オーバーゼアー城の城門前に、4機のバトルメックが集まっていた。とは言っても、出撃ではない。先頭に立っていたキースのマローダーから、その全員に向けて通信が入れられる。
「これより貴様らお待ちかねの、実機訓練に入る。嬉しいだろう?」
『『『はい!!』』』
「よし、良い返事だ。ただしシミュレーターと実機では、実際にかかるGや衝撃の大きさなど、随分違う点もある。また、事故が起きる危険も比べものにならん。そのことを常に念頭に置いておけ。事故には充分に注意しろ。
バトルメックを傷つけるのは勿論、貴様ら自身の身体にかかっている経費も既に相当な物になっている。バトルメックを壊したり、貴様らが死んだりすれば、それは部隊にとって極めて大きな経済的損失となる。万が一の際でも自分が死ぬだけだ、などと軽く考えるなよ?
それではレッスン開始だ。まずは城の周りを、俺が良いと言うまで周回マラソンだ。ただ走るだけ、などと舐めるなよ?俺が先頭に立って、テンポを変えたり左右に機体を振ったりして走行するから、貴様らはその通りに機体を制御してみせろ。機体の制御が無意識にできる様になるのが目標だ。
では付いて来い!」
『『『了解!!』』』
キースはマローダーをいきなり全速で走行させる。その後をイヴリン訓練生のサンダーボルトが、そしてエドウィン訓練生のウィットワースが、エルフリーデ訓練生の同じくウィットワースが、必死で追走した。キースはいきなり大声で歌い始める。
「速い~、速いぞローカスト~♪地平の果てまで走ってく~♪あっと言う間に……。
こら、貴様らも歌わんか!言ったろう、機体の制御が無意識にできるのが目標だと。歌いながらでも機体を楽に制御できるようになれ。ただしくれぐれも事故は起こすな。」
『は、はい!速い~、速いぞローカスト~♪』
『『地平の果てまで走ってく~♪』』
マローダーは、ダンスの様に機体を左右に蛇行させ、あるいはゆっくり歩き、突然ダッシュする。しかも通信回線から響くキースの歌声に合ったリズムで動いていたかと思うと、いきなりそのリズムからずれた動作をして見せたりもした。まるで曲芸の様である。
訓練生たちは、必死でその動きに付いて行った。時々歌声が途切れたり操縦をミスしたりすると、キースから容赦なく叱責が飛ぶ。訓練生たちの気力体力は、ごりごりと削られて行った。
やがて城の周囲を何十周かした時点で、キースはマローダーを停止させた。後ろから、いかにもよたよたと、サンダーボルトと2機のウィットワースが追いついて来る。訓練生たちのメックも、所定の位置に停止した。
キースはマローダーの操縦席にある小さな通信用モニターで、各訓練生の様子を確認した。全員満面に汗を流し、かなりへばっている模様だ。よく見ると、肩で息をしている。キースはその様子に対し、苦笑しつつ思う。
(まだまだだなー。このぐらいでへばっていたら、メックで長距離行軍とかはできんぞー。……スティンガーがあれば、それで長距離行軍訓練とか組むんだがなあ。あれはきついぞー。なんせ操縦席が異様に狭いからな、スティンガーは。)
特にキースは体格が馬鹿らしいほど大きかったため、メック戦士養成校の備品であったスティンガーに押し込まれての長距離行軍訓練では、かなり厳しい目にあった。あの当時からまた身長が伸びたため、もはや今のキースの体格では、スティンガーに乗るのは困難であろう。
(あと、カメレオン練習機があればなあ……。実機演習にはあれがあると物凄く楽なんだが。ま、それは考えないことにしよう。それとメックによる長距離行軍訓練も、今のところ見合わせだな。ドラコ連合軍がこの惑星に巣食ってる現状じゃ、下手すると訓練中に即初陣なんてことになりかねん。
……お。)
突如響いた轟音に、キースは物思いから立ち戻る。彼が轟音の方を見遣ると、今まさにオーバーゼアー城の離着床から部隊のユニオン級降下船ゾディアック号が、はるか宇宙目指して飛び立って行くところであった。
