ポケットモンスターオンライン   作:EIMZ

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 今から近い未来にとある一つのゲームが発売された。

 

その当時は今でいうVRMMOが世界的に流行していて多くのゲーマーが多くの電脳世界を冒険していた。

 そんな時代なのだから、もう一つの世界は複数存在している。もちろん有名で常に定員が上限に達しサーバーがダウンしてしまうようなものもあれば、プレイ人数は少ないが中々な面白味のあるマイナーなゲームまで、多種多様な世界が存在していた。

 

機械の構造としては簡単が、今の世界のヘルメットに近いような専用器具によって直接脳に電波を送り半分睡眠状態で夢の中でゲームを見せ、プレイヤーが脳内で体験しているゲームは人間がコンピューターで管理しているというような形になっている。簡単な話今のオンラインゲームが夢の中で行えるということだ。

 

 もちろんその機械の発表長所は数々の疑問点も上げられ、会社には安全性への問いが雪崩のように襲い掛かった。フィクションの世界とは言え、こういったゲームの中に閉じ込められて半ば強制的にデスゲームが強いられるという世界規模で有名な作品があったため、質問が殺到するのは当然のことかもしれないが。

 

だが何の問題もなく、そのゲームは人々に親しまれていった。

 

そんなある日だ。そういった関連のゲームを特集している雑誌にとある記事が掲載された。

 

『あの大人気ゲームが遂にDVMMOに登場!』と言うようなもので、その発表は世界を震撼させた。

 

 そのゲームの名前は『ポケットモンスターオンライン』 アニメ、ゲーム、漫画、数々の分野で言わずと知れた有名ゲームが実体験できるようになるのだ。

 

誰もがこういったことを思ったことがあるのではないだろうか。あの世界で仲間たちと一緒に冒険をしてみたい。ジムに挑戦して最終的にはリーグに出たい。コンテストに出てポケモンと一緒に輝きたい。ピカチュウを肩に乗せてみたい。モンスターボールを思いっきり投げて次々仲間を増やしていきたい。

 

そういった叶わないはずの願いが叶うのだ。当然のごとく誰もが憧れるだろう。それこそ最初のゲームが発売された世代から、今現在の子供たちまで、親子そろって興奮しているなんて家族もいるらしい。プロのゲーマーたちもこのゲームには注目しているようで既にプロチームの編成をしているとか。とにかく、世界が動いたのだ。東西南北、前後左右、子供から老人まで話の話題はそのことばっかり。

 

 全世界がそれほどまでに動かされたのだ。販売当日ともなればそれは混雑していた。誰もがそのゲームを手に入れては早速もう一つの世界へとのめりこんでいったのだ。もちろんこのゲームもログアウトは可能なので何の心配もない。自分のキャラを作り、ランダムで全国の御三家から最初の一匹を手に入れて旅に出る。舞台は今までのゲームの世界全てに当たらにいくつか地方が追加されているらしく冒険の要素は満載。森林の中にも天にも草原にも荒野にも町にもポケモンであふれかえっている。そんな世界に何万何億もの人が一気に入ることも見越してかサーバーもしっかりと管理されているらしい。それほどまでに有名で人気で期待されているということだろう。

 

またそんな人気からゲームに投資する会社も多くゲーム内にもその会社の支部が出されているという。たとえば飲食店でもゲーム内ではなにかを食べても現実世界では実際には満腹になったわけではないがそういった感覚だけは味わえるということでダイエットにもいいとか噂されていたり、もちろんお金はゲーム内のユーザーのお金を使用するそうだ。なかにはゲーム内で新たに会社のオフィスを開くというところもあるらしい。ポケモンと一緒だと仕事効率が上昇するとか。

 つまりゲーム内で現実に近い生活が送れるということだ。 

 

 そしてゲーム内で普通にポケモンと戯れるだけではなく仲間と旅する人もいれば、ソロプレイで旅をする人もいる。相棒は残念ながら御三家内からなのでピカチュウは自分でゲットするしかないということで、販売当初はトキワの森に人が集中したらしく。ピカチュウが大量ゲットされたという伝説も早々に残した。

 

 

 これはそんなゲーム内での物語。

 

 

 

 

 少年は自分の部屋の中でベッドに横たわっている。ただ横たわっているわけではない。少年の頭にはゲーム機が付けられている。買ってもらったばかりなのか、まだ新品同様の真新しさが残っている。

