Tales of Trust -信じることを知るRPG- 作:keim
プロローグ
目の前にあることも
今まで教わってきたことも
世界の何もかもが
本当に何もかも嘘だったとしても
最後の最後まで君を信じるよ。
Tales of Trust -信じることを知るRPG-
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かつてこの地は 邪神率いる悪魔達に蹂躙された。
草木は枯れ 大地は燃え 海は死に絶え
空は淀んだ。
人々は死に絶えるのを待つほかなかった。
絶望のなか 紅き少女が立ち上がった。
少女はその身を削り 神に祈りを捧げた。
その祈りを 女神アシリアが聞き届けた。
女神は人々を哀れみ この地に降り立った。
女神は悪魔達を地の果てに追いやり
邪神を封じ 荒れ果てた世界を再生した。
そして力を使い果たし 長き眠りについた。
女神は眠りにつく前に こう言い残した。
「我は再び目覚める。
その時が訪れるまで 教えを守り続けよ」
女神の教えと 預言者の言葉を守り続けよ。
いつか来る救済の日まで。
<アシリア教 女神のこと>
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この世界に生まれた人は皆そう教えられる。
"女神様の教えを守りなさい"
"女神様を信じなさい"
"女神様はいつでも私たちを見ている"
"悪いことはしちゃいけない"
それを当然のように受け止め生きていく。
女神アシリアを信仰し、女神の教えを守る。
そうすれば女神が救済してくれる。
女神に使える聖職者になることが、最も良いこととされる。
特に"巡礼者"に皆なりたがる。
厳しい試験を潜り抜けた聖騎士と聖女の二人。
彼らは女神の教えを各地に説いて回り、人々を魔物から守り、怪我や病を癒す。
巡礼者は英雄だ。
逆に、女神に逆らって破門されてはいけない。
教えを破ったものたちは、体に破門者の証を刻印される。
破門者達は女神の敵。
破門者は救済され得ない存在。
彼らは邪神に使えるもの。
彼らは処刑されねばならない。
……それが当然の摂理だと思って生きてきた。
何も疑いを持たなかった。
女神が絶対正義で揺るがないのだと。
じゃあ……この目の前の光景は一体、何?
円形の殺風景な部屋。
そこに閉じ込められた20人。
先程まで和気藹々と話していたのに。
……今は殺しあっている。
生き延びるために。
皆の憧れの"巡礼者になるため"に。
聖女見習いの少女は、ローブの裾を固く握りしめた。
これが女神の望むことなのか。
信者たちが血で血を洗うことを女神は望むのか。
本当に?
足元がぐらつくような感覚がした。
今まで信じてきたものが壊れていく。
何が本当で何が嘘なのか。
何もわからない。
「ぼけっとするなよ。
……死ぬぞ」
パートナーの聖騎士候補の少年に手を引かれて少女は我にかえった。
「うん。……ごめんなさい」