卑怯でも勝ちは勝ち   作:凧の糸

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最近ざる蕎麦を食べたんですが、美味しいですね。ひんやりしてて、何よりうまい。


それではどうぞ


さらば、京都

 

 

「あっ、もうこんな時間かしら」

 ジャンヌと観光をしていた。1秒が1分に、1分が1時間に感じるくらいにおそろしく長い、長い時間。つまらないとか、楽しくないという事ではない。彼女が時折見せる笑顔や拗ねたりする表情の魔力に愚かな男が引き寄せられているだけなのだ。

 だが、理性は常にあの傷と焼けた村の匂いを燃料に斥力を起こしている。二律背反の感情は決して口から出ることはない。

 

 

 

 

 

 あの霧だ。現れたのはゲオルクという男だけ。

 

 

「束の間の平和は楽しめたか?」

 

「ええ、十分に」

 

「……本当にあの男はこちらに下る気は無いのか?」

 

「昔から変なとこで頑固なのよね、男ってそういうモノでしょ?」

 

「……確かにな。」

 

 

 そのまま二人は消えていった。

 

 

 

 

「自分を縛るなんて、初めてだからな……」

 適当に見繕った縄で、自分自身をぐるぐる巻きにしてピルから取り出した睡眠薬を一粒飲む。

 

 

 

「これで……いい」

 薄れゆく意識の中、ひんやり冷たい地面が俺がそこにいることを教えてくれた。

 

 

 

 

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「大丈夫ですか! 山本殿!」

 

「あ……へいじゅうさん……」

 

「おお、無事で何よりだ。一体何故?」

 

「……不意を突かれたらしく、ここに放置されたらしい。情けない限りです……」

 

「すまない山本殿、目覚めてそうそうだが今は我々に協力していただけないか?」

 

「勿論、そうさせてもらう」

 

「では、こちらに」

 妖怪たちと英雄派の分隊と戦うため、平十さんに付近まで案内された。

 

 

「俺は遠距離から攻撃させてください。そっちが本職なんで」

 

「ああ、分かった。でも気を付けて」

 

「お互いさまですよ」

 平十さんも参戦し、ますます争いの輪が広がっていく。

 

 

 

「パーツは取られてないな、よかった」

 隠し持っているパーツをせっせと組み立てて一丁の銃を組み立てる。

 

 

バンッ!!

「まずは一人」 

 神器で多少頑丈とは言え、貫通弾仕様の光弾を頭に食らえは人間の強度的に死ぬ。

 

「さて、逃げよ」

 光力を足に溜めて全力で逃げる。英雄派が強いのは分かっているので、おそらくもう通用しない。禁手を使われて、そのまま俺が死ぬだけだからな。

 

「まて!そこの野郎!!」

 バレるの早くない?

 

 

 背後からは数人に追いかけられ、そのどれもが禁手化している。

 

 

「うそだろ?」

 かなりのピンチ。全力を越えて俺は走る。

 

 

 

 

 

 

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「アザゼル殿、赤龍帝殿、グレモリー眷属の皆々。本当に此度の事、礼を言う。これから魔王レヴィアタン殿と闘戦勝仏殿と会談を行うつもりじゃ。二度とあのような輩によってこの京都が恐怖に包まれぬよう、協力体制を敷きたいと思っておる。」

 

 あの後、一誠くんのパワーアップや闘戦勝仏、いわゆる孫悟空の参戦などもあり、英雄派を退けた。囚われて利用された八坂殿も助かり、とりあえずは円満に終わったみたいだ。

 俺もなんとか妖怪たちの力を借りてあいつらの撃退に成功した。まさに妖怪さまさまと言ったところか。

 

 

 

 

 俺たちは一人も欠ける事なく、駒王町への帰還を果たした。

 

 ただ一つの困りごとと言えば、ジャンヌにお土産を持ってかれたままだな……

 

 

 

 

 

 残った仕事も終わり、ようやく家に帰宅する。

 

「ただいま」

 あれ、紙が……

 

 

 お土産、冷蔵庫に入れて置いたよ。ジャンヌ

 

 

