GGOで凸砂する   作:MKeepr
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どうあがいてもナメプしどうあがいても笑いの神が舞い降りてくるサトライザー、徒手空拳で銃奪いながら暴れた以上の描写がなくサイコザクライザーと化す

誤字修正いたしました。ご報告ありがとうございます


第四回BoB:凸ライザー

 第三回目のサテライトスキャン、その際に自身の近くにサトライザーの名前を見つけたとき、凸侍は思わず凶悪な笑みを作った。凸侍のいるエリアから森林エリアまで少し距離があり、何個か光点があるが、問題は無い、と言わんばかりに走り出す。

 

「うわぁぁぁっ! 凸侍だあああああ!!」

 

 第一回と第二回予選決勝、ついでにフィールドで殺されたことで割とトラウマになっていたダインの正気度を削り体力を全損させつつ、凸侍はサトライザーの元へと急行する。

 

「ようサトライザー! 第一回の借りを返しに来たぞ金髪被り!!」

 

 凸侍が木々を突き抜けると、今まさに一人の首の骨を折り【dead】を点灯させたサトライザーが居た。死体からSPAS12を抜き取って発砲するも、AGIの高い凸侍が木々を盾にして被弾を避ける。バックショット弾の貫通力では木々を突き破ることはできない。

 彼我の距離は50m、凸侍のサークルスイッチに惑わされることなく迫る大口径弾を回避し、大量に背負っていた銃群から一丁を引き抜く。

 それはG3ライフル。世界四大アサルトライフルに数えられる有名な銃だ。それを正確な狙いで凸侍に向けて放つ。凸侍は発砲炎の数とバレットラインの数が一致しないことからライン無し射撃が使えると想定し、ラインではなく発砲炎に合わせた回避行動をとった。21発撃ったところでサトライザーは銃を捨て、今度はサブマシンガンの金字塔、スコーピオンを抜き接近しながら弾をばら撒く。

 

「てんめまたナメプか!」

 

 武器に統一性がなく、弾を使い切ればどんどんと捨てていく、それは今まで倒した奴らからはぎ取ってきたものということだ。木々が多くAW50の全長では不利なものの、木を遮蔽に、自身の攻撃は巨木ではない限り届くという優位性も捨てがたい。

 そこの悩みに付け入る様に、凸侍の発砲に合わせサトライザーが落したのは閃光手榴弾。とっさに左手で目を覆い視野を潰されるのは回避した凸侍。

 サトライザーは徒手格闘を仕掛けてきた。銃身を掴まれそうになった瞬間、サトライザーの左手が宙を舞った。

 横に振られたAW50の銃身の下、まるでレーザーポインタのように備えられた筒から赤い刀身が形成されている。コガラスマルG9と呼ばれる銃剣だとは、知る者はほぼいないだろう。

 サトライザーが後ろに下がりながら右手で銃を抜いた。クリス・ヴェクターと呼ばれるサブマシンガンで、非常に反動制御が容易という触れ込みの銃だ。片手でなお安定したフルオート射撃を行い、凸侍の追撃を.45ACP弾の高いストッピングパワーで押しとどめる。防弾服を着ている故にダメージはほぼ通らないのは幸いである。9mmパラベラムだとストッピングパワーは低いものの防弾貫通性が高いと設定されているためだ。

 

「しゃおら薙刀部入部舐めんな!」

 

「ちっまたお前か」

 

「おっ喋れんのかよ! 死ね!」

 

 少し不快そうな顔をしてからヴェクターから手を離す。スリングを掛けたままで捨てないということはアレはサトライザーの持ち物なのだろう。

 左手の欠損が入っている内に決着をつけたいが、巧みな動きは闇風とはまた違う回避力の高さを発揮し、必殺の一撃が当たることがない。逆にサトライザーも凸侍に対して片腕を失い攻めあぐねいている様で、湯水のごとく今まで貯めた銃器を放出しながら腕が回復するまでの時間稼ぎとする。

 漁夫の利を狙ったプレイヤーの首を蹴りの一撃でへし折り、破壊不能オブジェクトとして凸侍の.50BMGからの遮蔽として利用することも忘れない。結局、サトライザーの腕の欠損が回復してなお、四回目のサテライトスキャンの時間が過ぎてなお決着することはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 狙いを定める。1ドットまで縮んだバレットサークルに誤りなく、.50BMGが対象の体力を全損させ【dead】を点灯させた。それを確認しつつ足早にその場から去るのは水色の髪の狙撃手、冥界の女神シノンだ。

 3回目のサテライトスキャン時点で三人を射殺し、今日も絶好調である。周囲を警戒しながら4回目のサテライトスキャンを確認する。

 

「おやあ?」

 

