勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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原作の方で地底魔城の顛末を読めると思うので、
決戦シーンは大分割愛してあります。
よろしくお願いします。



決戦の舞台裏

ハドラーに倒しますといった喧嘩上等宣言した後、上層部のコロシアムで兄二人とヒュンケルが

戦っており、地底魔城内部でクロコダインと共に不死騎団の救出活動をしているティファです。

只今上ではドンパチ、こっちではモンスター達をモンスター筒に入れまくっている。

なぜこうなったかというと、少しさかのぼった数十分前。

 

着替えをして式鳥作ってマァムさんとクロコダインを見つけた。

クロコダインは蘇生液に入っててヒュンケルの事見直したけど・・マァムさんのほっぺ見て腹立った。

あの赤くなってるほっぺは絶対にヒュンケルの仕業だ。

マァムさんに終わったら解放してやるって言った後、マァムさんに可哀想発言されたか。

でもまあ、武器も鳥に取ってこさせたし、「式改・ネズミ」ポン

少し大きめのネズミにして魔弾銃背負わせてマァムさんに近づけて、目を丸くしたマァムさんの

ロープを齧らせて、次いで壁の抜け道に案内をした。

「・・出られるかしら・・」

ゴメちゃんいないから少々不自然でも、式に活躍してもらった。

マァムさんも状況考えて今は何故ネズミがとか考える前にチャンスを生かそうと動いてくれて助かる。

そのまま魂の貝殻を見つけてヒュンケルに届けてほしい。

 

さて、牢から出ましょう。-ガシャン!!-

蹴りの一撃で格子を破って

「これ娘さん!!」

物音に駆けつけてきたモルグさんとお供のゾンビや包帯男達を「イルイル~」

モンスター筒に入れながらクロコダインのいる部屋に向かった。

蘇生液って便利そうだ、成分調べて人用開発出来ないかなとか考えながら「ふっ!」

開け方分かんないので剣でガラスの表面だけぶった切ってヒビを入れれば、液体と共に

クロコダインがガラスにぶつかり重みでガラスが割れてクロコダインが出てきた。

床に激突したら痛いのでそこはがしっと支える、筋肉と腕力鍛えた賜物です。

自画自賛しながらそっと床に降ろしてざっと見たところ呼吸は安定していて傷も癒えてる。

 

 

「コダイン・・クロコダイン。」

「んむ・・」

「起きてくださいクロコダイン。」

「う・・む・・ティファ!」

「しっ!大声出したら見つかっちゃいますよ!!」

「いや・・すまん・・お前も無事だったか・・」

「ダイ兄達助けてくれてありがとう。」

「いや・・俺こそ魔道に堕ちかけた心を救って感謝している。」

クロコダインは最初の蘇生液に浸かっている時、思考は動いていた。

(人にはすばらしき者達がいた、俺達がやろうとしている事は間違っているのだろうか?)

 

ダイとマァムは大勢の敵に怯むことなく向かってきた。

ポップも遅れてきたが命を懸けて自分に立ち向かい、ブラスを助けるのと引き換えに己の

命を落とそうとしたが、

「仲間を見捨てる、そんな最低な奴のまま生きていたくはなかったんだ!!」

尚敵の自分に啖呵を切ってきた。

見事だった、死の瀬戸際であっても己の信念を貫き通そうという・・あれこそが本当の勇気あるものなのだと教えられた。

そして今目の前にいる少女は、自分に王とは何かを説きそして心の底からの温かさを教えてくれた。

身を挺して仲間を庇い自らが大怪我をしても仲間に微笑み、敵であっても死にゆく自分に

「今のあなたは獣王にふさわしい」と温かい笑顔と言葉をかけてきた。

そんな素晴らしい一行を助けたかったから助けたのだ。

 

「全員無事だろうか?」

ティファも自分同様捕まっているだろうがつい聞いてみれば、

「二人は貴方のガルーダに助けられたので大丈夫でしょう。

 あの時と違って瀕死の傷は負っていないのと、はぐれても大丈夫なように回復薬を持たせています。

 ここに来る途中に他の牢屋を見ましたがマァムさんは見かけませんでした。

 彼女も中々強いので自力脱出したのでしょう。」

スラスラと仲間の近況を話してくれた。

ティファの言う通りに助かって欲しいものだ。

 

「実は手伝ってほしい事があります。」

「ほう、逃げる算段か」

「いえそうではありません。」

「ではヒュンケルと戦うのか?」

「いいえ、そちらは兄二人に任せます、実はこの地底魔城にいる不死騎団の皆さんを

 モンスター筒に入れて保護したいんです。」

「・・何故だ?」

戦っている最中の敵の軍勢を保護したいなんて聞いたことが無いとクロコダインはなんじゃそりゃ

という顔をする。

「ここのモンスターさんは見ていても邪気のある者がいないんです。

 おそらくは隊長のヒュンケルの命で人を襲ったのでしょう。

 襲った人達からすれば許せないでしょうが・・モルグさんたちを助けたいんです。」

ティファも一応悩んだ末の結果を伝える。

襲われたパプニカからすれば許せる話ではないが、この後の結末を知るものとしてはどうしても

見殺しにには出来ないのだ。

「まあ、俺もモルグの事は知っている。」

二・三度ヒュンケルの従者として会っている。

礼儀正しく物柔らかな優し気な者だった。

「不死騎団のモンスター達を助けたとしてヒュンケルはどうするのだ?」

隊長が死んでしまえば烏合の衆となり地底魔城跡で暮らしていけそうだが、モルグは後を

追っていきそうだ。

「彼も何とか助ける方向でかんがえてます。」

「・・何故だ?」

あれほど人間を憎んでいる男をなぜ助けるのか。

「勇者達を逃がした貴方を蘇生液に入れてくれて、

 散々な事を言った私の手当てもしてくれました。

 まだ心は闇に堕ちきっていないと思います。」

「・・そんなにいろいろ言ったのか?」

常に戦士足らんと婦女子を手に掛けなかったヒュンケルがティファ相手には本気で殺そうとしていたな・・

「はい、彼の人生丸ごと否定しました。」

敵討ちとその考え方が間違っているとはっきりと。

「少し酷くはないか?」

親の仇くらい討とうと考えてもいいのでは・・

 

「いいえ、それくらいの強さで言わないと何を言っても鼻で笑われそうだったので、全力で

 ぶつかりました。」

「・・そしてあそこまでボロボロにされたのか・・」

「はい、おかげで彼の中に何かしら響いてくれたようなのでやった甲斐はありました。」

 

・・確かにそのようだ。

人間を擁護した自分と、自身の半生を全否定した敵を少女とはいえ手当てを施し助けている。

なにかしら届いたのだろうが・・しかしどうもティファはショックを与えてから助けるという

あまり人にお勧めできないやり方で心が闇に堕ちたものを助けている変わった娘だ。

・・少しヒュンケルが気の毒になってきた。

内容はどうであれ、一途に生きてきた者としてはティファの様なものは天敵と言えよう。

 

ヒュンケルを気の毒に思いながら、クロコダインはティファと共に片っ端からモンスター達を入れていく。

ティファは式見と普通の気配読みでモンスターを探して助けて行くのだった。

少し上の階が騒がしくなってきた。

ダイ達と鉢合わせしない様に式見でルートを検索していく。

フレイザードが来る前に間に合わせるために。

 




少し短めになりましたが、次回ヒュンケル編が終わります。
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