ようこそ事なかれ主義者の教室へ   作:Sakiru

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堀北鈴音の夏休み Ⅰ

 

 

堀北(ほりきた)センセー、今日はそろそろ終わろうぜ!」

 

 シンとした居心地の良い静寂を、(いけ)くんが破った。

 私は内心でため息を吐きつつも顔を上げると、疲労困憊(ひろうこんぱい)といった表情を浮かべている自身の『生徒』を見る。

 

「もう少し集中出来ないのかしら?」

 

 あくまでも、確認を込めた質問。そこに呆れや苛立ちといった個人的な感情は挟まない。何故なら今の私は池くんの『教師』だからだ。

 池くんは私の質問に「うぐっ」と言葉を詰まらせながらも、こう訴えた。

 

「勉強を始めてからぶっ通しで二時間だぜ、流石にキツいって!」

 

 心底疲れたように池くんがそう言うと、賛同する声が上がる。山内(やまうち)くんだ。

 

寛治(かんじ)、よく言った! 堀北、これ以上は無理だ! 頭が回らない! なぁ(けん)、お前もそうだよな!?」

 

 話を振られた須藤くんは顔を上げると、自信満々(じしんまんまん)にこう答える。

 

「俺はまだ出来るぜ。バスケの試合に比べたらへっちゃらさ。あと一時間は余裕だな」

 

 そう言って、ドヤ顔を浮かべる須藤(すどう)くん。その堂々とした言動から、見栄を張っている訳ではないと分かる。

 そして、その言葉は正しい。最近の須藤くんの集中度合いには目を見張(みは)るものがある。この前大会に出場したと聞いているけれど、それ以降、彼の意欲はより高くなったように感じる。

 

「この脳筋! 何でもかんでもバスケで換算するんじゃない!」

 

「何だとゴラァ! 誰が脳筋馬鹿だ!」

 

「そこまでは言ってねえよ! でも、言うつもりではあったよ!」

 

 言い争いを始める、須藤くんと山内くん。とはいえ、喧嘩ではない。ただのじゃれ合いだ。男子のノリって奴だろう。その証拠に池くんは腹を抱えて笑っている。

 だが、私がそれに付き合う道理はない。私はコホンと咳払いを打つと、彼らの注意を引き付けた。

 

「静かにしなさい。ここはお店で、私たちはここを使わせて貰ってるのよ。まさか出禁を食らいたいのかしら?」

 

 ここは、学校の敷地内にあるカフェだ。当然私たちの他にも客は居る。あまり騒ぎを起こすと学校に報告され、最悪な場合、クラスポイントを引かれるかもしれない。

 私が強く睨み付けると、問題児たちは揃って降参のポーズを取った。首を小さくする彼らに、私は露骨にため息を吐いてみせる。

 すると面白いことに、彼らはビクッと身体を震わせた。そしてビクビクとしながら顔を見合わせ、私の機嫌を伺ってくる。

 いつの間にか、このような流れが出来ていた。池くんや山内くんたちが馬鹿な事をやって、それを私が叱るという流れだ。実に下らない茶番劇。

 私は再度ため息を吐くと、店内に設置されている時計を見やった。現在時刻は、午後の十七時九分。始めたのが十五時になる直前だった為、池くんの言う通り、二時間はこの『勉強会』を行っている事になる。

 本音を言うと、あと一時間は勉強したい所だ。

 そう思いながら私は、『生徒』の状態を把握する。

 今日、私が開いた『勉強会』に参加しているのは、私を除外して四人。池くん、山内くん、須藤くん、そして黙々と勉強している櫛田(くしだ)さんだ。

 いつもだったらここに、男性にしてはとても可愛らしい外見を持つ──本人にこれを言うと傷付くので言わないのが暗黙の了解となっている──沖谷(おきや)くんもいるのだけれど、彼は数日前から夏風邪を引いてしまった為居ない。体調はかなり快復していると何度かお見舞いに行っていた池くんから聞いているから、明後日から始まる二学期には問題なく来れると思う。

