白クマさんに案内された船内は潜水艇とは思えないほど広かった。
薄暗いのはやっぱりな〜って感じ。
「よその人が船内勝手にうろついてたら疑われるから先にキャプテンに挨拶にいこーか」
「やっぱりそうなの?なにも手土産持ってきてないよー」
「何言ってんの?笑 客人なんだから手土産なんて要らないよ」
「あ、そっか」
なんか遠足気分だったからすっかり立場逆転してた。
しばらく薄暗い廊下を歩くと、今まで通ってきた扉よりも大きな扉に着いた。
多分一番大きな部屋。
「ここがキャプテンの部屋だよ」
「さすが船長さんだね〜お部屋もおっきいや」
そう言いながらあたしは大きな扉を押した。
「おじゃましまーす…」
「あァ?」
入って早々、とても不機嫌な声で出迎えられた。
部屋の中は医学の本で埋め尽くされてて、天井近くに一つだけ丸い窓がある。
机は壁にくっついてて、その隣に大きめのベッド、部屋の隅にはコートハンガーがあって、そこに白衣とモコモコの白いハットがかかっている。
そして部屋の真ん中にはテーブルとイスが並べられていて、あたしはそこまで白クマさんに案内された。
船長さんらしき人はベッドの上で寝転びながら読書をしていたみたいで、手には本が握られていた。
黒髪がつんつん跳ねていて、あまり開いてるとは言えない目の下にはクマがくっきりついている。
黄色の七部丈のTシャツの真ん中には、白クマさんの胸にあるマークと同じ模様が描かれている。
「おい、ベポ。なんだそいつは」
「お客連れてきた!」
「客?」
「おじゃまします((ぺこり」
「聞いてよキャプテン!実はさっきこいつがロリポップキャンディってやつくれたんだ!!それがものすごく美味くてさー」
「……」
ベポと呼ばれた白クマさんが楽しげにさっきの会話を話している間、船長さんはずっとあたしの顔を睨んできた。
み、見過ぎじゃないですか?
いつか絶対あたしの顔に穴があきそう…汗
「…名前なんて言うんだ?」
「名前?…そういえば聞いてなかったな笑」
「お前、それで客だとか言ってたのかよ汗」
船長さんの表情が少しだけ呆れた顔に変わった。
「お前、名前は?」
「くるみです」
「そうか。くるみ、船内をまわるのは勝手だが、船内のものは持って行くなよ」
「持っていかないよー泥棒じゃないもの」
「…ベポ、もう行っていいぞ」
「アイアイキャプテン!」
隣でベポちゃんが船長さんに向かって、船乗り特有の敬礼をした。
「よし、くるみ行くぞー」
「はーい」
あたしの後ろで扉が閉まった後に気づいたけど、そういえば船長さんの名前聞いてなかったや。
後できいとこーっと。
※船内の描写は作者の妄想と願望が入り混じっています。
公式ではないのでご了承ください。