ゾディアック号は、6日かけてこの惑星ネイバーフッドが属する星系のジャンプポイントの1つゼニス点に向かい、そこでマーチャント級航宙艦クレメント号とランデブー、ドッキングする。そして一度惑星ガラテアに向かい、そこで新規の部隊員を募集し、それが終わりしだい今度は恒星連邦の惑星ロビンソンに向かう。
惑星ロビンソンではキースの恩師、レオ・ファーニバル教官が手配してくれたメック持ちでない『ロビンソン戦闘士官学校』卒業者を乗せ、そしてこの惑星ネイバーフッドに戻って来る予定なのだ。
ちなみに惑星ガラテアで募集する新規の部隊員は、メック戦士だけではない。できるならば気圏戦闘機を持った航空兵も、6名を上限に雇用するように指示されているし、最も重要なのは4名の降下船副長の務まる航法士を新規採用することであった。そう、4名の降下船副長である。
キースたちが先の戦いで鹵獲したビュート・ホールド海賊団の2隻の降下船、ユニオン級レパルス号とレパード級スペードフィッシュ号は、同じく鹵獲した敵のバトルメック8機と共に、混成傭兵大隊『SOTS』が接収していた。
この降下船の船長に、今までレパード級降下船ゴダード号副長であったオーレリア・レヴィン准尉および同級ヴァリアント号副長であったイングヴェ・ルーセンベリ准尉が、各々少尉に昇進して就任することになったのである。それ故、合計4隻の降下船副長が、新たに必要となったのだ。
キースは感慨深げに息を吐く。
(ふう……。降下船が増えたなあ。またアーダルベルト艦長や、今度はイクセル艦長にも頼んで、また新たな航宙艦と契約できないか打診してもらわないと。ああ、でもそれらの維持費を稼ぎ出すためにも、メック部隊を更に拡張しないとなあ。少なくとも、第3メック中隊が編成できるぐらいには。)
この降下船やバトルメックの『SOTS』による接収が実現したのは、今回の契約条件が『SOTS』に対して非常に有利であったことがその理由である。この契約を結ぶ際、契約条件が可能なかぎり『SOTS』に有利になるように、キースの親友ジョナス・バートン伯爵の忠実な執事であるロベール・マクファーソンを始めとしたジョナスの派閥の人間が、色々と骨を折ってくれたのだ。
この契約によると、通常の戦闘における戦利品はライラ共和国が接収し、それに応じた報酬をSHビル――ライラ共和国の継承王家、シュタイナー家が発行している通貨――で支払うことになっていた。
しかし敵が無法者であった場合は話が異なる。敵が無法者であった場合は、身代金などと引き替えにしてバトルメックや捕虜が返還される可能性が、極めて低い。そのため危険手当と言う意味で、無法者との戦闘ではより一層、雇用された傭兵部隊すなわち『SOTS』に対し、有利な条件になる様になっていた。
敵が無法者であった場合、戦闘一時金などが支払われない。その代わりに戦利品は、全て『SOTS』が接収することが認められていたのである。
(……前回の戦闘で鹵獲したバトルメックをウチの部隊で接収できたのは大儲けだけど、すぐに完全修理するには現金が足りないなあ。『SOTS』の現金のかなりの部分が、恒星連邦のDHビルだから、ここライラ共和国じゃあ両替しないといけないしなあ。
と言うか、両替手数料が10%は痛すぎる。Cビルは、いざというときのために残しておかないといけないし。前々回までの戦いの報奨金として貰ったSHビルは、既に大半が給与やボーナスと、既に持ってるメックの補修部品や予備部品に化けたしなあ。
まあ、まだ無理に修理する必要はないか。今の段階だと、メック戦士のいないバトルメックが多すぎるし。それより今は訓練生たちだ。)
キースは意識を訓練生たちの方へと戻す。
「そろそろ息も整ってきた様だな。なら次はエネルギー兵器による実機での射撃訓練に移るぞ。なお模擬弾の手配が間に合わなかったので、実弾兵器による射撃訓練はまた後日だ。それと何度も口を酸っぱくして言うが、事故には注意しろ。
ことに今度扱うのは、実際にメックにもダメージを与えることの可能な、歴とした本物の武器だからな。間違っても味方メックや城の城壁に砲身を向けるなよ?
