GGOで凸砂する   作:MKeepr
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第二回SJ本編は終わったので番外編です。

10万UAありがとうございます!

誤字修正しました!!(ナイフで刺されながら)誤字報告ありがとうございます!


第二回SJ番外:クレイジーレンちゃん

「カーネルさんの声が聞こえました……!!」

 

「……今日は終わりにするか」

 

「そうだな根の詰め過ぎは良くないもんな。おつかれレンちゃん」

 

「おいおいレンよぉ、大丈夫かー?」

 

「まって!?」

 

 二週間でレンを、ピトフーイとエム相手に真っ向勝負で殺せる領域に持っていく。大量のモンスターを狩り、道行くプレイヤー達を片っ端からぶち殺し、歩法と身のこなしの反復練習の後に闇風がキャリコ片手に追い掛け回してくるのを必死で逃げ回る多忙な日々を送って第二回SJまで一週間を切ったあたりで、レンがそんなことを言い出した。

 レンがカーネルさんと呼んだのは、左側のマガジンケースを潰して装着されたぶっとい棍棒みたいな拳銃である。5kgありピーちゃんことP90より普通に重い。あと馬鹿みたいに反動がある。

 反動の強さはキャラクターの体格、STR、VIT、DEXあたりの影響を受けるのだが、レンはどれも低めなので、かなり強力な反動が発生する。特に体格の影響がかなり大きく、両手で構えて撃っても両手が真上に跳ねあがるほどだ。フカ次郎が撃つとそうでもない反動に見えるが、ゲーム的に言えば能力値で反動を抑えている扱いである。

 それはさておき、連日ログインして疲れが溜まっているのだろう、と終わりにしようとしている凸侍と闇風とフカ次郎にレンが抗議する。

 というかカーネルさんって誰だ。その腰の銃はサンダーだろと三人は思っていた。

 

「聞こえたんです、カーネルさんの声が! ピーちゃんと一緒です!」

 

 三人の中で白い部分を全部ピンクに染められた憐れな姿のカーネル・サン●ースの姿が浮かんで、何とも言えない微妙な表情をした。

 

「ピトさんをぶっころすには! いろいろできないとダメだと思うんです! その天啓をカーネルさんが呟いてくれたんです!」

 

「おおぅ、クレイジーレン……」

 

 東京のストレスと色々あり過ぎで可笑しくなったのだろうか、神崎エルザのライブチケットもゲットできなかったし東京に行ったときは全力で慰めてやらねばと思うフカ次郎だった。

 

「とりあえず、腰につけたまま撃てる留め具買ってきます」

 

「お、おう行ってらっしゃいレンちゃん」

 

「……その間フカ次郎は目隠しで指示された場所にグレネードを落とす練習だ」

 

「……りょうかーい」

 

 フカ次郎は練習を懸命にこなすことで変なことを言っていた親友の姿を忘れようとした。

 

 

 

 

「……遅いな」

 

「ああ遅いな」

 

「今なら見ないでレンにグレネード落とせる気がしてきたよ」

 

 グレネードの爆発でぐちゃぐちゃになった試射場が再生されていく。地形リセットが利くのは便利だ、特にフカ次郎のグレポン最大12連撃を考えると。

 

「戻ってきたら銃の接近戦での奪取か回避の仕方教えようと思ってんだけどなぁ」

 

「どういう技術よそれ凸さん。というかお二人とも何者?」

 

 お前は何を言っているんだと言わんばかりのフカ次郎だが、凸侍からすると大真面目である。前持ってた銃を接近戦で上に弾き飛ばされて以来対策に練習していた。ついでに大学の薙刀部に入り薙刀のやり方を思い出し銃剣に応用したりしてる。講義はサボるがソレはサボってない。

 

「なになに、しがない一般GGOプレイヤーですよフカちゃん。レンちゃんの可愛らしさにほだされただけのね」

 

「えぇー、じゃあ私の可愛さに免じてステータス見せてよぉ、レンにどうしたのかメッセ送るから返信くるまでの暇つぶしー」

 

「まあ隠すもんじゃないしな、情報屋に売っちゃだめだぞ☆」

 

「……欲しがる奴いないんじゃないか?」

 

「オンオンオン!? どういう意味だ闇風ぇ!」

 

 レンにメールを送ったフカ次郎が凸侍と闇風のステータスを覗かせてもらう。気軽に見せてもらっているが、断片でも情報屋に売れるレベルの代物だとフカ次郎は知らない。

 パッと見、わかることは合計ステータスがとても高い。ALOをやりこんでいるフカ次郎だが合計成長回数で結構負けている。

 

「お二人とも……成長歪過ぎませんかねぇ?」

 

 そうして、とても歪なステータス構成をしている。

 フカ次郎が思わず苦笑した。AGIが尋常じゃなく高くそれに続いてDEX、VITと続く闇風とAGIとSTRが高く、DEXも伸ばしているがVIT初期値の凸侍である。歪過ぎて変な笑いが出てくる。

 メールが返ってきた。開くと、今戻るとだけ書かれている。 

 

「すいません遅くなりました!」

 

「おかえり、なんか配置変えてきたな」

 

 帰ってきたレンの腰の装備が結構移動していた。左側に拳銃を吊った影響で減っていたマガジンポーチを右側に増設、ついでにナイフも柄が背中側を向くように配置されている。件のカーネルさんは留め具に固定されてるものの、ホルスタータイプではなく抜き身で腰につけたまま、ある程度射角の自由度を確保できるようになっていた。重さを支える為かベルトも増設されている。

