勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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暖かいいしの下に:帰路に・・・④

「は・・・わぁぁぁあぁあああ・・・・」

「・・・おやまぁ~これは・・」

「ふぁ!!キルバーンさんなにを!!」

「なんとも・・・・・チウ君は見たら駄目だよ・・・」

「グッとと言いましょうか・・・こちらのタイミングがバットと言いましょうか・・」

「はん!お姫様と勇者様のハッピーとやらでいいんじゃないか世間にとっては。」

「ししょう!!これそれで済むのかよ!」

「ふむ・・・・やり寄るなあの少年勇者も。」

「なかなかのもんじゃねぇか。」

「これは・・・」

「・・・・不味いのではないか?」

「はりゃぁ・・・・ティファ大丈夫?」

 

 

はわぁわわ・・・・ども・・・・今後のダイ君達がこの世界で過ごしやすいように、お姫様との感動の再会も全世界の人達に見てもらって、ダイ君達も戦いが終われば普通の人と変わらないのだと知ってもらおうと画策をして・・・・うわぁぁぁん!!!!

 

「こんなつもりなかったのに!!!どうしようダイ兄!!!あんなその・・・・どうしようこれ!!!!」

「・・・・いやどうしようもなにもよ・・・・もうこの映像全世界公開なんだろう?」

「そこを冷静に言わないでよポップ兄!!!!」

 

レオナ姫とダイの口付けの映像を流してしまったティファは、その前に察したキルがチウ君はまだ子供だから見るの速いとばかりに目を塞いだので見ていないが、見た一同はここの少年ダイはその辺早熟だな~と見ている・・・・・ティファ以外は・・・

 

映像を結んだのはダイ達をパプニカ王城に行くの式で見届けた後、最後の仕事とばかりにこのせかいの勇者達一同と家族と愛する者達の感動の再会に、世界とそしてティファ達もウルウルとしてしていたのだが・・・・・まさかの少年ダイが口付けするなんて思わなかったティファはキルが雰囲気を察した時あれっと思ったが・・・まさか本当に口付けするとは思わずにばっちりと見てしまいフリーズ起こし・・・・そして真っ赤になって物凄い態度でも内心でも大パニックを起こした。

 

みっぎゃ!!!!どうしよ!!ダイ君達見られているのはパプニカ王城の人達だけだって思っているだろうけれども!!後日絶対にこの世界の王様達に言われて、全世界公開だって知られちゃうよ!!

そんなつもり私無かったのに!!!!

 

首から上の顔は耳まで真っ赤であり、如何にティファが他者の口付けを見て恥じらっているのかが伺い知れ、野郎ども一同は首をひねった。

 

「ティファ、お前俺達の結婚式やおっさんの結婚式でさんざん見てるだろうに何今更恥ずかしがってんだ?」

「ポップ兄!結婚式のあれは!神聖な儀式の一環としてや、予めするのも分かってるからいいの!!」

 

対して此方は色々と違うのだと力説する様は・・・・・まさにおこちゃまである・・・

 

「ふふいいじゃないかポップ。ティファにもまだ-ああいう事-は早いんだよ~。」

 

そんなおこちゃまぶりな妹に、ダイは目を細めてうっそりと笑い、良い事の御裾分けになるから大丈夫だよティファ~とか、猫撫で声を出して妹を宥めつつ優しく抱き上げて宥めてあげる姿に・・・・バーンとチウ以外の一同はダイの姿と醸し出している気配に慄然とする・・・

 

・・・・何故妹が-おこちゃまのまま-でいいのだと実の兄が黒い笑みで笑っているのだと・・・ティファと目隠しをキルから外されたチウとそういう世俗的な事にはとんと疎いバーン以外の野郎どもは突っ込みたくなる。

 

お前自分が嫁さん貰ったくせして妹には結婚ないし恋人出来なくていいと言いたいのか!

