それではどうぞ
リアス部長を助けるため、一誠君たちオカルト部は部長の救出の為に次元の狭間へ入って行った。
「皆さんが無事だといいんですが……」
ロスヴァイセさんの声は闇にただ、紛れるだけ。
ジリリリリッッン!!!
突然の場違いな騒音。
二人からジトッとした視線が向けられ、とてもバツが悪い。少し遠くへ行ってそっと携帯を開いた。
「もしも〜し、あーあー聞こえてますか〜?」
「……聞こえてますが」
こんな時に掛けてきたのはメタトロンだった。相変わらず気の抜けた声だった。
「君さ、今ちょっとした問題に巻き込まれてるだろ?」
「はい、ご存知でしたか」
「そりゃあ、私は暇だからね。"奴"から言付けを頼まれたんだ、『大口スポンサーの邪魔をしてやるなよ』だってさ」
「!? わ、分かりました。では切りますね」
長すぎては彼らに怪しまれそうだ。と思い、切ろうとすると
「ああ、少し待って。君、あの神器とうまい具合に馴染んできたみたいだね。暇なときで良いから、出来るだけ早めにあの研究所に行ってやってくれ。それじゃあ」
プツリと切れた。
「今度の休みにでも……行くか」
ポケットに携帯をねじ込んで戻った。勿論マナーモードを忘れずに。
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数日前ーー
「アザゼル先生、ここに呼び出して何の用ですか?」
ロスヴァイセとイリナは昼休みの突然の呼び出しに少しばかり困惑していた。
簡易結界を張り、防音まで行われている。明らかに過剰だったが、それなりの事なのだろうと覚悟をした。
「山本いるだろ、山本」
「ええ、彼が一体……?」
二人は突然出てきた彼の名前にますます困惑する。勤務態度だっていたって真面目であり、生徒からの信頼もそこそこある彼。悪事を働きそうにない彼だからこそ余計に困惑した。
「まさか、禍の団に……」
イリナは一つの予想として発言したが、アザゼルは首を横に振る。
「いいや、禍の団じゃあないことは確かだ。俺が確認している。だが、何か、何かが俺の勘にビンビン来る……ちょっとしたボロをださないか見張っておいてくれないか?」
いつにもなく真剣なアザゼルの表情に二人も察する。
「ええ、承りました」
「分かったわ、こっちも教会の方から何か調べてみる」
「おう、頼んだ」
二人は部屋から出て行った。
「一応の布石は打ったが……お前は一体何者だ?山本大輔……」
そもそも、アザゼルが彼に疑念を抱いたのは授業がなく、ちょうど暇な時間だった。
「うし、終わった終わった」
授業も終わり、暫くは自由な時間が続くアザゼル。軽く伸びをして、自分専用の部屋に戻ろうとする。
「お、アイツ誰と電話してるんだ?」
教会所属で、現在同僚でもある山本大輔が人目を避けるようにしてこそこそと電話を掛けていた。
あまりの徹底した行動に直感的な怪しさを感じ、アザゼルはこっそりも物陰で様子を伺う。
「rc_a(dv&dl……」
アザゼルは一瞬、自分の脳がついにボケてしまったのではないか、と思ってしまった。
ここで、皆さんは悪魔の駒の事を思い出していただきたい。あらゆる生物を悪魔に転生させるという特殊なアイテムで、そのもう一つの効果である言語翻訳。勿論、それは純正の悪魔にも備わっている訳で、彼らは父なる"神"によって造られた。
天使も又、神によって造られた。ならば堕ちた天使である堕天使も言語翻訳機能を備えているというのが自然である。だが、何故聞き取れないのか。あらゆる言語で会話する事を可能にするはずなのに、一人間が電話で会話している内容すら聞き取れない。それは正に異常でしかない。
アザゼルは額にダラリと一滴の汗が流れることすら気付くことが出来なかった。かなりの動揺具合だが、隠密だけは完璧で、山本はちっともこちらに気付いていない。ポーン!と次の授業を知らせる鐘が鳴ると、彼は電話を終えて、自分の担当クラスへと急いで駆け出した。
完全に行った事を確認してアザゼルはのそり、と動き出し、山本大輔という人間の過去を洗いざらい調べた。
名前:山本大輔 年齢:28歳 出身地:日本 所属:教会
シングルファーザーの家庭で、6歳ごろに孤児院へと預けられた。その後、悪魔関連の事件に巻き込まれ、教会所属になる。主にイタリアを中心に活動し、それなりの戦績を納めており、少し前にジョージ・バーンスタインの補佐を務めていたが、今は別任務の為、解任されている。等々……
