大騒動から一夜明けた事により、バーンパレスの周囲に精霊王達が施し結界の帳が解かれた。
ティファ達を、ひいてはティファの作りし奇跡の万能薬を手に入れる為に他界のマザードラゴンの仕出かした事が、マザードラゴンが意図してした事ではないにしろティファ達の住む世界の空間が、パレスを中心にしてひびが入り・・・・下手をしたらティファ達以外にも他界、其れこそティファ達が連れて行かれた場所とは違う世界に飛ばされた可能性があり、天界が他界の神の干渉を検知したと同時にその危惧も当然されて、三神達は即座に地上に降臨していた六大精霊王達に命じてパレスの周囲一キロまで、周囲と途絶するほどの強固な結界を張り巡らし、六大精霊達は事件が解決するまで結界を張り続け、ティファ達の帰還の知らせと共にゆっくりと結界を解いていった。
周囲との途絶は当然他界からの干渉をそれ以上許さない為と、はいってしまった空間のヒビががそれ以上現実世界に広がるのを阻止する為のものであり、ここまでの大規模で強固な空間結界を張られた前例がないので急激な解除は現実空間と時空間にどのような影響が起こるか分からず、天界の空間・時空間観測の者達の式の下で、ゆっくりと解かれていった。
幸いにもヒビは広範囲に広がる事はなく、結界が張られた二時間くらいしてから徐々に消えていきティファ達が帰る頃には目視できない程に自然修復が成されて、結界を緩やかに解いていく過程で天界の観測所からも問題はない範囲というお墨付きが出る程までに落ち着き、見立てでは数日後には完璧に直るだろうという報せに、六大精霊王達は心底ほっとした。
ティファ達が攫われたと聞いた精霊王達は、それぞれの眷属を率いて逆進行をしてやると息巻いていたのを三神達も其れをしたいが、子供達を無事に返す事の方が遥かに重要であり、報復は-後でできるし、絶対にするから-という人神・アンポロスが、普段の暢気で人の良い神の口調ではない凄絶な凄みを滲ませた声の言葉に精霊王達は怒りを堪えて呑み込み、二次被害が出ることを防ぐ為に、逆進行の為ではなく天地開闢以来の大規模強固な結界を張る為にそれぞれの精霊達と眷属を呼び出し、それぞれの位置、即ち北を天の位置として光の精霊王を据えて時計回りに火の精霊王・風の精霊王・闇の精霊王・水の精霊王・地の精霊王の順に配され、三年前の大戦時にバーンが地上を破壊する為に配した巨大な六芒星をティファ達が世界を助ける為にその六芒星を乗っ取った時の同じ場所であったが、まさか世界の危機を二度も救う為に発動されるとはだれも予想できなかったが、結果的にまたもや世界を守ることが出来たのだが・・・・その間の精霊王達の胸中は様々な事で煮えくり返っており・・・・・殺意で本来精霊達の仕事である世界を保つ為の気の運行も同時進行している為、本来不浄と化した気を清浄して天に返し清らかな気を世界に回すのだが・・・・その気が若干濁りかけたのを、それぞれの眷属達が主様の気持ちは分かりますがと懸命に宥めて・・・・おかしく成りかけた気の運行も何とかなったのだがそれは兎も角として、無事にパレス周囲の結界が解けた事を精霊王達はパレスの主たるバーンに報告をして、それぞれの精霊界の領地をいつまでも空にはしておけず、無事に戻って来た子供達には会えないのが無念だと言いながら、それぞれの精霊界の領地へといったん帰国をした。
帰国した精霊王達の報告を受けたバーンはすぐさま動いた。
本当はティファ達が他界へと攫われたのを知ったと同時に-ザムザ及びザボエラ-を呼びたかったのだが、結界で外界とは目玉の通信も途絶されたので諦め、報告が入ると同時にすぐさま待機させていた目玉でザボエラ親子を召喚した。
幸いあちらも万能薬の新薬の開発で徹夜をしていたらしく、速攻で目玉通信に出たので詳細は来てから話すのでとにもかくにもパレスに来いという魔界の神様からのお達しに、ザボエラは心臓を跳ねさせながら、その息子は何が起きたと血相を変えて何が起こっていても良いように傷薬・回復薬の万能薬を人用・魔族用をそれぞれにティファから贈られたマジックリングに入れ終わると同時にパレスにルーラをし、門番への挨拶もすっ飛ばしてバーンが待ってると指定してきた玉座の間に息子が突っ込んでいくのを、ザボエラは仕方のない奴じゃと溜息をつきながら呆然としてついで侵入者だと騒ぎかけた門番と幸い面識がある為、愚息が申し訳ないと言いながらバーンからの呼び出しに焦っている事をきちんと告げた事でごたごたは解決されたのを、知らないザムザは玉座の間まで一直線をして扉をノックもせずに突っ込んでいいた・・・・以外に直情的なザムザの一面に、待っていたバーン達も唖然とし、こ奴もう少し理知的だと思ったのだがとはハドラーの心の中の呟きであったがそれは兎も角、何事ですかというザムザの言葉にハッとしたバーンが事の顛末を話し、見た目は問題ないが他界に数日過ごしたティファ達の健康診断をしてほしいというバーンの説明に、ザムザは話を聞いた他の者達とは違って殺気立つ事無くかしこまりましたとバーンの言葉を一礼して受け、さっそく子供達はどこにという言葉に、怒りを無理やりに呑み込んでいるというそぶりも無く、かえってバーン達の方が面喰ったほどにザムザは落ち着き払っている。