さて、城の裏手に仮設の射撃場を準備してあるから、そこまでメックによる駆け足で移動するぞ。さあ付いて来い!」
『『『了解!!』』』
訓練生たちの元気の良い返事に満足したキースは、再び大声で歌い始める。
「波の向こうに~♪スティンガーLAMの頭が見える~♪林の陰にはワスプLAMの~♪……歌わんか!!」
『な、波の向こうに~♪』
『スティンガーLAMの~♪』
『頭が見える~♪』
キースの朗々とした歌声、訓練生たちのやや苦しげな歌声と共に、彼らのメックは城の裏手まで駆けていった。
城の本部棟のシャワールームがちょうど一杯だったので、キースは宿舎のシャワールームまで出向いて汗を流していた。流石に放熱器が多いマローダーの操縦席であっても、やはり冷却チョッキか冷却パイロットスーツが無いと大量に汗をかく。もっともキースの巨体に合う冷却チョッキや冷却パイロットスーツが発掘されたという噂は、まったく聞かないが。
なにはともあれ、キースはシャワーを最大にして全身を洗い流していた。と、そこへ隣のシャワーの個室から声が聞こえてくる。
「うわちゃ!いってー、染みるー。あー、メック座席の固定ベルトの跡が、痣になってやがる。実機はやっぱり、シミュレーターとはGが違うなー。けど、キース少佐って厳しいと言うかなんつーか……。サドじゃねーのかね。」
「あー、エドウィン訓練生。貴様は上半身裸でメックの座席に座っていたが、Tシャツぐらいは着た方が良いぞ。汗をわずかなりとも吸ってくれるし、貴様が今痛い目を見た固定ベルトの締め付けによる跡も、Tシャツの生地を挟めば多少は楽になる。」
「え゛っ!?うわっ!少佐がぼげぼごぼっ!?」
どうやら隣の個室に入っていたエドウィン訓練生は、驚いた拍子に顔面に真正面からシャワーを浴びたらしかった。キースは苦笑する。
「えほっ、げほっ、しょ、少佐!いつからそこにいらっしゃったんですか!?」
「貴様より先にいたが。」
「そ、そんな……。」
どうやら陰口を聞かれたことで、エドウィン訓練生は絶望しているようだ。キースは今度は、声にだして笑う。
「くっくっく……。しかし、サドとは言ってくれるな。これでも俺がメック戦士養成校のとき受けた訓練よりかは、随分優しくしているのだがな。」
「ええっ!?あれで!?」
「貴様たちはまだまだ成長期で、身体が出来上がっていない。下手なトレーニングを課すと、成長を阻害したりするからな。それに今の段階で身体に無理を強いると、後々一生ものの故障が残ったりもする。」
もっともキースはメック戦士養成校就学中に、随分と身体が大きくなっていたため、キースの恩師レオ・ファーニバル教官はさほど、と言うかまったく手加減してくれなかったのではあるが。しかしその強烈な教導を受けてもキースの肉体は成長を止めず、ついには操縦席の狭いスティンガーへの搭乗が困難なぐらいになってしまった。キースは再度苦笑する。
「まあ何にせよ、あれ以上優しくしてやるつもりは全くない。貴様たちが訓練不足で死ねば、以前も言った通り貴様らの訓練にかけて消費したわが部隊の資産は、まったくの無駄になる。それ以上に、戦場で貴様たちが死ねば、貴様たちの戦友も巻き添えで死ぬかもしれんのだ。戦場でバトルメックが1機欠けるというのは、それだけ意味合いが大きいことを肝に命じておけ。」
「は、はいっ!!」
キースはシャワーを止めて、ざっとタオルで身体を拭き、そのタオルを腰に巻いて個室を出る。隣の個室からも、エドウィン訓練生が出て来た。たしかにメック操縦席シートの固定ベルトの跡が、痛々しい。エドウィン訓練生が、目を見張る。
「うわ……。少佐、すごい筋肉ですね。いったいどんな鍛錬をしたら、そうなるんですか?」
「むう、俺の場合は先天的な体質が大きいな。ただ、筋力トレーニングとプロテインは欠かさなかったが。」
