(……仇討ちと「宿敵」関係に関しては一区切りついたけど、まだ仕事は終わりじゃないんだよな。)
3025年11月4日、この日キースは惑星軍の各責任者と、惑星軍ドリステル本部基地の奪還について会議を開いていた。現時点でこの場にいる惑星軍のうちでは最上位者の、アルフォンス・フリーマン大尉が発言する。
ちなみに彼は大尉であるが、大隊クラスの歩兵戦力を指揮下に収めている。だが佐官クラス以上の高級士官になるための教育を受けていないことで大尉以上には現状なれない。そのためもあってか、最上位者ではあっても他の部隊の責任者に対し遠慮がある様だ。
「惑星軍歩兵部隊は、駐屯軍が敵戦力の大半を引き付けてくださったおかげもありまして、無事惑星首都ドリステルを敵ドラコ連合の手より取り戻すことに成功いたしました。
更に直後、メック小隊を派遣していただきまして、残敵の侵攻を防いでいただいたことに付きましては、まことにありがたく。まずはお礼申し上げます、ハワード大尉。」
「いえ、駐屯軍基地の防衛に際しましては、惑星軍バトルメック部隊および機甲部隊のご助力あっての結果です。首都奪回に関しましても、惑星軍歩兵部隊の輝かしい戦果でしょう。こちらこそお礼と、お祝いを申し上げます。フリーマン大尉。」
「ありがとうございます。」
アルフォンス大尉は、型通りの挨拶の後に本題に入る。
「ところで惑星軍本部基地の奪還作戦についてですが……。」
「はい、敵には未だ1個小隊規模のバトルメック戦力が残存しています。むざむざ逃がしてしまったのは残念ですが、あの時点では表面上はともかく内実は、駐屯軍および惑星軍のバトルメック戦力も機甲部隊も継戦能力が限界に達しており、追撃をかけることは困難でした。
本部基地奪還作戦におきましては、駐屯軍としては万が一を考えて、駐屯軍バトルメック部隊および機甲部隊の全力出撃を予定しております。ただこの基地が空になるのは問題ですので、駐屯軍歩兵部隊および惑星軍からお借りしているメック部隊のうち8機と、惑星軍機甲部隊は連れていかず、この基地に残したいと考えております。
連れて行く惑星軍メック部隊には、再度こちらの予備バトルメックを貸し出す予定です。またいざと言うときには急遽1個小隊だけでも帰還できるように、首都ドリステルにレパード級降下船を配置しておく予定です。」
基地に残す予定なのは、貸し出した予備メックの損傷が大きかった遊撃担当組と、マッキー改、サイクロプス改の試験機組だ。予備メック損傷組は流石に戦力足り得ないし、試験機組は機体を酷使したことで不具合が怖い。
それにメック戦士の子供たちも、前回の戦いで貢献できたことで精神は落ち着いている。無理に戦力にならない者を戦場に引っ張り出す必要は無かった。
惑星軍機甲部隊の戦車兵の長であるジョニー・カートライト大尉待遇中尉が手を上げて発言を求める。議長役を兼ねているキースは発言を許可した。
「発言を、カートライト大尉待遇中尉。」
「ありがとうございます。敵が1個小隊であるならば、いささか過剰戦力かと思われますが……。」
「いや、敵にはまだユニオン級3隻が残っている。ひどく斜めに傾いでいるため、砲撃管制室も斜めになっており、その状態で兵員がまともに砲撃ができるかは不明だ。だが万一ユニオン級から砲撃があった場合のことを考えれば、できる限りの戦力を連れて行きたい。」
ここでキースは、アルフォンス大尉の方へ顔を向ける。
「作戦に参加予定の惑星軍歩兵部隊には、各施設の占拠だけでなく、いざという時のユニオン級への突入作戦も考慮に入れていただきたい。無論、メック部隊や機甲部隊の支援の下での話です。」
「了解しました。」
「なるほど、納得いたしました。申し訳ありません、浅慮でした。」
「いや、かまわない、カートライト大尉待遇中尉。それで作戦の実施時期だが……。」
キースがそう言いかけたときだ。会議室の卓上に置かれた内線電話が鳴る。キースは受話器を取り上げた。
「こちら会議室、キース・ハワード大尉。……なに?わかった。情報収集を急げ。」
