クールな船長を振り回すお話   作:ミント*

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【1話】拾われました。3

 

 

「ねえベポちゃん」

 

 

「ん?なにー?」

 

 

あたしが呼びかけるとベポちゃんは先頭を歩きながら振り返った。

 

 

「一体どこに向かってるの?」

 

 

「まずはメシかなって思って、食堂に行こ!」

 

 

「ごちそうしてくれるの!?」

 

 

嬉しくて思わず両手を合わせて喜んだ。

 

 

「ペンギンがいるはずだからきっと作ってくれるよー」

 

 

そう言ってベポちゃんは楽しそうに微笑んだ。

 

 

…ペンギンさんって言ってるけど、ここは水族館かなにかなのかなー。

 

 

 

 

 

 

「ペンギンー、メシちょうだい!」

 

 

「もうメシの時間はとっくに終わったぞ?片付け中だ」

 

 

「そんなっ!?」

 

 

厨房の方から顔を出したのはペンギンを連想させる帽子を目深くかぶった人だった。

 

 

帽子には名前の通りPENGUINって書いてあって、ベポちゃんと色違いの白いツナギを着ている。

 

 

袖まくりして見えている腕には、さっきの船長さんと同じ刺青がしてあった。

 

 

「ん?誰だよ、この娘さん」

 

 

あたしに気づいたらしく、ペンギンさんと目が合った。

 

 

「あーくるみだよ」

 

 

「くるみって誰だよ?!」

 

 

「すいません…」

 

 

…ベポちゃん大丈夫かなぁ汗

 

 

 

 

 

「なんだ、礼がしたいのか」

 

 

ベポちゃんの説明が終わって、ペンギンさんはやっと理解してくれた。

 

 

「えーっと、くるみちゃんだっけ?」

 

 

「あっうん、気軽にくるみでいいよー」

 

 

「じゃあくるみ、メシ食いたいんだろ?余りもんしかないけど大丈夫か?」

 

 

「うん、好き嫌いないから大丈夫!」

 

 

それだけ聞くとペンギンさんはにっこり笑った。

 

 

「よし、じゃあ待ってろよ?ウマいの食わせてやるから」

 

 

「ありがとう」

 

 

ペンギンさんっていい人だなぁー

 

 

料理ができるまでなんとなく手持ち無沙汰になったあたしは、食堂の中を観察することにした。

 

 

見た目は普通の食堂で、壁の端っこには観葉植物がある。

 

 

入り口とは反対側にある壁には丸い窓がたった2つだけ、外の光を取り込んでいた。

 

 

「窓の数少ないんだねー」

 

 

あたしがそうつぶやくと、隣に座ったベポちゃんが話し始めた。

 

 

「そりゃあ潜水艦だからね。あんまり多いと水圧で割れちゃうよ」

 

 

ガチャ

 

「おーい、ペンギーン」

 

 

扉を開けてやってきたのは、キャスケット帽をかぶったサングラスの男の人だった。

 

 

帽子からはみ出た少し長めの髪の毛があちこちに跳ねている。

 

 

その人の腕にもやっぱり、船長さんやペンギンさんと同じ刺青がしてあった。

 

 

「ちょっと小腹が空いたんだけどなんかあるー?」

 

 

「あァ?今そっちの嬢ちゃんにメシ作ってるからちょっと待ってろ」

 

 

「嬢ちゃん?」

 

 

そう言って、キャスケットの人はあたしを初めて見た。

 

 

「女の子いるなんて珍しいなー、なんでいんの?」

 

 

「ベポのお客だとよ」

 

 

「お前羨ましいなーその見た目で女の子イチコロじゃん」

 

 

「おれ、メスのクマがいい」

 

 

「贅沢だな!!」

 

 

クマさんだから贅沢ではないと思うんだけどなぁ…

 

 

「あ、そういえば名前なんていうの?」

 

 

「くるみっていうの」

 

 

「そっかくるみか。おれはシャチ、よろしくなー」

 

 

そう言ってシャチさんは無邪気に笑った。

 

 

…シャチもいるなんて、ホントに水族館みたいだなぁ。

 

 

 

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