勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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世界に散らばるいし達:エピローグ⑱

う~ん・・・・駄目かな?

見た目の怖いデビルさん系とか、何もハドラーのフィギュア出そうって言ってるわけじゃなくて、スライムさんとかモーモンさんとかももんじゃさん達とかの可愛い系を最初に出して、其のぬいぐるみにそのモンスターさんの特徴なんかの説明書きをくっつけて、少しづつぬいぐるみに触れたお子さん達からモンスターの良さを知ってほしい作戦なんだけどな・・・

 

ティファの考えは確かにプレゼン資料の一部にきちんと添えられているのだが、しかし如何せん可愛い(ティファの考え)とはいえども、財布を握っている大人達がモンスターのぬいぐるみにお金を出してくれるかどうかは端ただ疑問なのだが・・・・

 

「それならばいっその事-勇者ダイの友達モンスター-という紹介で売り出してみてはいかがでしょうか?」

 

ティファの案に芳しくない反応で停滞した会議に、一陣の清風が吹き込んだ。

風を吹かせたのはカール王配のアバンであり、何やら良きアイディアを思いついたという瞳の輝きに、ティファも素晴らしいがプラス常識もきちんと入れた案を出してくれる賢王配アバンであれば、ティファの少し困った案をより良いものにしてくれるという大人達が縋りつくようにアバンを見遣って続きを視線で促す。

 

王達も折角のティファの案をこのまま腐らせたくは無いのが満場一致である。

今までさんざん世界を良き方向に持っていこうと文字通り心身全てを削っていたティファの考えを、-少し-世間の意に沿わないくらいの事ぐらいで叶えて上げられたいなんてことをしたくなぞ無いのだ!!・・・・それでいいのか王達よと突っ込んではいけないがそれは兎も角、アバンもそんな王と伴侶であり最愛のフローラ女王からもいいアイデアを出してティファの折角の案をきちんと世に出せるようにしてほしいという期待の瞳と、何よりも今日は世界会議には勇者ダイ一行のフルメンバーが久方ぶりの集結をしており、パプニカ・テラン王配予定のダイとポップの他にマァム・チウやクロコダインもヒュンケルも子犬のような瞳で期待に満ちた視線をアバンに送っており、ここは師としても賢王配と呼ばれている身としても、踏ん張りどころだとアバンは気合を入れなおしながらコホンと一つ咳ばらいをして気を落ち着かせて発言を続けた。

 

 

それは自分も子供の時分、勇者の話や冒険譚に憧れを抱け、物語の英雄はどのような武具を所持して戦っていたのか、どんな呪文を使用していたのかなども深く知りたいと探求心旺盛のままに本を読み漁り・・・・黒歴史ではあるが文章から想像した勇者達の武具を絵におこしてはそれを眺めて楽しんでいた時期がある。

 

そこでダイ達が実際に使った武器であるダイの剣、ポップの伸縮できるブラック・ロッド、ヒュンケルの魔装は難しいので剣のみ、クロコダインのアックスとラーハルトの槍などを木で模した玩具を作ってみるのだ。

 

「ダイ達の武具の玩具と共に、その隣で勇者ダイと料理人のティファが育ったデルムリン島に住まい、二人の友となったモンスターさん達を紹介しながらのぬいぐるみであれば、勇者ファンの子供達や興味を持った大人達の手に取って頂ける機会がグッと上がると思うのです。」

 

二人がモンスターアイランド・デルムリン島で育った事は知らぬものがいないのを数えたほうが早いくらいの周知の事実であり、ならば育ての親たる鬼面導師ブラスのぬいぐるみを、ダイとティファのぬいぐるみのセットで売ってみるとか、島に住んでいる実際のモンスター達と紹介をして、彼等と二人がどのような幼少期を過ごして来たのかという物語をつけてみるとか、兎に角興味と付加価値を上げ、そしてそれを一度期間限定で売り出し、ティファの案がうまくいくかどうか世間の反応を伺い、うまくいきそうであれば少しずつの規模の売り場から徐々に要望が上がった場所から広げて行ってみたはどうかというアバンの案に、商業国家を標榜するベンガーナの王であるクルテマッカは目を輝かせてそれは良いと頬を紅潮させて賛同の意を上げた。

 

市場調査は商売をする上では基本中の基本であり、ティファのやろうとしている事はティファからすればモンスター達の生態と友好を築く事が可能であるという啓発活動だと考えているだろうが、しかし-ぬいぐるみと説明書を配布-するのではなく、-売る-という時点で最早これは商売の一環であるとクルテマッカは捉えている。

 

ティファだとてぬいぐるみを作る材料から作りてや郵送や説明書の作成から膨大なお金が必要なのはきちんと考えているので、売値などはどの程度から利益と新し品物が作れるかという金額は改めて専門家にお願いしますという言葉から分かる通り、きちんと商業にしないと事業自体が破綻する事は把握しているのだが、最後の詰めが甘い。

 

それはいかにして興味を持ってもらい、それに-お金を出してもいい-となるかまでをきちんと考えていなかったところだ。

 

確かにダイやティファであればモンスター達は身近にいるもので-可愛い-と考えられるだろうが、世間一般は見た目が可愛かろうがモンスターは怖いというところから始まる者。

 

それはロモス王都であれば、チウとチウに率いられている獣王遊撃隊達のくまちゃやパピィ達が頑張って子供達をひいてはその保護者たちと交流を重ねているから緩和されているところもあるがそれとて例外といってもいい程であり、それが広がる道のりは遠いとあの理想を掲げて邁進するテラン王国のフォルケン王をしても思うところであり、ティファだけの案ではとても通せない案であったが、カール王配アバンの言う通り、-勇者ダイとティファ-を全面的に押し出したこの案であればわずかながらも道筋がつけられるとクルテマッカは考え、商業国家たる主の賛同があるのだからとクルテマッカに続くようにロモス・テラン・リンガイア・パプニカ・カールの王達も賛意を示し、ハドラーもやってみるかと賛同した事により、ダイ達はわっと歓声を上げて大喜びをした。

 

ダイ達もこれはと思っていたのだが、ティファの折角の案を如何にか実現してあげたくて色々と考えたいただけに、ティファ同様喜びひとしおであったのだ。

 

その後この案は一旦持ち越しとなり、いよいよ最後のティファの提案が成される事となった。

 

図鑑、ぬいぐるみの次は果たして何が飛び出るのだろうかと、最後に配られた資料に大人達は少し緊張をする。

 

アバン・ハドラー、そして大魔王バーンにも知らされていない第三の案とは果たして何が記されているのか




今宵ここまで
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