勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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世界に散らばるいし達:エピローグ㉑

ヴェルザーの助言もあり、ダイ達が望む未来へ道を進む道の原型が全て整ったと言えよう。

 

モンスター達と人々との隔絶をどう縮めていくのか、モンスター達に対する恐怖をいかにして薄れさせていくのか。

 

そして王達大臣達が一番に懸念したモンスターを素材として長年生計を立てていた者達の今後をどうするのかと、肝心な事に対する代案もきちんと出された今、後はいかにしてこれらを現実世界で執行できるかを、今度は自分達が頑張る番だと意を決し、この案をより具体化する為に自国に持ち帰る事で-第一回・人とモンスターの共存実現の会-は幕を閉じ、世界会議の場所と固定されたパプニカ王城は各国の王達と随行員が去った後は、死屍累々としたダイ達の姿が残された・・・・

 

 

「お・・・・俺・・・王配やってく自身ちょっと無くなった・・・」

「・・・・いうなよダイ・・・毎回世界会議があるわけじゃねぇんだからよ・・・いきってか姫さん達・・」

「な・・・なんとか・・・・もう何なのよ!!!お金になるってわかった途端のベンガーナの人達!!皆眼の色変わりすぎよ!!怖いわよ!案だけ不安そうに最初話聞いてた時のあの姿一体何だったのよ!!!」

「あ・・・・姫様・・・・あそこは最早-商業国家-になりつつあるので・・・軍艦や武器などを売る商人になられるより万倍良いかと・・・平和ですね~・・・はは・・」

「ティファさん・・・少し休んでください・・・最後の方何を言っているのか意味不明ですよ?」

 

こと戦いに関しては無敵のダイ達も!政治に関しては百戦錬磨たる王達の謎すぎる威圧や緊張にダイとポップ達は珍しく弱音を駄々洩れさせて、ティファに至っては意味不明な程に真っ白な灰と化したのをメルルが案じ、お疲れモードのティファを癒すべくチウが久方ぶりの抱き枕となるべく自分からエイとティファの腕の中に飛び込みながらいいタイミングでクロコダインがティファと諸共にチウを抱え上げれば・・・

 

「もうヤダ!皆と仲良くなってほしいだけなのに!!!もう・・・もう!!!!」

 

ティファも色々と思うところありすぎて限界突破してミィミィと泣きながらチウをムギュムギュと抱きしめる。

 

武器なんて鋼だけで作って!防具なんて鉄で全部作ればいいじゃない!!

 

そもそもがラブ&ピースでいきたい!!!!

 

・・・・・世間様が聞いたらなんと世界と人の生活を顧みない暴論で傲慢な言葉だという思いの丈を、ティファはクロコダインの胸元に向けて叫びあげながら眠りの底へと落ちていく。

 

だがその場にいる誰も子供のような癇癪に溜息をつきこそすれど、ティファを起こして咎めようとは思わなかった。

 

今世界会議室の場と指定された大会議場には大魔王とだ何時もの勇者一行メンバーだけでなく、この国の現王レオール王と大臣達と三賢者がいる。

この世界の裏も表も酸いも甘いも庶民の生活のみならず貴族から裏世界の事までも熟知している彼等も黙っているのは、ティファ自身が自分が言った言葉が荒唐無稽でお話にもならないのを理性では分かっているからだ。

 

この会議に案と出される前に、兄ダイの妻となったレオナを介して議長国となるパプニカには、会議が恙なく進められるようにと予め素案を相談されており、それを主導したのはアバン王配であった。

アバン達としても、自分達の可愛い子供達の願いから端を発された事案を叶えたいと様々な事で奔走したが、自分達も近頃は弟子達の影響でモンスターに対する認識が世間とは隔絶したものと成っているのを自覚しているだけに、あらためて-一般的な感覚-をきちんと持ち続けているパプニカ王城の人々に試しとして素案を見てもらったのだ。

 

導入としてはダイとレオナが今回の議題案を出した時には、皆の考えた事を纏めてあるので見て欲しいと父王にお願いをし、されたレオール王は速攻で全大臣達と三賢者とついで庶民感覚はお任せあれの、市井の事は城で一番通じているバダックも呼ばれた会議が開かれ、さらに細部を詰めてもらったうえでその数日後にティファ達はも招集されて世界会議前の予行練習の事をして貰った上での会議に臨めたのだったが・・・ダイ達特にティファの精神がガリガリに削られた。

 

ぬいぐるみ作戦やそれらを商業化する案は別にいい、ティファだとて霞を食べて生きて行けるわけではないので商業化するという話は必要だと分かっている・・・・案は甘くアバンに寸でのところで救われたのだがきちんと認識しているのだが、問題は何度のヴェルザーがしてくれた提案を話す事がきいた。

 

ティファだとて料理人を名乗っているからには肉や魚を扱い、それ等と素材にされているモンスターとどこが違うのだと言われれば答えに窮する事だと-頭-では分かっているのだが、人だろうが魔族だろうが天族だろうがそれこそ精霊だとて理性と感情が別になる事は珍しくもない。

 

それでもティファはそんな自分の甘ちゃんなところにこそ嫌気も指している。

 

「・・・・私が好きなキル作のドレスにも魔界のクモの糸やら繭も使われてます・・・耐火・耐寒になって・・・服でさえ何かのモンスターさん達の素材が使われているのは分かってるんです・・・・・私が考えているのが馬鹿みたいなことだって・・きっと世間様からすれば生きて行くことを馬鹿にしているのかって怒るようなことだって・・」

 

-素材-の話でティファが俯きながらも、俯くこと自体が間違っていると知っている子供を、どうして叱れようか諭せようか・・・・知って分かっていても尚悲しいと感じるのを、間違っていると言うにはティファは聡すぎて・・・・必要だと分かっているのならば言えることなどある筈も無く、後はティファがそれらに折り合いをつけられるように心のケアをしていこうというのがティファ以外の者達の総意となった。

 

ダイ達とティファ達の決意の詰まった案は、一月後に再び議題となった

 

案を持ち帰られて話し合われた事が吉と出るか凶と出るか・・・・・・




今宵ここまで・・・・

次回でエピローグは終わりとなります・・・・すみません!!数話で終わらせるとか予告しておいてここまでずるずると長くなってしまって・・・・筆者が思う以上にモンスター達との共存の道を整えるのは容易ではなく、そうするにはどうするべきなのかという積み重ねが思った以上に必要となり、ここでいい加減な事で終わらせたくないというのでここまで伸びてしまいましたが、読者の皆様に納得できるかどうか自信はありませんが次回で終われるかと思います。
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