経歴については特段おかしい事は書いてない。悪魔などの裏の存在と出会い、教会のエクソシストになる者は決して少なくないからだ。余りにもおかしいところが存在せず、あの意味不明な発音は一体……?と堕天使総督の頭を捻っても捻っても、暗号言語で話したとか、デタラメで、意味のない言葉を話したか、等と考えるもどうも腑に落ちない。取り敢えず、疲れたのでコーヒーを一杯飲んだ。ブラックの苦味は脳内を冴え渡らせるも、ただそれだけ。考えていても仕方がないと後回しにして、別の事をし始めた。
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グニャリ、と空間が歪み、そこから人影をいくつか吐き出した。
「!! 皆さん!」
彼ら、オカルト部は帰って来た。肝心の兵藤一誠とリアス・グレモリーが欠けたままだが。
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「よくご無事で……」
ロスヴァイセさんがそう声掛けをするが、そこには一誠くんとリアス部長の姿は無い。
「いきなり空間から飛び出してきたから、びっくりしたわ!」
「だが、リアス部長と一誠が……」
「やはり、イッセーの覇龍のカケラを、ロキが利用したようだな」
アザゼル先生だ。にしても覇龍のカケラで擬似的にであるが、赤龍帝の力を得れるとは恐ろしい事である。
「自分の分身のようなものか、イッセー君は勝てるんでしょうか?」
「わからん、だが、信じるしか無いだろうアイツの持つ本当の強さを」
「今は……祈りましょう」
ロスヴァイセさんの一言で一誠くんやリアス部長が帰ってこられるように祈る。
そして夕方ーー
再び、空間が歪むとリアス部長をだき抱えた一誠くんが現れた。
皆が歓喜の表情でいっぱいである。
これでまた、オカルト部にも平穏が戻ったのであった……
帰宅後ーー
ガチャりとドアを開けると、玄関には一枚の手紙が置いてある。
さて、誰からのだろう?
手紙を開くと魔法陣、どことなく北欧的なそれが空中に投射され、頭巾を被った人が映された。
「私は代理人、ただの代理人です。念のため、貴方に警告をしておきます……決して、決して我が主の邪魔立てはしない事……それを破れば、あなた方との契約を打ち切り、罰を与えるので悪しからず」
「熱ッ!!!」
話が終わったかと思うと手紙は燃焼し、あっと言う間に消炭に変わってしまった。
「スポンサー……まさか、いや、本当か?」
私は急いで財布を持ち、荷物を最低限纏めて東京へ直行した。
「こっちに行って、あったぞ」
例のビルだ。私は最近どういう訳か誰かに監視をされている。しっかりとしたセキュリティを通って完全に撒いた後、あの地下へと潜る。
長いあのエレベーターから降り、研究室に向かう。
研究者はちょうど暇な時間帯らしかった。
「あの、山本ですが少し伺いたい事があってきました。所長は居られませんか?」
「ああ、あんたか。所長は後で呼ぶからこっちに来てくれ」
「ちょ、ちょっと!!」
無理やり私を引きずる男は葉村という名前で、研究者なのにそこらの教会の戦士より強い気配をしていた。
「歩けますから、離してください」
「そうか、ならついて来てくれ」
葉村はパッと離したかと思えばスタスタと歩き始めた。どれだけせっかちなのか、と呆れてしまった。
「さっそくだが、実験機を出してくれ」
「実験機?何だそれは?」
聞きなれぬ言葉に首を傾げると、葉村は机をトントンと叩き、「説明は聞いてないのか?」面倒くさそうにそう言った。
「ああ、少なくとも実験機なんて名前は聞いてない」
「なら、説明するからよく聞いてくれ」
「お前に渡された腕輪、それは"あるお方"が造った物でな、その方が作成中に亡くなった為に50%の完成度だった物を俺たちが完成させるってのが、俺たちの命題なのよ。」
「あるお方って?」
地下籠りの研究者たちが言う"あるお方"とは一体誰なんだろうか?ちっとも想像が出来ない。
「あるお方はな"お山の大将"に名前を奪われたから名無しなんだよ。だから"あるお方"と呼ぶしか無いわけ」
「そんなのはどうでもいい事だからさ、じゃあ、実験機を外してくれ。外れろって念じると外れるから」
言う通りに『外れろ』と念じるとペキッと金具が外れるような音がして、綺麗に外れた。
彼は手際よく、怪しげなコードを次々に挿していくと、パソコンに向かった。
「こいつは……すごい……想像以上だ」
