よろしくお願いします。
姫君人質
待っててねレオナ!
必ず助けるからね!!
「バダックさん、まだつかないの⁉」
「焦んなダイ!つっても急いでくれバダックさん。」
「分かっとる!急ぐぞエイミ殿!!」
「承知しています!」
ヒュンケルの悲しみを引きずりながら、ダイ達一行は地底魔城を後にしてパプニカ城へと向かった。
当初の目的のレオナ姫に会えることになってもダイの心は暗く、顛末を知るバダックも
暗い表情の一行を慰める言葉が見つけられないまま城に向かえば、とんでもない出来事が待っていた。
なんと城で安全なはずのレオナが攫われていたのだ!
しかも相手が氷と炎の化け物だと。
フレイザードの仕業か!!
その化け物の事をヒュンケルはフレイザードと呼んでいた!
ヒュンケルを殺した後に!城を襲ってレオナ姫まで攫うなんて!!
悲しみに暮れていたダイたちの心は怒りの感情で溢れかえった。
姫を守ろうとして命を落とした兵もおり、三賢者と呼ばれているうちのマリンは顔をフレイザードの手で鷲掴みされ大火傷を負い、アポロンも足に重度の凍傷を負い、城の外にいたエイミだけが無傷で済んだ。
化け物ことフレイザードは姫を攫う際に、バルジ島で待っているとダイ達に伝言を残していった。
「気球で行きましょう!!」
三賢者のエイミの計らいで気球を出し、一行とエイミ、バダックの五人で姫の救出に向かう。
三人は許せなかった。
敵であることもさることながら、弱き者を平気で人質に取り・・分かりあえた兄弟子を殺した
フレイザードが。
「いったい私をどうする気ですか!!」
レオナは震える声を抑えつけながらも必死にフレイザードを睨みつけ目的を聞き出そうとしている。
如何に戦いに向いていなくとも、王族の自分がおめおめと捕まり質になるなぞあるまじきことだ!
恥を自ら雪ぐためにも!目的を聞き出し味方の助けの一条にならねばならないという王家の
姫としての使命感が、今の彼女の気力の元となっている。
「けっ!気の強いお姫様だぜ。
別に手前なんぞどうでもいいんだよ。
勇者たちをココにおびき寄せるための餌なんだよ、お前は。
真正面からやるのは面倒だからな。」
バルジ島で捕えたレオナに伴い、見張りの塔を占拠した後のフレイザードはレオナに全く
関心が無くどうでもよさそうに適当にあしらう。
この島は真横に長い地形で-アレ-をするにはもってこいだ。
正義面してのこのこ来たところを一網打尽にしてやる!
「・・我が国に攻め込んできた者達はこんな卑劣な真似はしなかったわよ!!」
不気味なアンデットの集団だと報告が来たが、こんな人質を取るような事をしなかったと
レオナは更に言いつのった。
「はん!!
それで敗れたら世話ねえぜ!」
「・・敗れた?」
「あん?
そうかまだ報告が行ってなかったか。
お前達を攻めてた軍隊長はついさっき死んだんだよ。」
「・・ダイ君が!」
レオナは人質の状況を忘れて顔を綻ばせた。
ダイが来てくれたのだと、女の直感が告げる。
勇者に育ったダイを思い、レオナの心は浮きだった。
「ま、そいつも俺にすぐ殺されるんだがな。」
「ダイ君は貴方みたいな卑劣者に負けるものですか。」
「何とでも言え。
俺はな戦うのが好きなんじゃねえ!勝つことが好きなんだよ!!」
自分はハドラーの禁呪体として生まれてまだ日が浅い。
他の団長達に比べれば戦いの経験も功績も少なく、常に他者に侮られない様にしている。
特に武人の心なぞと取り澄ましていたクロコダイン・ヒュンケル・バラン達は目障りだ!
綺麗ごとばかりを言って!いつか見返してやりたかった!!
そのチャンスはすぐに訪れた。
大魔王の勅命で勇者一行を討つというヒュンケルに腹が立ち、本陣の地底魔城にいってみれば、
ヒュンケルは勇者一行に敗れ説得されていた。
一行と相討ち、俺が手を下したのがばれても裏切り者の処刑で逃げ切れると判断をして
諸共にと狙ったのだが、しぶとく生き残ったのを見ている。
ハドラー様がヒュンケルの死に疑念を持つ前に勇者を殺せば帳消しだ。
手柄も上げられ大功績となり一石二鳥。
姫の相手もいい加減飽きたところ、
「レオナー!!」
窓から姫を呼ぶ声と共に、一人の少年が飛び込んできた。
「ダイ君!!」
癖ッ毛の黒髪の青服の小僧、こいつがダイか!!
「待ってたぜ勇者様よ!!」
「お前は・・よくもヒュンケルを!!
レオナまで人質に取って!」
「けっ!お前も綺麗事を言う口かよ!!
あいつは敵だろうがよ!」
「黙れえ!!」
ダイは怒りに駆られながらフレイザードに即座に斬りかかった。
「ダイく・・」
「しい!!お姫様はこっちだ。」
「そっとこちらに・・」
「・・貴方達は?」
ダイとフレイザードが戦って気がそれている間に、ダイとは反対側の窓から入ったポップと
マァムはレオナにそっとついて来るように促す。
「ダイの仲間です、詳しい事は・・」
-キィーキィー・ヒィーヒィー-
「・・あ?んだ手前ら!!メラゾーマ!!」
レオナを逃がそうとするも、フレイザードの小さい炎と氷のモンスター達が阻み見つかってしまった。
炎の威力は凄まじく、斬りかかったダイ諸共ポップ達も直接当たらずとも威力で吹き飛ばされるが、
「くらえ!!メラゾーマッ!!!」-ゴオウ!!-
ポップも負けじと最大級のメラゾーマをフレイザードの氷の部分を狙う。
「燃え尽きろ!!」
「ふん!甘えよ!!」
-シュウウ~-
ポップの炎はフレイザードは炎の面で難なく吸収され、不発に終わった。
「バケモンが・・ダイ!マァム!!お姫様連れてずらかるぞ!」
倒せなくとも当初の目的を果たすべきと判断をしたポップが撤退を叫ぶが、
「逃がすかよ!!結界!!!」-ズゴゴゴ!!!-
フレイザードの叫びと共に轟音と共に地響きがし、島の両端に炎と氷の柱がそれぞれに建った。
「これぞ氷炎結界!
これで手前らの力は半分以下だ、なぶり殺しにしてやる!!」
「んだと・・メラゾーマ!!」-コウ-
(・・マジかよ・・威力がてんでねえ・・)
どうやらフレイザードははったりを言っているのではなさそうだ。
フレイザードは完全ヤンキー口調にしました。
次回は久々の-おじさん-が早々に出ます。