 暗い電気の消された部屋。学校から帰ってきてやることだけ終わらせてそのまま即座にこの状態に入ったというようにベッドの横の机の上には乱雑に置かれた筆記用具と問題が全て解かれた数学のノートが開かれたままになっている。

 物音しないその部屋の中で少年はただ静かに横たわっているのだ。はたから見たら奇妙な光景かもしれないが今はこのような光景はどこでも見られる光景なのだ。その当たり前の中に少年も含まれている。今日も彼がゲームに熱中するのであろう。

 

 少年はそのまま寝落ちするかの如く、もう一つの世界へと入っていった。

 

 最初に視界に入ってきたのはどこか薄暗い電脳的な奇妙な空間だった。壁があるのかないのかわからないような場所で、自分は半透明な宙に浮いている床の上に立っている。少年は動揺することなく、ただ次の動きがあるのを今か今かと待ち構えていた。

 するとその部屋に反響するかのような淡々とした説明口調の電子的な女性の声が聞こえてきた。

 

『ようこそ ポケットモンスターオンラインの世界へ。まずはこの世界でのあなたとなるキャラを制作してください』

 

その声が止むと同時に少年の前にはタッチパネル型の機械がどこからともなく現れる。そこに設定されているのは基本的な容姿と声の設定だった。少年は慣れた手つきでサッサッと止まることなく指を動かす。

 

結果的に完成したのは現実世界での自分に比較的近い少年で背丈も自分と同じくらい、正確には自分より少し大きいくらいに設定し、基本的に現実世界での自分に寄せた。もっとカッコイイまさに勇者みたいな格好のキャラを選択するという手もあったのだが、これはあくまでポケモンの世界ということで、素の自分を選んだのだ。

 最後にプレイヤーネームという欄が出てきたので『ユウ』と入力した。

 

 『完成』というボタンを押すと、再びどこからか声がする。

『それでは今から表示される画面にあなたの手のひらを当ててください。彼方の最初のパートナーとなるポケモンを選びます』

 

それを合図にか先ほどまで自分のキャラが表示されていた画面は新しく青白い光を放つ画面へと変化した。ここに手を当てろということなのだろう。

 ユウは自分の右手の手のひらをそっと画面に触れた。その画面からは何か熱を感じるでもなく、何か触られているような感触があるわけでもなく、ただ何か空中に手を伸ばしているような感覚だった。

 

 十数秒ほどすると、画面上に『OK』という文字が表示された。

 

『これで全ての工程を終了しました。それではポケットモンスターオンラインの世界をお楽しみください』

 

それを最後にこの部屋中に真っ白な光が充満したまらず目をつむってしまった。

 

 そして次に目を開けた瞬間には、全く別の場所へ立っていた。そこは全体的に健康的な配色が施された公共施設のような場所だった。いくつかのソファや鏡が置かれている。簡単に推察するにここまどこかの町のポケモンセンターなのだろう。

 

ユウは近くの鏡へと近寄るとこの世界での自分の容姿を確認する。後から変更可能とはいえ何か不具合が置生きていたりした場合に顔が原形をとどめていないというようなことも在る。

 しかし度もそういった心配は無用だったようで設定はそのまま反映されており、声もシステムに登録したものそのままだった。

 

 さて、ここからどうするかは完全にプレイヤー次第ということだ。何をするのも自分次第。限度を超えない限りは大概のことは許されてしまう。何と画期的なことなのだろうか。もちろん何か問題が起こればNPCの警官やゲーム管理者がすぐさま飛んでくる。

 しかしそういった犯罪行為にはあまり興味がない。とりあえずログインしたものの、特にやることがわからない。というか目的がない。クラスに友人でもいたら何か一緒に旅をすることもできるのかもしれないが、あいにく友人はいない。俗にいうボッチだ。

 

 だが何もしないでログアウトというのも虚しいものがある。ユウはとりあえずその部屋から外に出てみることにした。その外の部屋には多くのプレイヤーとその相棒であろうポケモンがいた。当たり前のように目の前に存在している彼らに今更ながら驚愕すら覚える。

 

 茫然とその景色に目を奪われていると、NPCであろう白衣を着た男性が話しかけてきた。

 

「やあ、君は新米トレーナーだね。これを君にあげよう。きっと役に立つよ」

 

有無を言わさない、その口調はさすがNPCというところか。ユウはここで拒んでも無限むーぷと呼ばれるあの連鎖に突入するだろうと考え、何も言わずに渡されたカバンを受け取った。形としては現実世界で一般的に販売されているショルダーバックの様だ。