「そうか、筋力トレーニングとプロテインか……。」
エドウィン訓練生の台詞に、キースは眉を顰める。
「あー、先ほども言ったが、身体ができあがらないうちに無茶なトレーニングをすると、身長が伸びなくなる危険があるぞ。筋力トレーニングをやるのをとめたりしないが、ほどほどにしておけ。特にスクワット系や、ウェイトを使ったジャンプを伴うトレーニング法、瞬間的な負荷が大きい運動は避けろ。」
「そ、そうですか……。了解しました……。」
「ただ、無茶じゃない範囲の筋力トレーニングならかまわん。と言うか、奨励する。まあ、ほどほどにしっかり頑張るんだな。ただし基礎教養の授業や軍事知識の座学、メック操縦訓練に支障が出るようなら、禁止するからな。」
「はっ!!了解です!!」
キースはシャワー室を出てさっさと着替えると、宿舎から出て本部棟に向かった。
司令執務室で大量の書類の山に埋もれて、キースは仕事を小休止してグリーン・ティーを啜っていた。無論、書類に茶を零す真似はしない。そこへ、机上のインターホンが鳴る。キースはそのスイッチを入れた。
「誰か?」
『アンドリュー曹長だ、隊長。エリーザも一緒だぜ。』
「入室を許可する。入れ。」
アンドリュー曹長とエリーザ曹長が、入室して来る。彼らは入ってくるなり、口々に言った。
「隊長、エドウィンに何か言ったか?なんかやたら張り切って、筋力トレーニングに励んでるんだけどよ。俺としては、表面の筋肉だけじゃなしにインナーマッスルも鍛えさせたいんだけどな。」
「エルフリーデもエドウィンに感化されたのか、妙に筋力トレーニングについて質問してくるのよ。隊長、なんか良い本ないかしら。あたしもそこまで詳しいわけじゃないから。」
一瞬唖然としたキースであったが、なんとか再起動を果す。
「あー、まずはエドウィン訓練生の件からだな。特に何かを言ったわけじゃないんだが、筋トレに興味を示していたので、無理ない範囲で頑張れとは言ったが……。ちょっとまってろ。」
キースはそう言うと、レポート用箋を取り出して2枚切り取る。そして左右の手で1本ずつペンを持って、2枚の紙にばばばっ!と高速で何かを書きつけていった。そして彼はその紙をアンドリュー曹長に手渡す。
「一応、インナーマッスルとアウターマッスル両方を効率よく鍛えられるメニューを書き出してみた。あとは適量のプロテインを摂取すればいいが、オーバートレーニングやプロテインの摂取し過ぎに注意するよう、厳重に注意してやってくれ。」
「お、おう……。な、なんだ、今の?両手で紙に書きこんでたよな?」
「ああ、せっかく両手利きなんだから、上手く活用できないかと思って小さい頃から練習していたんだが。近年、ようやく効果が出て来てな。」
「隊長の小さい頃ってのが、既に思い浮かばねーんだが……。ま、サンキュ。このメニューは貰ってくわ。」
キースは次にエリーザ曹長に向き直る。
「そっちはエルフリーデ訓練生の話だったな。筋トレの本、だったか?たしか何冊か持ってたが、今はデファイアント号の俺の船室のクローゼットに押し込んである。明日までに持ってくるから、また取りに来てくれ。」
「う、うん……。ねえ隊長、もう1回さっきのやつ見せて!両手で別々の文字を書くやつ!」
「……そこまで珍しいかね。」
キースはレポート用箋をまた2枚切り取ると、再度ペンを両手に持った。ここでちょっと悪戯心が湧いたキースは、文字では無く眼前の2人の似顔絵、それもかなりデフォルメされた物を両手で同時に別々に描いてみた。眼前の2人は唖然と、というか呆然とする。
「……凄ぇ。」
「うん、凄いわね……。」
「……そこまでのことか?」
2人は目一杯頷いた。
