鋼鉄の魂   作:雑草弁士

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『エピソード-006 救出』

 今、キースはドリステラⅢ駐屯軍基地の整備棟にやって来ていた。そこには2機の50t級気圏戦闘機、ライトニングが格納されていた。その機体は酷く叩かれ、大きなダメージを負っている。だが、それでもこの電光の名を持つ2羽の鋼の猛禽は、その主を守り通したのだ。

 

「なあジェレミー、パメラ、これ直るよな?」

「大丈夫よね……?」

 

 マイク少尉とジョアナ少尉が、不安そうに尋ねる。だがジェレミー伍長とパメラ伍長の口は重い。その態度に、マイク少尉は絶句し、ジョアナ少尉は悲しそうな声を上げる。

 

「そんな……。」

「あ、いえ直るとは思います。思いますが……。僕らの腕じゃあ……。」

「た、たぶんメーカー修理になると思います。私たちの腕とここの設備じゃあ……。悔しいですけど。」

 

 ポカ!ポカ!

 

「「あ痛!」」

「何馬鹿なこといっとるんだ。この程度でよう。」

 

 サイモン老がジェレミー伍長とパメラ伍長の頭をどついた。

 

「だ、だけどこれだけ損傷したら……。」

「普通ならメーカー送りに……。」

「ああ、大丈夫だ。お前たちの腕前が悪いとは言わんが、サイモン曹長の技術とは悪いが比べものにならん。サイモン曹長が直ると言ったなら、必ず直る。」

「「あ!隊長!」」

 

 キースはサイモン老の隣に立つ。マイク少尉とジョアナ少尉は唖然としている。ジェレミー伍長とパメラ伍長は驚きの声を上げた。

 

「ええっ!?サイモン分隊長って、バトルメックが専門じゃあなかったんですか!?」

「他に砲術も学んでるのに!?」

「……サイモン曹長は、車両、電子機器、大砲、バトルメック、気圏戦闘機、降下船、航宙艦、機械と名が付く物なら何でも来いのハードウェアの達人だ。」

「坊……隊長、照れてしまいます。その辺にしといてくれませんかのう?それにわしにも弱点はありますな。ソフトウェアに関しては、そこのパメラ嬢ちゃん……おっと、伍長ほども知識は無いですのう。」

 

 サイモン老は、ちっとも照れくさくなさそうに、むしろ自慢げな様子で言う。だが彼も、少しだけ首を傾げた。

 

「けどなあ……。部品さえ届けばなんとでもなるが……。まあライトニングは恒星連邦でよく使われてる機体だからの。すぐ、とまでは言わんが、じきに部品は手に入るさね。」

「ああ、やっぱりすぐには直らないんっすね。」

「贅沢言わないの、マイク。さっきまでと比べたら天国と地獄よ。メーカーにまで持ってかなくても直るんだから、時間は大きく違ってくるわ。」

 

 マイク少尉とジョアナ少尉も、元気になったとは言い難いが少しは持ち直した様だ。そしてキースが彼らに声をかける。

 

「しかし良くやってくれた。敵のシロネ戦闘機を2機とも撃墜してくれたからな。ユニオン級に搭載できる気圏戦闘機は通常2機まで。もしバトルメック格納庫を潰して貨物として積載していたとしても、そうなれば今度はバトルメックの数が減ってくる。まあ、そこまでする奴はまずいないはずだ。

 だから敵にはもう気圏戦闘機は無いはずだ。これは大きい。惑星軍の衛星管理基地の設備が復旧すれば、こちらは超高空からの監視が行えるようになり、敵にはそれをどうこうする能力は無い。その上あちらの高空からの目も、まず心配いらないわけだ。君たちのおかげで俺たちは勝利に大きく近づいたと言える。」

「「隊長……。」」

 

 マイク少尉もジョアナ少尉も、何やら感動しているらしい。そのときキースの懐で、通信機が音を立てた。

 

