はい。
今回はPastel❁Palettesにちょこっと触れた物語になっております。
主は、パスパレの事は殆ど分かっておりませんが故、次話までにパスパレの事を色々調べておきます。
感想&評価、お待ちしております( ´△`)
Poppin'Partyの一件があってから、2週間が経った。
美竹は相変わらずボイストレーニングに通っていて、時々学校の話やプライベートな話を少ししてくれるのだが、
「朧先生。今週の土曜日、AfterglowのライブがCiRCLEって所であるんですけど、見に来てくれませんか?」
と、お願いされた。
特に断ることも無かったので、美竹とCiRCLEの前で待ち合わせする事になったのだが……
「ら〜ん〜、いつから付き合ってたの〜?」
「蘭の事、大切にしてあげて下さい!」
「告白はどっち!?どっちからなの!?」
「はわわ…!蘭ちゃんが男の人と…!」
とまぁ、すんごいめんどくさい事になっている訳で…。
「いや…別に俺と蘭はそういう関係じゃなくてだな…?」
「いいんですよ〜隠さなくても〜。」
「モカ!ちょっと黙ってて!!」
さっきから蘭をからかいまくっているショートヘアーの銀髪灰眼の青葉 モカと呼ばれる少女は、独特な話し方で蘭を永遠と弄っている…。
それに便乗して、宇田川 巴と言う女の子もニヤニヤとしながら蘭をからかっている。
成程、普段はこの二人が面倒なんだな…。
それに比べて、羽沢 つぐみ、上原 ひまりと呼ばれる二人は純粋に信じ込んでいる見たいで、こちらはこちらで面倒なことになっている。
つまり総じて言えば、凄く面倒臭い時間となっているのだ。
「あー、もう!みんなうるさい!今日はライブなんだから、もっと緊張感持ちなよ!」
美竹が怒り口調で言っても、みんなはニコニコとしながら反省の色は見えない。
…美竹、頑張れ…と心の中で応援しつつ、朧は口を開く。
「改めて自己紹介するが、俺は篠崎 朧だ。今は非常勤講師と、ボイストレーナーをしている。今日は美竹に頼まれてライブを見に来た。宜しくな。」
「こちらこそ宜しくです〜。あ、蘭から朧先生の話をよく聞くんですよ〜。例えば〜…」
「ちょ、モカ!いい加減にしないとその口縫うよ!!」
ガバッとモカの口を手で覆い隠す美竹。
隠されても、モゴモゴと何かを言っている青葉…何を言ってるのかめちゃくちゃ気になるけど、今はそっとしておこう。
「みんな、ライブまであと1時間ぐらいだから、少しだけ音を合わせとこ!」
その空気を断ち切るかの様に、Afterglowのリーダーである上原が先陣を切ってCiRCLEへと入っていく。
助かった…いつまで続くんだと思ってたからな…。
…2週間ぶりのCiRCLE。あの時いたバンドは出てないのだろうか…と近くに置いてあったパンフレットを手に取る。
「…結構出てるんだな〜。お、ここにAfterglowが入ってるのか。いい位置だな。…ん?このバンドは…。」
1つのお洒落な名前に目を引かれる。
「Pastel❁Palettes。みんなはパスパレって略してますよ。」
背後から覗き込む様な形で、宇田川が教えてくれる。
「変わった名前だな。どんなバンドなんだ?」
「そうですね…私よりみんな可愛くて、華やかなバンドですよ。」
「自分を下卑した言い方は良くないぞ?魅力はそれぞれ違うんだから。」
「す、すみません…つい。私ってほら、男っぽいとかよく言われるんで…」
「…ま、確かに言われそうだな。美形だし、身長高いし。」
「ですよね〜…!」
苦笑を浮かべる宇田川を、朧はじーっと見つめる。
「な、なんですか…?」
何も言わずに、畳んでいた膝を伸ばして立ち上がる。
巴は少し驚いた。
巴が身長高いとはいえ、朧は180cmを超えている。
「俺から見れば、宇田川も可愛いもんだよ。」
にっと微笑みを浮かべると、そのままCiRCLEへと入っていった。
「か……可愛い…」
可愛いなどと殆ど言われない巴にとって、それは顔をリンゴのように真っ赤にするには充分であった。
「…もうすぐ始まるね。」
少し緊張した声色で、ひまりは自分達の番が来るのを待っていた。
