勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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少しづつ仲間と周りの評価がずれていく主人公です。




ずれている感覚

「おねえちゃん、俺ここで待っていればいいの?」

「そうです、これから怖い人が来ます。私達と一緒に待ちましょう。」

 

記憶を失ったダイはメルルとナバラ達と共に王宮の最奥の部屋で保護をすることにした。

バラン一人ならばともかく、竜騎衆達がいては頑丈であっても牢に入れたら逃げ場がなくなる。

メルルにはいざという時の為のキメラの翼を渡してすぐに逃げるように言い残し、ポップ達はバラン達が来そうな位置に布陣をはる。

 

「・・・まさかダイの記憶が本当になくなっちまうだなんて・・」

物凄く落ち込んだポップとレオナを中央に配して。

「ポップ君・・命があれば、きっといつか・・」

「姫さん・・そうだよな、希望はあるよな。」いざとなったら頭思いっきりどついてみようと、レオナに慰められたポップは本気で考えた。

ショックを与えればいいのではないかと。

「・・・死なない程度にお願いねポップ君・・」

最愛の人が記憶を失っただけでも大ショックなのに、その記憶の為に命を落としたら自分は一生立ち直れないだろう。

「二人共、言っては何だが先の事よりもバランを倒すのを優先してくれ。」

何となればバランはあのハドラーなぞ問題でない程の実力の持ち主なのだから。

「せめてティファがいてくれれば・・」ないものねだりなのは分かっている。

ティファだとて好きで敵に、それも死神キルバーンに囚われた訳では無いのが分かっているが、それでもと思ってつい言ってしまう。

それ程の相手を倒すとなると奇跡でも祈りたくなるのが人情というものだろう。

 

「あんなおっさん、ティファがちとばかし戦えるからって無茶いうなよ。」

「ポップ、事ここに至っては親子であるというのは一時棚上げにした方がいいと俺は思うぞ。」

それでは記憶があってもダイも戦わせないつもりだろうか?

「は⁉お前はあいつを戦わす気かよ!あいつはダイとは違うだろう?剣が-少し-使えるからって数に入れようとするなよ。何の奇跡で戻ってきても、ダイと同じ部屋に速攻行かせる。できればダイとガルーダで逃げてほしい所だよ。」

 

クロコダインの発言にポップは呆れたように肩をすくめる。

少しだけ強いからと言って、妹分を戦いになぞだしたくない。すぐに返り討ちにあってしまう。

 

 

「ポップよ・・お前はティファの実力を知らないのか?」

何だポップの考え方は⁉

まるでティファが弱いが如く言っている!

確かに心優しく戦いには少々不向きかもしれんが、今の自分でもティファに勝てるイメージが全く湧かない。

この一行で今一番の実力の持ち主はティファ何だぞ。

「はあ⁉馬鹿言ってんな、あいつは自分で戦いはあまり出来ないって言ったんだぞ。」

-一行の料理人は戦い終わった皆に美味しい料理を振る舞う-と。

つまり戦いは得意ではないと言う事を言っているのだ。

「-たまたま-おっさんと対峙をしたからってホイホイと戦わすなよ。」本当ならあの時自分が臆病風を出さなければティファが戦う事は無かったのに。

 

・・・自分は一体誰の話を聞いているのだ?あのティファが戦いに出ないだと?ヒュンケル戦で散々戦っていたティファがか!

 

「ポップよ、一ついいか。」

クロコダインが真剣な目をしてポップに告げる。

「ティファは弱くなぞない。はっきり言えば何故ロモス王国で俺の頸がとばなかったのか不思議なくらいだ。

今の時点でもダイよりも上だぞ。」

 

「はっ!おっさん本当にどうしちまったんだよ!!」バルジ島で格段のレベルを上げて、アバンストラッシュを会得して、竜の紋章を使いこなせるようになったダイよりも強いだなんて!馬鹿馬鹿しくて笑い話にもならない。

いつも朗らかに笑い、少々お転婆で向う見ずなところがあるが、すぐに転んでいるドジっ子で可愛い妹分。

それがポップの中でのティファである。

マトリフが聞けば、客観的な冷静さを欠いた魔法使いとして落第だと雷を落とされかねない考えをしているのをポップは全く気が付いていない。

戦力を考えた上では、ティファが重要なのだと気が付いていない事にも。

 

だがそんな妹に対する思い違いは粉々にされた。

ティファは本当に凄いのだと思い知らされる羽目になるまであと少しなのを。

 




第二ラウンドへのプロローグと、そろそろ主人公の実力を出すフラグのような話でした。
次回ポップはティファの実力と無茶苦茶さ加減を知る羽目になります。
こうご期待。


追記
ストーリーの都合上、ヒュンケルは出ていない話で修正をしました。
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