そしてなんと初めての分割編ですよろしくお願いします
なぜ投稿してから誤字が見つかるのか誤字修正しました
酒場の連中は困惑していた。
スクワッドジャムで有名になったピンクの新星レンが、金髪美少女フカ次郎を連れてやってきたのはいい、酒場の連中も大盛り上がりだった。だがその後ろにいる黒い顔の見えないフルフェイスヘルメットを共通で被り片や白いマントを巻き片や黒いハーフマントを付けた男二人はなんだと。
チーム名はLFTY。命名法則から見てこの四人の頭文字であろう。
「フカ、ヤーさん、トーさん、行こう!」
((((((((((ヤクザとお父様!!!?))))))))))
転送されていく4人を見ながら酒場全体が困惑し、深く掘り下げないことにした。
「あの二人、動きがぎこちないな、他のゲームからコンバートしてきたのか?」
家の中で待ち伏せ作戦に決めたLFTYチーム、なんと白マフラーのヤーさんが取り出したるは対物ライフル、AW50だ。伏せ撃ちを補助する特徴的なストックに三脚、長距離狙撃のためのスコープ、先端には円形の大型マズルブレーキが装着されており、それを見た酒場のライデーンは思わず涙を流した。
変な奴じゃないのに出会えた対物ライフルの幸運を祝った。直後に扉の縁にストックと銃口の辺りを衝突させる様を見て怒ったが第二回BoBの頃ほどではない。狙撃手が屋内じゃシカタナイネ! と笑って許せるほどだった。
黒いの二人はなんだかぎこちない動きでレンの作戦を聞いて頷く。
LFTYの作戦はフカのグレネードで混乱を誘い、ヤーさんが狙撃で相手を仕留める。そこにレンとトーさんがとどめを刺しにかかるという完璧な作戦である。
レンがピンクのP90を、トーさんが艶消しされた黒のMP7二丁を、フカ次郎がダネルMGLを持ちながらじりじりと敵にばれない様移動していく。
既にヤーさんは位置に付き、あとはフカ次郎がばれない様にこっそり移動し、絶好のグレネードポジションに着こうとしたとき、フカ次郎の足元が炸裂した。
「囮任せる」
「ごめーんっ!」
しまった! とレンが思うより早くトーさんが走り出した。謝りながらひっくり返ったフカ次郎をそのまま抱えてすごい勢いで逃走しだしたのである。
さらにヤーさんの声が聞こえてくる。
「……バックアップ準備完了、タイミングはレンに任せる」
そして隣にある小屋。やるべきことをレンは理解した。
レンは小屋の中にすぐさま入りこむと小屋の外が騒がしくなってくる。どこにもいない! 足が吹き飛んだ奴を抱えて遠くに逃げられるはずがない! と叫び、レンが隠れる小屋に目星をつけた。なお彼等には残念なことに足を吹き飛ばされた奴は抱えられて遠くに逃げている。
「行きます!」
レンが外に飛び出すタイミングでヤーさんが発砲、それと同時にピンクの塊が窓を突き破って現れた。
まず吹き飛んだのは狙撃による大威力を直撃させた1人目。胴に大穴を開け吹き飛ばし手に持つショットガンが地面に落ちた。動揺が広がるより早く、三人をレンがP90の装弾数を活かし薙ぎ払い射殺、何が何だか分からない5人目に狙いをつけ突っ込むレンとそれを狙う6人目、再びの強烈な発砲音と共に五人目が大穴を開けて吹き飛び、フレンドリーファイア覚悟で6人目が放った弾はまるで壁に当たったかのように進行方向を変えたレンの軌道を読めず地面に着弾、代わりにレンのP90から放たれる5.7×28mm弾の雨が男の顔をダメージエフェクトでびしょ濡れにした。
「うわぁ……」
「おおぅ」
あまりの速さで全滅したため酒場の皆さまは目をぱちくりさせている。が、憐れな五人目の吹き飛んだ場所を見て引き攣った顔をしている者もいる。何人かは股間を抑えていた。
