勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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世界に散らばるいし達:エピローグ⑰

ティファ達が他界に攫われ、速攻で無事に連れ戻してから一月後に、地上界の王家と大魔王と魔王による世界会議の要請がパプニカ王国から提言を成され、各国の王達は即座に出席できるように宰相以下大臣・官僚達に自分達の仕事の調節をさせて直ぐに会議に出てきた。

 

何となれば要請してきたのがパプニカ一国だけではなく、テラン王国と大魔王バーンと其の後継ぎと指名されている魔王ハドラーからの連名であり、親書を直接見た時はベンガーナ・ロモス・リンガイア王達は一体何事かと慌てふためきながらも、この世界の行く末に関する事にきっと違いなく、今度こそは自分達も世界を救う一条の手助けをするのだと意気込んでパプニカ王国に参集した彼等を待っていたものとは・・・

 

 

「・・・・ティファちゃんや・・・・図鑑のアイディアは良いと思うのだが・・・・ぬいぐるみとか必要かの?」

「うむ・・・・これは確かにこれからの世界に必要であるが・・・・・」

「・・・・・商業的にも成功するとは確約はできんな・・・」

 

・・・・・・・どこかで見た事があるような焼き増し再現のような場になった事に、ティファは本気で涙目になってむくれかける・・・・・人様が本気で脳内フル活用して考えた末のアイディアに!なんだって-みんな-してケチ付けないと気が済まないのよと・・・自業自得な事で逆恨みをティファはしている。

 

なにせこの会議が始まる前日からティファ達はパプニカに泊まり込み、今回の会議の議案を予め現パプニカ王たるレオール王達に知ってもらおうと資料も多めに持ってきていた。

 

パプニカ王達はティファ達が他界に攫われた事は一切知らされておらず、-モンスター達との共存-はあくまでも今後の世界をみんなでどうしたいかと話し合った時、チウからモンスターに対する世間の評価の本当の所を聞かされたダイ達が悲しみと衝撃を受けたが、その世界を変えようと若き世代達が一丸となって頑張って変えて行こうと誓い合ったという事になっている。

 

大魔王以下ダイ達が他界の存在と-世界-とは沢山ある者であるという知識領域の解禁をされたのはあくまでもティファ達が攫われたという緊急事態であったからに他ならず、たとえダイといえども竜の騎士たる父バランにも秘っするようにと三神達に誓わせられる程の禁忌事項だからだ。

 

確かに神隠しというものが存在して-他界-があるとは知っている者もいるが、それはあるのを知っているだけであり実際の所は知られている訳ではなく、それ等も含めて他界の存在は天界でも其れ専用の部署以外は知られていない程であり、たとえ王侯貴族相手といえども秘っされている。

 

そこでモンスター達との共存をいきなり言い出しても、何故その考えに至ったのかといわれた時の理由を、知識オールマイティー万能アバン王が頑張って考え付いた理由がこれである。

 

確かにダイ達は知識欲は旺盛でありよりよい未来を目指して頑張っていたのはパプニカ王室もテラン王室もそして内政勉強の為に手助けをしていた各国も知っているが、それだけにモンスター達との共存を口に出したことが無いのも知っている。

 

ダイ達にとってはモンスター達が周りにいるのは当たり前であり、つい数日前までは世間からもモンスターの脅威の度合いが薄まっているというのを信じて疑いもしなかったのが、いきなり言い出しては何か余程の事があったのだと直ぐに知られてしまい、何があったのだと聞かれてしまっては、隠し事が苦手なダイ達に隠し事自体が負担になり、そして隠し事をされれば当然相手も愉快なはずもなく、これまで様々な意味で良好であった各国との信頼関係にひびが入る可能性がわずかでも生じる事を避けるべく、アバンは真剣に理由付けを考え、それをダイとレオナの口から何も知らないレオール王達に話をさせたところきちんと話が通り、寧ろ隠しておきたかった事を知られてしまった事にレオール王達の方こそが隠していて済まないと、ダイ達が頭を下げられる方となってダイ達を大いに慌てさせた程であった。

 

レオール王達もまた、アバン同様に人間の弱さ・醜さを本当の意味でダイ達に知られる事を避けようとしていた大人の一人であり、知った時にさぞや心を痛めさせてしまっただろうとダイとレオナの手を惜しいだき、すまないと呻いたのを、ダイとレオナは自分達を守ろうとしてくれた事に改めて感謝をし、知った事実に心が痛んだ事を、知らなかった無知な自分を許せなかった事を正直に話し、そして・・・・

 

「俺達決めたんです、人の良い所も悪い所も弱さも強さも全部知って行こうって。」

「その上で-みんなが笑う世界-を作って行こうって決めたの。」

 

だから助けてほしいと願う子供達を、レオール王は泣きながら抱きしめ、バダックも三賢者達も涙を浮かべながら、自分達もより良い世界を作る手助けをするのだと誓い、そして世界会議が招集されたのだが・・・・内容と子供達の想いは兎も角として、矢張りティファのアイディアに大魔王以外の目が遠くを見てしまったのは仕方がないのではなかろうか?

 

ティファの言い分も一応分らないでもないのだが・・・・はたして風雲急を告げる会議の行く末はどうなってしまうのか・・・




今宵ここまで・・・・
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