Tales of Trust -信じることを知るRPG- 作:keim
聖堂を出ると、一斉に聖女見習いに囲まれる。
なんか有名人になった気分……。
でも、みんなどうしてここに?
「アンネ!! どうだった?」
アンネっていうのは私の渾名。
アンナリーザって長いし、言いにくいからって。
誰が呼び出したんだっけ?
気に入ってるから、良いんだけどね。
「大丈夫だったよね?」
「やけに出てくるの早かったけど」
「ねー、結果は?」
聖女見習いの友人達。
……私のこと気にしてくれてたんだ。
「えーと、通過してた」
一斉に歓声が上がる。
みんな、通過できなくて落ち込んでたのに私のこと喜んでくれるんだ。
私がみんなの立場だったら、どうだろう。
ちょっと悔しくてやっぱり嬉しいかな。
この日が来るまで、みんなでずっと過ごしてきたんだから。
友達っていうより家族みたいだし。
「……ありがとう」
「嬉しそうな顔してなかったから、落ちちゃったのかと思ったよ」
マルガレッタが抱きついてくる。
マルガレッタは武道が得意。
私、よく棍の修練に付き合ってもらってた。
その反面、マルガレッタは勉強が不得意だったから私が教えてたけど。
彼女は試験に落ちた後"聖女なんて柄じゃなかったかなー。体動かすの得意だし、騎士団に入ろっかな。女神様に仕えられることには変わりないしね"とか言ってた。
騎士団っていうのは教会御抱えの武装組織。
聖騎士と名前は似てるけど別物。
聖騎士は女神の写し身なんて言われる聖女の守護が主な役目。
騎士団は教会と信徒を守ることが役目。
騎士団にはいって功績をあげていけば、善神に認められて紋章を授けられることもあるんだとか。
……もし私が明日落ちたら、そういう道も……いやいや弱気になるな私。
「明日は最終試験ですね。
アンネさん、頑張って下さい」
クラリッサが微笑みかけてくれる。
クラリッサはお姉さんみたいだ、同い年だけど。
修道院には、本当の家族の顔を知らない・覚えていない子もいっぱいいる。
私もその一人だったりする。
だから聖女見習いのみんなは家族みたい。
「ありがとう、頑張る。
……みんなの分も」
「……ところで、アンネ。
あんたのパートナー、どうしたの?」
……。
あー……そうだった。
ダレン引っ張ってこないと。
「ちょっとトラブってるみたいでさ。
……今から迎えに行こうと思ってて。
じゃあ、行ってくる!!」
「大変だねー、アンネ」
聖女見習いのみんなが笑う。
いやほんと、笑い事じゃないよ。
みんなの想像以上に、あいつ普通じゃないから。
あんなに信仰心の薄い人間、みんな見たことないでしょ。