 須藤くんと櫛田さんはまだ余裕がありそうだけれど、池くんと山内くんは集中力が切れてしまったようでソワソワと落ち着きない。いつもだったら二人とも、あと三十分は持っているのだけれど……その理由に心当たりがある私は方針を決めた。

 

「分かったわ、今日はこの辺りでお開きにしましょうか。ただし、今解いている問題は全力で解きなさい。それが条件よ」

 

 私がそう言うと、池くんと山内くんは露骨に喜んでみせた。いえーい! とハイタッチすらしている。

 すると、これまで事態の成り行きを静観していた櫛田さんが小声で私に聞いてきた。

 

「堀北さん、良かったの? 本当はもう少しやりたかったんじゃない?」

 

「そうね、それはあなたの言う通りよ」

 

「なら、どうして?」

 

「池くんと山内くんは、勉強する意欲が無くなってしまった。須藤くんはああ言っていたけれど、そのうち彼らの空気に呑み込まれるでしょう」

 

「ああ、なるほどね」

 

 腑に落ちたのか、櫛田さんはそれ以上言葉を挟む事はしてこなかった。

 

「言ってみるもんだな!」

 

「そうだな! だが俺は信じていたぜ、堀北先生なら許してくれるって!」

 

 調子の良い事を言う、教え子二人。私は大きく咳払いを打つと、シャープペンシルの先を向けた。

 ひいっ! と怯えた彼らは顔を青くしながらコクコクと頷くと、自分の問題に向き合った。

 全く、面倒の掛かる問題児たちだ。

 とはいえ、彼らの気持ちが分からない訳ではない。今日は八月三十日。そして今日は、夏休み最後の勉強会だ。

 流石の私も、夏休み最後の一日を彼らから奪うほど鬼ではない。

 

「終わった!」

 

 最後に解き終えた池くんが、そう報告してくる。

 私は預かっていた解答集を渡すと、丸つけをするよう声を掛けた。

 私の勉強会では、教材として市販の問題集を取り扱っている。

 市販の問題集というのはとても役に立つ。解説が載っている為、基本的にはそれを読めば分かるようになっているからだ。問題も基礎から応用と幅広いレベルが設定されており、私は重宝している。

 丸をつける赤ペンの音、そこに時折交ざるバツの音。それを聞きながら私は、丸つけをしている彼らの表情、その一つ一つを見逃さない。

 解説を読んで理解したつもりになって欲しくないからだ。その場では『分かったつもり』になっていても、それは『理解』からは程遠い思い込み。私は彼らの『つもり』を見逃さない。幸いな事に、彼らはとても分かりやすい。表情にすぐ出る彼らの嘘を看破するなど容易い事だ。

 唯一櫛田さんだけは例外だが、彼女は本来私の勉強会に参加しなくても問題ない為、その点については心配してない。ただ、そんな彼女が何故今なお参加しているのかは疑問だが。

 

「なあ堀北、質問良いか? ここの問題なんだけどさ……」

 

「そこは、教科書のここにヒントが載ってるわ。まずはそこから考えてみて頂戴」

 

「分かった」

 

 私はあくまでも、彼らの補助に努めている。解説を読んでも分からなかった時に、『先生』の私が対応するようにしている。

 とはいえ、すぐに答えを教える訳ではない。まずは、何故その答えに辿り着いたのか、その過程を最後まで聞く。その上で、どこで間違っていたのかのヒントを与え、一緒に考える。

 それを繰り返し、思考力を底上げしている。

 思考を止めないこと、これが一番大事な事だと信じているからだ。

 この時間が勉強会で最も大切だと、私は思っている。

 

「全員終わったわね?」

 

 そう確認すると、彼らは揃って頷いた。 その顔は達成感で彩られており、彼らは確かな手応えを感じているだろう。

 これで、勉強会は終わり。いつもならここで解散しているけれど、『教師』としては何か声を掛けるべきだろうか。

 そんな事を私が悩んでいると、「なぁ、堀北!」と池くんが口を開く。

 

