EVOLinGATE 転生エボルが特地に行くそうです(一時凍結中)   作:エターナルドーパント

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「遂にイラスト投稿を始めたか作者」
『あぁ、pixivにな』
「精々エタらないこったな」
『コッチはともかく、イラストは怪しい』
「そこは頑張るって言っとこうぜ・・・じゃ、そろそろ・・・」
『「さてさてどうなる第8話!」』


交流/暗躍

(惣司サイド)

 

「いやはや、まさかスライディング土下座に到達するとはなぁ」

ご機嫌で呟きながらミュイの屋敷の屋根の上に寝転がる俺。因みに教えたのは普通の土下座だけだ。

「・・・さて、と・・・そろそろ、探りを入れ(探りを入れ)た方が良さそうだな・・・』

俺はよっこらせっと立ち上がり、右手にトランスチームガン、左手にスチームブレードを召喚する。そしてブレードを分割して、スチームガンに合体。

─ガチンッ─

【ライフル・モード!】

仕上げに空いた左手で俺の遺伝子を流し込んで、空に撃ち放つ。

【スチーム・ショット!】

銃口から発射された赤黒いエネルギー弾は一直線に夜闇の中を突き進み、やがて見えなくなった。

『これで良いだろう。()()()も創ったしな』

そしてパンドラの武器庫(アーマリーオブパンドラ)にスチームガンを投げ込んで返却っと。

「さてと、そろそろ戻るか」

俺は体細胞の結合を分解して赤黒いスライムになり、猛スピードで這いずる。なかなかの速度が出るようで、3秒後にはもう伊丹達が居る部屋だ。ドアの下の隙間をすり抜けて、シュバッと人間態に戻る。

「ただいま♪」

「うおっマスター!?」

真っ先に反応したのはベッドにいる伊丹だ。古田は真剣にコッチの食い物を頬張っている。料理人なら、味は知っておきたいわな。つか、ロゥリィがメイド長に捕まってやがる・・・助け船出すか。

「Heyメイド長、一旦ロゥリィを休ませてやりな。ロゥリィもお菓子ぐらい食いたいだろうしな」

「ありがと~ソウジ~」

「これは失礼しました!」

うっし、これで大丈夫だろ。

「マスター。この前の授業の続きをお願いしたい」

お、レレイは勉強熱心だなぁ♪

「よし!それじゃ今回の授業は、前半は音速突破と衝撃波、後半はDNAによる遺伝の授業だ!」

いやはや、こういう事を教え込むのは楽しいねぇ♪

 

その後、無理して帰る必要性も無いと判断し、皆はこの屋敷で1泊した。その際、面白い事が聞けたな。何でもここのメイドの内、首狩り兎(ヴォーリアバニー)と言うウサ耳種族2人の話だ。それによると、何でも彼女達の住処に帝国が奴隷狩りに来た時、彼女等の女王のテューレって奴が敵に寝返ったらしい。統率力も高く、仲間想いだったが、最後は己の身可愛さで同族を売り渡したと言っていた。証拠として帝国兵に女王の鎧を見せられたらしいが・・・恐らく、帝国側の都合の良いように捻じ曲げられた情報を植え付けられてるな。大方、女王には『お前が降伏すれば一族は助けてやる』とでも吹き込んで、鎧を取り上げたんだろう。手垢まみれのありふれ過ぎたやり口だが、ピンチで精神的にこの上無く追い詰められていた兎達には効果が絶大だったと見える。

『・・・これは、使えそうだな』

そう一言だけ呟いて、俺は眠りに落ちるのだった。

 

(?サイド)

 

『・・・と、ここっぽいな』

そう言い俺は着ている黒い革ジャンのジッパを下ろしながら、目の前の城門を見上げる。全く、流石は皇帝陛下の城だなぁ。無駄に馬鹿デカ過ぎる。

『さぁて・・・じゃ、行くか』

俺は革ジャンの右内ポケットから掌サイズのボトルを取り出した。それは錆鉄色の上下蓋に紫色のクリアパーツ、そして銀色のキャップと同色のコブラを象ったレリーフのあるフルボトル───コブラロストフルボトルだ。それを手首のスナップで3回程振り、キャップを正面に合わせて弁を開放、右手に持った変わった銃───トランスチームガンに装填する。