キースは受話器を置くと、会議室の一同に向かい、語った。
「惑星首都ドリステル南端にて敵占拠下の惑星軍本部基地を監視中の火力小隊より緊急連絡が来ました。敵から降伏の軍使が来たそうです。ただ厄介なことに……。軍使の話では、降伏をよしとしない者達が夜闇に紛れて持てる限りの物資を持って本部基地を脱走、行方を晦ましました。その中には件のメック戦力も含まれているそうです。」
会議室の一同は、騒然となった。
惑星公爵、ザヴィエ・カルノーは映像通信回線を繋いだ指令室スクリーンの中で、キースの報告に難しい顔をした。ちなみにザヴィエ公爵は惑星首都奪還後、首都にある自らの邸宅に帰還している。
『むう、それは困ったの。バトルメック1個小隊と整備兵数名に歩兵が1個小隊弱とは言え、ゲリラ化されたら厄介じゃ。』
「申し訳ありません、閣下。あの時、無理をしてでも追撃しておけば……。」
『いや、大尉を責めておるわけでは無いわい。気にせんで良い。あの時はわしも指令室におったからのう。味方戦力が、見た目はともかく継戦能力に限界が来ておったことぐらい、わかっておる。あの時点で追撃を断念したのは、当然じゃよ。』
捕虜からの尋問結果と、敵のユニオン級降下船に残されていたデータなどを纏めた書類を手に、キースは逃亡者たちの陣容をザヴィエ公爵に伝える。
「55tウルバリーンに搭乗しているメック戦士、ガストン・ゲージ大尉が首謀者です。元『アルヘナ光輝隊』のメンバーですね。そして追随した55tシャドウホークのメック戦士、テオドゥーロ・アダーニ少尉もまた、『アルヘナ光輝隊』のメンバーだった者です。彼らに従った整備兵たちは全員が、元々彼らの郎党か他の『アルヘナ光輝隊』メンバーの郎党だった模様です。
更に60tオストソルに乗るメック戦士ソウイチロウ・タカギ少尉、50tエンフォーサーに乗るメック戦士ディン・ジタァオ軍曹、この2名は故ハリー・ヤマシタの配下で、元失機者の特殊部隊員と思われます。傭兵大隊『BMCOS』を正式な休戦時間中に攻撃し、非戦闘員まで纏めて殺害した疑いがかかっています。この2機のバトルメックも、骨格構造の製造番号の記録から『BMCOS』のバトルメックであったことが判明しております。
一方で共に脱走したキヨシ・ハバ少尉率いる対メック歩兵小隊25名ですが、単に感情的に降伏することに反対していただけであった様です。自身には特に深い考えもなく、降伏論に傾くユニオン級3隻の船員たちに反発し、盲目的にバトルメック部隊に付き従った模様です。離反して残った3名の歩兵が証言いたしました。クリタ家至上主義にかぶれた、危険な連中です。」
『むう、いずれにせよ、追い詰められて何をするかわからぬ輩じゃということじゃな?厄介なことじゃのう。整備兵、歩兵1人1人までの名前や顔写真まで含めた情報を、送ってくれるかの?即刻指名手配するでの。』
「はっ、すぐにデータを送らせていただきます。オペレーター!」
「了解しました!」
オペレーターたちがキースの手元にある書類と同じデータを首都の政庁と公爵邸に送信する。本当は惑星軍が行うべき作業なのだが、惑星軍本部基地は未だ取り戻されたばかりで機能回復しておらず、しかも色々荒らされており復旧の見通しが未だ立っていなかったのだ。それもあって惑星軍への命令権の、駐屯軍への委譲は、未だ解除されていない。
ザヴィエ公爵は、眉根を寄せて愚痴を呟く。
『しかしのう……。こうなると、農業振興ばかりで教育をおろそかにしてきたツケが痛いわい。手配書を回しても、文面を読めない者が多いからのう。識字率が4割に届くか届かないかと言うところじゃて……。
しかも文字が読める者は首都およびその近郊に集中しておる。たぶん端っこの方でも、村落1つに何人かは読める者がおるはずなんじゃがのう……。』
(……前にも思ったけど、よくコンバインやトラクターなんかの農作業機械を扱えるな。マニュアル、読めないんだろ?定期的な講習会でもやってるのかな?)