「明日さ、みんなでプールに行こうぜ!」

 

「……プール?」

 

「そう、プールだよ、プール! 堀北の所にも学校からメールが来ていただろ!?」

 

 突然の事に困惑する私に、池くんが熱弁する。私は記憶を遡った。

 確か数日前だったかしら、学校から一つメールが届いたのは。

 その内容はとてもシンプルで、普段、水泳部しか利用出来ない特別水泳施設を限定的に開放するというものだ。施設の利用そのものは無料で、高度育成高等学校の生徒なら誰でも利用可能だった筈。

 

「寛治の言う通りだ。せっかくの夏休みだ、プールに行かないのは損だぜ堀北! 健もそう思うだろ?」

 

「そうだな、定番の一つだもんな。一理どころか()()あるぜ」

 

 山内くん、須藤くんも池くんに同調した。ただし、須藤くんはやや棒読みだったが。そして、私は確信する。どうやら事前に男子たちは話し合いをしていたようだ。

 静観している櫛田さんは定かではないけれど、彼女の性格を考えればその内心はどうであれ首を縦に振るだろう。

 とはいえ、私の中では既に答えは出ている。

 

「悪いけど、私はパスするわ」

 

 行く気はないと告げると、男子たちは「えぇー!?」と不満そうに声を上げた。そして口々に批難してくる。

 

「良いじゃんかよ、行こうぜ堀北! 真夏のプールは最高なんだぜ?」

 

「そうだ、そうだ! いつ行くの? 今でしょ!」

 

「堀北、俺もお前と一緒に行きてぇよ」

 

 私は、重く長いため息を吐いた。その熱意がどこから来るのか甚だ疑問で、呆れてしまう。

 

「あのね……プールはクルージング旅行で楽しむ機会があったでしょう?」

 

 実際、あの豪華客船には大型プールがあった。大多数の生徒はそこで一回は楽しんでいた筈だ。

 私からすれば、その一回で充分。しかしどうやら、男子たちは違うようだった。

 

「堀北、お前は何も分かってない。あの時は特別試験があって、それどころじゃなかっただろ!」

 

 山内くんが強く訴える。まあ確かに、その気持ちは分かる。旅行の最初こそ私たちは何も考えずに能天気に過ごしていたけれど、無人島試験から帰還したあとはそうではなかった。緊迫した空気が流れていたのは認めるし、その備えがあったからこそ、干支試験にも万全の体制で臨めたのは否定しない。

 

「なぁ、櫛田ちゃんからも何か言ってくれよ!」

 

「わ、私?」

 

「ああ、俺たちみたいな馬鹿じゃこれ以上の説得は無理だ! だけど、櫛田ちゃんならそれが出来る!」

 

 頼む! と山内くんが懇願する。

 櫛田さんは最初こそ「うーん……」と悩んでいたけれど、結局、男子たちの圧に押されてしまった。八方美人はこれだから困るのよね。

 

「堀北さんはどうして、プールに行きたくないの?」

 

 頑なにイエスと言わない私に、櫛田さんがその理由を尋ねてくる。

 

「何か用事でもあるのかな?」

 

「別に……用事なんてものはないわ。ただ、明後日から始まる学校生活の準備があるわね」

 

「でも堀北さんならそれ、終わらせてるよね」

 

「あなたね……根拠のない推測はただの妄想よ」

 

 呆れながら私がそう指摘すると、櫛田さんは「あはは、確かにね」と一度頷いた。しかし、彼女は言葉を撤回するつもりはないようだ。

 私という人間の性格を考え、そうする可能性が高いと彼女は結論を出しているのだろう。

 そして、それは悔しいけれど正解だ。学校の準備は昨日のうちに終わらせている。

 

「話せない理由なら、これ以上は聞かない。ただ話せる理由なら、きちんと話した方が良いと思うな。そうしたら、寛治くんたちも納得すると思う。そうだよね?」

 