 

「その中には最新型のポケモン図鑑と僕が発明した充電不要のスマホといくつかのモンスターボールが入っている。地図とか便利な機能は大体スマホに入っているから活用すると言い。じゃあ僕はこれで」

 

いうことが全ていったのかNPCの白衣の男はどこかへと言ってしまった。これが簡単なチュートリアルというところだろう。VRMMO自体の動き方は基本的に現実世界のようになっているため歩くことも走ることもジャンプもできる。さらに道具などは仮想の倉庫の中に収納されている。要はここだけゲームに用に可視することのできない超収納の軽量化版を常に持ち歩いているということだ。

 それだけが入っているならば通りで小さいわけだ。そのカバンの中には小さくなったモンスターボールが10個ほどに、手のひらよりも少し大きいくらいの大きさのスマホ、さらには手帳型のポケモン図鑑が入っていた。

 

 ふと自分の腰に手を当てると、そこには一つのモンスターボールがあった。それは真っ赤の上部に真っ白な下部と今までゲーム内で見てきたモンスターボールそのものだった。ただ他の収納中のボールとは違って手のひらに埋まるくらいのサイズがある。きっとこの中に自分のパートナーポケモンが入ってるのだろう。

 

 とりあえずはこのスマホで色々と設定しておこうかな、そう考えたユウは再びボールを元の場所に戻すと近くにある空いているベンチに座った。

 

スマホを弄りながら分かったことがある。ここはジョウト地方のアサギシティだということだ。アサギということは確か鋼タイプのジムがあったな。そういえば先程かなここに出入りするプレイヤーには炎タイプや格闘タイプのポケモンが多いわけだ。

 

 再び適当にスマホを弄りならば今後の方針を決めようとしていると、正面から話しかけられた。

 

「あの、もしかして新規プレイヤーの方ですか?」

 

ふとスマホから顔を上げると、そこには新人であろう一人の女性プレイヤーが立っていた。それもかなり美人なキャラだ。大人しそうな顔立ちに青色の瞳ブロンドの長い髪と真っ白な肌に鈴の音のような声。先に言っておくが、この世界ではもちろんネカマも当たり前のように存在している。つまり目の前にいるプレイヤーは性別が弁実とは逆転している可能性もあるのだ。だからこそこういったタイプは現実ではどのような人物かは全く想像がつかない。

 

「そうですが、何か?」

 

そう返答すると相手はよかったと肩を撫でおろした。

 

「その…………よかったら私とバトルしませんか?」

 

 

 

 

 

「お互い初心者ですし持っているポケモンは最初の一体だけ。幸いそこはポケモンセンター。どちらかのポケモンが戦闘不能となった時点で終了、ルールはこれでいいですか?」

 

ポケモンセンターの裏にあったグランドのような場所のバトルフィールド。ユウは反対側に立っていルナというプレイヤーネームの相手に問いかけた。

 

「はい!よろしくおねがいします!」

 

答えは思ったよりも威勢のいい声で返された。よっぽどバトルが楽しみなのだろう。

 

「それじゃあ、お願い、チコリータ!」

 

彼女がそう言って投げたモンスターボールは開くと同時にまばゆい光を放ち、その光は形を帯びると、頭にはっぱをはやしたポケモンへと変化した。ジョウト地方の御三家の一体であるチコリータだ。

 

 ユウは同じように自分のモンスターボールを開く準備をする。さきほどスマホを触っている時に自分の手持ちのポケモンを確認できた既に自分の最初の相棒が誰なのかというのは把握している。把握しているからこそ、油断ならない。

 

「いけ、ワニノコ!」

 

ユウが投げたボールがまたも同じように開いて光を放つと、今度なその光は小さな牙を持った青いワニのような姿になった。チコリータと同じくジョウト地方の御三家であるワニノコだ。

基本中の基本として水タイプは草タイプに弱い。つまりワニノコはタイプ相性で見るとチコリータには弱いということだ。

 さて、どうするか。

 

「先手頂きます。チコリータ体当たり!」

 

ルナの命令通り、チコリータは真っすぐにワニノコに向かって突進してくる。加速に加速が重なりかなりのスピードが出ている。当たればひとたまりもないだろう。

 

「よけろ!」

 

ワニノコは紙一重でチコリータの攻撃をかわした。もう少し遅ければクリーンヒットしていたところだろう。

 ユウはルナが次の合図を送るよりもはなくワニノコに指示を出す。

 