「そ〜だね〜。」
「もう…モカは相変わらず緊張感ないなぁ…。」
「これでも緊張してるんだよ〜?」
「そう見えないんだけど…」
「ま、モカがいつもこんな感じなのは今に始まった事じゃないし、こういう時にモカの性格は頼り甲斐があるよ。」
鏡で衣装を確認しながら、巴はモカを見て微笑む。
他のみんなも小さく笑いを浮かべながら、自分達の衣装の最終チェックと、楽器の調整を行っていた。
が、一人姿が見えない。
蘭だ。
みんな蘭が居ない事には気づいていた。
しかし、さっきみたく彼氏ネタを思い浮かべるメンバーなど居なかった。
蘭が変化したのは、間違いなく朧のボイストレーニングを受けてからだった。
リハーサルで聞いた歌声は、前より一層磨きがかかり、会場全体に綺麗に響き渡っていた。
それだけではない。ちゃんとみんなの音を聞きながら、感情を上手く乗せて歌っている。
みんながそう思っていた。
今蘭が居ないのは、きっと先生の元で最終調整を行っているからと、全員が理解していた。
今回のライブでは、一回り成長したAfterglowを見せることが出来ると、誰もが思っている。
後は、蘭を待つだけだ。
「そこが少しズレたが、後は言う事なしだ。」
「はい!じゃああと1回…」
「ダメだ。もうライブ15分前なんだから、クールダウンしろ。」
「で、でも…」
「そう不安になるな。逆に考えろ。今のとこしかミスが無かったんだ。3曲の中で、ミスが二つ三つなら上出来だ。」
「……。」
蘭は悔しそうに俯く。
確かに、今までの私ならもう少しミスが多かったかも知れない。
けれど、ボイストレーニングを受けていくにつれて、自分が成長していくのが分かっていた。
もっと…──もっと上手く……。
「…蘭、完璧を求めるな。完璧なモノほど…──……だ。」
蘭は、その言葉を聞いて目を見開いた。
まさか、朧からそんな言葉が出るとは予想だにしていなかったからだ。
「みんな、今日は来てくれてありがとう。私達は、Afterglowって言います。それでは聞いてください。一曲目、"ScarletSky"。」
…始まった。
朧は特別に、舞台袖からAfterglowを見ていた。
出だしは好調。
練習の甲斐があってか、蘭のボーカルにみんなが上手く乗っかっていった。
今回のライブは、Afterglowを少なからず有名にするだろう。
歌声の変化は、観客もきっと気づいているはず。
更にファンが増えてくれれば、俺も嬉しいし、Afterglowのメンバー全員が自信を持つことが出来る。
まさに一石三鳥だ。
特に何事も起こることは無く、Afterglowは出番を終えて舞台袖へと帰ってくる。
「お疲れさん!めちゃくちゃ良かったぜ!」
親指を立てて大きく笑顔を見せる朧に、皆も嬉しそうに笑顔を返した。
…さてと、用は済んだし、メンバーになんか奢ってやって帰るか。
そうして踵を返し舞台袖から降りようとした時、次の出番のバンドであろう五人とすれ違う。
その中に
…ん?
朧は気配を感じた。
自分と同じ【天の才を持つ者】の気配を。
「皆さん、こんにちは。今日は来てくれてありがとう!私達、Pastel❁Palettesって言います!今日は宜しくお願いします。それでは聞いてください、パスパレボリューションず☆!」
朧は数分その演奏を聞いた後、再び背を向けて舞台袖を降りる。
…ギター担当の水色の髪の毛をした女の子、あの子は天才だな。
独特のリズム、ブレないギター、それに緊張を感じない自由な演奏。
超一級品だ。だけど……
…完璧なモノほど、つまらない。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
自分は別にPastel❁Palettesが嫌いって訳じゃないですよ!?
単純に次への布石なので安心して下さい。
なんか話を重ねるごとに長文になってますけど、それはお許し下さい。
新作のバンドリ小説を書くなら、どの様なものが良いですか?
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