卑怯でも勝ちは勝ち   作:凧の糸

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今回は戦闘しません。


展開的に今後のインフレにどう対応すれば良いんでしょうね?


大物へ会いに

 

 山本大輔、任務だ。

 

 

 

 病院の中で渡されたのは次の任務(働け)だった。

 

 

「俺の性分じゃないんだけどなあ」

 ぼやいても仕方ない、やれ、と言われたのだからやるしかない。でも、まずは骨折を治すところからではあるが。

 

 

 

「では、この薬を飲んでください」

 看護師さんから渡されたのは余りにも物体を冒涜しているとしか言えない色をして、天使の様な香りを発する悪魔的な液体。

 

「芳しい香りですけど……本当に大丈夫ですか?」

 目を思わず潰したくなるくらいの色彩に不安感を覚えるも

 

「大丈夫です。 ちゃんと飲んだら治っているのを見てきましたから」

 

「お、親の遺言でカラフルな液体は飲めないんだ」

 

「飲んでください」

 

「……」

 

「……」

 

 看護師さんの視線が気のせいか氷みたいだ。

 

「ええい、ままよ!」

 瓶と紙コップを引ったくって注ぐと一気にごくごくと飲んだ。

 

「……」

 

「……無味だな」

 

 あれだけ怖がっていたのが馬鹿馬鹿しくなるくらいに全くといって味がなかった。

 

「コップと瓶をください」

 

 看護師さんに促されるまま二つを渡す。

 

「それでは失礼します」

 

スタスタと出ていってしまった。

 

 

 

 いや、本当に何だったんだあれ?

 

 

 

 

 

 この二日後には驚くことにすっかり骨折は治っていた。体毛がカラフルに色づく代わりに。

 

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

 俺は今、病院の近くの教会にやってきていた。

 

 

「しかし、上も何がしたいんだ? 俺をここに呼び出して?」

 骨折が治ったとはいえ、さすがに酷使しすぎだ。

 

 

 ギギギ、とドアが開いた。

 

 

「こんにちは、戦士 山本大輔よ」

 

「う、嘘だろ……」

 

「嘘ではありません、さっそくですが、私についてきてください」

 

「ど、どうしてミカエル様が……」

 熾天使の一人、大天使ミカエルがいる。隣に護衛もいるようだ。

 

「どうしたのですか?」

 

 訝しがるミカエル様。どうしたではないだろ……貴方みたいな大物が。と言いたくなる気持ちを抑えて、付いていく。

 

 

「乗りますよ」

 現れたのはさぞお高いだろう高級車。出来るだけ動揺を悟られない様にして、搭乗する。

 

 静かに走り出す車。

 

 俺はミカエル様に聞きたいことがあった。

 

「ミカエル様、いくつか質問をしても宜しいですか?」

 

「はい、答えられる範囲ですが」

 

「まず、一つ目ですが、これから何処に?」

 

「駒王学園です。 これから三大勢力の会議があるので」

 

「!? 中々大きなイベントですね…… どうして俺が呼ばれたのでしょうか?」一番聞きたいことを尋ねる。

 

「実を言うとですね、アザゼルに『コカビエルを倒した奴を連れてこい』と言われましてね、貴方に同行をお願いした訳です。」

 

「俺の身の安全は、大丈夫ですか?」

 

「アザゼルも堕天使と言え、流石にそこの所は弁えているから大丈夫です。 それに私が手出しをさせません」

 

「ありがとうございます。とても心強いです」

 

 

 駒王学園に着いた。

 

「さて、行きますか」

 

 前の二人について行く。

 

 

 

 

 ガチャリ。立派な扉を開けると錚々たる面々がおられる。

 

「お! ミカエルじゃねえか。ひょっとして隣のお前がコカビエルを倒したって言うやつか?」

 堕天使総督、アザゼル様。

 

「どうもこんにちは、ミカエル」

 あちらの方は悪魔の長、サーゼクス・ルシファー様。

 

 なるほど、確かに錚々たる面々がこの場に揃っている。

 

 アザゼル様がこちらに近付いたので、挨拶をしておこう。

 

 

「ども、山本大輔です」

 ペコリと深々挨拶をする。

 

「こう言うのもなんだが……あんまり強くなさそうだな」

 