 櫛田さんが池くんたちにそう話を振ると、彼らは首を縦に振った。彼らとしても無理強いはしたくないのか、口々に約束の言葉を言ってくる。

 その表情はとても切実で、どうやら彼らは余程私とプールに行きたいらしい。

 これではまるで、私が悪者のようだ。そして、そういう雰囲気をいとも簡単に作ってみせた櫛田さんが恨めしい。

 観念した私は、理由を説明した。

 

「……別に、特別な理由なんてないわよ。ただあなたたちも知っているでしょうけれど、私は人混みがあまり好きではないわ。ましてや水着に着替えるだなんて……」

 

 客観的に見て、私の容姿は整っている。まず間違いなく人の目を集めるだろう。下卑た視線が送られてくるのは確実と言える。

 ましてやグループで行くなら尚更だ。このグループには人気者の櫛田さんや、友達の多い池くんが属している。そこに安寧はなく、一日中何らかの騒動に巻き込まれるだろう。

 

「これが、私が行きたくない理由……──って、顔を見合わせてどうしたの?」

 

 私がそう尋ねると、須藤くんがこう呟いた。

 

「……何ていうか、普通の理由だな」

 

 それはどういう意味かと目で尋ねる。

 彼は「わ、悪い!」と慌てて謝罪しながらこう言う。

 

「いや、その……堀北もそんな風に言う事があるんだと思ってよ」

 

「それな。俺、ちょっと……いや、かなりビックリしたぜ」

 

「俺も」

 

 まるで地球外生命体を発見したと言わんばかりに好き勝手言ってくる。甚だ心外ね。

 眉間に皺を寄せて無言の圧力を飛ばしていると、櫛田さんが「ふふふっ」と声を立てて可愛らしく笑った。

 私には分かる。これは、私の事を嘲笑っているわね。しかし噛み付いたところで、彼女は飄々とした態度で私の攻撃を躱すだろう。

 

「……兎に角、これで私の理由は話したわ。納得してくれたかしら?」

 

 男子たちは顔を見合わせると、意思を共有したようだった。池くんが代表して答える。

 

「まあ、そういう事なら無理強いは出来ないか。残念だけど、仕方ないか……」

 

 須藤くんと山内くんも同意見なのか、残念そうにしながらも引き下がった。

 これで話は終わりだ。彼らには悪いが、私抜きで楽しんできて貰おう。

 

「それじゃあ、私はこれで失礼するわ。また明後日、学校で会いましょう」

 

 しかし、帰り支度を済ませた私が別れを告げ、今まさに席から立とうとした、その時だった。

 

「やっぱり残念だな。せっかくの夏休みだもん、私はみんなで遊びたかったな」

 

 櫛田さんがそんな事を言い出した。

 その言葉を聞いた私は思わず、櫛田さんを強く睨む。終わった話を何故続けようとするのか、その真意を尋ねる。

 しかし、流石は櫛田さんと言うべきか。私の先程の予想通り、彼女は微笑を崩さない。

 

「寛治くんたち、この夏休みとても頑張ってたもんね。一生懸命、勉強してたもんね。須藤くんなんて、部活と両立しながらだったし。それでレギュラーを勝ち取っただなんて凄いよ!」

 

 笑顔を浮かべながら池くんたちを褒める櫛田さん。それに彼らは戸惑いを浮かべながらも、裏表のない称賛に照れている。

 そうしてあっという間に、櫛田さんはこの場を掌握してみせた。私も帰るタイミングを逃してしまう。

 

「……櫛田さん、何を言いたいの?」

 

「そんなに怖い顔をしないでよ、堀北さん。ここに沖谷くんがいたら涙目になっちゃう!」

 

「居ない人の事を話してもしょうがないでしょう。回りくどいから、はっきり言いなさい」

 

 目を細めて私が軽く威圧するも、櫛田さんはそれを笑みで受け流す。

 男子たちが青ざめているのを尻目に、彼女はにっこりと笑顔を深くするとこう言った。

 