 彼女が忘れてなかった事に少しだけ嬉しくなった。

 

 

 

 

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ーー休日

 

 

「やあ、大輔君。今日は?って荷物すごいね」

 

「全部お土産です。京都に行ってたんで、八ツ橋もありますよ。」

 

「いやー、ありがたい。冷蔵庫に入れておこうか」

 

「はい!」

 全てのお土産を渡し、帰ろうとすると園長は「お父さんから連絡あったよ」そう言った。

 

 

「……なんて言ってました?」

 

「よくわからないんだけどね、『もう少し、98%だから準備はしとけ』だって。分かるかい?」

 

「あー、あれか。すいません、いつも父が」

 

「いやいや、私の方こそ君ら親子の世話になってるからね。こっちこそ礼を言わなきゃいけないよ」

 

「それじゃあ、また今度」

 

「また今度ね」

 

 

 

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あれから一週間後……

 

『あ、キミらは……』

 

「曹操だ。例の話はどうなっている?」

 

『ああ、あれね。取り敢えず二人とも家に上がってくれ、話はそれからにしよう』

 

「邪魔する」

 

「お邪魔させてもらう」

 二人が上がった。

 

 

 

 

「で、どうなんだ」

 和室に二人は座る。時折お茶を飲んでいるが、顔は険しいまま。

『お前らの支援は無理。でも、お前たちが人間だけなら話は別だってよ』

 

「成る程な。そうだ、俺たち英雄派は全員が人間だ。」

 

『つまらない嘘をついたら契約に則って、お前の破滅だぞ?』

 

「嘘ではない、俺たちは人間がどこまで行けるかを試す為にいる。当然一人残らず人間さ」

 

『ならちょうどいい、少し我慢してくれないか?』

 右手に光の針を作る。

 

「どういう……つもりだ?」

 

『頭に挿せば分かる』

 

「頭に刺すのか?曹操、俺がやる」

 

「……頼んだ」

 ゲオルクがずぶりと頭に挿した。

 

「んッッッッ!!!」

 

「ゲオルク!!」

 

『大丈夫だ、お前も挿せば分かるから』

 

「……お前の言葉を信じる」

 曹操は脳に光の針を挿すとピリッとした痛みを感じた。段々と目の前が光に包まれていき、意識が水底へと落ちていく。

 

 

 

「ここは……どこだ」

 先程まで和室に座っていた筈なのに、全く知らない真っ白な広場に座り込んでいた。

 

「曹操、大丈夫か?」

 

「あ、ああ。ゲオルクか」

 

『すまないな、まだ慣れてないから挿す時の刺激が強すぎたみたいで』

 

「それで山本、ここは何処なんだ?絶霧(ディメンション・ロスト)はおろか魔術すら使えないのだが」

 

「! 俺の黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)が……反応すらしないだと……」

 

『ここを俺は白い世界って呼んでる。人間だけが持っている脳波でネットワークを形成して意識上の空間に入り込めるんだよ』

 

「ちょっと待った、意識上なら神器は使えないのか?」

 

『あくまで"人間の意識"だからな。殆どの人間は神器なんで持ってないだろ?』

 

 

 ゲオルクはしばらく考え、ある考えを持つに至った。

「まさか……全人類の意識とでも?」

 

『その通り、殆どの人間は神器なんて物をそもそも知らない。だからこの世界には神器なんて存在しないし、魔術もそれと同じことだな』

 

 

「「……!!」」

 

「まだ信じられないが、お前らは……一体何をするんだ?」

 

『魂をアップデートするんだよ。それで人間をより強く、より賢明にさせる。だけど、最近問題が見つかってね……』

 

「問題とは?」

 研究者肌のゲオルクはすぐさま質問をする。

 

『魔力だよ。最近になってあれが邪魔をしてるのが分かったらしくてね。だから、魔力の量を減少もしくは消滅を目指す。』

 

 

 ゲオルクの表情は突然険しくなる。

「俺たちを手下にでもする気か?」

 

「ゲオルク、一体?」

 曹操はゲオルクの言動に困惑している。

 

『手下ではないよ、協力だよ協力!』

 山本はそう弁明するが、ゲオルクは意を決して話し始めた。

 