「まあ、ただの人間ですので……」

 

「ウチのコカビエルを倒すのがただの人間のものかよ」

 

 

____________________________________________

 

 

 

「リアス達はそろそろかな?」

 

 サーゼクス様の言から伺うに、彼らもこの会談に参加するらしい。もっぱらコカビエルと戦ったのは彼らだしな。

 

 

 しばらくすると扉が開く。

 

 

 

 歴史的な会談が始まった。

 

 

「紹介しよう。私の妹とその眷属たちにその友人だ。先日のコカビエルの一件では彼女達が前線で活躍してくれた」

 リアス・グレモリー達の紹介。ここにいる者たちは彼らのことを大体知っている。いつもの流れのようなものだ。

 

 

「悪かったな。うちのもんが迷惑を掛けた」

 頬杖をついて、面倒くさそうにするアザゼル様に悪魔側はむっとする、

 

 

「では、会議を始める前に此処に居る全員は秘匿事項である『神の不在』を認知しているものとする。異論のある者は?」

 

 

 へー、そうなのか。初めて知ったな。自分達の神が居ない事に淡白過ぎて自分でも驚いている。つい顔が面食らった感じになった俺に、お前知らんかったんか?と言う視線が集中して痛い。

 

 

「よろしい。では会議を始めよう」

 スルーしてくれて助かった。

 

 

 

「……以上が私、リアス・グレモリーとその眷属が関与した事件の全容です」

 

「私ソーナ・シトリーも彼女の説明に偽りが無い事を証言いたします」

 

 

「それでは、今の報告を受けて堕天使総督殿の意見を伺いたい」

 

 

 アザゼル様のターンだ。

「意見も何もコカビエルの奴が勝手にやった事だからな。だから白龍皇に頼んで最悪の事態が起こらないように陰で動いて貰ってたのさ……まぁその前にそこの坊主がボロ雑巾にしてくれたけどな」

 

 俺を指差すアザゼル。オカルト部があの時の!と驚いているのも無理はない。

 

「コカビエルが戦争を起こそうとしていた事自体はあずかり知らぬ事だと?」

 

「ああ、俺は今更戦争になんざ興味はねぇんだよ。今の報告にも有ったろ?コカビエルがさんざっぱら俺の事をこき下ろしていたってよ」

 

「不満分子って事ね」

 

「ハッ!不満分子なんざ何処の勢力でも一緒だろ?悪魔も教会も、きな臭え噂なんざ耳を塞いでても聞こえてくるぜ?」

 

「それは今回の一件とは関係の無い事だ」

 

「だろうな……だからもう回りくどい事は無しだ……とっとと和平を結ぼうぜ」

 

 驚愕の一言だ。今までを考えてもあり得ないと思ってしまう一言。

 

 だが、他の長二人は大して気にしたそぶりもない。

 

 

「ええ、和平を否定する気はありません。神も魔王も既に居ないのですから・・・」

 

「『神が居ない』か……昔ならその言葉だけで堕ちてたぜ? さて、サーゼクスたちは和平は賛成か?それとも反対なのかな?」

 

 

「これ以上今の危うい均衡のままでは、遠からず我らは共倒れとなるだろう。我々も和平に賛同しよう」

 

「そいつは結構。問題は三すくみの外側に居ながら世界を動かせる程の存在である二天龍。お前らの意見を聞きたい―――先ずはヴァーリ、お前からだ」

 

「俺は強い奴と戦いたい、それだけだ」

 

「心配するな。戦争が無くても強い奴なんてわんさか居るさ―――次はお前だ兵藤一誠」

 

 

 ここらから正直あんまり真面目に聞いていない。お腹が空いて空いて仕方がなかったのだから。そもそもアザゼル様の要望でここに来ただけで本当は帰ろうとしたが、帰るわけにもいかないらしく、そのまま聞いたのだ。和平か……個人的には平和が一番なので願ったり叶ったりである。

 

 

「山本大輔君? 大丈夫かい?」 サーゼクス様に話しかけられてはっ!となる俺。

 

「申し訳ありません……怪我から回復したばかりなので……」

 

「構わないさ、ところで君にもコカビエルの件で褒賞が出ていてね。 君は何か希望はあるかな?」

 