余程お気に召したのか、口角が少しだけ上がっている。
「何をするんだ?」
「アップデート。より機能を引き出せるようにしてやる」
手元が躍ると画面には文字列があっという間に埋まっていく。
30分程待つと出来たらしく、此方に腕輪を装着するように言った。
装着してみると、確かに能力の上昇を感じられる。初めての装着の時以上だ……
「光力の出力上昇と、自動ホーミングを付けておいた。後、赤龍帝の"譲渡"を参考に光力サプライヤーも乗っけたぞ。」
「そんなに! ところで光力サプライヤーって光力を他人に渡せるんですか?」
「そうだな。あんた、天使とかがお仲間にいるんだろ?死にかけのやつに自分の光力を送り込んで回復も出来るし、光力が苦手な相手に送り込めたりもする。ただ、接触が条件だからそこは覚えとけよ」
その後は軽い雑談をして家に帰宅する……筈だった。
「ぶぐぐぐずぅ。カラスはうまいねええ”ええええ」
路地裏で堕天使らしき肉塊と黒羽が散乱していた。
「おいおい、はぐれ悪魔かよ……」
三大勢力が手を結んでからは更にその数を減らしたはぐれ悪魔。この時期まで生き残っているのを見るに、相当強いだろう。
「うまそうなぁあぁあ人間?天使?」
バレたみたいだ。
右肩らしき所の口から魔力砲を放つ。
「うおっ、熱ッ!」
紙一重で躱すが、周りのコンクリートを抉り取り、どろどろに融かす。衝撃や薬物に強く出来ている化学繊維で織られたスーツの一部が溶けて役目を果たせなくなる。
食らえッ、と槍なげをするが、不思議なことに槍を片手で弾き飛ばした。
「ホントに悪魔かよアイツっ」
弱点な筈の光力が少しも効いていない。
にやにやといやらしい笑みを浮かべる悪魔。
「ぐはっ……!」
ストレートを腹にもらって壁に叩きつけられた。肋骨が何本が折れている。ズキズキと痛い。スーツでも構わずゴロゴロと身体を回転させ、離れつつ体制を立て直す。
痛む身体を庇いつつ、相手の殴る蹴るを回避して光力をチャージし、光の槍の雨を降らせる。
何本か腕を生やしたと思えば、高速で腕を動かして槍を跳ね除けてしまった。
またニタニタと笑うが、気づいてないようだなッ!
ホーミングで全体の1割ほどが突き刺さると、「あギギギ、ぺ」と苦々しく顔が変わるが、フッ!と気合を入れると全てバラバラと抜けてしまった。
どんだけ硬いんだ?
冷徹な表情でこちらに向かって走る悪魔。街に出すわけにいかないと、路地裏を逃げ回るが少しずつ追い詰められていく。
背後は壁。もう逃げられない。
「うまそうなぁあぁあぁあぁあぁあぁにく〜」
のっし、のっしと少しずつ近づく。
「やめ、やめてくれ……」
「やだよおぉぉぉぉぉぉぉぉう」
右手を大きく振りかぶった瞬間、「今だ!」私は閃光弾を放った。
ピカっと光がそこら一帯を満たす。
「ぐわああうちぁぁぁぁあぁあぁ!!!」
目に閃光を喰らい、のたうちまわる悪魔。
槍を何本か生成して四肢を全て串刺しにして封じ込め、相手の心臓部に触れる。
「ありったけの光力でも喰らいやがれっ!」
右手に練りに練った大量かつ純度の高い光力を心臓部に送り込む。
バクンッ、と身体が跳ねたかと思うと内側からバラバラと身体が崩れていく。捨て台詞さえ、吐くことが出来ずに消滅した。
私は地面に倒れた。
「あー、服ボロボロじゃねえか……」
なんとか身体を起こすと、最悪な服装を直してとぼとぼと近くの安いホテルで一泊した。
そして、朝。
「そういえば、所長に会うの忘れてた……」
ちょっとした後悔と共に今日が体育祭の前日準備がある事を思い出した。
「あ、やば」
始発で駒王に帰り、家で急いで支度をした。
自転車で登校しているが、通り過ぎる度、人がチラッとこちらに視線を向ける。何処かおかしいのだろうか?
「おはようございます、樋笠先生」
「おはようございます、山本先生」
少し、先生の顔がしかめっ面になる。
「大丈夫ですか?山本先生、焦げ臭いですよ」
周りの人に分かるくらいには焦げ臭いらしかった……
「あはは……周りの人の態度もそこからか……」
授業に出た時、生徒からも軽く弄られるのだった。
久々の戦闘ですけど、難しい。もっと上手く書けたらいいんですが
主人公にヒロインとかいる?
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いる
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いらない