「今言ったように、私たちはこの夏休みの間頑張ったと思う。堀北『先生』は、池くんたち『生徒』の頑張りを感じなかった?」

 

「……そうね。頑張っていたのは認めるわ。学力は高校生の水準にまだまだ追い付いていないけれど、必死になって付いてきてくれたと思う」

 

 本心を告げると、櫛田さんは「そうだよね!」と相槌を打つ。

 

「それならさ、『生徒』の頑張りに応じるのも『先生』の仕事なんじゃないかな?」

 

「……つまり、私も明日参加しろと?」

 

「もちろん、無理強いするつもりはないよ。でも池くんたちはこの勉強会に少なからず拘束されていた。堀北さんはこの事実に対して何とも思わないの?」

 

 櫛田さんの言葉は一理ある。

 元々この勉強会を夏休みの間にもやろうと思ったのは、池くんたちが計画的に学校から出された課題に取り組むとは思わなかったからだ。そして私の心配は的中し、彼らは中学時代、夏休み最終日に泣いていたという。須藤くんにいたっては課題を提出すらせず、彼の暴力性に怯えた教師も注意する事が出来ず、そのままだったらしい。

 これを聞いた私は勉強会を開く事を決心し、駄々を捏ねる子供を部屋から引っ張り出し、課題に取り組ませたのだ。その甲斐あって、クルージング旅行から帰ってきた時には全員が課題を終わらせていた。

 それ以降の勉強会は、目的の主旨からは外れていると言えるだろう。

 

「ちょっと待ってくれよ、櫛田。それは違うだろ。堀北が俺たちを拘束していたんじゃねえ……俺たちが堀北を拘束していたんだ」

 

 須藤くんがそう言った。それに続くように、池くんと山内くんも口々に言う。

 

「……だな、健の言う通りだ。どうせ課題を終わらせても、その後は調子に乗って勉強しなかった気がする」

 

「ま、まぁ!? 俺はお前らとは違った……いや、嘘だ。俺もダラダラしていたと思う」

 

 須藤くんはそうではないけれど、池くんと山内くんの二人は基本的には櫛田さんの味方だ。

 その味方のまさかの裏切りに遭い、櫛田さんは衝撃を受けたようだった。それから、項垂れる。

 

「……ごめんなさい。失言だった」

 

「い、いや! 謝る事じゃないって! 俺たちも、それに堀北も気にしてないって! そうだよな!?」

 

「な? な!?」と同意を求める池くんの言葉に、須藤くんと山内くんが慌てて頷く。

 視線を集めた私は、自分でも分かるほどの仏頂面で答えた。

 

「……私も気にしてないわ。櫛田さんの主張は尤もだもの」

 

「……許してくれるの?」

 

「許す、許さないじゃないわ。これ以上の口論は無駄だと言っているのよ」

 

 私はそう言うと、何が最適解か考えた。

 池くんたちは明日、私とプールで遊びたいと純粋に思っている。そして櫛田さんもどういう訳か、私をそこに誘導したいようだ。

 それにはきっと、何らかの意図がある筈。

 

「……分かったわ。櫛田さんの言葉に乗せられるのは甚だ癪だけれど、あなたたちに付き合ってあげる」

 

「マジで!?」と驚く男子たち。

 ハイタッチし喜びを分かち合っている彼らの横で、私と櫛田さんは見つめ合っていた。

 

「明日が楽しみだね、堀北さん」

 

 そう言うと、櫛田さんはにっこりと天使のような笑顔を浮かべた。

 だが私にはそれが、天使とは程遠い魔女のものに見えて仕方がなかった。

 どうやら、夏休みはまだ終わらないようね。

読書の皆さんが思う、一学期の間に最も実力を示したDクラスの生徒は?

  • 綾小路清隆
  • 堀北鈴音
  • 平田洋介
  • 櫛田桔梗
  • 須藤健
  • 松下千秋
  • 王美雨
  • 池寛治
  • 山内春樹
  • 高円寺六助
  • 軽井沢恵
  • 佐倉愛里
  • 上記以外の生徒
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