 冥界の女神が悪い顔をした。シノンから北西エリアで、凸侍とサトライザーという名前が重なっている。

 残る光点はシノン、闇風、銃士X、凸侍、サトライザーだけだ。そうして凸侍の性格からして結託はあり得ない。どうせ変なこと考えて銃剣で刺し殺そうとでもしてるのだろう。

 闇風と銃士Xも距離が近くにらみ合いになると考えると、シノンは完全フリーの状況というわけだ。

 どうするか――――漁夫の利である。

 誰が頭おかしい動きをするAGI型二人も対応しなければいけないのだ。狙撃手としてはごめん被る。

 確実に凸侍を潰し、あわよくば銃士Xが闇風を潰し狙撃合戦に持ち込めれば最近練習しているライン無し射撃の出番である。

 サトライザーとか言う聞いたことない奴がどこまで持つかわからないシノンは急いで狙撃位置へ移動を開始した。

 たどり着いて双眼鏡越しに見えた光景はシノンの正気を削るような状況であった。

 まさかの徒手空拳である。腰にサブマシンガンを差しているものの、ソレ以外はなにもない。張り付けたような笑みが不気味に感じる。

 対する凸侍ははいい笑顔だ。とても楽しそうである。全長が光剣の刀身と合わせ2m近いAW50を巧みに振り、突きの代わりと言わんばかりに発砲する。当たれば即死のそれをサトライザーは避け、背後の木の幹が破裂する。凸侍も組み付かれそうになると半歩体を後ろにずらしサトライザーに掴ませない。

 とても現代戦ではない。戦国時代か何かに無理やり銃を突っ込んだみたいな状況だ。

 

「……なにやってるのよあいつら」

 

 なんだこのゲームの金髪には変なのしか居ないのかと今更ながら思った。お気づきだろう、変なのしか居ない。

 バカらしくなってきたシノンは二枚抜きを狙い、ヘカートⅡを構える。狙うは二人の体が重なった瞬間、ヘカートⅡの威力なら易々と二人とも貫通して終わりである。

 凸侍とサトライザーが近づいた瞬間、引き金をひいた。

 その瞬間、サトライザーが身を引き凸侍だけが突出する。サブマシンガンをサトライザーが抜き放ち、凸侍の前進を妨害する。そこへジャスト、シノンの狙撃が直撃し、HPの低い凸侍に【dead】が点灯した。

 

「なっ」

 

 狙撃を読まれていた? すぐさま追撃にライン無し射撃を敢行。狙い過たずサトライザーに突き刺さるはずだったが、サトライザーはそれを容易く避けた。

 シノンは思わずその背後に死銃を幻視した。いや、アレに“死銃程度”では役不足だ。

 どす黒く底抜けの恐ろしいなにかがあのアバターに憑いている。それが何故か凸侍の死体を引っ張って隠れた。

 茂みの中からサトライザーが飛び出してくる、闇風や凸侍程の速度がないにもかかわらずシノンのライン無し狙撃を容易く避ける。

 その手には、とんでもない物が握られていた。思わず冥界の女神の顔が引き攣った。

 サトライザーの手にあるソレ、AW50凸砂カスタム銃剣仕様を手に持っていた。光剣の起動スイッチの位置が良くわかってないのかグリップを握りこむたびに銃口下の光剣から刀身がびよんびよん形成されたり消えたりしている。

 どす黒い何かという印象は消えたが、なんかこう別のモノが浮かんできた。キリトが凸侍の足を掴んで振り回しながら凸侍が狙撃してくる構図である。

 シノンが知る限り、凸侍はGGO内で格闘戦のできる珍しい人物である。

 以前見た集団戦の大会などでナイフを使ったり光剣を使う人物もいたが、基本そういうのは希少な存在だ。シノン自身、サブアームにグロック17かMP7を携帯し、ナイフや光剣を持つことはほぼない。

ファンタジーで剣で戦うタイプのVRMMOからコンバートしてきた人物や、キリトみたいな存在がバグみたいなのには及ばないとはいえ、その技術はGGO内随一である。その随一の奴を倒せる奴が.50BMGの対物ライフルを振り回している。なんかもうギャグか何かか。

 そう呆気にとられていると、すごい手軽にサトライザーが発砲した。その構えは熟練者と言った風情だった。大威力の.50BMGは狙いを逸らし、シノン手前の地面に着弾。木の根を砕き木片を舞いあがらせる。

 シノンの手前に着弾したのは、装着されたスコープのゼロインが0mに設定されていたからだ。そしてシノンが認識しているにもかかわらず、ラインが発生しない。つまりシノンと同じ技術を取得しているわけだ。つまるところ変態である。

 

「やっば!!」

 

 あんな変なのの上に変な銃を持ち変態が変態で変態と化したサトライザーの相手などやってられないとばかりに体を起こす。

 木を遮蔽にして一時撤退を決め込むシノンの背後の大木に狙撃が着弾し爆発が起きた。どうやら凸侍の弾薬まで拝借している様である。大威力とはいえ大木は貫けなかったらしく、そのあとの爆発には目も向けず逃走する。

 そうして二度の爆発で抉られた大木の穴から見える、シノンの背をサトライザーの狙撃が襲い、大爆発を起こし【dead】を点灯させた。

 第四回BoBにして凸侍が望まぬ形で凸砂最強説が浮上することになるのだった。ちなみに凸侍は四位だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに凸砂最強説はロマンが過ぎたため三日で廃れることとなった。




なんかサトライザーさん描写見ると強すぎてギャグ

「徒手空拳でだとぉ!?」(強制ログアウト)

「ら、ライデーン!!」

「徒手空拳と凸侍だとぉ!?」(強制ログアウト)

「ら、ライデーン!!」

「徒手空拳野郎が凸砂だとぉ!!?」(強制ログアウトして帰ってこない)

「ら、ライデーーーーーーーン!!」




たくさんのご感想、評価ありがとうございます。


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