場所は寮から学校へ変わる。
何とか
「あ、暑いぜ……」
山内が額に汗を流しながら、そう
八月も既に
半袖のカッターシャツを着ているとはいえ、ハンカチで拭っても汗はいくらでも出てくる。
「なあ、
「何だ?」
「どうして急に、俺の相談に親身になって応じてくれたんだ? これまでは嫌そうな反応だっただろ?」
校門を通った所で、山内がそう尋ねてきた。彼からしたら、その疑問は当然だろう。
何故ならオレは山内の言う通り、これまであまり真面目に取り合わなかったからだ。
約束の場所、第二体育館へ通じる道を歩きながら、オレは少し考えて答える。
「この前携帯を貸して貰っただろう。そのお礼をしたいと思ったんだ」
そう口にすると、山内は不満そうな表情を浮かべた。
「いや、そんな建前はどうでも良いんだよ。馬鹿な俺でも、それが建前なのは分かるぜ」
本音を言えと、言外で告げてくる。
嘘を常日頃から言っている山内からしたら、オレが吐いた嘘を見抜く事など造作もなかったようだ。まあオレとしても、本気で隠そうとは思っていなかったが。
「そうだな……それなら、真面目に答えるとする」
「そうしてくれよ。怒らないからさ」
そういう事ならと、オレは答えた。
「正直な所、つい昨日までオレは、約束をしたとはいえ、お前の相談に真面目に応えるつもりはあまりなかった」
「お、おう……すごいぶっちゃけるな」
「だが、変わった。遊びではなく本気で佐倉へ告白するつもりだと伝わってきたら、オレもそれに応えようと思った」
昨晩
遊びの告白なら話は別だが、本気で自身の想いを伝えるのはとても勇気がいる事だと分かった。何せ告白された側であるオレがあれだけ緊張したのだ。告白した側の彼女の緊張、
絶対に成功する告白、そんなものこの世にはない。成功するか、失敗するか。そのどちらかだ。間違っても『絶対』が介入する余地はないのだと、オレは学んだ。
だからオレは、佐倉には悪いが山内に協力しようと思った。もし
そのような事を──椎名からの告白は伏せつつ──伝えると、山内は衝撃を受けたように固まった。
そして、ぽつりと呟く。
「俺、お前の事全然知らなかったんだな……」
「……どういう事だ?」
気になったので、今度はオレが尋ねる。
暫くして、山内は「怒らないで聞いてくれよ」と断ってから言った。
「俺はこれまで、お前の事を
でも、と山内は続ける。
「それは違ったんだな。俺はお前の事を根暗で影が薄い陰キャだと先入観で見ていた。それで満足していた。でも、それは大きな間違いだった。ほら、特別試験の時にお前と篠原が軽く揉めた時があっただろ? 覚えてるか?」
山内が言っているのは、無人島試験での出来事だろう。
二つしかない仮設テントを誰が使うのかで議論していた時の事だ。クラスメイトである
その時のオレは『暴力事件』で悪目立ちをしていた為、クラスメイトから距離を置かれていた。篠原もその一人であり、軽い口論となってしまった。
その時の事を思い出していると、山内が言った。
「あの時さ、俺や他の奴等は『何をでしゃばっているんだ』って思ったんだ。『陰キャが調子に乗るな』とも思っていた」
「そうだったのか。だが山内、それは間違っていない。そう思われても仕方のないことを、オレはしていたからな。その自覚はあるつもりだ」
フォローするも、山内は「違うんだよ」と顔を横に振る。
「
「……それはまた、スパルタだな」
「実際そうだぜ。夏休みも余程の事がない限り、勉強会に強制出席となるからな」
勘弁してくれとゲンナリとした表情を浮かべていたが、その口調はとても穏やかだった。最初は嫌々参加していた勉強会に、彼なりに意義を見出しているのだろう。
「今なら少しは、その意味が分かりそうな気がする」
そうか、とオレは頷いた。
それからオレたちは無言となり、目的地へ向かった。道中、数名の運動部の生徒とすれ違いつつ、第二体育館に到着する。
携帯端末を見て現在時刻を確認すると、約束の時間まであと二十分を切っていた。思ったよりも足が早く動いていたようだ。
「ところで、どうして校舎裏なんだ? 生徒が普段通らないからか?」