2日後の朝、キースはイヴリン訓練生と共に、オーバーゼアー城の外壁内周をランニングしていた。一日が48.8時間のこの惑星では、連盟標準時で生活していると、一日中真昼の日や、逆に一日中深夜の日もある。
この日は明るい日だったので、キースは外でのランニングをしていた。いや、キース1人のことであれば暗い日でもかまわないのだが、キースがランニングするときはまず必ずと言っていいほどイヴリン訓練生も付いて来るので、暗い日には彼は、例のサイモン老謹製の改造ルームランナーでランニングすることにしていた。
真っ暗な中を12歳の少女に走らせるのは、彼自身が付いているとは言えども流石に何かまずい気がするのだ。
ランニングが終了し、キースはイヴリン訓練生と共にストレッチでクールダウンをする。キースはストレッチをしながらイヴリン訓練生に訊ねた。
「ずいぶん体力がついたな。だがオーバートレーニングになってはいないか?俺は流して走った程度だが、貴様にとっては随分きつかったのではないか?」
「はい!いいえ、最初の頃はきつかったのは確かですが、今はもう大丈夫です!」
「そうか?ふうむ。本当に随分体力がついたな。予想以上だ。これならもう少し訓練を厳しくしても大丈夫かな?バトルメックでの城外ランニングの周回数を、増やすとするか……。」
「え゛……。」
キースの笑えない冗談に、イヴリン訓練生は硬直する。だがすぐに復活し、彼女はキースに質問をしてきた。
「最近エルフリーデ訓練生やエドウィン訓練生が、筋力トレーニングに励んでいるみたいなんですが、私もやった方がいいんでしょうか。」
「ふむ、最低限の物はやっておいた方がいいかもしれんが、貴様は今のメニュー以上にやるとオーバートレーニングになりかねないからな。今の鍛錬メニューで充分だろうよ。あとは身体が充分に成長してからだな。」
「はい……。」
イヴリン訓練生は、少々残念そうだった。もしかすると、自分もやって見たかったのかも知れない。キースは直球で訊いてみた。
「……やって見たかったのか?」
「はい。と言いますか、キース少佐が凄い筋肉なので……。」
「それで興味を持った、か?ううむ、俺のこの筋肉は、あくまで鍛錬の「結果」であって、別に筋肉ムキムキになることが「目的」だったわけでは無いのだがな。」
「そうだったんですか!?」
驚きの声を上げるイヴリン訓練生に、キースは頷いて見せた。
「目的はあくまで、長時間のメック戦闘に耐え抜く体力と、衝撃やGでも揺らぐことの無い体幹を支える筋力を得ることだ。ただ、その方面に肉体的素養があったのか、ここまでの身体にこそなったがな。」
「はあ……。ならキース少佐は、特に筋肉がお好きなわけでは無いんですね。」
「ああ。だが、何故そう言う考えになるのか不思議なのだが……。さて、基礎教養の授業に遅れないうちに、シャワーを浴びて来い。」
「はいっ!!」
イヴリン訓練生は、本部棟のシャワー室へと駆けていった。キースもまた、男性用のシャワー室へと急ぐ。その途中、キースはふと思った。
(……イヴリン訓練生、俺に感化されたってことか?筋力トレーニングに興味示したってのは。まあ、オーバートレーニングを阻止できたんだから、良しとしておこう。それにしても、筋肉ムキムキのイヴリン訓練生は、ちょっと想像し難いなあ……。
一応しばらくの間、下手にオーバートレーニングにならない様に、注意して見ておくかね。)
心の中で、自分に頷くキースであった。
今回は、主人公たち……ことに訓練生たちを中心にした、鍛錬の風景を描写いたしました。訓練生たちは、色々とまだまだ甘いのです。ですが、これからどんどん絞られて、いつか一人前のメック戦士へと……成長するといいですねえ(笑)。
それと、イヴリン訓練生ですが……。あきらかに主人公を意識してます。今後どう転ぶか……。