道具屋さん、始めました   作:飛沫

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モンハンの神おまを求めて彷徨っています。守勢3かガ性3、弱特と超会心ついてる武器スロ1防具スロ1.1の凄いお守りが欲しいです(ねぇよ)。

そういえば、塊魂とPATAPONのガチャガチャがあったので回してきました。塊魂は新作も出るみたいですね。王子クッションとブランケット可愛いから、特装版買おうか本気で悩んでます。


そんな事、知りたくなかった(シルキ編)

「シルキさん、十日後に水の宝珠についての発表があるのですが、一緒に話を聞いてもらえませんか?」

 

「えぇ……?」

 

 ジャンダグさんのお誘いに、私は思いっきり消極的な態度を見せた。だって絶対におかしいんだもの。宝珠の調査は、王都から態々優秀なエルフを八人も派遣しているのだ。それぐらい重要視されている結果発表に私を呼ぶ? この村の責任者である領主様や村長ならいざしらず、村の一住人に過ぎない私が呼ばれる理由も分からない。だったら村の人全員に招集かかるだろうし。

 

「シルキさんには、ウンディーネの素材で大変お世話になりました。なので、その腕と知識を見込んで、是非宝珠について知っていただきたいのです」

 

 ……これは絶対面倒くさい案件だな。ジャンダグさんが感謝の意を伝える時は、魔女便で取り寄せた美味しいものを渡すか、店の商品に金を落とすのどちらかだ。話聞けって嫌な予感しかしない。

 と、この時点でなんだかんだ理由をつけて断る気でいたが、何故かジャンダグさんは私を絶対に連れていく強い意志を持っていて、それっぽい言い訳を並べると被せてくるように解決策を打ち出してくる。最終的に

 

「畏まった場所に行くいい服がない(この前のフェルクスさんの周年祭で買った)」

 

 に対し

 

「ご安心を! 女性に恥をかかせるなど致しません。王都から取り寄せますので、希望の色や形を仰ってください。サイズは後ほど村の女性に頼んで測ってもらいますので」

 

 なんて返されたので、諦めて首を縦に振ったのだ。

 しぶしぶついていき、着いた先は領主様の御屋敷。外観は何度か見たことがあったが、中に入るのは初めてだ。内装は以前お邪魔した蟲使いの彼のと非常によく似ていて、マジで蟲使いって儲かるんだなー、と独り言でいたら後ろから名前を呼ばれたので振り返れば村長が。

 

 「なんでシルキが」との問いにジャンダグさんが「私が無理言って来てもらったのです」って答えれば、納得したようだ、そのまま私の後ろに並ぶ。まぁ、嫌な予感はするものの、あくまで呼ばれた体で知らんぷりできる私と違って、村長は立場があるからね、不安なんだろう。

 通されたのは、大広間という場所だろうか。数十人程度なら楽々入れる部屋に、目算して三十以上はありそうな椅子が置いてある。好きな場所に座っていいと言われたので、後ろの方の隅っこに座ると、村長からもっと前に来いと言われた。しかし、首を強く振って拒否の意を貫く。面倒くさそうな臭いがプンプンするのに、これ首突っ込むほど私変態じゃないんで。

 村長はなんとか道連れを作ろうとしていたが、流石にジャンダグさんがいる前で強引な真似は出来ずに、しぶしぶ移動……かと思いきや、ジャンダグさんにもう少し前の方に来ないかと勧誘してきた。すると、ジャンダグさんも「もう少し前に行きませんか?」と誘ってくる。断固拒否としたい所だけど四方を知らん人を囲まれるのも嫌なので、村長から二つほど後ろの斜め後ろに座る事に。畜生、後で覚えてろよ。

 その内に、人がどんどんと入ってきて席が埋まっていくのだが。 

 

(なんか……場違い感が凄いんだけれど)

 

 入ってくる人たちの服装や装飾品を見ていると、ただの人々じゃない気がする。格好こそ物語に出てくるようなお貴族様を思い起こされるけれど、顔つきや振る舞いからは人を指揮したりするような有能そうな空気が伝わってくる。村の領主様も気さくで樽みたいなお腹してるけれど、統治は優秀だから同じような感じだ。てことはここにいるの、皆何処かの町や村の領主様ってこと? えー、マジでなんなのこの発表は。

 そうして不安を募らせていると、村に来ているエルフ達もやってきて前の方に座る。そして眼鏡をかけ、長い黄緑色の髪を結んだいかにも仕事できます風な女のエルフと、王都で役人とかにバンバン指示を飛ばしてそうな、これまた出来るオーラを纏った壮年の男性が簡易的な壇上に立つと軽く挨拶をして、村の宝珠についての説明を始めたのだが。

 

*  *  *

 

「……は?」

 

 宝珠が崩壊する可能性がある。そんな事を聞かされたのだから、間抜けな声が出るのは仕方ないだろう。寧ろ、それだけで済んだのだから安いくらいだ。

 