 

「見ててください!」

 

 レンが左足をやや後ろにして腰につけたままのサンダーを構える。バレットラインが出て発射されるも、足で踏ん張ったことと腰で支えられているので発射時の両手が跳ねあがるような事態は無い。腰だめで撃つのもバレットサークルがあるので問題なくあてられる。

 

「「「おおー」」」

 

「カーネルさんの本領はここからですよ!」

 

 弾を込めたレンが今度は走り出した。的に狙いをつけ発砲と同時に、今までにない急速な方向転換をした。

 

「キャシャ……」

 

「フカちゃんそれ以上いけない、とはいえ大火力を発揮しつつ動きに足せるってのはイイネ」

 

「……銃の反動を利用した方向転換か、一発だけとは言え良い発想だ」

 

「えへへ、前回の試合で撃った時偶然殴っちゃったのを参考にしました」

 

 嬉しそうにするレンを見ながらフカ次郎が思う。いやその発想はおかしい、となんだここは狂人しかいないのか、どう考えても発想もおかしいがそれを使おうと思うのもおかしいだろう。AGIが高いと発想が変になるのだろうか。

 

「それの練習も踏まえて、超接近時の銃撃のいなし方だな。経験はしておいた方がいいでしょ」

 

「はい!」

 

 闇風と凸侍のAGI型ブートキャンプの結果、いろいろ吹っ切れすぎて時折ピーちゃんカーネルさんと呟きながら超反応するレンを見たフカ次郎曰く、ボーパルバニーを今なら愛でられる気がするらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピトフーイとレン、二人で岩場の上でのんびりとしていた。

 レンの魔法瓶から出した紅茶を飲みつつ、ピトフーイが楽しそうに背を伸ばした。

 

「あーやっぱりゲームは楽しいねぇ」

 

「そうそう! 命をかけるなんて馬鹿らしい!」

 

「うんうん、もうあんな馬鹿なことしないよ、レンちゃんとゲームできるだけでもう幸せの絶頂だわぁ」

 

 ピトフーイは苦笑しながらそれを肯定した。

 

「いやーそれにしてもまさかPM4が完封されるとは……あの覆面四人には結構なお金積んだんだよ? なんと全員BoB参加者」

 

 レンが首をかしげた。前にも話してもらったことを忘れている様で、ピトフーイはそれを察して説明を追加する。

 

「ほらほら、私が予選二回戦で狙撃されて死んじゃって負けた奴。バレットオブバレッツって言うんだよ」

 

「そうなんですねー、あ! そう言えば二人もそんな感じのことを言ってたかも?」

 

「あの覆面二人? いやーまさかPM4とLFTYでシークレットメンバーが6人もいて、いま思えばおかしいよね! シークレットチーム作った方が速いんじゃないかな! あっはっは!!」

 

 お腹を抱えて笑うピトフーイはもう一つ疑問を呈する。

 

「そう言えばレンちゃんめちゃくちゃ技量上がってたけど、なんかもう容赦なさ過ぎて怖いくらいだったんだけどエムの奴から話聞いた後何やってたの?」

 

「え? そんな容赦なかったかなぁ……」

 

「えっ」

 

「えっ」

 

 容赦が無いを否定するレンにピトフーイが固まりレンも固まる。

 

「え、ええとね、フカ次郎を誘って、それで知り合いだった二人にも協力してもらって二週間ずうううううううっと特訓してた!」

 

「レンちゃんにもあんな知り合いが居るんだなぁーお姉さんちょっと嫉妬しちゃうわぁ……ちなみにその二人の名前は?」

 

「うーん……あんまり名前出しちゃだめだよって言われてるけど、ピトさんの事情話して協力してもらったのに、名前をピトさんに言わないのは失礼だよね?」

 

「うんうん失礼! だから名前は?」

 

 特定してぶち殺しに行ってやる。愛しのレンちゃんと2週間も一緒だと? ギルティ、という狂気的な笑みだと気付かないレンは続けた。

 

「凸侍さんと闇風さん」

 

「……はい?」

 

 ピトフーイ、再びのフリーズ。

 

「え、凸侍さんと闇風さんだよ。恥ずかしがりだからSJで目立ちたくないんだって」

 

「えぇ……ちなみにレンちゃん? その二人なんだと思ってる?」

 

 ピトフーイの質問の意図が読めないレンが首をかしげながら答える。

 

「砂漠で変なPKしてた人とそのお知り合いさん?」

 

 ピトフーイは悩んだ。ちげーよ! なんかもうちげーよ! その二人を金で雇おうとしたら自分が雇った4人をセットにしてダース単位で雇えるわ!! と言うべきか悩んだ。どういう人脈をしているんだこれがラッキーガールか、とピトフーイはキャラを崩壊させるほど戦々恐々した。

 

「……レンちゃん、賞金首ランキングとか見てる? もしくは大会の映像とか」

 

 レンが首を横に振るのは予定調和であった。大会? 位の怪訝な顔をした首の振り方であった。

 その時、背後で爆発が起きた。

 

「かかったああああああぶっ殺してやるううううう!」

 

「うわっピトさん気合一杯!」

 

 鬱憤を罠に引っかかったモンスターで晴らすべく、ピトフーイはKTR-09を引っ掴むとやけくそ気味に走りだすのだった。




フォーススクワットジャムの下巻まだかなぁまだかなぁとしております。





いつもご感想本当にありがとうございます。楽しく読ませていただいております。


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