─ガキャコンッビィチュンッ!─

【コォブラ・・・】

するとスチームガンからどことなくダーティな雰囲気の待機音が鳴り始めた。俺はそのままスチームガンを上に掲げ・・・トリガーを引く。

()()♪』

【ミスト・マァッチ・・・】

その瞬間、銃口から真っ黒な煙が発生し、瞬く間に俺の身体を包み込んだ。

【・・・ココッ・コォブラ・・・コォブラ・・・】

そして煙の中で赤いスパークが走り、映るシルエットが変化する。

【ファイヤー!!】

─ドパ~ンッ!ピュルルルルルパンッパパァン!─

最後に頭部から金と銀の紙吹雪のような花火が上がり、黒い煙が霧散した。

『・・・やっぱ、しっくりくるな』

 

──鮮やかな赤色の装甲──

 

──関節や指の装甲はブラッドレッドとでも形容すべき暗い赤色をした、どこか宇宙服にも似たスーツ──

 

──コブラを模したトルマリン色のバイザーと胸部装甲──

 

──首にマフラーのように巻かれて、そのまま胸部のサイドに下ろさた、汚染水を垂れ流す工場を連想させる下向きのパイプ──

 

その名は───

『《ブラッドスターク》、装着完了』

そして俺はそのまま足音を殺し、中にスルスルと潜入する。あのスライディング移動・・・もうコブラスライドで良いや。コブラスライドなども駆使して、俺はあっと言う間にある部屋に辿り着いた。

『さてと・・・普通に入っても、何ら面白く無いよな。よし』

俺はもう一本ボトルを取り出す。それは白色のオバケのレリーフが入った、オバケボトルだ。これを数回振って活性化し、キャップを開けてコブラと入れ替えるようにスチームガンに装填する。

【フル・ボトル!スチームアタァック!】

すると俺の身体は霊体化し壁をすり抜けた。そして部屋の中を見れば思った通り、ベッドの上には白い毛並みのヴォーリアバニーが寝ころんでいる。俺はその兎の横にスタッと降りた。

『オイ、起きろ』

「ッ!?」

っと、寝起きで中々鋭い蹴りをお見舞いして来た。だが・・・

『オイオイ、随分とまぁ物騒な挨拶だな。落ち着けよ。俺は、お前さんの手助けをしに来たんだ。テューレって、お前さんだろ?真っ白の毛並みってのはそうそういねぇからな』

「・・・手助け?」

当然、この程度の情報じゃ警戒は解けない。だが・・・

『前に、アンタと同じようなヴォーリアバニーに会ってな。ソイツはお前さんの事を「裏切り者」だのと罵ってたが・・・』

「・・・ギリッ」

この様子だと、ビンゴっぽいな・・・

『どうやら、違うらしいなぁその顔は。勘違いとか擦れ違いとか、そんなんがあるかも知れん』

「・・・あなた、名前は?」

『お、聞いてくれる気にはなってくれたか?』

警戒そのものは解けてないが、会話なら出来るだろう。

『んっんん・・・俺の名は、ブラッドスターク。ま、意味は〈忍び寄る血〉って所だな。以後、お見知り置きを♪』

さて、自己紹介も済んだ事だし・・・

『さて、話してくれないか?お前さんに・・・いや、お前さん達に何があったのか』

「・・・わかったわ」

『ありがとよ。あ~それと・・・そこの犬、出て来い』

俺はベッドに向かって話し掛ける。いや、正確には・・・

「いやはや、見破られておりましたか・・・」

ベッドの下にいたコボルトに、だな。

『悪いなテューレ。話をたのむ』

「えぇ」

 