『いや、暗い話ばかりしていても仕方ないの。少しは明るい話もあるわい。恒星連邦に、一時首都と惑星軍本部基地を占拠されたが、駐屯軍と惑星軍の協力の下、ドラコ連合軍を罠にはめて壊滅させたと報告したんじゃがの。
恒星連邦では今回の件を重く見て、しばらくの間この惑星の防備を厚くすることになったんだそうじゃ。で、援軍として用意していた大隊を、追加の駐屯軍として送り込んでくることになったそうじゃよ。約1ヶ月後じゃがの。
けれどのう。こちらの戦力が戦車と新兵の1個中隊に、唯一まともなバトルメックが駐屯軍の1個中隊だけで、増強大隊規模の歴戦の敵を一蹴したと言ったら、かなり驚いた様子の返信が戻ってきよったわ。いや愉快、愉快。』
苦笑しつつ、キースは言葉を紡ぐ。
「はい。いいえ、こちらは地雷原や間接砲の支援もありましたし……。それに一蹴とまで言われるほどでは……。こちらの継戦能力も限界に来ていましたし。
ところで派遣される追加の駐屯軍が大隊と言う事は、司令官は少佐か中佐ですね?となると、我々は追加の駐屯軍が来てからの残りの契約期間1ヶ月は、その指揮下に置かれることになるのですね。」
『うむ、それについては申し訳ないが……。MRBを介しての貴傭兵部隊の、恒星連邦政府との契約の問題も絡んで来るのではっきりとしたことはわからんが、そうであった場合そうして貰えんか、大尉?窮屈かもしれんがの。』
「はっ、閣下。それは当然のことですから。ただ、場所はどういたしますか?大隊規模の戦力となると、この基地では……。今でさえ、惑星軍との同居で手狭になっていますが、惑星軍が本来の場所へ戻ったといたしましても、我々の部隊に加えて1個大隊となると、到底ここの設備では……。」
その言葉に、ザヴィエ公爵は少しだけ困った様な顔になった。
『うむ。それだけではなく、駐屯軍予算のうちで惑星政府が出している分の予算も不足しよるの。この惑星の経済力では、恒星連邦に基本面倒を見てもらった上で、1個中隊強の駐屯軍をどうにかするので精一杯じゃ。
ただ予算に関しては、恒星連邦政府の方でなんとかする、と言質は取っておるので、たぶん大丈夫じゃが……。問題は場所じゃの。』
「最悪、我々の部隊がこの基地を明け渡したとしても、1個大隊では手狭もいいところです。我々の部隊は本当に最悪の場合、惑星首都ドリステルにある宇宙港ドリスポートに降下船4隻を置き、降下船自体を施設代わりに使えますが。契約が終わるまでの1ヶ月間だけの話ですし。」
『その問題については、恒星連邦政府でもわかっておるはずなのじゃ。一応問い合わせてみるが、コムスターのHPG施設を介してのメッセージは早いが値段が高くての。かと言って商用降下船を通じての手紙のやりとりでは遅くてたまらんからの。
その上、一時的にとは言え首都が制圧されておったため、この惑星への商用降下船は一時休止されてしもうた。大損害じゃ。いや、そうではなくて、やはりコムスターのHPG施設を使わねばならんと言うことじゃな。やれやれじゃ。』