夏休みのこの期間、ここに通るのは運動部くらいだろう。そう思いつつも、何かを話す事で少しでも緊張が和らげばと、オレは山内に尋ねた。
山内は緊張で固い表情を浮かべながらも、オレの質問に答えた。
「噂になっているんだ。ここで告白すれば必ず成功するってさ」
「……」
「おい、その疑問に満ちた視線を俺に送るな! それに、校舎裏での告白は王道なんだよ! ほら、お前が読んでいる本の中でも、そう言った描写を見掛けた事はあるだろ?」
それは事実なので、取り敢えず頷いておく。
ようは、『伝説の木の下で──』の別バージョンという事で、彼からすれば、少しでも成功する確率があるのならそこに
「な、なぁ綾小路……今更だけどさ、本当にこの文章で良いんだよな……?」
不安に駆られた顔で、山内がそう尋ねてくる。
オレは彼を安心させる為、視線を逸らすことなくはっきりと言った。
「文章自体は問題ない。少なくとも最初の怪奇文章と比べたら雲泥の差だ」
「お、おぅ……確かにそうかもしれないけどさ、お前って時々、ものすごく口の悪い時があるよな」
「気にするな」
いや、それは無理だぜ! と強く突っ込む山内。
「落ち着け、山内。あれだけ文章を直して、練習もしたんだ。あとは練習通りにするだけだ。違うか?」
「そうだけどよぅ……でも、俺に出来るのかな。そこが不安なんだよ」
顔を青ざめて、山内はそう
そんな彼に、オレはニヒルな笑みを浮かべて──似合ってないのは重々承知だ──彼の胸を軽く叩いた。
「お前は小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は四番だった。そうだろう?」
「そ、それは……! でもそれは、綾小路、お前も知っているだろ!?」
「いいや、何も知らないな。もう一度言う。お前は小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は四番だった。そんなお前なら、告白をする事は造作もない。違うか?」
オレがそう煽ると、山内は覚悟を決めたようだった。
乱れていた呼吸を落ち着かせ、ドヤ顔を浮かべて胸を張る。両膝が震えているのは武者震いで、決して悲観的な思いからくるものではない。
そして山内はその表情のまま、オレの言葉にこう付け足した。
「けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。これを忘れているぜ、綾小路」
「そうか、そうだったな。すっかりと忘れていた」
惚けてみせると、山内は「勘弁してくれよ、頼むぜ」と笑いながら肩を叩いてくる。
「そろそろオレは行く。告白、頑張れよ」
佐倉の事だ、早めに来てもおかしくはない。部外者のオレがこれ以上ここに長居しても意味はないだろう。
しかし、足早に立ち去ろうとするオレへ、山内はこう言ってきた。
「待ってくれ、綾小路。お前には俺が告白する所を見ていて欲しいんだ」
「……それは、オレは構わないが。お前は良いのか?」
「ああ、俺がちゃんと告白する所を、見ていて欲しい。嘘を吐かずに向き合う俺を、見届けて欲しいんだ」
友達に告白シーンを見られる。成功すれば良いが、失敗すれば気まずくなるのは必至。
そのリスクを承知の上で、山内はオレに頼み込んできた。
オレは逡巡の末、ゆっくりと頷いた。そして今度こそ、オレは彼の視界から消えた。
適当な物陰に潜んだオレは、携帯端末を取り出すと現在時刻を確認する。約束の十分前、いつ佐倉が来ても不思議ではない。そう思いながら、オレはさらに携帯を操作する。とある生徒のアカウントを開く。そして位置情報を確認すると、点滅はすぐ近くにあった。座標は校舎裏付近に生い茂っている木々をさしている。
そこに向かうと、見知った人物が先程までのオレと同様、息を潜めていた。オレは音を立てず近付くと、背後からその人物の肩を優しく叩く。
「──ッ! ──ッ!?」
悲鳴を上げかける口を、オレは塞いだ。あたたかい唇から漏れる息を感じる。
オレは「悪い」と謝罪をすると、相手が落ち着くのを待った。数十秒後、呼吸が安定した彼女に声を掛ける。
「やっぱりお前も来ていたんだな、みーちゃん」