太ももの付け根とへそより下あたり、具体的に言うと股間あたりを中心に大穴があいていた。
「あの狙撃手、レンちゃんが居るのによく恐れず二人目撃てたな、俺じゃビビって撃てないぜ?」
「いや、あの狙撃手は撃ってないな」
「どういうことだライデーン」
「ピンクのあの腰の得物を見てみろ」
ライデーンと呼ばれた男がジョッキをカウンターに置き呟く。レンが腰から吊られたピンクのトンファーみたいな物を手に取っている。それの後部を開くと、大きな薬莢が排出され、地面に落ちて光になり消えていく。
「うわああああ鈍器だあああああ」
「でっか!? なんだあれ」
「ヤベー奴だ! 拳銃のヤベー奴だ!」
酒場の反応が収まるのを待ってライデーンが続ける。
「大穴を空けたのはアレの一発だ。それの反動とAGI型の敏捷性を生かしてあんな動きをしたわけだな」
「なにそれ怖い」
「レンちゃんマジ怖い」
酒場ではレン怖いの合唱が始まっていた。
「ごめんよぉレン、捕まったー! 私のことは気にせず先に行くんだー!」
「ククク、レンよ、フカ次郎を救いたくば我が城に来るがいい……もし救えたならば世界の半分をお前にくれてやってもいい」
「二人一緒にボケないで!!」
「ぬわー!!?」
安全な場所まで一旦逃げていた二人が戻ってきた。
トーさんとソレにお米様抱っこをされたフカ次郎が同時にボケてレンが憤慨しながら応急治療キットをフカの尻に突き刺した。それは別として体力が4分の3程度までしか減っていないフカ次郎の耐久はすごいと感心せざるを得ない。レンだったら全損手前だろう。
時間が惜しいのでフカ次郎は欠損が治るまでの間グレネードランチャーを手にプラプラさせたままお米様だっこで移動し、2回目のサテライトスキャンを確認する。
「駅のチームは叩かないとね、影伝いに移動して近づく」
「レンさんやレンさんや、さっきのポカのお詫びをさせてくれぬかい?」
「いいけど、何するの?」
「うぇひひひ、レンもトーさんヤーさんも誰も撃たずに駅の奴等、ぜんめつさせてやる」
「芋は死すべし」
「……弾着観測なら俺でもできるだろう」
フルフェイスヘルメットの二人は行動方針には口は出さず、サポートに徹するような口ぶりで答えた。
サクッと駅の芋を刈り取るLFTYであった。
一方その頃――――――
「ふう……なんとか初戦果だ」
「よかった……」
「なんとかなるもんだな」
林の中で思わず汗をぬぐうスナイパーチームの男の面々がいた。深く吐き出された息は、まるで爆弾の赤い線と白い線の二択に成功したかのような解放感に溢れていた。
「シャーリーが手を下すまでもなかったな」
「撃てなかったのは少し不満だけれどね」
少し不満を漏らしながら鮮やかな緑髪の女性、シャーリーは双眼鏡で相手の行方を探る。
「山の方に三人逃げてる。帽子が少し見えてるけれど狙撃は難しそう」
シャーリーの報告に胸をなでおろすような声がチームから上がった。
「対人戦は通算二度目だが、俺たちは運がいいな」
「GGOの対人は恐ろしい物だからな……」
「俺たちの腕でどこまでいけるかやってやろうぜ!」
敵を倒し奮起する仲間たちに少し微笑つつシャーリーは狙撃に有利そうな場所の選定を地図を眺めながら始めるのだった。
彼等の名前はKKHC。全員が“全GGO凸砂の会”のチャットグループに“お誘い”を受けた狙撃手スコードロンである。
勧誘(物理)
シークレットな匿名希望がLFTYとPM4合わせて6人いる件について。
たくさんのご感想と評価ありがとうございます。