「ん?ああ、アルバート中尉からの呼び出しの様だ。もう行かねばならん。

 ……サイモン曹長?どうした?」

「いや、応急修理して飛ばす様にはできるんですけどのう。地面を歩くバトルメックと違って、飛んでるうちに万が一不具合が起きたら命が危ないですからの。やはり応急修理はやめた方がいいですかのう……?」

「そう、だな。なんとか部品を手に入れる算段は付けるから、部品が届くまで待ってくれ。ではな。」

 

 キースはそそくさと、その場を立ち去った。

 

 

 

 指令室の発令所に入ったキースは、アルバート中尉が難しい顔をしているのに気付いた。

 

「キース中尉、ただいま参りました。」

「……ん、お、おう。来たか。……キース中尉、君はもう大丈夫か?」

「……正直、はらわたは煮えくり返っています。ですが、だからと言って暴走などしたら部下が死にます。自分も死にます。だから、落ち着きました、いえ、無理にでも心を落ち着けました。」

 

 アルバート中尉は、一瞬痛ましいものを見る様な目をしたが、即座に表情から同情の色を消す。

 

「そうか。なら大丈夫だな。

 ところでつい先ほどだが、墜落したと思われたレパード級降下船リライアント号から連絡が入ったんだよ。『デヴィッドソン装甲巨人隊』以下乗船していた人員18人は、全員が無事……とまでは言えないが生きているってことだ。バトルメックも損傷はなし。ただし船長、砲撃手2名、そして悪いことに船医が大怪我だとさ。」

「船医が……。衛生兵や看護兵は?応急手当ができる人間は?」

「悪いことに、居ないそうだよ。医療知識のある人間が動けない状態だからな。動かせるかどうかすら判断できないらしい。だから医療の技術がある人間を、そこまで連れていかねばならん。万が一、敵と遭遇する可能性も考えれば、メック部隊を随伴させなければならんが……。

 ……すまんが、行ってくれないか?うちの小隊は敵がいる以上、ここから動かせないんだ。」

 

 にやりと笑みを浮かべて、キースは応える。

 

「あなたの隊を動かすわけにはいかないでしょう。あなたが総指揮官なんですから。それに幸いにして、うちの隊には医者がいますからね。

 ……ところで。格納庫で埃を被ってるフェレット偵察ヘリコプターを見たんですが、貸してもらえませんか?先行偵察および万が一の際に緊急に患者を搬送するために。この基地に置いてあるってことは、惑星軍の装備じゃなく、元々の駐屯軍の装備なのでしょう?」

「あれはパイロットが居なくて、放りっぱなしになってた代物だよ?貸せと言われれば貸すけれど、整備も満足にしてないで動くのかい?それにパイロットは?」

「パイロットはマイク少尉とジョアナ少尉が、今手が空いてますからね。それに整備なんですが……。

 すいません、うちの偵察・整備兵分隊長が暇つぶしと助整兵たちの訓練を兼ねて、勝手に弄り回してまして。俺が気付いたときにはもういつでも完全に飛べる状態でした。」

 

 一瞬唖然としたアルバート中尉だったが、苦笑して頷いた。

 

 

 

 そしてキース麾下のバトルメック小隊『SOTS』は、今まさに道なき道を進んでいた。サイモン老操るスナイパー砲車輛と、ジェレミー伍長運転の軽トラック、それにジープと装甲兵員輸送車も一緒について来ている。ジープと装甲兵員輸送車は歩兵小隊――臨時雇いの歩兵たちを合わせて、今は分隊から小隊規模になっていた――のテリー伍長とジャスティン二等兵が運転している。装甲兵員輸送車を運転しているジャスティン二等兵にはその方面の才能があるらしく、ジェレミー伍長よりもよっぽど上手く運転していた。車輛がこれだけ多く付いて来ているのは、バトルメックに乗るだろうメック戦士4名を除いても、14人もの人数を運ばねばならないからである。

 ちなみにエリオット軍曹も付いて来たがったが、彼には臨時雇いとは言えど大事な部下である歩兵たちの訓練を見てもらわねばならなかった。それ故、涙を飲んで諦めたと言う事情がある。