キースは内心で深く同意する。キースは以前、サイモン老の恒星連邦政府高官への伝手を使うため、HPG施設からメッセージを送ったことが2~3回あったのだ。
(できるだけ文面を削った、あの昔の電報みたいなメッセージであれだけ高いんだ。戦闘報告書みたいな莫大なデータ添付して送ったら、どれだけになることやら……。)
『さて、話を戻すが逃げた奴らの捜索じゃの。惑星政府と惑星軍でも鋭意捜索するが、駐屯軍でも可能な限りの手段は取ってほしいのじゃが。』
「それは当然です。駐屯軍は外敵からこの惑星を守るために駐屯しております。奴らはその外敵の残滓です。現在も偵察兵を派遣し、バトルメックの足跡などから逃走方面を特定せんとしております。
また修理の完了した4機の気圏戦闘機を偵察に飛ばす準備も整っております。場所が判明次第、レパード級降下船にて火力小隊を派遣する準備も整っておりますれば。
ですがそれ以上になりますと、この惑星に根を張らない我々傭兵部隊では難しくもあります。」
そう、傭兵中隊『SOTS』所属の偵察兵、ネイサン軍曹とアイラ伍長は、この間部隊の予算で購入したばかりのスィフトウィンド偵察車輛を駆り、逃げたバトルメックの足跡を追跡していた。
今のところ、惑星首都ドリステルの南にある惑星軍本部基地から出たその足跡は、首都ドリステルを大きく西側に迂回して、駐屯軍基地とは反対側の首都北方へ逃走したことがわかっている。問題は首都北方には森林地帯が存在することだ。そこに逃げ込まれては足取りを追うのがひどく難しくなる。
『うむ。幸いにして、と言うのも何じゃが……。縄張り意識ばかり強い議会の者どもも、一時期首都を占拠されておったのがよほど応えたのじゃろうて。おそらくは今ばかりのこととは思うが、協力的になっておるの。この際に駐屯軍と惑星軍の間における、様々な協力体制の前例を作ってしまうとしよう。』
「はっ。何よりもまず、情報の共有化が肝要かと存じます。」
『今までの様に、レーダー情報を送るだけで申請書類が山ほど必要な状態は、なんとしても改善せねばの。』
キースとザヴィエ公爵は、人の悪い笑みを交わした。オペレーター嬢たちが冷や汗を流したのは言うまでもない。
3025年11月6日、やはり彼の逃亡者たちは、首都北方にある森林地帯に逃げ込んだと思われた。キースは司令室で書類仕事をしながら、一人悩む。
(まいったな。火力小隊のうち2機はジャンプジェットを搭載していないから、森林戦は不向きだ。かと言って偵察小隊を派遣するのは機体総重量的に不利だしなー。奴らの機体のうち3機がジャンプジェット搭載機だし……。
それ以前に、森林内にレパード級降下船が降りられる場所って無いだろ。森の外に機体を降ろして歩いて入らせるしか無いじゃないか。いっそのこと、ユニオン級を使って火力小隊と偵察小隊をいっぺんに送り込むか?