別にそれはザムザがティファ達の事をどうでもいいと思っている訳ではなく、-された事への報復-はきっと目の前の魔界の神と天界の神達するから自分が怒りを覚える必要はなく、其れよりもティファ達の健康とポップの心の傷を案じる思考に重きを置いた結果であった・・・・・やれるならば他界の天界のゴミ屑どもを-人体実験-に使い続けて魂が擦り切れる程に使い潰してから殺してやりたいというのは心の中で終生しまっておくつもりである。
ティファを筆頭とした子供達は優しいので、自分の考えにも悲しみそうだからだ。
そんな事で子供達を悲しませるつもりな毛頭ない。
其れよりも子供達はどちらにと尋ねたザムザに、アバンがまだ眠っているかもしれないというので、自然に起き出すのを待った方がいいだろと後から来たザボエラが提案をした。
ヒュンケルもクロコダインも入れた子供達は全員が心が疲弊している状態であるので、睡眠というのも傷と癒す一つの手立てだというザボエラの意見に、アバンとマトリフも支持した。
大戦終結後はザボエラはザムザの監視という名の庇護かに置かれ、これまた大戦終結後すぐ様リンガイアの騎士及び救護団の両団長地位を返上してリンガイア国籍も離れたノヴァは、二人を伴ってテランの薬草が豊富な場所に移り住んで奇妙な共同生活が始まった。
ティファと心底仲が良いリンガイアの殲滅の騎士団長が何故自分を共にいさせるという、ザボエラのごもっともな言葉に、ノヴァは苦笑しながらザボエラの疑問に真摯に答えた。
曰く自分はティファと違ってザボエラの成した事を別段に悪い事だと思った事はなく、自分はザボエラに対して思うところはない。
王と国と民を守る事を第一とする騎士団長をしていた身としては、勝つ事がすべてであり、負けない為に実に様々な策も練り用いてきたのだから、当然ザボエラのした事に嫌悪感はない・・・流石に毒はどうかと思うがそれだけである。
そんな訳でザムザ以上の薬学に対する深い知識を自分に伝授してほしいとノヴァは深々と頭を下げた事に、ザボエラは信じられないものを見た目でノヴァを見つめた。
勇者サイドから世間の裏表まで知っているロン・ベルク以外からは嫌われぬかれ、同僚達からもどこか軽く扱われていた自分が、みじめに負け犬になり下がった自分に対し、救国の英雄の一人に数えられているであろう若者が頭を下げて教えを乞うてきた事に・・・泣きそうになったのは墓場までの秘密であるが、以来ザボエラは気が向けばなという条件でノヴァに教える事になり、結構な頻度で気が向いてくるザボエラにノヴァは嬉々として教えを乞うてザムザを安心させたが、周囲との軋轢は簡単には無くならずザボエラもハドラー達と会う事に心が向く事はないので時折来るティファとお供で来るマァム以外に会うのは久々だが、存外互いに何とも思わない程に蟠りは解けているので、ザボエラは愚息が聞き逃したかもしれない事を丁寧に聞き取る事で時間を過ごしたが・・・・昼近くになっても子供達どころかヒュンケル達も起きてこない事に大人達は流石に心配になって来た・・・子供達は疲れ切っているのだろうとは思うが、戦士として長年を過ごして来たヒュンケル・クロコダインどころかラーハルト達すらも来ない事に・・・・まさかあの者達にも他界に渡った影響が何か起きてしまったのか、自分達は起きていたから異変は無く、寝た者達はその間弱った体に異変が起きたのか・・・そう思う解いてもたっててもいられなくったバーンは玉座から立ち上がり子供達のいる部屋に駆けだしたのを他の者達も続き・・・パレス内が混乱しかけたのは想像に難くなく、そうなる前に超有能な補佐人たるミストがすぐさま混乱しかけた者達を落ち着かせ事なきを得た。
そしてティファ達が寝ているであろう女性達の部屋をアバンがノックをし手からゆっくりと開けた。
本来であれば寝間着姿の子女の部屋であるが、自分達の危惧したことが無いとは言えないのでそこは承知して開けたのだが・・・・空であった時には目が点になってしまった。
一体どこに行ったのだ・・・・まさかまたもやとアバンの背中に冷たい物が伝った時、これはと、バーンの驚きの声が聞こえたのでそちらに行き、バーンが開けた扉の先を見れば、何と男性全員が同じ部屋にいた!
確か二部屋で用意をしたはずなのだが・・・・それもそれぞれがベッドきちんと寝ているのではなくダイとポップは同じベッドで折り重なるように寝入っており、竜騎衆達とヒュンケル・クロコダインも自分達の気配にショボショボと目を開けそして・・・・マァムとメルルとレオナは同じベッドに・・・・何故か床に座って突っ伏して眠ってそして・・・中央のベッドに木のボードを置いてその上で何かを書き散らかしたと思しきティファが、ペンと紙を握りしめてクゥクゥ眠っており、その膝の上でチウが眠っているという世にも奇妙な光景がそこに広がっていたのを・・・・唖然呆然として呆気に取られた顔を晒した大人達はきっと悪くない・・・
そんな中、幸せそうと言おうか何かに満足をした表情でいまだに眠っているティファ達も・・・
今宵ここまで