 先行するのはマテュー少尉のウルバリーンとエリーザ軍曹のウォーハンマーのツートップ。その後に車輛群を挟んで、アンドリュー軍曹のライフルマン。殿にキースのグリフィンが付いていた。

 そのとき、先行して偵察していたフェレット偵察ヘリコプターのマイク少尉とジョアナ少尉から連絡が入る。

 

『隊長!レパード級リライアント号発見!敵バトルメック2個小隊に襲撃されています!リライアント号からは『デヴィッドソン装甲巨人隊』と思われる中量級バトルメック小隊が出て戦ってますが、このままでは勝ち目はありません!』

「ジョアナ少尉、敵陣容を報告せよ。こちらはすぐに急行する。それと現場に近寄り過ぎて撃墜されるな。

 サイモン曹長、スナイパー砲車輛はこの位置で停止。こちらからの砲撃指示を待て。」

『了解!』

『了解!敵陣容は、ドラゴン1、ライフルマン1、ウルバリーン1、シャドウホーク1、K型フェニックスホーク1、通常型フェニックスホーク1、ジェンナー1、ジャベリン1です!』

 

 キースは自分の指揮下にある全バトルメックに命令を下す。

 

「全機全力走行!1分1秒でも早く、たどり着け!味方を死なせるな!」

『『『了解!』』』

 

 傭兵小隊『SOTS』のバトルメックは、全力疾走を始めた。

 

 

 

 最初に戦場に着いたのは、マテュー少尉のウルバリーンとキースのグリフィンだった。エリーザ軍曹のウォーハンマーと、アンドリュー軍曹のライフルマンはどうしても機動力という点では先の2機に及ばない。

 

「……と言う位置だ。頼んだぞサイモン曹長。……ほう、いい位置にいるな。」

 

 キースは走行状態から歩行状態に移行すると、グリフィン右手の粒子ビーム砲を照準する。狙うのは丘向こうのライフルマンだ。そのライフルマンはキース機の位置から見て、部分遮蔽状態になっていた。だがあえて、キースは丘の稜線をガイド代わりに使い、ライフルマンの上半身を狙い撃つ。

 粒子ビームが走った。

 次の瞬間、ライフルマンの頭部は消し飛んでいた。マテュー少尉からの賞賛の通信が入る。

 

『凄い射撃技量ですね。私もあやかりたい物です。』

 

 そう言いつつ、マテュー少尉はオートキャノンを乱射しながらウルバリーンを敵陣に突入させる。そしてK型フェニックスホークに隣接すると、6連短距離ミサイルと中口径レーザーを撃ち、更にキックを放つ。オートキャノンは盛大に外れたが、6連短距離ミサイルは6発中5発が敵の左脚に命中し、中口径レーザーもその部位に命中した。その傷ついた脚にキックが命中した瞬間、敵機の左脚は根本から吹き飛んでいた。

 

「充分やるじゃないか。」

『いや、まぐれです、まぐれ。いえ本当に。』

 

 改めて見ると、既に『デヴィッドソン装甲巨人隊』のバトルメックのうち2機、クリントとウィットワースは地に這わされている。通常型とD型の2機のフェニックスホークが、決死の覚悟で最後の戦いを挑もうとしていたところだった。隊長機らしい通常型フェニックスホークから、キースのグリフィンとマテュー少尉のウルバリーンへ、一般回線で通信が入る。まだ相手は基地に一度も来ていないため、秘匿通信の回線登録がなされていないのだから、当たり前と言えば当たり前だが。まあIFFは恒星連邦軍であることを示しているから、敵だと誤解はしないしされない。

 

『助かったわ。特に今のK型フェニックスホーク、脱出した部下を、リシャールを殺そうとしてたのよ。ありがとう。』

『そうだったんですか?脱出したメック戦士を殺そうとは……許せませんね。』

「話は後だ。まだ敵は多いぞ。」

 

 そう、まだ敵はドラゴン、ウルバリーン、シャドウホーク、通常型フェニックスホーク、ジェンナー、ジャベリンの6機が残っている。こちらの数は4機だ。まだ敵の方が有利である。