だけどまだ、奴らの位置を特定できたわけじゃないし。まずは衛星写真の解析と、気圏戦闘機による高高度偵察だよな。ああ、あとネイサン軍曹とアイラ伍長はどうするべきかな。森林内の集落を訪問させて情報を集めさせるか。奴らがメック4機と兵員輸送車6台で持てる限りの物資を持っていったからって、いつまでも食糧が続くわけじゃなし。必ず物資をどこかから調達しようとするだろう。)
とりあえずキースは気圏戦闘機による、北方の森林地帯における高高度からの偵察を命じることにする。彼は指令室まで内線電話をかけようとする。しかしそこでキースは凍り付いた。
(……森林はメックの移動力が著しく制限される。それに影響されないジャンプジェット装備の偵察小隊では重量比的に不利。俺が奴らの指揮官だとして、欲しい物はなんだ?食糧などの物資?いや、それでは結局は行き詰るだけだ。奴らが本当に欲しい物は……。
奴らの航宙艦は補給ステーションの無いジャンプポイントであるゼニス点に来た。と言うことは、奴らの航宙艦は再充電のために、まだジャンプポイントにいる可能性がある?となると、まさか。まさかそのために、いや、そこまでするか?いやこの場合、最悪に備えた方が……。)
いきなりキースは立ち上がると、指令室まで走り出した。やがて彼は指令室に辿り着く。キースの代理として指揮を取っていたアーリン中尉が、驚いた目でキースを見遣る。
「キース大尉、いったい……。」
「すまん、アーリン中尉。話は後だ。オペレーター!惑星公爵邸に回線を繋げ!」
オペレーターは、慌てて公爵邸に通信を繋ぐ。やがてザヴィエ公爵が指令室スクリーンに映った。
「おくつろぎのところ、申し訳ありません公爵閣下。今はまだ確実性の低い話なのですが、件の逃亡している第4アン・ティン軍団C大隊の残党が、事件を起こす可能性がございます。奴らが逃げ込んだと思われる北方の森林地帯内部の主だった集落に、至急避難命令を出していただけないでしょうか。」
『……突然じゃのう、ハワード大尉。いったい……。いや、今少し待て大尉。何事じゃいったい、今わしは大事な通信を受けている最中じゃぞ……。』
ザヴィエ公爵は、画面外の誰かから話しかけられた様で、しばらく画面から消える。戻って来たとき、公爵の顔は厳しく顰められていた。
『……遅かったわい。森林内部の3つの集落が、あ奴らに襲撃を受けた。確認に行った偵察隊によると、生き残りはおらん。3つの集落のうち最大の1つにのみ設置されておった電話を使い、あ奴らの犯行声明が送られてきたそうじゃ。
曰く、「これはトマス・スターリング少佐とハリー・ヤマシタ中佐を殺したことへの報復」だそうじゃ。おのれ、恥知らずめ。無辜の民人を徒に害した上にその言いよう……。大尉!即刻あ奴らのそっ首叩き落し……。
い、いや済まなんだな大尉。お主の指揮権に介入するつもりでは無かった。』
「はっ。いえ……。奴らが森林地帯に逃げ込んだと知った時点で思いつけなかったのは、自分の失策でした。おそらく奴らの目的は、スターリングやヤマシタの復讐などではありません。こちらを挑発して怒らせ、おびき寄せることこそ、奴らの狙いなのです。」
『なんじゃと?』
アーリン中尉が息を飲む。キースはその時、おどろおどろしい鬼気を纏っていた。だが彼は拳を握りしめ大きく息を吐くと、一瞬で平静を取り戻す。ただしその眼光だけは剣呑な物を宿していたが。キースは自分の推測を語る。
「やつらの狙いはおそらく、こちらが最大の速度でなおかつ動かせる最大の戦力で、現地に向かうことです。それにはレパード級降下船ヴァリアント号を使い、指揮小隊を乗せるのが、一番最速の手段でしょう。
そしてジャンプジェットを装備していない指揮小隊が森林の奥深く分け入った隙に、敵は降下船を狙って手に入れるつもりでしょう。そうやって、奴らはドラコ連合に帰るつもりなんです。」
『馬鹿な!そんなあやふやで綱渡りな作戦が……。いや、そうか。そんな作戦とも言えん作戦に頼りたくなるほど、奴らは追い詰められていると言うことか……。しかしそんな馬鹿な考えのために、わが民が殺戮されたというのか……。』
「無論、単なる推測です。ですが、実際に凶行は行われてしまいました。」
ザヴィエ公爵は一言唸り声を上げると俯いて沈思する。そして再び顔を上げたとき、その瞳には怒りと共に、聡明な光が戻っていた。
『大尉、頼めるかの?』
「はい。ちょうどサイモン曹長が物のついでで応急修理した機体に、ちょうど良い物がございます。それが使えるでしょう。……あの無法者どもに、報いをくれてやりましょう。」
キースは獰猛な笑みを浮かべた。
逃走した連中、やってはいけない事をやってしまいました。主人公や惑星公爵の怒りは頂点を突破しています。次回、無法者に報いが下ります。