その人物──
「愛里ちゃんは来なくても大丈夫だと仰いましたが、心配になったので来てしまいました」
みーちゃん曰く、オレがアプリを閉じた後も暫くはチャットが続いていたとの事。そして最終的には佐倉も覚悟を決め、
「私がここに来たのは、お二人が来る三十分前です」
それはまた随分と早い時間帯だ。
いくら桔梗と言えど、流石に三十分前行動はしないだろう。みーちゃんもそれは分かっていたが、それを上回る程に心配だったのだろう。
「しかし待ってみれば、
そう言った視線の先では、山内が緊張した面持ちで所在なさげに立っていた。秒単位で表情が変わり、何も事情を知らない人間から見たら不審人物だと警察へ通報するかもしれない。
「綾小路くん、これだけは事前に確認させて下さい。櫛田さんは今日、ここに来ませんね?」
「ああ、その通りだ。山内が櫛田に、佐倉を呼ぶように依頼した。そう聞いている」
「なるほど」
そうは言いつつも、みーちゃんの顔は腑に落ちていなかった。
オレは一声掛けてから彼女の隣に移動すると、事情を説明しようと口を開ける。しかしその前に、事態が動いてしまった。
「綾小路くん、愛里ちゃんです」
先に気付いたみーちゃんが、小声で言ってくる。
校舎裏に現れた佐倉はきょろきょろと辺りを見ながら歩いていた。
「えっ……? 何で?」
佐倉の表情には困惑がありありと出ていた。
それも当然だろう。何故なら彼女を呼び出した櫛田が居ないからだ。居るのは櫛田ではなく、山内。
オレは今のうちにこれだけは先に頼んでおこうと思い、みーちゃんへ囁いた。
「みーちゃん、思う所はあるだろうが、今から起こる出来事が終わるまでは、どうか黙っていて欲しい。そして願わくば、見守っていて欲しい」
「わ、分かりました……。綾小路くんがそこまで言うのも珍しいですもんね」
こくりと、みーちゃんは頷いた。
そしてオレたちが見守る中、山内と佐倉は無言で向かい合っていた。最初に話を切り出したのは、意外な事に佐倉からだった。
「あ、あの……どうして山内くんがここに? あっ、それとも櫛田さんの代わりに、山内くんが来たんですか?」
何故ここに櫛田が居なくて山内が居るのかを、佐倉は尋ねた。その当然の質問に、山内は中々答えられない。
しかし、答えなければならない。山内もそれは分かっている。数十秒後、彼は質問に答えた。
「悪い! 佐倉をここに呼ぶよう、櫛田ちゃんに無理言って頼んだんだ!」
そう言って、山内は深々と頭を下げて謝罪する。
我に返った佐倉が「あ、頭を上げてください!?」と慌てて言うまで、彼は頭を下げ続けていた。
「山内くんがここに居る理由は分かりました。それで……山内くんは私に何か用事があるんですよね?」
用件を尋ねる、佐倉。まさか今から告白されるだなんて微塵も思っていないだろう。
しかしそれも、どれだけ経っても何も言わない山内を見て変わってくる。告白されるとは思い至らなくとも、何か重大な事が起こるのだろうと身構える。
それは、外野のオレたちにまで伝わってきた。オレが沈黙していると、みーちゃんが服の袖を遠慮がちに引っ張りながら、上擦った声を出して尋ねてくる。
「あ、綾小路くん……! まさか山内くん、愛里ちゃんに──!?」
「みーちゃんの想像通りだ。山内は今、佐倉へ告白しようとしている」
「なっ──!?」
あんぐりと口を開け、みーちゃんは絶句した。それから我に返ると、山内と佐倉へ視線を送ってから、再度オレに顔を向けた。
「で、でも綾小路くん! 愛里ちゃんは山内くんの事を、その……!」
言いにくそうに語尾を小さくするみーちゃん。
「そうだな、佐倉は山内の事を恋愛対象として見ていない。オレとみーちゃんに困っていると相談してきたくらいだからな」
「そ、それなら失敗するんじゃないですか? 」
「それは分からない。少なくとも、まだな」
山内から執拗に絡まれて困っていると、佐倉は何度かオレとみーちゃんに相談してきた。
その事を考えるなら、山内の告白は失敗するだろう。
だがそれはあくまでも『過去』であって『今』ではない。可能性は限りなく低いだろうが、決してゼロではない。