と・・・シスコン過ぎる現役勇者で竜の騎士様でパプニカ王国次期王配殿下が・・・

 

「いいから帰ろうよ~。レオナも皆も待ってるよティファ。

メルルだってマァムだって、あそこにいた全員がポップとチウの事も待ってるんだから。」

「そうだね・・・・この世界のハドラーさんとザボエラさんの事はアバンさんとフローラ様がなんとかしてくれもんね・・・・・ダイ君と姫様には・・・・悪い事しちゃったけど・・・・」

「俺もメルルと・・・みんなに会いてぇ・・」

「帰りましょう・・・」

 

周りの色々な思いを何となく察しながらも、この世界の厄介ごとの一つは一応取り払い、その後の事もどうにかなるとっかかりを作ったのだから、これ以上大切な妹と親友と仲間を今世界にいさせたくないダイとは早く帰ろうと、三人に待っている人達が居る事を思い起こさせ、そしてそれは成功した。

 

帰りたい・・・・ずっとずっとそう思いながらも、帰る場所があるのだという思いを、三人はずっと心の奥底に仕舞っていた。

それは偏にこの世界で頑張っていた少年勇者達の心情を慮って・・・

 

彼等には最早逃げる場所も無く戦える者達も自分達しかおらず、世界の全てがあの小さな背中に乗せられている事を思うだけで堪らなくなり、そんな中自分達だけが逃げ帰るような気がして・・・・・見捨てるような気がして・・・

 

だから彼等に手を貸し共に戦い抜いた。

自分達だけではなく、彼ら全員が帰れるところが出来るその時まで・・・

 

そして彼等は-帰った-

 

親元に、想い人の下に、待っている人達の下に

 

ならば

 

「帰ろう、ポップ兄、チウ君。」

「そうだな、帰ろうぜ俺達の世界に。」

「はい!帰りましょう!!」

 

きっとこの世界も自分達の世界の様に何とかなるだろう・・・・映っている映像もじきに消えるだろうが、その映像にはレオナから父バランに抱きしめられているダイ達が映っており、ポップもマァムも顔を赤くしながらも抱きしめられて・・・・

 

ハドラー達とザボエラは一足早く狭間の世界に向かっている最中であり、自分達に出来る事はもう何も無いのだから・・・

 

さようならももう言ってあるし

 

ティファとポップとチウの言葉に、キルとアバンとマトリフの三人で時空の扉を出現させる。

今ティファ達がいる場所は、アバンとマトリフが扉を固定させた魔王ハドラーも元居城の地底魔城の中心部にいる。

 

全てのお礼も互いに言い合い、ダイ達がパプニカに向かうと同時にキルが空間を開けて扉の間に案内をされてティファの提案で-最後の映像-を結んで・・・あのハプニングとなってしまったが、アバンとマトリフとしてはあのハプニングのお陰で少年ダイの居場所が確保できたと思っている。

 

あの映像を見れば、ロマンスが大好きなご婦人方が味方となり、意外に外交問題も国家の行く末も本気になった奥方達の言で決まる事が往々にしてあることを知っている二人としては、これは有りなのだがティファの可愛い反応で言いそびれてしまったが、それも良いだろうと楽しんでいる。

 

世界は温かい方向に向かっていけそうなのだから・・・・

 

そう思いながら二人もキルの魔力放出に合わせ陣に魔力を注げば、青白い蒼天を思わせる光が辺りを満たし、陣が立体的に現れそして、全員が光に包まれる。

 

もしもこの光景を見ている者があれば、光に包まれた者達の体は一斉に解けてしまったと驚いただろう。

解けそして再構築された時

 

 

「ふわぁ!ティファ達浮いてる!!」

「おぉ・・・そっか!向こう行く時は落ちて・・」

「戻る時は昇るんだ!!!」

 

兄の腕の中でティファ達はぐんぐんと昇る様に驚き、周りは微笑まし気にしながらも警戒を怠らない。

最早二度とこの掌中の珠達を何人にも奪われないように、威嚇するように警戒をしながらも、次第に上空の光が強まる・・・

 

あそこが、短いようで長い五日間・・・・そう、たった五日間だがティファの人生で最も長かった五日間ずっと帰りたかった場所が見えてきた事に、ティファとポップとチウの目に涙が浮かぶ・・・やっと帰れるのだと・・・・

 

光をとおると同時に歓声に包まれながら・・・・




今宵ここまで・・・・

これにて小石世界の本編は終わり、後はエピローグ的な物になります。

そして折角小石世界では第三勢力の事も出したのでエピローグの後に、外伝的に十話くらいで終わるような-魔界編-も頑張ってみようかなと目論んでいます。

その後に主人公の結婚式とそしていよいよ-勇者一行の料理人-を閉めさせていただきます。

それまでお付き合いいただければ嬉しく思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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