───────────────────────────────────

 

テューレの話を纏めると、やはり彼女は同族の為に生け贄になったらしい。ここのアホな自己中気違い皇太子ゾルザルの慰み者にされて毎度毎度下っ手糞なナニに付き合わされ、更に救った筈の同族からは裏切り者として命を狙われる。こう言うのを~何だ、踏んだり蹴ったりって言うのか?今は復讐の為にナニ中に洗脳じみた事をしてるらしいが・・・そしてやはりと言うべきか。

『俺の聞いた話と、食い違いがあるな』

「・・・どう聞いたのかしら?」

話して聞かせてくれたんだ。今度は、こっちが喋らなきゃな。

『簡単に言うと、自が身可愛さで同族を裏切って帝国に服従した、って所だったな。そいつ等は証拠としてお前さんの鎧を見せられたらしいが・・・全く、何の捻りもありゃしねぇナンセンスな、それでいて追い詰められて心に余裕が無い奴には効果覿面な、実に質の悪いやり方だぜ』

「・・・成る程ね。大体分かったわ。どうやら私たちヴォーリアバニーは、それぞれが騙されていたようね」

『まだ証拠はねぇから、取り敢えず頭に置いといてくれ』

俺はコメカミをトントンと指で叩いて追加する。

「えぇ。分かってる」

『なら良いんだ。それじゃ今夜はこの辺で。チャオ♪』

俺は扉を開けて部屋を出る。

「・・・チャオって?」

あ、そうか。知らないんだったな。

『ん~まぁ、〈こんにちは〉にも〈さようなら〉にも使える便利な言葉さ』

「そう・・・じゃあ、チャオ。スターク」

おお、意外とノリ良いんだなテューレって。

『・・・気ィ付けろよ』

そう言い、ちょっと嬉しくなりながら扉を閉めた。

『さて、すぐ帰っても良いが・・・適当に散策して行くか』

俺は適当にその辺をぶらぶら歩く。どうもここの見張りは徹夜慣れして無いっぽいな。簡単に探検出来た。

『ふ~ん、ここが奴隷部屋・・・ん?あの奴隷・・・まさか!』

適当に部屋を覗いていると、一人の少女が目に入った。黒髪だし、骨格的にも・・・

『おい、おい!』

「ん・・・ッ!?だ、誰!?」

やっぱりなッ!

『日本人か』

「え・・・日本語?」

キョトンとする少女。恐らく高校生くらいだろう。

『俺は、ブラッドスターク。よろしくな、お嬢ちゃん。それで、お嬢ちゃんの名前は?』

俺は少女の頭を撫で、同時に少しだが怪我も治した。

「の、紀子・・・です」

ノリコちゃんか。覚えたぜ。

『安心しろ、俺は君の味方だ。君以外に、日本人は居るかい?』

「いえ、ここには・・・でも、ここに連れて来られた時、友達も2人いたんです!男と女の!」

成る程、有力情報ゲットだ。

『ありがとな。そうだ、確かあったはず・・・あった。少ないが、食うかい?』

俺はパンと水筒を取り出し、ノリコちゃんに渡す。かなり窶れてるからな。きっと碌なモン食ってないんだろう。

「あ、ありがとうございます!」

おぉおぉ、あっと言う間に食っちまったよ。

『済まない。今日の所は、お別れだ。明日の夜、また来るぜ。チャオ♪』

「あ、わかりました!」

そう言ってノリコちゃんは笑顔を見せてくれた。これだから、エゴ活動とは言え人助けは好きなんだ。

 

そして俺は霧ワープで、その場から消えた。




「ほうほう、遂にスタークが!」
『まぁ、動かしやすいキャラでもあるからな~』
「そしてテューレちゃん、結構ノリ良いのね」
『原作と比べて、復讐以外にほんの少しだけど心の拠り所が出来たからな。ちょっとだけ付き合ってくれたんだよ』
「ではでは今回はこの辺で!」
『「次回もお楽しみに!」』

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