「ひっかく!」

 

一瞬、ワニノコの爪が光ったようにも見えたその攻撃は、さきほどの体当たりの際のスピードで曲がれずよけれなかったチコリータに直撃した。

 そして再び二体は間を取るように間合いを開ける。二体の間には火花が散っているように燃える。炎タイプいないのに。

 

「チコリータ、葉っぱカッター!」

 

ルナの指示通り、チコリータはその技を繰り出す。自分の頭についている葉っぱをぶんぶんと振り回すと、いくつもの葉っぱが鋭い刃のようになってワニノコに向かって飛んできた。ゲーム内で見て頂けの技をこうもまじかで見るとかなりの迫力がある。葉っぱカッターでこれだけの迫力があるのだ、破壊光線はどれほどのものなのかと危うい興味が湧いてしまう。

 

ワニノコは自分でも葉っぱカッターの威力には危険を覚えたのか器用にも軽やかによけて見せる。

そしてよけると同時にワニノコもどんどんとチコリータへと近づいていく。

 もう少しの地点で物理技も届くだろうというところに来ると同時にユウは指示を出した。

 

「決めろ、かみつくだ!」

 

指示通り、ワニノコは大きく口を開けたかと思うと、一気に勢いよくチコリータにかみついた。そして一度かみついたらなかなか放さないのであろう、かみつかれたチコリータはぶんぶんと振り回してどうにか振りほどこうとするが、全く動じることもなくワニノコはただ噛み続けた。見ているだけでもいたそうだ。

 チコリータのトレーナーであるルナも必死になってチコリータを応援している。

 

 そしていくらほどの時間が過ぎたのだろうか。大きく動いていたチコリータも段々と勢いと喪失していき、最後にはその場に倒れこんでしまった。戦闘不能ということなのだろう。

 

焦って倒れこんだチコリータのもとに駆け寄ったルナは支えるようにしてチコリータを起き上がらせてすぐさま自分のボールに戻した。

 同じようにユウも自分のモンスターボールにワニノコを戻す。自分の手持ちに向けられたボールの中心部からは赤い光が放射されワニノコを包んだかと思うとそのままボールの中へとモンスターごとボールの中へ入っていった。

 

「早くポケモンセンターに預けた方がいい。敗北の余韻に浸るのは後でもできる。まずは回復が最優先ではないかい?」

「そうですね。ジョーイさんのところへ行きましょう」

 

 

 

 

 

預けられたポケモンは無償で回復してくれるというのだからここは便利な世界だ。

 

預けられたポケモンたちの回復を待っている間、二人は待合室のベンチに座り他愛ない会話をしていた。バトルの感想戦だったり、自分の好きなモンスターだったり、現実世界で友人とするような本当に他愛ない話だった。

 

「それで、ユウさんはこれからどうするんですか?」

「特に何も決めてない。このゲーム自体元々は会話のネタになるかなと思って購入したものだから、特に大きな目的もなければ夢もない。そういう君はどうなんだい?」

「やっぱりリーグ優勝ですよ。毎年一回行われているリーグで優勝することです。その為にたくさん冒険して、いっぱい仲間を増やして、バッチをたくさん集めたいです」

 

いいな、目標があるというのは。自分の夢を語っている時の彼女の目は生き生きとしている。自分には何かを持っているようでその表情に恨めしくも羨ましくも感じ取れる何とも言えぬ感情を覚えた。

 

「そうだ。ユウさん、特に目的がないならよかった一緒にプレイしませんか。ユウさん強いしいっしょにいてくれるといざって時に頼れそうですし」

 

そういった彼女は優しく微笑んだ。やはり彼女からは何かが学べそうな気がする。正直、こういった系統のゲームの中でパーティーを組むのは初めてだし、現実でもどういった人物なのかわからない人物と組むのは不安要素しかない。しあもアバターはこんな美少女と来た何かの釣りかとも考えてしまう。

しかし、それでも誘ってもらえたということが自分には嬉しい限りのことだった。

 

「一緒に………………か。うん、それもいいかもな」

 

ユウは頷くと、パッと自分の手元に半透明なタッチパネルを出現させて彼女にパーティー申請のメールを送った。

 




 
 学校で友人と話したようなことをなんやかんや物語にしたり、自分が思いついたものを何となく書いていきます。最新版の全国図鑑を片手にポケモン歴6年の高校生が描く、もしかしたら存在するかもしれない未来の世界です。
 学生であるため更新は不定期であります。ご了承ください。
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