誰かに操作されてんじゃないかと思う程見てもらってるので、どうせならもっと見て下さい。はい。
嘘です。もっと見てほしいですが、暇な時だけでいいので。
感想&評価、お待ちしております( ´△`)
「よし、準備出来たか?」
朧の問いかけに、Poppin'Partyの5人は軽く頷く。
「先生、今日は宜しくお願いします!」
Poppin'Partyのリーダーである戸山 香澄が挨拶を述べると、残りの4人もこだまして挨拶をする。
「こちらこそ宜しくな。じゃあまず、1曲弾いてみてくれ。自分達が一番得意なものでもいいし、逆に苦手なものでも構わないぞ。」
「じゃあ……」
五人は顔を合わせると、小さく頷いた。
そして、朧へ自分たちが奏でる曲を伝える。
「夢見るSunflowerでお願いします!」
やっぱりな、と朧は微笑みを浮かべる。
「OK、それで行こう!お前達の好きなタイミングで弾いていいからな。」
コクリと香澄が頷くと、ドラムの山吹 沙綾に目配せする。
「…1.2!1.2.3.4!」
沙綾の掛け声と共に曲が始まる。
…出だしは悪くない。戸山は今年から始めてスコアも読めなかったと聞いていたが、誰よりも楽しそうだ。
演奏はまだ少し雑だけど、直せる範囲だな。
楽しむという感情は、音楽の中で最上位に食い込む程大切な事だ。
何事も、最初楽しかったから今がある。
楽しくなければ続いてない。そういうことだ。
花園は流石だな。小学校からギターをしているだけあって、音が全然ブレてない。
若干ミスしてるが、許容範囲だ。
山吹も、ちゃんとみんなをリードしている。
周りの音をキチンと聞いているから、自分も音に乗りつつ4人をサポート出来ている。
これはドラムとして大事な事だ。
牛込はちょっと控えめだが安定しているな。音をもう少し目立たせれば、自分の心もみんなの心も弾ませる事が出来る。
…さて、問題は……。
キーボードを弾く市ヶ谷 有咲を見て、小さく溜息を吐く。
…こちらを気にし過ぎている。俺の事が気に食わないのは分かったが、それで演奏がブレてしまっては元も子もない。
ほかの四人もチラチラと有咲を一瞬だが何度か見ている。
みんなも市ヶ谷の音がいつもと違う事に気付いている様だ。
みんなが必死に自分の音やリズムでカバーしようとしているけれど、これでは演奏が台無しになってしまう。どうしたものか…。
…ごめんな市ヶ谷。少しキツいかも知れないが、我慢してくれ…。
そして、演奏が終わる。
五人は額に汗を滲ませ、呼吸も少し早くなっていた。
そりゃそうだ。一人出来てなければみんなに影響が及ぶ。
つまり、一人の負担は全員の負担。言わなくても分かっているだろうが、今回は少々酷いな。
「…なんだ、この演奏は。」
五人の顔が一気に血の気を引く。
当たり前だ。出来ていなかった事は事実だし、怒られるであろうと予測もしていた。
だが、いつもの雰囲気と全然違う朧を見て、思わず唾を飲んでしまう。
「…市ヶ谷、俺がそんなに気に食わないか?」
「…っ……。」
「せ、先生…有咲は緊張してるだけなんですよ!だから…」
「静かにしろ、戸山。今、俺と市ヶ谷で話をしてるんだ。」
ビクッと小さく肩を震わせると、ごめんなさい…と小さく朧に謝罪を述べる。
…ごめんな、本当にごめん。けど、これは今必要な事だから。
朧はとてつもなく心を痛めていた。本当はワイワイと楽しく教えたい。
けれど、今この状況でそれをしてもPoppin'Partyは成長しない。
一人でも欠けてはいけないのだ。置いていっては駄目なんだ。
「………。」
「答えられないか、市ヶ谷。分かった…じゃあ、キーボードを俺と変わってくれ。」
唐突過ぎる提案に、視線が下へと落ちていた五人の顔が一気に上がり、朧の方へと向けられる。
「な…い、いきなり何を言ってるんですか…!」
「気に食わないなら、認めさせてやる。俺が、お前を……お前達を指導するのに相応しい人間かどうかをな。」
市ヶ谷は黙り込むと、キーボードの前から退き、前の椅子へと腰掛ける。
「…じゃあ、もう一回やろうか。四人とも、準備はいいか?」
余りに突然の事でで心の覚悟が決まってない四人だったが、朧にそう言われては覚悟もクソ無い。
余裕のないまま四人は頷くと、急いで準備に入る。
そして、山吹が再び合図を送り、演奏が始まった。
その瞬間────
世界は、朧に呑まれた。
っ〜…────!!
市ヶ谷は目を大きく見開き、演奏が十数秒過ぎた辺りで察した。
この人は化物だ。今までしてきた自分の演奏を全て否定された。
それも、たったの十数秒弱で。
これまでとない焦燥感に駆られる市ヶ谷。
まさかこれ程とは思ってもみなかった。こんな人に喧嘩を売った十分前の自分を殴りたい気持ちだった。
そして同時にこう思った。
私はPoppin'Partyに必要なのか──…と。
なに…これ。いつもの演奏じゃない…!音が全部キーボードに引っ張られていく…!
朧を除外した四人の気持ちは、言わずとも一致していた。
多分今までで一番いい演奏をしている。音が一つに纏まって、全ての音を聞き取ることが出来る。
失敗する気がしない。
…けれど、何かが違う。これは……。
演奏が終えた四人の表情には、先程と違って余裕があった。
息切れもしてないし、汗は多少滲んでいるもののそこまでかいてはいない。
「…市ヶ谷。これが俺の演奏だ。」
有咲は何も言い返せない。
こうも真っ向から押し潰されては、反抗の言葉など出てこなかった。
「お前達はどうだった。」
何も答えない有咲を他所に、四人に意見を訊ねる朧。
「…今までで一番いい演奏が出来ました。」
「私も…。」
香澄とりみが答える。
他の二人は目を伏せているが、きっと同じ気持ちだ。
「…私、何やってきたんだろ。勝手にイライラして、勝手に喧嘩売って、勝手にミスって…そんでもって……完膚なきまでに負けちゃって…。…私なんかPoppin'Partyに…──」
「でも私は、有咲のキーボードの方がいいです。」
香澄は、朧の目を見てハッキリと上記を述べた。
これには周りの四人も驚きを隠すことは出来なかった。
特に有咲は、何言ってんだと言わんばかりに香澄を凝視していた。
「確かに今までで一番やりやすかったし、気持ちよく演奏出来ました…。けど、これはPoppin'Partyの音じゃないです。先生を否定してる訳じゃ無いですけど……それでも、有咲が居ないとキラキラできないんです!」
香澄の言葉に、有咲は涙を浮かべた。
一瞬でも自分は必要ないと思ってしまったことに、情けなさを感じた。
「香澄…。」
「ね、有咲。有咲が居ないとキラキラ出来ないから、一緒にやろ?それとも、まだ先生の事認められない…?」
有咲は苦笑を浮かべ、一言こう述べた。
「…んなわけないだろ、バーカ。」
…よがっだぁぁぁぁぁぁぁ!!!
認めて貰えたぁぁぁぁぁ!!!
朧は心から安心した。めでたしめでたし。
Poppin'Party編はあと一話程度続くかもです。
次はRoselia編でも書こうかなぁと思ってるんですが、多分1番長くなるので、次はPastel❁Palettes辺り行こうかと思います。
新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?
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