 

「……マテュー、敵のウルバリーンとシャドウホークを抑えろ。ただし格闘戦は避けろ。『デヴィッドソン装甲巨人隊』の2機、そちらは相当傷ついている。下がって大口径レーザーでの支援射撃に専念してくれるかね?」

『そんなに長くは持ちませんよ。』

『了解よ。ヴェラ、あなたも下がって。』

『は、はい……。』

 

 マテュー少尉機が、全開射撃をしながら戦場を走り抜ける。その射撃はわずかに中口径オートキャノンだけが命中したが、敵をひるませる効果はあった様だ。敵のウルバリーンとシャドウホークは動きを止められる。ジェンナーとジャベリン、通常型フェニックスホークの3機が、味方側の傷ついたフェニックスホーク2機に止めを刺そうとマテュー機を迂回して走り寄った。

 キースは呟く。

 

「甘い。」

 

 グリフィンの粒子ビームがジャベリンを、10連長距離ミサイルがジェンナーを叩く。ジャベリンは右胴に大穴を開けられて、6連短距離ミサイル発射筒を破壊された。一方でジェンナーは右腕の中口径レーザーのうち1基を吹き飛ばされる。キース機は発熱により、操縦席が真昼の砂漠にでもいるかの様に暑くなった。Tシャツとトランクスが、キースの身体に汗でへばりつく。

 『デヴィッドソン装甲巨人隊』の傷ついた2機のフェニックスホークは、ゆっくりと後退しながら大口径レーザーを敵のフェニックスホークへ撃つ。隊長機と思しき通常型フェニックスホークの射撃は当たったが、一番装甲の厚い胴体真ん中に当たる。だが敵のフェニックスホークも、それまでそれなりのダメージを負っていたのか、180mの最大ジャンプで後退した。ジャベリンとジェンナーも、自機に可能な最大ジャンプで後退する。

 

「マテュー少尉、もう少しだけ耐えられるか?」

『ちょっとまずいです。内部構造へのダメージはまだ無いですが、装甲板がかなり傷んできました。』

「わかった、交代するぞ。」

 

 キースはグリフィンを全力ジャンプで前進させる。熱が溜まっているため、それを放熱せねばならないので射撃は無しだ。マテュー少尉のウルバリーンは右手のオートキャノンを撃ちながら、これも全力ジャンプで後退する。2機の位置が入れ替わった。キースはマテュー少尉機との交戦で大きく傷ついた敵ウルバリーンの下半身に、グリフィンの蹴りを入れさせる。敵ウルバリーンとシャドウホークも蹴りを入れて来るが、今回は敵味方共に蹴りが外れた。キースは卓抜した操縦技量で転倒を回避する。敵ウルバリーンも転倒を回避したが、シャドウホークは無様に転倒した。

 

「……!マテュー少尉!K型フェニックスホークだ!まだ奴はやる気だ!」

 

 キースの叫びに、マテュー少尉は反射的にオートキャノンと6連短距離ミサイル、中口径レーザーを、先ほど脚を吹き飛ばして無力化したと思い込んだK型フェニックスホークへと撃ち込んだ。左腕で機体を起こし、味方の通常型フェニックスホークめがけて右腕装備の大口径レーザーを撃ったK型フェニックスホークであったが、その射撃は外れた。そこに6連短距離ミサイルが降り注ぐ。オートキャノンと中口径レーザーは残念ながら外れたが、短距離ミサイルは6発中5発がその左腕へと命中し、既に装甲が削れていたその腕を崩壊させた。これでこのK型フェニックスホークが使える武装は、右腕で機体を起こしたとしても胴中央の小口径レーザー1門であり、近接射程に入らなければ全く攻撃力は無いも同然だ。今度こそこの機体は無力化された。

 そこへ2条の粒子ビームと、2射の中口径オートキャノン、1本の大口径レーザーの光条が降り注ぐ。キースのグリフィンを2機がかりで叩こうとしていた敵のウルバリーンとシャドウホークに、それぞれ1本の粒子ビーム、2発のオートキャノンが命中した。敵が動揺を見せる。エリーザ軍曹のウォーハンマーと、アンドリュー軍曹のライフルマンが到着したのだ。駄目押しに、遠距離から時々しか当たらない支援射撃を行っていたドラゴンに、スナイパー砲の砲弾が命中した。

 

ヒュウウゥゥ……、ドガッ!!