 

「神々やそれに連なる者達、それ以外の者も魔力を使用する。それはどこも同じ、共通の事。それが消えれば神器の大幅なパワーダウンは勿論、あらゆる裏の者が等しく弱体化する」

 

「む……」

 

「どうする、曹操?このまま話に乗るのは裏の世界を丸ごと敵に回す事になるぞ?」

 

「……答えは決まっている。上等だ、全員まとめて相手してやるさ」

 

「ならいい。キミがそうなら絶対にみんなはついていく」

 その瞬間、視界が急に開けた。真っ白な世界が色づいて、鮮やかになっていく。

 

 

 

 

『ようこそ、我が組織へ……』

 

「試していたのか?俺たちを」

 

『当然。さあさあ、移動するぜ?』

 山本が指を鳴らすと俺たちは祭壇に居た。

 

「新入りかね」

 

『ええ、グレゴリー司教。当たりも大当たり。きっと面白い』

 腰の伸びた背の高い老人。深淵のような目は吸い込まれそうだ。

 

「いくつか、この組織に入るにあたって守らなければならない秘密と護らなければならない義務がある。……分かったかね?」

 老人がそう言った瞬間、彼らの脳内に事前に情報が流れ込んでくる。

痛みもなく、生まれた時から持っていた知識のようにさえ思えただろう。

 

「分かったかね?」

 

「「はい、理解しました」」

 

「よろしい。アレは慣れれば誰でも出来る。余分な情報を取り除き、純粋な情報だけを清流のように流す。力を加えず、自然のままにだ。さあ、行け若者よ。知恵は力なりだ」

 

 

三人はこじんまりした個室に飛ばされた。

 

『ここは部屋。この部屋を出たら通路があるんだが、自分の部屋はあるはずだ』

 

「なあ、山本」

 

『……なんだ?曹操』

 

「俺たちの身体は……どうなった?」

ゲオルクもハッとなって言う。

 

「そうだ!いくらなんでも現実で無防備過ぎないか?」

 

『大丈夫、ここの時間は現実と比べて格段に遅い。ここで1日過ごしてもあっちじゃ1秒くらい。気にする事はない。』

 

「そうか、ならいいんだが。他の住人はどうなってる?彼らはずっとこの場にいるようだが」

 

『彼ら、特に老年期の者のほとんどは肉体が無い。白い世界で生きるほか道が無い』

 

「では、死にかけの時にこちらに逃げ込めるのか?」

 

『いや、無理だ。肉体が死ねば意識が引きずられて死ぬ。意識ごと持ってくるのはかなり特殊で、一度でもすれば肉体は持てない。過去に実験した奴がいるらしいが、肉体に定着せずにそのまま死んだらしい。』

 

「どうする曹操、俺はとりあえず好奇心が抑えられそうに無い……」

 心なしか右手がプルプル震えていた。

 

「いいぞ、頼んだ」

 

「了解だ」

 ゲオルクはもう仕組みを理解したらしく、どこかに文字通り飛んでいった。

 

 

『曹操、このまま帰ってこなくなるぞ』

 ニタニタした表情でそう言った。

 

「嘘だろ!冗談きついぜ……」

 

『嘘じゃない。昔に聞いた話だが、ゲオルクがいったエリアはその手のやつには宝の山らしい。引きこもるぞ、多分』

 

「それを早く言わんか!!」

 曹操もゲオルクのところへ焦って飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これで良し』

 

 

 

 

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「ただいま」

 

『おかえり、ダイスケ』

 予想してなかった返事に俺は面食らってしまう。

 

「は?ーーメタトロンか! お前……」

 

『いや、客人が来たものでね、ちょっと和室に案内させてもらったよ。ついでにキミのマヌケ面も拝ませてもらった』

 

「は〜〜 ん?こいつら英雄派のやつじゃないか……」

 

『もうじき起きるさ』

 

「だといいんだがな……」

 気にしてもどうしようもないので、俺は服を脱いでハンガーにかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 そろそろ原作から外れてくる……かも

主人公にヒロインとかいる?

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