勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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ポップが命をはって繋げた希望とは。




いつだって希望はある!

弾けて・・消えてしまう!あの素晴らしい人が!!

 

「いやあ――――!!」

 

メルルは己の悲鳴で目を覚ました。

ダイがふらりと立ち上がり、扉から出て行こうとしたのを止められずに気絶をして、そして夢を見た。

ポップが何か巨大な者に立ち向かい、砕け散る夢を!!

横にはナバラ達が気を失っているが行かねば!

自分は時折予知夢を見る。今までは半分しか当たらなかったが嫌な予感がする!温かく優しい緑の光を宿したあの人が消えてしまう!!

嫌だ!消えないでほしい!!

 

その一心のみでポップ達が布陣をはっている後ろの裏に行って・・そしてそこには

 

           

 

               -メガンテ-

 

 

 

優しい笑みを浮かべながら、自爆呪文を使って敵とともに消滅をしようとするポップだった!!

「・・・そんな・・」間に合わなかった・・もとより非力な自分に何が出来よう・・それでも!止めたかった!!

 

「ポップ―――――!!ごめんよポップ!!!」

 

ダイさん⁉・・記憶が・・

 

先程まで何もかもを失い、弱々しかったダイが、力強く泣いて叫んでいる。

取り戻した記憶の中の、お調子者で、大好きなー兄ーの名を。

 

 

「御免よポップ!!俺が・・不甲斐ないばっかりに!!!」

思い出した・・思い出した!!どうして忘れてしまったんだろう・・大切な・・忘れてはいけない-ダイ-の記憶の為に・・ポップは・・

 

「ポップ――――!!!」

 

吹き荒れる爆風の中、ダイは叫び続ける。

自分のせいで大切な仲間を、大好きな兄弟子を、兄と慕った人を犠牲にしてしまった!!

 

何が勇者だ!デルムリン島の時と変わらないではないか!!力足りずに先生を犠牲にした時と・・何一つ。

 

「・・・ポップ・・」

間に合わなかった・・また失うのか俺は!!

ポップは口が悪くとも、自分を心から労わってくれた優しい弟弟子で・・守りたい仲間だった!なのに・・なのに!!

悔恨の念と共に、ヒュンケルも悲しみと共に膝から崩れ落ちる。

戦場でこのような事は生死にかかわると頭のどこかで言っているが、ポップの死はそれほどの衝撃を仲間たちに与えた。

 

倒れ伏しているクロコダインは地面に何度も拳を打ちつけポップの名を呼んで咆え上げて泣き、レオナも大粒の涙を流してポップの名を叫び続ける。

 

たった一人、それでも明るくお調子者で・・そしていつの間にか一行の頼れる魔法使いとなっていたのだポップは!

 

兄・・ポップ兄!ご免なさい・・ご免なさい!!

父さんの事を知っていたのに!どこかで留められるのではないかと楽観視をしてしまった私のせい・・

 

   -トック・・ン-   ・・この音・・

-ト・・・クン-音がする・・上空を見上げればそこにいたのは

 

「ウワァ――!!」

 

ダイが怯えた声で叫び上げた。

 

ティファが上空を見上げた事で、全員も上を見ればバランが生きていた。

表面は傷だらけで呼吸も荒いが、左手でポップの襟首をつかんで生きていた!

 

「そんな・・ポップ君が命を懸けたのに!!」

 

ダイの記憶が戻ったとて、ポップの命がけの行動が無意味になった事でレオナは悲痛の声を出して嘆き悲しむ。

 

「・・・こやつが未熟で助かった・・爆発の瞬間にわずかに指の力が弱まりとんで振り切れた・・」

おかげで爆発の威力も弱くすんだのだ。

 

 

-トク・・・ン-

 

弱々しい・・でも知っている!!この音は!!この心音は!!!

 

 

誰もがポップの死に、その行為の意味が潰えた事に悲しむ中

 

 

 

            「アアアアア――――!!!」

 

 

 

裂帛の気合がその沈黙を打ち破った!

 

気合の籠った闘気の一閃はバランの左手を打ち据えて、落下するポップを一閃を送り付けた者が受け止める。

左手の鋼の剣を握りしめたまま、それでもポップを受け止めて地面にそっと降ろして素早くポシェットから小瓶を取り出し、ポップの口の中に入れればゴクリと喉が音をたて飲み込んだ!!

「べほちゃん!!」

 

ヒュンケルの肩にいるベほを呼び寄せてベホイミを掛けさせる。

 

 

「ティファ!!ポップ・・今ポップが!!!」

「今確かにっポップが!!」

地面に降り立った妹とポップの側に駆けよったダイとヒュンケルが驚愕の声を上げる。

「そうだよ・・ポップ兄が未熟で助かった・・あれ・・メガンテになって無かったんだよ!!」

単なる魔力の暴走で済んで、威力も弱かったから肉体のダメージがギリギリで・・助かったんだ・・

 

「オオ―――!!!」不味い!!-バキン!!!-

「・・・その男を庇うかティファよ!!!」

 

上空から闘気の一閃でハガちゃん壊された!!んの――!!

「当たり前でしょうが!!二度も三度も仲間に手を出されてたまるもんですか!!!」

「人間がどれほど・・」

「この状況でまだそんな馬鹿な事を言っているのですか⁉

貴方は一体何を見て聞いて生きてきたんですか!!

テランの子供達を、ポップ兄を見てもまだそんな馬鹿な事が言えるんですか!!!」

 

 

完全にティファが切れた!

もう知るか!忠義の三人の配下を持っていても全く気が付かずに一人で孤独だなんて思いこんで突っ走った馬鹿は!!ボッコボッコにして説教三昧の嵐大決定だ!!!

 

きちんと見ればソアラによく似た愛娘の・・鬼のような形相はバランを心底怯ませる。

ディーノも立ち上がり自分に闘気の籠った眼を・・認めぬ!!

 

「カァ――!!!」ヒィ――――ン!-

 

 

「「ア!!ウアァ―――!!」」

・・痛い・・・頭の中が・・火箸でかき回されたように・・

でも!

 

「兄、私!!忘れたくない!!」

「ティファ・・俺だって二度と忘れたくない!!!」

大事な大切な命と同じ価値を持つ記憶を!!

 

「「忘れてたまるものか!!!」」

 

ダイとティファは奇しくも利き手を握りしめ合い、天高く掲げて、その時ダイの

右手に、ティファの左手に-竜の紋章-を力強く輝きを放った。

世界を、仲間を守りたいと願う二人はバランの呪縛を振り切るように額から拳へと紋章を移動させたのだ!!

 

「「うおおおおお!!!」」-ズドン!!!-

痛みがなくなった二人は間髪を入れずにバランの無防備になっっていた腹部を容赦なくぶちのめし、ダイはそのまま連打に、ティファはポップの容態とクロコダインの傷を見に行った。

「・・勝つよ、だから・・」死んじゃ駄目だよポップ兄。




テ「もう容赦しません!!」
筆「・・・あの・・香辛料の時は・・」
テ「あれでも手加減してました!他人なら容赦なく失明をする量をですね・・」

案外えげつない戦い方を考えてる主人公へのインタビュうーでした。


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