 

 ドラゴンはたまらず籠っていた高地を捨て、逃げに入った。重量差は既に逆転している。ウルバリーン、シャドウホーク、通常型フェニックスホーク、ジェンナー、ジャベリンは戦意を喪失して最大ジャンプで逃げ出した。キース達は追い撃ちに各々の武装を一連射だけする。シャドウホークの右胴と左胴に何発か背後から命中し、中口径オートキャノンと5連長距離ミサイル発射筒を吹き飛ばしたものの、それで敵には逃げられてしまった。だが今回は、敵を殲滅するのが目的ではない。

 キースは戦闘の片が付くまで遠ざけていた車輛群を呼び寄せる無線連絡を行うと、『デヴィッドソン装甲巨人隊』の通常型フェニックスホークに一般回線で通信を入れた。

 

「仲間達は全員無事かね?」

『ええ、おかげさま。私は小隊長のアーリン・デヴィッドソンよ。階級は中尉。』

「こちらは傭兵小隊『SOTS』のキース・ハワード中尉だ。よろしく頼む。医者を連れてきた。と言っても、うちの部隊の隊員なのだがね。

 ……と、忘れるところだったな。」

 

 グリフィンが、K型フェニックスホークに歩み寄る。そしてその粒子ビーム砲を、頭に突き付けた。キースは外部スピーカーで降伏勧告を行う。

 

「お前の仲間どもは逃げた。大人しく降伏しろ。」

 

 K型フェニックスホークの頭部装甲が開いた。両手を上げて、メック戦士が出て来る。

 

「……わかった!降伏するから撃つな!アレス条約に則った扱いを!」

『脱出したメック戦士を殺そうとしたくせに、勝手なこと言うわね。』

「あ、あれは命令されてやったんだ!俺の意志じゃないんだ!」

 

 K型フェニックスホークのメック戦士は、アーリン中尉のフェニックスホークに向かい、必死に命乞いをする。キースはこの男に言った。

 

「お前には、聞きたい事が山ほどある。その返答次第では……。」

「……わかった、何が聞きたい?」

「それは基地に帰ってからだ。お前を恒星連邦ドリステラⅢ駐屯軍基地まで連行する。」

「今更抵抗はしない。何処へでも連れてってくれ。」

 

 男はふて腐れた様に言った。

 

 

 

 大怪我をしたレパード級降下船リライアント号の船長以下船員たちは、結局緊急処置をされた上でフェレット偵察ヘリコプターで、設備の整った医療施設のある基地まで運ばれた。鹵獲したバトルメック及び擱座した『デヴィッドソン装甲巨人隊』のバトルメックは、キースたちの機体で駐屯軍基地まで運ばれた。

 リライアント号については、修理が可能かどうか調べ、不可能ならば使える部品を回収するために、後日整備兵が送り込まれる予定だ。ただし降下船付きの整備兵の見立てでは、一応短い距離を飛べるようにするのは、難しいが不可能ではない、とのことである。短い距離でも飛べれば、駐屯軍基地まで動かせるし、そうすればもっと詳しい調査が可能だと思われた。

 だが不可解なのは、敵の思惑である。リライアント号を襲ったのは、孤立したこちら側の戦力の一部を、各個撃破しようと言う物であろう。だが残り1個小隊が、まったく姿を現していないのだ。これがゾディアック号の守備に就いているのならば、まだわかる。だがそうでなかった場合は……。確保した捕虜の尋問は、重要な任務になりそうである。




来援予定の味方戦力は、これで全て惑星上に揃いました。ただ、やってきたアーリン中尉の小隊は半壊してますが……。でもなんとか、死者は出ませんでした。
さて、敵の思惑はいったい何でしょうか。次回をお楽しみに。
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