誤字報告ありがとうございます修正しました!
「おっすゼクシード!! なんだその装備新装備か!? まーたリアルマネーで何とかしたのかこの金持ちが!!」
白を基調にした目立つ格好をしたゼクシードに、廃墟の壁を利用しながら接近する影があった。その動きはAGI型が行う挙動に近く、それらが装備可能な短機関銃程度は無力化する防具を装備してきたゼクシードは、自己の脇の壁をやすやすと貫通した大穴を見て少しだけ冷や汗を流した。
(煩いぞ凸侍! お前こそなんだその銃は!)
ゼクシードは思わず叫びそうになった。
それはあまりにも大きく、それでいて精緻だった。だが使ってる奴が全く持って精緻じゃなかった。凸侍と呼ばれた金髪の男はすごくいい笑顔を浮かべながらドでかい銃を腰だめにして、足だけ別の生物のようにシャカシャカと動かしながらゼクシードが待ち構える廃墟へ接近する。
ゼクシードとてトッププレイヤー、その動きに合わせ銃撃を敢行し、数発が命中した。凸侍はその変な構成の代償に体力が低い。あの数発の命中でもかなり痛手となるはずだ、とゼクシードはほくそ笑んだ。
しかしそれと同時に赤いバレットラインがゼクシードをカバーする壁に向けて発生した。視線の先には、めっちゃいい笑顔の凸侍。それを認識した瞬間、その瞬間が彼の最後の景色だった。至近距離故にほぼタイムラグ無しでバレットラインをなぞる凸侍の放った銃撃が、ゼクシードがカバーに使った壁をいともたやすく貫通し、その胸部に叩きこまれたのだ。本来1000m級の距離から放たれるべき物が僅か50mもない距離から放り込まれた破壊力は絶大で、ゼクシードの上半身と下半身が泣き別れし、一撃でHPを全損させたのだ。
「よっしゃ! あとは森林の方の闇風か?」
死亡アイコンを確認した凸侍は、肩に銃を担いで、懐の端末をとりだし、自身と闇風の一騎打ちになったことを確認した。
一方、その中継を見ていたどこかの酒場にて。
ゼクシード、一撃でHPを全損、その衝撃に中継映像を見ていた観戦者達は騒然となった。優勝候補であったゼクシードの新装備に対する話題もさることながら、それを倒した男、凸侍が構える銃を見て、騒然とならざるを得なかった。
大きい、140㎝近くの全長に武骨な銃身、その先端には大型のマズルブレーキが装着されている。上部レールには高倍率のスコープが装着されたソレ、この第二回BoBにおいて初確認されたアンチマテリアルライフルと呼ばれる最高クラスのレアアイテムである。
「おいおい、マジかよあの野郎……」
「お、どうした? 何時もは知っているのかライデーンって感じで解説してくるお前が」
映像を見ながら嘆息する男に、酒場内の注目が集まる。
「アレを見てみろ」
男の指差す映像の先には、凸侍の持つあのアンチマテリアルライフルがあった。そこにはスコープが本来あるべき場所より脇45度の角度で備えられ、スコープが収まる場所にはアイアンサイトが、そして左手は銃床先端に備えられた”フォアグリップ”を握りしめている。弾倉も12.7mmであろうと10発程度入るほど長く、伏せ撃ちをするには邪魔になるような代物だ。狙撃銃大好きな奴には冒涜的な装備の仕方だった。
「あの野郎……あの野郎……!! 愛しのアンチマテリアルライフルちゃんで凸砂してやがる!!」
「いや、元からあいつそういうプレイスタイルだったろ」
「前はスプリングフィールド使ってなかったか」
「うるさいやい! 対物ライフルは遠距離狙撃がかっこいいんだい! だいたいAW50じゃねえか!! AWのAの意味知ってるのか! アキュラシーだぞ!! 正確って意味なんだぞそれを凸砂だとおおおおお!?」
「うわああああライデーンが乱心したぞ!!」
ライデーンがあまりの事態に乱心してMk23拳銃を抜いて暴れまわり酒場は騒然となるのだった。
なお、凸侍は無謀にも闇風とAGI合戦に突入し、ただでさえ少ないHPをボコボコにされ第二回BoBの優勝者は闇風となったのだった。
凸侍(トツサムライ)
AGI-STR偏重型、DEXもそこそこしかないため遠距離狙撃が哀しみを背負っているが、凸砂するための構成なので残当。
初期からやっている
狙撃銃なのに凸砂のため速射スキルやらを習得してる。
以前はスプリングフィールドで凸砂していたが対物銃をゲットして凶悪化した。