段をつけるだろうし、後は本当に彼ら次第だと見送れば・・・・-自分のキル-と同じような呼ばれ方をしたので複雑になる中、この情報どうすればいいのか、行ってしまった彼等の後を見ながら頭をガシガシとして、ティファは全員の方に振り替える。

 

この世界の人達は何事かと純粋に心配しながらも知りたそうにし、自分の世界の者達は・・鬼の形相になっているのにめげずに

 

「この世界の空間も安定するまでには早くとも半日はかかりそうですよね。」

 

その間に-話す事-が山ほどできましたので聞いてくださいと、ティファは腹を括って情報共有を徹底する事にした・・・・・大魔王を倒して終わりになれないって-原作-と同じじゃないかと心の中で滂沱の涙を流しながら・・・・




今宵ここまで・・・・
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