勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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世界に散らばるいし達:エピローグ①

side少年達の世界

 

魔王ハドラー大戦が当時の勇者アバンに討たれて十五年が経ち、またもや勃発した魔界からの一大攻勢を仕掛けられた世に言う大魔王バーン大戦は、始まりが苛烈であったがたったの数ヶ月で幕引きが成された。

 

それも少年少女達の手によって・・・・一応大人というべき武人・クロコダインと戦士ヒュンケルもいたのだが、世間が知る主要な戦いである後の世にロモス王国奪取・パプニカ解放戦役・王女レオナ救出を果たしたバルジ島の死闘そしてロモス王国の魔王軍の罠による戦いにおいて、名が出ているのが少年勇者ダイに続き、少年魔法使いポップと武闘家少女のマァムのみであり、ベンガーナが唯一被害を出した超竜軍団の襲撃においても戦ったのはダイとポップであったが為に、世間の印象としては戦った者達はまさしく少年少女達であったという面が強く、そして先代勇者アバンの活躍は報じられることは一切なく、当然-異界よりの助太刀-など存在する筈も無く-あの人達-の事は終生この世界は知る事無くそんな世界の戦後は少年勇者達に優しかった。

 

当然の話である。

先ずこの世界もあちらと同じく-異界がある-事を知るの古文書に精通している博識な者であり、当然そんな知識を言いふらす者なぞいる筈も無い。

この世界では知識は共有する物ではなく、弟子を自分の目で見極めその中でもごく一部の者に継承する物であり、そんな彼等が-万能薬-という新薬を無償発表した向こうの世界の北の勇者の存在を知れば狂っていると非難しただろうし、実際に学術書が世に出回った時向こうの世界の知識階層たちが大騒ぎしたのだがそれは兎も角、前述のとおり知識の共有がない世界において、異界の存在はお伽噺と同義語であり、真実として公表しても意にも介されないだろうし・・・・寧ろ介されなかったときの方が怖ろしいのだというのが-大人達-の言い分であった。

 

少年勇者達は最初は自分達の手柄ではないのにと、待つ人たちの元に戻って問うか位のんびりして次第に色々と落ち着いてから再度パプニカ王城に集まった時、彼等がいかに艱難辛苦を共にしてくれたかの功績を知ってほしいというダイ達の言葉は褒められるが、それを認めて実行する事とは別である。

 

アバン達の言い分はこうであった。

 

「いいですか、先ずこの世界に再び世界滅亡に匹敵する危機が訪れた時に-前例-があっては困るのです。」

 

来たものが良き者とかそういう話ではない。

もしも魔王軍との戦いで勇者達が敗れそうになった時に、-異界からの稀人達ーのお陰でを以て世界が救われた等と知られた時、人々が其れに縋りつき、下手をしたら国家を上げて-有能なる異界人-を手に入れようなどという事象の研究をされれば堪ったものではない。

そんな神の所業を何かの拍子で成功でもされ異界人が召喚された場合、その者の能力など関係なく、一度できれば二度三度としようとして歯止めがかから無くなればどんな事態が待っているか知れたものではない。

 

禁忌に触れたと異界からの神々の罰で召喚を試みた国のみならず、この世界そのものが敵視されて滅ぼされる怖れさえあるのだ。

 

これは少年達には内緒だが、アバンとマトリフは異界のアバンから直接この世界が-危機に瀕していた-事を、あの夕刻の映像会の後の最期のお別れ会の時の様な事をした時に、コッソリと耳打ちをされたのだ。

 

うちのダイと大魔王バーンは実はと・・・・それを止めたのが向こうのダイの花嫁になるレオナ王女の懇願であり、それが無ければという・・・・聞いた二人はぞっとした!

もしもあの二人が敵に回っていれば・・・その案が可決されていたのであればこの世界はと思うと冷汗が止まらなかった・・・異界なぞに二度と関わりたくないというのがアバンとマトリフの本音であり、其の事は言わずとも、危険を招きかねない異界の公表なぞしない方がよいという言葉に、ダイ達もそのようなものかとそこそこ納得をし、不精不精ながらも彼等の事を秘密にすることを、ダイ達のみならず隠し砦を拠点として共に戦った世界の有志達とカール兵士団・騎士団にもフローラからの厳重な箝口令がしかれて墓場までの秘密となったのだった。




今宵ここまで

小石世界のエピローグ編です。
今回は短めですが、次回に戦後のその後を書きます。

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