「ちょ、ちょっと待ってください。ほ、崩壊!? 宝珠は百年以上前から今の泉の中に安置してあって村人たちは移動はおろか触れることすらないのですよ。何だってそんなことが!」

 

 私の疑問全てを村長が代弁して話してくれた。それに対し、例のしごできエルフが答える。

 

「ええ、この村の方々が、宝珠を大切に扱っている事は充分に承知しております。皆様、しっかりと宝珠に対して感謝と敬意の念をお持ちですからね。しかし、深刻な水不足で、ここから離れた村や町の方々が、宝珠を持ち出そうとした事がありますよね」

 

「はい……」

 

 村長が力なく頷き、私は明後日の方へ視線を向ける。あの時なら確かに、知らない人があちこちからやってきて、宝珠に色々とちょっかいかけてたから、可能性はなくもない。けどなぁ、あれ何年も前の話よ?

 

「持ち出すことは非常に困難な代物ですが、水不足に陥っていた彼らは、どんな事をしても持ち帰りたいとかなりの無茶をしたのではないでしょうか。そして、おそらく付いた傷も最初は小さな凹みのような傷だったのでしょう。それが、絶えず溢れる大量の水によって少しずつ広がっていった……我々はそう推測しています」

 

 ほーん、じゃあ前に見ていたボコボコと出ていた泡は、亀裂から押し出された空気とかだったのかしらね。……あれ? それ考えると結構やばくね?

 私と同じ事を考えたのだろう。どこかの村長をやっていそうな人が「それで、宝珠の崩壊はいつ起こるのか分かるのでしょうか?」と質問をする。それに答えたのは、壮年の男の人だ。

 

「宝珠が完全に崩壊する時期ですが、当分は余裕があると考えてもらってかまいません。卓越した技術で作られた宝珠は、非常に強固で頑丈、亀裂自体ももまだ一cmもない大きで、あれだけの水量を放ちながらも広がりは緩やかです。今の亀裂の広がり方から計算すれば八十年から百年後となるでしょう。ですが」

「今や宝珠の水は、この国にとって欠かせないものとなっています。近隣周辺の村々だけでなくこの村の先にあるダンジョンの町、王都も宝珠から流れ出る水によって出来た豊富な水量の川によって生活出来ているのです。いくら先の事とは言え、放って置く事などはできないのです」

 

 隙を見せぬ二段構え、全然安心出来なかったわ。

 

*  *  *

 

「うわー、そんなの一種の余命宣告みたいなもんじゃない。私も聞きたくなかったわー」

 

「ボクはステリアちゃんが一緒に犠牲になってくれて、心の底から安堵しているニャン」

 

 私の話を聞いて、うげぇと舌を出す二人。やー、やっぱり聞いてもらえて助かったわ。

 

「で、猶予があるとは言え、亀裂が広がれば広がるほど修復出来る可能性が低くなるから、苦渋の決断で責任ある人たちだけ呼んで話をして、いい知恵があったら教えて欲しいって事なのよね」

 

 確かにこんな話を聞かされれば、混乱したり不安になる人も出るだろう。悲観的な思考ってのは伝染しやすい。騒がれたり暴れられたりしたら抑え込むのに大変だから、鎮圧する立場の人なら簡単に漏らさないだろうと踏んで説明したのだろう。でも私は巻き込まれたくなかったわー、本当に出来ることなんてほぼないんだもん。

 

「因みに帰り道で村長に『誰かに漏らしたら村から追い出す』ってしつこいくらいに言われたから、他の人に言うのは厳禁で」

 

「はいはい。てか、マジで今の段階で打つ手ないの?」

 

「いや、ジャンダグさんの話だと、もう一人優秀な城抱えドワーフが来て、よく調べるみたい。その時はまた、ウンディーネの素材で色々作ってお手伝いかな」

 

 それで、何とかなってくれないかしらねー。宝珠作ったのもドワーフだし、やれるのなんて彼らだけでしょうし。

 

「まぁ、私らなんて後長くても四十年くらいしか生きられないから、関係ないっちゃ関係ないけど……知っちゃうと暗い気持ちになるから、マージで知りたくなかったわ」

 

「ニャーン」

 

「うん」

 

 三人一様に頷いていると、ドアベルが鳴って行商人の人が入ってきた。

 

「こんにちはー。あのユニコーンの水薬と安眠香をって……お客さん? 出直した方がいいかな?」

 

「あ、じゃあ私帰るわ。雷帝の抱擁はまた明日頼みにくるから!」

 

「はいはーい。あ、今帰るんで大丈夫ですよ、水薬と安眠香ですね、少々お待ち下さい」

 

 空気が変わったので、一緒に気持ちを切り替えてお客様に向き合う。しばらくモヤモヤした空気で過ごすんだろうなぁ。当たり前の日々が、こんなにも有り難く感じる時が来るなんて思いもしなかったわ。

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