想いを伝えられた佐倉の気が変わり、山内の告白を受け入れる可能性は確かにある。
第二体育館を使っている運動部の声が聞こえる。その内容からして、恐らくはバレー部だろう。
時刻は夕方。燃えるような夕陽が地上を照らし、青色の空は茜色に変色しつつある。そして、場所は日常がすぐ近くに感じられる校舎裏。さらには絶対成功するという噂の告白スポットだ。
なるほど、確かにこれなら王道だな。告白する環境として、今、この校舎裏は最も適している。
「俺、俺……ッ!」
口を開けては閉ざすを、何度も繰り返す。呼吸は荒くなり、山内は立っているのもやっとな状態だった。
だがそれは、佐倉も同じだった。今自分が置かれている状況を遅まきながら理解した彼女は、顔を真っ赤に染めて目尻には涙さえ溜めている。これまでの彼女だったら、逃げ出していたかもしれない。だが彼女はその気持ちを必死に抑え、山内に真正面から向かい合っていた。
そして、いったいどれだけの時間が経ったのか。その時は突然、しかし必然的に訪れた。
「俺……佐倉の事が好きだ! 好き……です! こ、これを受け取って欲しい……です!」
そう言いながら、山内は自身の想いをしたためたラブレターを佐倉へ勢いよく差し出した。
シンとした静寂が訪れる。今この瞬間、山内と佐倉は単なるクラスメイトではなくなった。告白した男性と、告白された女性へと関係は大きく変わる。
隣にいるみーちゃんの動揺をオレが感じ取っている間にも、場はゆっくりと前へ進んでいく。
「あ、ありがとう……ございます……」
感謝の言葉を言いながら、佐倉がおずおずと差し出されたラブレターに手を伸ばす。そして受け取る瞬間、彼女の細い指と、山内の太い指が当たった。
「ご、ごめんなさいごめんなさいっ……!?」
熟れた林檎の顔になりながら、そう言う佐倉。山内は山内で「い、いや大丈夫だから……」と口にするので精一杯の様子だった。
再び訪れる静寂。重たい空気に逆らって先に動いたのは、またもや佐倉だった。
「あ、あのっ……返事はいつすれば良いですか……?」
受け取ったラブレターを胸に抱きながら、そう尋ねる。
その言葉に、山内は喜びを露わにした。目の前で切り捨てられるという展開にならなかったからだろう。
山内はたどたどしくも懸命に舌を動かす。
「あ、明日……! この時間に! 聞かせて欲しい!」
「……っ!」
「あっ、駄目だったか!? 何か用事があるなら、それを優先して貰っても良いから!」
慌てる山内へ佐倉は「い、いえ!」と言う。
「わ、分かりました! 明日、ここでまた会いましょう! そ、その時に返事を伝えます!」
「あ、ああ! 俺、待ってるから!」
佐倉はその言葉に頷き返すと、「し、失礼します!」と駆け出した。そのまま脇目を振らず校舎裏をあとにする。
残された山内は呆然と突っ立っていた。そして地面に崩れ落ち、尻もちを着く。
「すまない、みーちゃん。オレは山内へ声を掛けないといけないから、話は今すぐには出来そうにない」
「そうですね。むしろ、山内くんの所へ行ってあげて下さい。山内くんには今、綾小路くんが必要ですから」
「そう言って貰えると助かる。今晩は空いているか?」
もし空いているなら話をしたいと伝えると、みーちゃんは逡巡の末に首を横に振った。
「いえ、気にはなりますがまだやめておきます。愛里ちゃんが明日山内くんへ返事をするまで、私は何も聞かない事にします」
「そうか、分かった」
「それでは綾小路くん、私はここで失礼します」
そう言ってぺこりと頭を下げると、みーちゃんは寮へ帰って行った。
オレは彼女を見送ってから、ゆっくりと山内へ近付く。わざと靴音を鳴らしながらオレの存在を伝えていたが、山内が反応する事はなかった。夕焼け空をぼんやりと眺めている。
「山内」
オレが声を掛けたところでようやく、山内は我を取り戻したようだった。
「お、おぅ……綾小路……」
「大丈夫か?」
「ははっ、大丈夫……とは言えないな……」
身体に力が入らないんだ、と彼は言った。
「ここに居たら熱中症になるかもしれない。取り敢えず移動するぞ」
「いや、だからさ、力が入らないんだって──おおぅ!?」