「……希望ですか。私はお金が欲しいです。清貧を良しとする教会の精神と真逆ですが、何かと金の掛かる仕事なもので……」

強欲なお願いであるが、財布が寂しくなるのはなるべく避けたいのだ。

 

「意外だね、もっと、こう、強い武具なんかを欲しがると思っていたよ」

 

「私はヘタクソなのでね、武器を持っても上手には扱えないですから」

 

「ふむ、では後日君の口座に振り込んでおけばいいかな?」

 

「はい、お願いします」

 

 

 俗物的な答えにアザゼル様は笑い、ミカエル様は苦笑い。駒王学園の面々や隣の護衛もびっくりとしたり、呆れ返っている。

 

 

 

 

 

 

 瞬間、世界は凍りついた。

 

 

 

 

「さて、時代の節目には何時だって反乱が起きるもんだ。この状況もその一環だろう、上位の力を持った俺たちは兎も角、そっちの連中は聖剣が力を防いだみたいが……コカビエル倒した奴は止まってるな。兵藤一誠は赤龍帝の力、リアス・グレモリーは停止の瞬間そいつに触れていたからだな」

 

 俺はピクリとも動けない。俺、時間停止してんの? 時間停止しているのに精神だけが動いている、奇妙だなあ。

 

「停止能力を持ったものは滅多に居ない。ギャスパー君は敵の手に堕ちたと見るべきだろう」

 

「そんな!小猫ちゃんだって居たんですよ!?そんな簡単にギャスパーが利用されるなんて!」

 

「赤龍帝の疑問の答えはアレだろう・・・外を見てみろよ」

 

 イッセーの、と言うより俺たちの疑問に答えたのは窓際に移動していたアザゼルさんだった

 

 言われて外を見てみると学園を薄っすらと霧のようなものが覆っているのが見えた

 

「厄介なモンが敵に回ったみたいだな―――あの霧は神滅器(ロンギヌス)の一つ絶霧(ディメンション・ロスト)の霧で間違いないだろう。あの霧は触れたものを強制的に任意の場所に飛ばせる力がある。あのヴァンパイアを護衛から引き離すくらい訳ないだろうさ―――おっと!言ってるそばから次が来たみたいだぞ」

 

 

 俺、意識だけ動いてるんで、そんな事よりも誰か助けてくれませんか? 結構辛いです……

 

 

 

 それから兵藤一誠とリアス・グレモリーは悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の特殊な効果によって転移をした。どんな生物も悪魔に変えることの出来るアイテムとしか思っていなかっただけにチェスの様な使い方が出来るとは驚きである。

 

 

 暫くして、足元に魔法陣。

 

「あの魔法陣は確か・・・レヴィアタンの紋章!!」

 

「レヴィアタン・・・ですか?それは会長さんのお姉さんの?」

 

「いいえ違いますわ。あの紋章は先代魔王の『レヴィアタン』の家系の物ですの」

 

 姫島朱乃の注釈が入った直後、魔法陣から一人の女性が現れる

 

 

「ご機嫌ようサーゼクスにセラフォルー。それと天使と堕天使の長よ―――貴方方には今此処で滅んでいただきます」

 

 

 

 やべえ、逃げてぇ……

 

 レヴィアタンの名を持つ悪魔なんて確実に強いだろう。ミカエル様達がいるからと言って絶対な安心なんて無い。

 

 

 あんな悪魔はそんな事を気にする事なく攻撃を仕掛ける。

 

 

「最大勢力のトップが揃って防御結界とは、何とも見苦しい!」

 

 見苦しくても俺はいいけどな。毒ずくも決して届くことはないのだが。

 

 

 お、アザゼル様がカテレア・レヴィアタンと空中戦だ!

 

 流石、堕天使総督。旧魔王の家系であれど圧倒している。

「私の力をこの程度だと見くびって貰っては困りますね。良いでしょう!まずは貴方に魅せて上げましょう!真なる魔王"レヴィアタン"の力を!!」

 

 劣勢の彼女は"蛇"を出した。

 

 

 その蛇はこれからやってくる新しい時代を飲み込まんとするほんの序章に過ぎなかった。

 

 

 

 

 

 

主人公にヒロインとかいる?

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