僕が見ていたのは闇だった。
辺り一面闇。
どこを見渡しても真っ暗だ。
そんな僕を現実へと引き戻したのは、奇しくも光だった。
太陽といのは憎たらしい。まるで悪魔のようだ。俺を気持ちいい夢から引き剥がすこと何万何千回目だろうか。
今日もまた、太陽に被害を受けた僕は、起きて数分で外へと向かった。
この行動も何千回繰り返したかわからない。
僕は街を抜けスラムに向かう。なんとも薄汚い場所だろうかと何度も思う。そこにいる人の心すら汚してしまいそうだ。実際、僕を見て笑いかけて来たりするものはここにはいなかった。
僕は細い道を歩き、進んで行く。
もうすぐで、目的の場所だ。あと数分もしないだろう。
今日は、どんな顔をして待っているのか考えるだけでワクワクする。
その後も細い道を歩き、ようやく一つの穴につく。なんとも汚れた穴だった。
中に入るといつものように彼女は、三角座りをしていた。
今日の顔はムッとした、まるで不機嫌ですと言っているような顔だった。
「やあ」
僕は、静かに話しかけるが返事はない。
「ここに置くよ」
銅貨が三十枚入った袋を机に置く。
「なんでいつも、そんなことをするの」
彼女は、ようやく口を開いた。不機嫌だと確信できるその言葉は、僕を愉快にさせた。
「僕は君の天使だからね」
笑顔で答える。
「あなたは天使じゃない悪魔よ。毎日銅貨を置いていくから、私の父さんは働かない奴になってしまった。いいえ、あなたにされたの」
「銅貨をあげてるのに悪魔は酷いよ」
彼女はその言葉に対し、何も返してはこなかった。
悪魔か。僕は太陽と同じ悪魔になれただろうか。
自分では天使だと思っている悪魔なんて、タチの悪い悪魔だ。薄汚れた悪魔だ。
☆
「私、あなたに今日も会えて嬉しいですわ」
「ええ、わたしも愛してます」
聖カーナス女学園の名物百合カップルが今日も、イチャイチャしながら廊下を歩いていた。
女学園ということもあって、百合カップルというのは少なくないこの学校。
でも私には、正直百合の良さがわからなかった。
何度か告白された事はあるが、全て断った。私は異性しか恋愛対象と見れなかった。
そんな私だが、気になる娘はいた。一個下の娘で人懐っこくて可愛い娘だ。
「お姉様、おはようございます」
噂をすればというやつだろうか。その娘は、階段を降りてやってきた。
「ええ、おはよう」
「ところでお姉様。ニヤニヤと何を考えていたのですか?」
「いえ。何でもないのよ」
「そうですか」
まさか言えないだろう、貴方のことを考えてたのよなんて。
「きゃっ!」
その娘が、階段から落ちて転びそうになり、咄嗟に私は手を出す。
私の腕の中で涙目になる。
「お姉様、ありがとうございます」
なんて可愛いのだろうか。つい、叫び声が漏れてしまった。
「百合ってとてつもない!!」
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