山内が素っ頓狂な声を上げる。オレがやや強引に彼を起こしたからだ。
「お、お前……意外に力あるんだな……」
そんな山内を連れて、オレは第二体育館から通じる渡り廊下に移動した。そのまま近くにあったベンチに腰を下ろす。
脱力している山内を一旦置き、オレは自動販売機でジュースを二本購入した。そして彼の元に戻ると、そのうちの一本を手渡す。
「ありがとな。くぅー! やっぱり冷たい飲み物は良いなぁ! 身体に効くぜ!」
そう言って、山内は初めて笑顔を見せる。まだ強ばっているが、だいぶ良くなったと判断する。オレもそれに倣い、炭酸ジュースを一気に
普段は天然水やお茶ばかり飲んでいる為、とても新鮮だ。だが決して嫌なものではない。
「悪かったな、綾小路」
夏風を浴びていると、不意に、山内がそんな事を口にした。
いったい何だと目でオレが尋ねると、山内は恥ずかしそうに頬をポリポリと掻きながら言った。
「告白の台詞だよ。練習した時はもっと良い言葉だったのにさ、結局、あんな事しか言えなかった」
「謝るような事じゃない。お前はあの時、自分の心の声に従ってあの言葉を口にしたんだろう?」
「それは、そうだけどさ。せっかくお前も一緒に考えてくれたのに……俺、自分が情けなくて仕方がないぜ」
相当落ち込んでいるのか、山内は肩を落としながら上手く告白出来なかった事を後悔しているようだった。
オレからすれば自分の想いを伝えられただけ凄い事だ。少なくとも昨晩、オレはそれが出来なかった。いや、厳密にはしなかった。その事実は今後、オレに重い枷となって身体にのしかかるだろう。
だからオレは、山内が羨ましい。普通の恋愛をしている彼が、とても羨ましいのだ。
「明日か……俺、今日は一睡も出来ない気がする……」
佐倉からの返事の内容を想像しているのだろう、山内は顔を青くしながらそう呟いた。
オレはそれに何も言えない。大丈夫だと言っても、それは気休めでしかないからだ。
山内に出来るのは、祈る事だけ。自分の恋が
明日、山内は佐倉から返事を貰う。時間にして、わずか二十四時間後の事だ。当事者である山内からすれば、それはどのような感覚なのか。それは本人にしか分からないだろう。
ただ確実に言える事がある。それは明日が、山内春樹と佐倉愛里にとって、人生に
読書の皆さんが思う、一学期の間に最も実力を示したDクラスの生徒は?
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綾小路清隆
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堀北鈴音
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平田洋介
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櫛田桔梗
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須藤健
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松下千秋
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王美雨
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池寛治
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山内春樹
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高円寺六助
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軽井沢恵
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佐倉愛里
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上記以外の生徒