勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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誰の頭か・・・


暖かいいしの下に:頭が痛い・・・

フローラは心急きながら-迎えに来たアバン-のルーラでついた砦の中に歩を進める。

どんなに慌てても王である自分が走るという事は無いが、アバンの言っていた少しの問題とはなんであるのか・・・・大魔王バーンに勝利した矢先に問題が起ころうなぞ、叡智を持ったフローラも考えてはいなかった・・・いったいどれほどの問題が・・・・

 

 

 

 

-遡った少し前-

 

魔王軍の最大の敵、大魔王バーンを-全員-が一致団結して討てましたという報告を、ティファがつけてくれた式鳥でアバンからの知らせを受けたフローラ女王は、テランの湖の底にある神殿で共に避難していたポップの両親とレイラとマトリフに、勇者一行全員が無事であることも共に勝利を伝えたところ神殿内に喜びの声が湧きたった。

 

ジャンクとスティーヌとレイラは共に子供達の無事を涙を流して喜び合い、普段は冷静沈着なマトリフの目にも薄っすらと涙が浮かぶのを見たフローラの目にも、同じように涙が浮かんでいる。

 

少年達に押し付けてしまった大戦の行方の果てに、誰か一人でも犠牲にならずに本当に良かったと、安堵していると、泣いているのを心配してか少年ダイに預かった大切な親友ゴールデンメタルスライムのゴメの翼で涙を拭われたフローラは、悲しくて泣いているのではないとゴメの頭を優しく撫でながら、齎された勝利の余韻に浸りかけたところに、勝ったはいいが-少し問題-も発生しましたという、アバンの申し訳なさそう報告に、勝利に浸りかけていたところにフローラは冷水を浴びせられたが如く心にヒヤリとしたものが奔った。

 

あのアバンが、多少の事は己で処理してから事後承諾をしてきたアバンが-問題-と言ったからには少しではなく、世間的には大問題の部類であろう!

 

「ジャンクさん、スティーヌさん、レイラとマトリフ様は一旦パプニカ城で待ったいただきます。」

 

ジャンク達にも式鳥からの追加報告がはっきりと聞こえたので、フローラの指示に否やは無く、マトリフもチラリと俺の力いらないかとフローラに目で問いかけたが、首を数度横に振ったフローラを見てマトリフがルーラで三人を連れて行く事になり、この神殿を守る水晶が開いた空間を通り地上に出たところ、丁度アバンもフローラを迎えに来たところであり、サクッと一行の子供達は全員無傷ではないにしろ重傷の者はおらず、異界の人達も同じような状態で大魔王を討てたことを優しい声音で話して親たちを安心させ、断りを入れたフローラを-隠し砦-にルーラで連れて行った。

 

見送る親達も、早く我が子等に会いたいという逸る気持ちを抑え込み、フローラに言われた通りパプニカ城へと飛んでいった。

勝利した後にも生じた問題には、今度こそ-一般庶民-である自分達の出る幕なぞ無く、子供ではないのだからきちんと待とうと、後ろ髪を引かれながら・・・

 

ちなみにだが、隠し砦は異界のアバンとキルの張り巡らせた罠によって、釣られた魔王軍諸共に-魔界の炎-によって灰燼に帰したはずだが・・・・・実はそこからがフェイクだった・・・

 

異界のアバンは、今後も何かしらに使えるであろう砦をわざわざ魔王軍を滅する為だけに消滅させるのは実に勿体ないと思い、ティファに同じカール領内ではあるが砦から離れた場所の悪魔の目玉に、-空間が揺らぎ隠していた建物が一瞬見えてしまった風-のことが出来ないかを相談し、一度そこに行って結界を張り、その中で砦の一部の張りぼて風を拵え、完成したところで悪魔の目玉が-数体-来るまで待って、程の良い所で見せ、後はどんな威力の罠かは異界のアバンとキルだけの秘密で張り巡らせ、終わった後は直ぐに砦に戻った。

最終決戦前に、ティファ達が出払っていたのはそういう理由があったのだがそれは兎も角、其の残ることが出来た砦の大広間を目指して、フローラは走りそうになる足を叱責しながら、アバンとそして異界のマトリフと-あのティファ-がいても対処できなかった大問題とは何かを聞く心の準備をした・・・・・アバンは分かる、異界のマトリフも分かるしかし何故ティファもフローラの中でアバン達と同等なのかは・・・・まぁティファであるからもうそうだとしか言いようがなく、本人が聞けば-子供に何求めてるんですか!-と怒りそうだが、周りが聞けばお前の日ごろの言動による自業自得であるからしてしょうがないのだがそれも兎も角として、見えてきた大広間と、近づくほどに聞こえて来る扉越しとは思えない程の喧々諤々とした声に、フローラは本当に何が起きたのかと顔を青褪めて扉をノックする事も忘れ果て左右に扉をぶち破るが如く開きそこで見たものは・・・

 

「ですからこのザボエラさんは渡せません!!戦いたければそこなハドラーさんとその親衛騎団さん相手にしなさい!!!」

「だから何度いやぁ分んだよティファさんよ!そいつはダイの爺さん人質に取ったり夜襲かけてきた・・・」

「それしたのはハドラーも似たようなものでしょう!!レオナ姫を人質に取ったフレイザードの援軍に来た後も人質そのまんまでバルジ島で戦い合って!ザボエラさんが夜襲に来た時聞けばハドラーも一緒だったとか!!

ハドラーさんがよくってどうしてザボエラさんが駄目なんですか!!」

「そ・・・それは・・・そいつが真っ当に!!」

「要は自分の中の好き嫌いでしょうが!!今後の為にもこのお人は必要なんです!!

己だけの感情だけで物事見るお子様はこの場から出て行きなさい!!!」

 

 

・・・・・・・大広間の中が凄い事になっていて・・・・何の予備知識も無く見てしまったフローラはフリーズ起こした・・・

 

大広間の中にいたのは顔なじみになった異界の人達の他に、奥に座って異界のチウを膝に乗せている・・・・どう見ても大貴族然とした魔族の御老人が鎮座され!-ドール-にお茶を給仕されながら大広間の真ん中で言い争っている少年ポップとティファの様子をのんびりとした表情で伺っており、そのティファの腕の中には魔族の・・・・随分と・・・物凄く小柄な老人魔族がおり・・・・どうやらティファの腕の中で困っているような疲れ切ったような表情で溜息をついている老人魔族が二人の口論の元の様であり、周りはどう間に入ったものか悩んでいるようだが問題はそこではない!!!

 

少し離れた大広間の隅にいる一団は・・・

 

「・・・・アバン・・・」

「・・・・はい、フローラ様・・・・」

「説明なさい・・・何故ハドラーが生きて・・・・しかもここにいるのですか!!」

 

物凄く微妙な顔をしているアバンに対し、可及的速やかに答えろというフローラの顔は雄々しく!まさに王者の風格が溢れる程に心がブッちしたのだった・・・・・・・




今宵ここまで・・・・

この作品に出てくるフローラ様は様々な意味で気苦労が絶えません・・・・
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